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【発明の名称】 魚釣り用電動リール
【発明者】 【氏名】宮前 利昭

【要約】 【課題】ワンウェイクラッチを採用した電動リールにおいて、巻き取り時に過負荷を検出した場合、メインギアと共にスプールの逆回転を許容することを前提としつつ、この構造をより小型に達成する。

【解決手段】メインギアとスプールとをワンウェイクラッチにより接続した魚釣り用電動リールにおいて、メインギア側面に設けたつめ車と、モータの正回転による道糸の巻き取り操作時には常態でメインギアの逆回転をロック可能につめ車と噛合する一方、モータを逆回転に切り替えたときはつめ車と噛合不能としてメインギアの逆回転を許容する戻り止め爪とによりラチェット装置を構成し、戻り止め爪は前記メインギアの回転軸を中心として二個一対を両者のなす角度が180度未満の位置に設けてなる。戻り止め爪のなす角度は、360/x×1/2+90(但し、xはつめ車の歯数)によって求める。また、誘導溝は一つのみ形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの動力が伝達されるメインギアと道糸を巻き取るスプールとをワンウェイクラッチにより接続してなる魚釣り用電動リールにおいて、メインギア側面に設けたつめ車と、モータの正回転による道糸の巻き取り操作時には常態でメインギアの逆回転をロック可能に前記つめ車と噛合する一方、モータを逆回転に切り替えたときは前記つめ車と噛合不能としてメインギアの逆回転を許容する戻り止め爪とによりラチェット装置を構成してなり、前記戻り止め爪は前記メインギアの回転軸を中心として二個一対を両者のなす角度が180度未満の位置に設けてなることを特徴とする魚釣り用電動リール。
【請求項2】
戻り止め爪のなす角度は、次式によって求められる請求項1記載の魚釣り用電動リール。
360/x×1/2+90
但し、xはつめ車の歯数
【請求項3】
ラチェット装置は、メインギアの正回転を許容しつつ戻り止め爪を常態でつめ車と噛合する方向に付勢すると共に、該戻り止め爪の先端に従動ピンを設け、メインギアにはこれと同軸の大小2つの円形カムを誘導溝によって連通させてなるカムを設けてなり、モータの逆回転によりメインギアが逆回転したとき前記従動ピンは前記カムの誘導溝を通って大きい円形カムを周回することにより戻り止め爪を前記付勢力に抗してつめ車と噛合不能とするように構成した請求項1または2記載の魚釣り用電動リール。
【請求項4】
誘導溝は一つのみである請求項3記載の魚釣り用電動リール。
【請求項5】
モータの負荷電流を常時検知し、この電流値が予め設定された値に到達あるいは超えたときに前記モータを逆回転させることとした請求項1から4のうち何れか一項記載の魚釣り用電動リール。
【請求項6】
メインシャフトとギア等を介して接続されるハンドルシャフトを有する手動ハンドルを備え、ハンドルシャフトの前記接続側の反対端部に第二のつめ車を設けると共に、手動スイッチにより前記つめ車と噛合および解除を切り替えられるロック爪によって第二のラチェット装置を構成したことを特徴とする請求項1から5のうち何れか一項記載の魚釣り用リール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ワンウェイクラッチ機構を採用した魚釣り用電動リールにおいて、モータによる自動巻き取り操作時に過負荷を検出した場合など、予め定められたタイミングでモータを逆回転に制御することにより、魚の引きに適した動作が可能な構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワンウェイクラッチ機構を採用した魚釣り用電動リールにおいて、前記ワンウェイクラッチによるスプールの逆回転防止機能は、電動モータによる自動巻き取り時においてメインギアの正回転トルクが引張力によるスプールの逆回転トルクよりも上回っているときに機能し、両者のトルクが逆回転すれば、巻き取り速度が強制的に著しく低下してモータの負担が大きくなる。そして、このときモータにかかる負荷電流は指数関数的に上昇し、モータの焼き付きが発生したり、モータの逆回転による逆起電力により電動リールの制御に支障を来すなどのおそれがある。
【0003】
そこで、本出願人は、巻き取り時において上述のような過負荷を検出した場合は、メインギアと共にスプールの逆回転を許容する構造の魚釣り用電動リールを開示している(特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−230338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の魚釣り用電動リールは、メインギアの正回転を許容しつつ戻り止め爪を常態でつめ車と噛合する方向に付勢すると共に、該戻り止め爪の先端に従動ピンを設け、メインギアにはこれと同軸の大小2つの円形カムを誘導溝によって連通させてなるカムを設けてなり、モータの逆回転によりメインギアが逆回転したとき前記従動ピンは前記カムの誘導溝を通って大きい円形カムを周回することにより戻り止め爪を前記付勢力に抗してつめ車と噛合不能とするように構成したラチェット装置を備える。しかしながら、戻り止めの個数や、その位置には言及がない。
【0006】
ところで、魚釣り用電動リールは、対象とする獲物の大きさ等によるが、一般的には小型のものが使い易い。この点、上記特許文献1に実施形態として開示されている魚釣り用電動リールは、ラチェット装置において、二個の戻り止め爪がメインギアの回転軸を中心として180度の位置に対向して設けられていた。これは、戻り止め爪がメインギアの直径延長上に位置することを意味する。このため、このような戻り止め爪の設置態様は、メインギア周りに幅をとり、リールがやや大型となってしまう。
【0007】
また、上記特許文献1では手動ハンドルを備えることが開示されているが、この手動ハンドルは構造上、モータの逆回転時に連動して共回りしてしまうものであり、手動ハンドルのノブが使用者等に不用意に衝突するおそれを考慮すれば、前記共回りを回避することが好ましい。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ワンウェイクラッチを採用した電動リールにおいて、その巻き取り時に上述のような過負荷を検出した場合は、メインギアと共にスプールの逆回転を許容することを前提としつつ、この構造をより小型に達成することである。また、第二の目的として、逆回転時における手動ハンドルの共回りを適宜解除することができる構造を開示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明では、モータの動力が伝達されるメインギアと道糸を巻き取るスプールとをワンウェイクラッチにより接続してなる魚釣り用電動リールにおいて、メインギア側面に設けたつめ車と、モータの正回転による道糸の巻き取り操作時には常態でメインギアの逆回転をロック可能に前記つめ車と噛合する一方、モータを逆回転に切り替えたときは前記つめ車と噛合不能としてメインギアの逆回転を許容する戻り止め爪とによりラチェット装置を構成してなり、前記戻り止め爪は前記メインギアの回転軸を中心として二個一対を両者のなす角度が180度未満の位置に設けるという手段を用いた。この手段によれば、従来技術のように二個の戻り止め爪を対向して設ける場合に比べて、両者の位置を近接して設けることができ、その設置スペースが小さくてすむ。
【0010】
また、戻り止め爪のなす角度は、次式によって求めるという手段を用いた。
360/x×1/2+90
但し、xはつめ車の歯数
この手段において、360/xはつめ車の個々の歯がなす間隔角度を求め、これに1/2を乗ずることによって歯と歯の中心位置が算出される。さらに90度は、戻り止め爪を開離するために必要最低限の角度である。即ち、この式によって二個の戻り止め爪を設置するに必要な最も小さい角度を算出するものである。
【0011】
さらに、ラチェット装置は、メインギアの正回転を許容しつつ戻り止め爪を常態でつめ車と噛合する方向に付勢すると共に、該戻り止め爪の先端に従動ピンを設け、メインギアにはこれと同軸の大小2つの円形カムを誘導溝によって連通させてなるカムを設けてなり、モータの逆回転によりメインギアが逆回転したとき前記従動ピンは前記カムの誘導溝を通って大きい円形カムを周回することにより戻り止め爪を前記付勢力に抗してつめ車と噛合不能とするように構成した。また、誘導溝は一つのみとした。
【0012】
また、モータの負荷電流を常時検知し、この電流値が予め設定された値に到達あるいは超越したときに前記モータを逆回転させることとした。
【0013】
また、第二の目的を達成する手段として、メインシャフトとギア等を介して接続されるハンドルシャフトを有する手動ハンドルを備え、ハンドルシャフトの前記接続側の反対端部に第二のつめ車を設けると共に、手動スイッチにより前記つめ車との噛合および解除を切り替えられるロック爪によって第二のラチェット装置を構成した。
【発明の効果】
【0014】
上述した手段を採用した本発明によれば、ラチェット装置によって巻き取り動作時の不用意な逆回転が規制されると共に、過負荷を検出した場合は、モータを逆回転に切り替えると同時にラチェット装置によるロック機能を解除することとしたので、道糸の巻き取りから繰り出しまでをモータ制御により行うことができ、結果、電動リールを完全に自動制御化できるといった基本的効果に加えて、二個一対の戻り止め爪を両者のなす角度が180度未満となるように設定したから、180度に設定した場合に比べて、戻り止め爪の位置を近接でき、その設置スペースを小さくすることができるから、結果、リールを小型化することができるといった特有の効果を奏する。また、戻り止め爪の角度をつめ車の歯数に応じて算出することができ、これに従った角度に設定すれば、戻り止め爪の設置に必要な最低限の角度が算出されると共に、つめ車との噛合および解除を確実なものとすることができる。
【0015】
さらに、ラチェット装置のロック解除をカムによって機械的に実現したので、電気的に制御する場合に比べて、耐久性やコスト面で有利である。特に、ロック解除のための誘導溝を一つのみ形成することとしたので、構造が簡易でありながら、戻り止め爪の動作も信頼性あるものとすることができた。
【0016】
また、手動ハンドル側にもメインシャフトとの連動性を断絶可能な第二のラチェット装置を構成したので、過負荷検出時に送出方向に回転した場合でも、手動ハンドルがメインシャフトと共回りすることを回避でき、安全で、使い勝手のよい電動リールとすることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電動リールの一部を切欠した平面図である。図中、1は電動モータ、2は電動モータ1の駆動軸に設けたピニオンギア、3aはピニオンギアと噛合する減速ギア、4はさらに減速ギア3b・3cを介して減速ギア3aと噛合するメインギア、5はスプールであって、メインギア4とスプール5はワンウェイクラッチ6によって接続されている。また、7はワンウェイクラッチにおいてメインギア4側のクラッチ板とスプール5側のクラッチ板の圧接力を調整するドラグ、8は手動によりスプール5の巻き取り操作を可能とする手動ハンドルである。ここまでの構成は従来技術と何ら変わるところはない。即ち、電動モータ1を正回転方向に駆動することによって、その動力は減速ギア3a〜3cを介してメインギア4に伝達され、ワンウェイクラッチ6を介してスプール5をメインギア4と連動して正回転方向に共回りさせることにより、結果、モータ1の駆動力によって道糸を巻き取るようにしたものである。なお、ワンウェイクラッチ6は、上述のように、原則としてメインギア4とスプール5を共回りさせるように両者4・5を接続し、手動ハンドル8による巻き取り操作時のみスプール5を単独で正回転させる機能を有するものである。
【0018】
このような構造において本発明の特徴点を説明すると、先ず、図1において、9はメインギア4の一側面(ワンウェイクラッチ6とは反対側面)に設けたカムであって、10は当該メインギア4のカム9側に設けたラチェットのつめ車である。これらカム9およびつめ車10はメインギア4と同軸且つ一体的に設けられており、それぞれ図2、3に示した形状からなる。即ち、カム9は、ドーナツ板9aの内周に環状の凹溝9b(小さい円形カム)を形成してなり、さらに該凹溝9bの一箇所からドーナツ板9aの外周9d(大きい円形カム)に連通する誘導溝9cを形成している。ここで、誘導溝9cが一つであることも本発明の特徴点である。そして、凹溝9bとドーナツ板9aの外周9dによって後述するラチェットを切り替えるようにしている。なお、本実施形態では誘導溝9cの付近において凹溝9bの一部を傾斜させているが、これは成型上の問題であって、凹溝9bはその全体を均一な深さとすることも本発明に含まれる。一方、つめ車10は、その外周にラチェット歯10aを周設してなり、回転軸4aを中心に正逆に回動する。
【0019】
これに対して、本リールの側面カバーCには、図4に示したように、つめ車10のラチェット歯10aと噛合してメインギア4の逆回転を規制する戻り止め爪11が設けられており、両者10・11によりラチェット装置を構成している。特に本発明では、戻り止め爪11を二箇所に設けることとし、両者のなす角度αがメインギア10の回転軸4aを中心として180度未満となるように設定している。このように角度設定することによって、180度に設定した場合と比べて装置の小型化を図ることができるからである。
【0020】
そして、各戻り止め爪11はスプリング11aによって、常態では、メインギア4の側面に設けたつめ車10のラチェット歯10aと噛合するように付勢され、メインギア4の逆回転、即ち道糸を送出する方向の回転を規制している。従って、道糸に過度な引張力がかかり、仮にスプール5にメインギア4の正回転トルクを上回る逆回転トルクが作用したとしても、メインギア4が逆回転することを確実に防止することができる。これにより、メインギア4の不用意な逆回転による各種ギアの構造的損傷や逆起電力によるモータの制御不能といった不都合を回避することができる。また、このときスプール5の逆回転も防止され、不用意に道糸が繰り出されることもない。なお、つめ車10及び戻り止め爪11は一方向のみの回転を規制するもので、これとは逆、即ちメインギア4の正回転(巻き取り方向の回転)を何ら規制するものでないことはもちろんである。
【0021】
ところで、上述のラチェット装置の戻り止め爪11によってメインギア4の逆回転が規制された状態は、スプール5にメインギア4の正回転トルクを上回る逆回転トルクが作用していることに他ならないが、この状態を継続することは好ましくない。なせなら、この状態ではスプール5の逆回転トルクによりメインギア4の正回転も規制されて、結果、自動巻き取り停止あるいは巻き取り速度の著しい低下によってモータ1の負荷電流が増加するからである。
【0022】
そこで本実施形態では、モータ1の負荷電流などによって過負荷を電気的に監視しておき、過負荷が一定以上となればモータ1の逆回転を許容するものである。その具体的な手段として本実施形態では、戻り止め爪11の先端に上記カム9に向かって突出するピン11bを設けており、該ピン11bを従動節として戻り止め爪11の動きを制御している。即ち、該ピン11bは、通常の巻き取り運転時には、図4、5に示したように、カム9の凹溝9bに位置して該凹溝9bを周回しており、仮にスプール5の逆回転トルクによってメインギア4が逆回転しようとしても、戻り止め爪11はつめ車と噛合するように付勢されているため、当該メインギア4の逆回転防止機能も維持される。
【0023】
一方、道糸にかかる引張力の上昇などにより巻き取り速度が低下等して、例えばモータ1の負荷電流が一定以上となれば、これを検出してモータ1を逆回転、即ち道糸を送出する方向に回転を自動的に切り替える。すると、それまでカム9の凹溝9bを周回していたピン11bは、図6に示すように、凹溝9bから誘導溝9cを通って、さらに、図7に示したように、カム9の外周9dに位置する。
【0024】
そして、図8に示すように、戻り止め爪11はスプリング11aの付勢力に抗して、つめ車10と噛合不能な位置に離反するのであるが、この間、戻り止め爪11はつめ車10と噛合しないように、つめ車10におけるラチェット歯10aの数や間隔、カム9における誘導溝9cの形成位置を決定する。
【0025】
この点について、さらに詳述すれば、上述のように戻り止め爪11・11は、そのなす角度αを180度未満に設定しているが、より好ましくは次式によって求める角度に設定する。
360/x×1/2+90
ただし、xはつめ車10のラチェット歯10aの数
【0026】
この式に従えば、本実施形態の場合、ラチェット歯10aの数は8であるから、戻り止め爪11・11のなす角度は、112.5度となり、この角度は当該実施形態のつめ車10において戻り止め爪11の設置に必要な最低限の角度である。即ち、この角度に設定した場合が、二個の戻り止め爪11・11が直線的に最も近接し、このためリールを有効に小型化することができる。なお、図4においては、説明の便宜上、戻り止め爪11・11の角度αを上式によって算出される角度に設定していない。
【0027】
また、誘導溝9cは本実施形態の場合、一箇所にのみ形成している。これは、戻り止め爪11の数に応じて誘導溝9cを二箇所設ける場合、両者を同時につめ車10から離反させるタイミングを確保するような形成位置の設定が困難であり、また、このようなタイミングが図れたとしても、逆回転時の離反状態から逆に正回転時の原位置に復帰するときに、両方の戻り止め爪11がそれぞれ誘導溝9cに位置する間は、僅かではあるが、つめ車10と完全に噛合しない時間が発生し、この間、逆回転防止機能が作用しないという不都合が生じるからである。これに対して、本実施形態のように、誘導溝9cを一つとすることで、その形成位置の設定も簡易で、また戻り止め爪11が時間差をもって離反動作と原位置復帰動作を行うため、特に離反状態から原位置への復帰動作時には、先に一方の戻り止め爪11によって逆回転防止機能が発揮される。
【0028】
このように、一定以上の過負荷がかかれば、モータ1の回転方向を切り替え、メインギア4を逆回転させることにより、戻り止め爪11のロック機能(逆回転防止機能)を解除し、以後、メインギア4の逆回転を許容し、モータ1にかかる負荷電流の上昇を抑制すると共に、モータ1の自動制御により道糸の繰り出しを行うのである。そして、モータ1の負荷電流が正常となれば、モータ1を正回転駆動に切り替えることによって、通常の巻き取り動作を行う。このとき戻り止め爪11は、ピン11bが可逆的に誘導溝9cから凹溝9bを周回する原位置に復帰することによって、メインギア4の正回転を許容しつつ、その逆回転を防止するのである。
【0029】
ところで、手動ハンドル8は、図9に示すように、そのハンドルシャフト8aが先端に設けた第二のワンウェイクラッチ12を介して、メインギア4を回転すべくモータ1の動力が伝達されるメインシャフト13と接続されている。前記第二のワンウェイクラッチ12は、メインシャフト13と巻取り時には共回りせず、逆に送出時にはメインシャフト13と共回りするラチェット機構が内蔵されている。このため、過負荷検出時におけるモータ1の逆回転時(道糸の送出方向回転)には、これと連動して手動ハンドル8が送出方向に共回りしてしまう。これにより、手動ハンドル8のノブ8bが使用者に当たるなどのおそれがあるため、本実施形態では、これを回避するため、手動ハンドル8をフリーの状態にできる第二のラチェット装置を構成してる。
【0030】
即ち、この第二のラチェット装置は、図10、11に示すように、ハンドルシャフト8aの他端につめ車14を設ける一方、スプリング15により常態で前記つめ車14と噛合するロック爪16を設け、さらに前記ロック爪16をスプリング15の付勢力に抗して噛合解除する向きに回転させる手動のスライドスイッチ17を設けてなる。なお、18はボールピン、19はボールピン18が嵌入して、それぞれの状態で保持するスライドスイッチ17に設けられたクリック穴である。当該構成により、スライドスイッチ17を操作すれば、ロック爪16とつめ車14の噛合および解除を切り替えることができ、噛合状態では手動ハンドル8による巻き取り操作が可能であるし、噛合解除状態では手動ハンドル8はフリーの状態となるから、モータ1の逆回転時にも不用意に共回りすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動リールの一部切欠平面図
【図2】同リールにおけるラチェット装置近辺を示した要部説明図
【図3】同リールにおけるカムの斜視図
【図4】同リールの一部切欠側面図(ラチェット装置によるロック状態)
【図5】同リールの動作説明図(図4の状態に相当)
【図6】同リールの動作説明図(ラチェット装置のロック解除状態)
【図7】同リールの動作説明図(ラチェット装置のロックを完全に解除した状態)
【図8】同リールの一部切欠側面図(図7の状態に相当)
【図9】同リールにおいて手動ハンドルとメインシャフトとの接続態様を示した断面図
【図10】同手動ハンドルにおける第二のラチェット装置の動作説明図(手動ハンドルがフリーの状態)
【図11】同手動ハンドルにおける第二のラチェット装置の動作説明図(手動ハンドルがロックされた状態)
【符号の説明】
【0032】
1 電動モータ
2 ピニオンギア
3a・3b・3c 減速ギア
4 メインギア
5 スプール
6 ワンウェイクラッチ
7 ドラグ
8 手動ハンドル
9 カム
10 つめ車
11 戻り止め爪
12 メインシャフトとハンドルシャフトを接続するワンウェイクラッチ
13 メインシャフト
14 第二のラチェット装置におけるつめ車
15 スプリング
16 ロック爪
17 手動のスライドスイッチ
【出願人】 【識別番号】000137878
【氏名又は名称】株式会社ミヤマエ
【出願日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【代理人】 【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明

【公開番号】 特開2005−218355(P2005−218355A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−29314(P2004−29314)