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【発明の名称】 糸巻
【発明者】 【氏名】木村 冨士太

【要約】 【課題】嵩張らないで携行に便利な糸巻を得ること。

【解決手段】外周に糸が巻かれる短円筒状部14を有する第1糸巻部11と、外周に糸が巻かれる短円筒状部25を有し第1糸巻部の短円筒状部内側に同軸的に収容され出し入れ可能な第2糸巻部12と、収容状態で第1糸巻部と第2糸巻部が相対的に回転可能な構成の回転支持部13とを備える。回転支持部が、第1糸巻部及び第2糸巻部の一方に設けられた軸部18と他方に設けられた軸孔部29とで構成され、収容状態で軸部と軸孔部とが嵌合しており、その嵌合が外れることを抑制するストッパー部22を有する。第2糸巻部が端部外周にフランジ状の端板27を有し、第2糸巻部に巻かれた糸33の導出端を係止する糸係止部を端板に設けてある。第2糸巻部が、収容状態で糸巻全体を持つことができるつまみ部30を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に糸が巻かれる短円筒状部を有する第1糸巻部と、外周に糸が巻かれる短円筒状部を有し前記第1糸巻部の短円筒状部内側に同軸的に収容され出し入れ可能な第2糸巻部と、前記収容状態で前記第1糸巻部と第2糸巻部が相対的に回転可能な構成の回転支持部とを備えた糸巻。
【請求項2】
前記回転支持部が、前記第1糸巻部及び第2糸巻部の一方に設けられた軸部と他方に設けられた軸孔部とで構成され、前記収容状態で軸部と軸孔部とが嵌合しており、その嵌合が外れることを抑制するストッパー部を有することを特徴とする請求項1記載の糸巻。
【請求項3】
前記第2糸巻部が端部外周にフランジ状の端板を有し、第2糸巻部に巻かれた糸の導出端を係止する糸係止部を前記端板に設けてあることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の糸巻。
【請求項4】
前記第2糸巻部が、前記収容状態で糸巻全体を持つことができるつまみ部を有することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の糸巻。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
魚釣り用の糸を巻いておいて、例えば釣りをしているときに必要に応じ所望長さだけ取り出して使用する糸巻に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の魚釣糸は、プラスチック製の糸巻に巻かれて販売されていることが多い。糸巻には、同じもの複数個を巻取り回転の中心軸線方向に順次連結することができるように、構成されたものが特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2002−153190公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
仕掛け用の糸等として用いる魚釣糸は、魚釣りによっては釣りをしている途中で異なる種類の釣糸と交換する場合があり、このような場合が予測される魚釣りでは交換に必要な釣糸をポケットなどに入れて携帯することが行なわれる。釣糸はその種類によって別々に糸巻に巻かれており、2種類の糸を携行しようとすると、上述したような糸巻では2個の糸巻を携行することになる。この糸巻1は同じ寸法のものでは連結できるから、予め同じ形状寸法のものを準備しておくことにより一体に纏めることはできるが、嵩高となり、ポケットに入れるには納まり難く不都合である問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、嵩張らないで携行に便利な糸巻を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の糸巻は、外周に糸が巻かれる短円筒状部を有する第1糸巻部と、外周に糸が巻かれる短円筒状部を有し前記第1糸巻部の短円筒状部内側に同軸的に収容され出し入れ可能な第2糸巻部と、前記収容状態で前記第1糸巻部と第2糸巻部が相対的に回転可能な構成の回転支持部とを備えている。
【0005】
この手段では、第1の糸巻部と第2の糸巻部とに夫々異なる種類の釣り糸を巻いておいて、第2の糸巻部を第1の糸巻部の内側に収容した状態で携行できる。そして釣り糸の使用においては第1の糸巻部側を持つことで第2の糸巻部が糸の引出しに応じて回転可能な状態が得られ、第2の糸巻部側を持つことで第1の糸巻部が糸の引き出しに応じて回転可能な状態が得られる。
【0006】
前記回転支持部が、前記第1糸巻部及び第2糸巻部の一方に設けられた軸部と他方に設けられた軸孔部とで構成され、前記収容状態で軸部と軸孔部とが嵌合しており、その嵌合が外れることを抑制するストッパー部を有する構成とするのがよい。この構成では、第1の糸巻部と第2の糸巻部とが不用意に外れない。
【0007】
前記第2糸巻部が、端部外周にフランジ状の端板を有し、第2糸巻部に巻かれた糸の導出端を係止する糸係止部を前記端板に設けてある構成とするのがよい。この構成では、第2糸巻部が第1糸巻部の内側に収容されていても糸の導出端部を糸係止部に係止してその糸端を外側に出しておくことができ、糸端を係止部から外すと、そのまま糸を引き出すことができる。
【0008】
前記第2糸巻部が、前記収容状態で糸巻全体を支えることができるつまみ部を有する構成とするのがよい。この構成では、つまみ部を持つことにより糸巻全体を支持して第2糸巻部を固定した状態になるので、第1糸巻部が回転可能に支持された状態となる。従って、第1糸巻部の糸端を持って引っ張ると第1糸巻部が回転して巻かれている糸を必要なだけ引き出すことができる。なお、第2糸巻部の糸は第1糸巻部の適所を掴んで第2糸巻部に巻かれている糸の端を持って引き出せば、第2糸巻き部が回転して糸を必要なだけ引き出すことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の糸巻は、第1の糸巻部の内側に第2の糸巻部を収容した状態であるから、従来の糸巻の1個に相当する嵩のもので、少なくとも2個の糸巻部があり、2種類の糸を巻くことができ、嵩張らず携行に都合が良いものである。また、第1の糸巻部と第2の糸巻部とが相対的に回転できるから、糸を引っ張って引き出す時に糸を巻いた糸巻部が回転する構成が可能で、糸を捻ることなく引き出して使用できる。
【0010】
ストッパー部を有する構成のものでは、第1の糸巻部と第2の糸巻部とが不用意に外れないので、使用糸を引き出す時などに外れて糸の交換に手間取るというような不都合がない。
【0011】
糸係止部を第2糸巻部の端版に設けた構成のものでは、第2糸巻部が第1糸巻部の内側に収容されていても巻かれている糸の導出端部を糸係止部に係止してその糸端を外側に出しておくことにより、必要なときに第2糸巻部が収容状態のままで糸係止部から外し必要な長さの糸を取出して使用できる。
【0012】
つまみ部を有する構成のものでは、第1、第2糸巻部に巻かれている糸を使用するとき、いずれも糸の導出側を糸巻部の周りに旋回させて解く必要はなく、第1、第2糸巻部は回転するから、そのまま糸を引っ張って出すことができ、操作性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1、図2は、本発明の実施例1を示す図である。この糸巻10は、第1糸巻部11、第2糸巻部12、回転支持部13を備えている。第1糸巻部11は、図2に示すように外周に糸が巻かれる短円筒状部14を有し、その両端にフランジ状の端板15、16が設けられている。一方の端板15はそれの中心部へ向かって壁部17が延長形成され、さらに壁部17の中心に短円筒状部14と同心で長さがやや短い細い円筒状の軸部18を設けてある。軸部18は、回転支持部13の一部として設けてあり、一端が壁部17に連なっているが他方は自由端で、自由端の端部に軸方向に沿った切り込み溝19を複数個、例えば8個設け、又外周に周方向の溝20を設けて薄肉部21を形成し、その溝20よりも外側部分を内側の外径よりも少し大きく形成して後述するストッパー部22としてある。なお、フランジ状端板16の外縁には、図1(b)、(d)、(e)にみられるように、巻いた糸の導出端部を係止できる狭隘部23で構成された1又は複数の糸係止部24を設けてある。
【0014】
第2糸巻部12は、組みつけられた状態が図1(a)、図2(c)に見られるように、前記第1糸巻き部11の短円筒状部14の内側に収容される大きさに形成してあり、図2(b)に示すように外周に糸が巻かれる短円筒状部25を有し、その両端にフランジ状端板26、27を設けてある。一方の端板26は図2(c)に示すようにフランジ状の内側縁が第1糸巻部11の壁部17の内側に沿って中心部へ伸びて壁部28が連続形成されている。この壁部28に前記回転支持部13の他の部分が形成されている。つまり、壁部28が軸部18の外周に達してから、その軸部18に嵌合する円筒状の軸孔部29が連続形成されている。軸孔部29の自由端は軸部18のストッパー部22に達し終端し、端部外周を少し太くしてつまみ30に形成されている。また、他方のフランジ状端板27は外径が第1糸巻部11の短円筒状部14内径よりも少し小さく形成され、糸が十分に通過できるようになっている。このフランジ状端板27にも前記と同様な糸係止部24を設けてある。
【0015】
回転支持部13は、前記軸部18と軸孔部29が嵌合する構成である。その嵌合状態は相対的に滑らかに回転できる程度であり、ストッパー部22の存在による小さい段差が軸方向の抜け止め作用をしている。軸部18と軸孔部29は脱着できる構成である。すなわち、嵌合状態で第1糸巻部11と第2糸巻部12とを互いに軸方向に引き離す方向のやや強めの作用力を与えると、軸部18の端部に形成してある割り溝19によって形成されている8個の舌片状部がそれぞれ内側に撓み、軸孔部29の端と軸部18のストッパー部22との係合が外れて嵌合状態が外れる。嵌合状態とするときは強めの軸方向作用力で嵌め込めばよい。
【0016】
この糸巻10の材質は、第1糸巻11側と第2糸巻12側の2部分で構成されていて、双方をプラスチック成形品としてもよいが、一方をあるいは双方をアルミ等の金属製としてもよい。なお、図1(c)に仮想線で示す円31は壁部に設けた孔であり、材料節約と軽量化のためである。
【0017】
このように構成された糸巻10は、図2(a)、(b)に示すように、各々に予め所望の糸、例えば太さの異なる糸32、33を第1、第2糸巻部11、12に巻いてあるものを準備し、図2(c)に示すように組み付けて携行する状態とする。その使用においては、つまり糸を取り出す場合には、たとえば、巻かれている2種類の糸32、33の何れか一方の所望糸の端を引っ張って糸係止部24から外し、さらに引っ張って引き出す。このとき第1糸巻部11から引き出す場合は、片方の手でつまみ30をつまんで糸巻10を支持して引き出すと第1糸巻部11が回転して糸32が良好に引き出される。また、第2糸巻部12から糸33を引き出す場合は、第1糸巻部11を掴んで糸33を引き出すことにより同様に第2糸巻部12が回転して糸33が良好に引き出される。何れも必要な長さを引き出した後で糸係止部24に糸を係止して引き出した部分を切断して使用する。
【0018】
この糸巻10は、第2糸巻部12が第1糸巻部11の内側に収容されているから、従来の1個の糸巻と同じ大きさで2個の糸巻部を有し、2種類の糸を巻いておくことができ、嵩を小さくできるので、携帯に便利である効果を奏する。また、糸使用時に糸の引出しが糸巻部の回転を伴うものであるから、滑らかに引き出せると共に糸にねじりが生じないから、さらにストッパー部22の作用で糸引き出し中に第1、第2糸巻部11、12が外れないから、操作性がよい効果も奏する。
【0019】
図3は本発明の実施例2を示す。この実施例2の実施例1と異なる点は、図3において第2糸巻部12の壁部28aが第1糸巻部11の壁部17から離れて反対側の側面にかなり近い位置に設けてあり、その壁部28aの外面を糸33のラベル34の貼着面としてある。つまりラベルを貼り付けたときラベルを見やすいようにしてある。また、第1糸巻部11側の壁部17の端板15に連なる外面が糸32用のラベル35の貼着面とされている。ラベル34、35には巻かれている糸の仕様や標章などが表示される。この他はほぼ同じ構成であるので同等部分を同一図面符号で示して説明を省略する。この糸巻10aも実施例1のものと同様に使用して同等の効果が得られる。
【0020】
前記実施例1、2では、第1、第2糸巻部の2個を設けた構成を示したが、場合によっては第3、さらには第4の糸巻部を順次同心的に設ける構成も可能であり、例えば、大略第1の糸巻部の構成で順次第1の糸巻部の外側に糸巻部を配置し、軸部の内孔に軸部を挿入して装着する関係とし、全体の大きさをほぼ同じとすればよく、必要に応じてこのように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1を示し、(a)は全体の正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の左側面図、(d)は(b)の部分拡大図、(e)は(d)の平面図である。
【図2】本発明の同実施例の糸を巻いた状態を示し、(a)は図1(b)のA−A断面における第1糸巻部の断面図、(b)は同A−A断面における第2糸巻部の断面図、(c)は図1(b)のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施例2を示す概略縦断側面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 糸巻
2 凸嵌合部
3 凹嵌合部
10 糸巻
11 第1糸巻部
12 第2糸巻部
13 回転支持部
14 短円筒状部
15 端板
16 端板
17 壁部
18 軸部
19 切り込み溝
20 溝
21 薄肉部
22 ストッパー部
23 狭隘部
24 糸係止部
25 短円筒状部
26 端板
27 端板
28 壁部
28a 壁部
29 軸孔部
30 つまみ
31 孔
32 糸
33 糸
34 ラベル
35 ラベル
【出願人】 【識別番号】591065479
【氏名又は名称】木村 冨士太
【出願日】 平成16年2月4日(2004.2.4)
【代理人】 【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊

【公開番号】 特開2005−218334(P2005−218334A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−28112(P2004−28112)