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【発明の名称】 餌木
【発明者】 【氏名】松浦 昌治

【要約】 【課題】本発明は、必要な種類を全て揃える費用や手間がかからず、持ち運び及び取り扱いが容易であると共に、釣り場におけるチューニングを容易に且つ繰り返し行うことの出来る餌木を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明の餌木は、擬餌形状からなる餌木本体1と、餌木本体1に付属して餌木の動的な機能を果たす付属物2と、この付属物2を餌木本体1に交換可能に固定する付属物固定構造3と、を具備することを特徴とする。また、前記付属物2は、餌木本体1の水中での姿勢及び挙動を決定する挙動決定手段からなるものを有することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬餌形状からなる餌木本体1と、餌木本体1に付属して餌木の動的な機能を果たす付属物2と、この付属物2を餌木本体1に交換可能に固定する付属物固定構造3と、を具備することを特徴とする餌木。
【請求項2】
付属物2は、餌木本体1の水中での姿勢及び挙動を決定する挙動決定手段からなるものを有する請求項1記載の餌木。
【請求項3】
挙動決定手段は、それぞれが単独で餌木本体1に固定される複数の錘21からなると共に、この錘21は、それぞれが単独で固定されたときの餌木本体1の水中での挙動を認識可能にする挙動認識手段4を有する請求項2記載の餌木。
【請求項4】
付属物2は、外部の接触物に掛止する掛止手段からなるものを有する請求項1ないし3のいずれか記載の餌木。
【請求項5】
付属物固定構造3は、付属物2の全部を餌木本体1から着脱可能とする請求項1ないし4のいずれか記載の餌木。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、軟体動物を釣る際に疑似餌として用いる餌木に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イカ、蛸をはじめとする軟体動物の釣りには、この軟体動物が好む魚類、甲殻類等に似せた疑似餌である餌木を用いる。餌木には、その本体の大きさ、形状、色彩を含む模様の他、獲物に掛止して捕捉する針の形状、および餌木本体1の水中での姿勢を制御する錘のサイズ、形状によって、様々な種類がある。
【0003】
これらの種類は、例えば2本竿釣等の各種釣法や、獲物であるイカ等の種類或いは性質や、時刻及び日の高さ、潮速、風、水深、水底の地形等、釣りを行う様々な環境及び状況に応じて、好適と思われるものを適宜選んで使い分けるためのものである。
【0004】
しかし、必要な種類を全て揃えるのは、手間や費用がかかるため、極めて困難である。また、全ての種類を釣り場へ持ち運ぶと嵩張ってしまうため、持ち運び及び取り扱いが煩雑となる。
【0005】
これに対して、一種の餌木であっても、錘や針を調節して水中での動き、或いは針掛かり等の機能を可変させるチューニング(機能調節)を行うことがある。このチューニング(機能調節)によって、限られた種類の餌木を用意するだけでも様々な環境や状況に応じることができる。従って、全ての種類を揃えるための手間や費用、知識が軽減され、釣り場への持ち運びや取り扱いの煩雑さも解消される。更に、実際の釣りの最中にチューニングを行えば、刻々と変わる釣り現場の状況に柔軟に応じることも可能である。
【0006】
錘に関するチューニング(機能調節)に関して、従来は、餌木本体11に固定された錘の一部を切除することでバランスを調整するものがあった(例えば、非特許文献1参照)。しかし、一旦切除した錘は元の状態に戻すことが出来ないので、このようなものは、繰り返しチューニングを行うことに制限が生じてしまう。
【0007】
他に錘に関するチューニング(機能調節)を行うことの出来る餌木として、例えば、餌木本体1に固定された平板錘21´の中央付近に、ハンダを通す通し孔21´hを設けたものがあった(例えば、非特許文献2、或いは図6参照)。これは、図6に示すように、通し孔へハンダH´を通して平板錘から外れないように巻きつけることで、ハンダH´を補助錘として餌木全体のバランスや重量を可変させるものである。
【0008】
この通し孔H´を設けた餌木は、ハンダH´を捲く方向、範囲或いは量の工夫によって、沈下速度、水中での姿勢や挙動を調整出来る。また、ハンダを取り外すか捲き直すことで、元の状態に戻すことの他、2種以上の異なる機能に繰り返し調節することが出来る。つまり、上記錘の切除による場合のような、繰り返しチューニングを行うことに関する制限が無い。
【0009】
しかし、ハンダを捲きつけるのには手間がかかり煩雑であるため、繰り返して機能調節を行うことは容易とはいえなかった。また、捲き方による水中での姿勢や動き等の変化を確認することが出来ないため、捲き方に勘や経験、及び技術を要するものであった。特に、釣りの最中には刻々と変わる状況に迅速に対応する必要があるにも拘らず、狭く不安定な釣り場は細かな作業に適さない。このため、釣り場におけるチューニングが極めて困難なものであった。
【非特許文献1】著者氏名不明(aopara-kohituji-ika)、"アオリイカとエギ"、[online]、掲載年2001年、“アオリイカ専門サイトの*あおりパラダイスtop*”(http://aopara.parfait.ne.jp/)“アオリイカ倶楽部”内、"アオリイカとエギ"[平成15年11月17日検索]、インターネット<URL: http://aopara.parfait.ne.jp/sub2-2.htm>
【非特許文献2】Game Fishing Tackle "KONKY"(コンキー)、“(ダイワ)餌木イカ名人”、[online]、掲載年2003年11月、“エギング市場”内、“ ダイワ 餌木イカ名人BIGONE ”[平成15年11月17日検索]、インターネット<URL:http://www.konky-jp.com/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、必要な種類を全て揃える費用や手間がかからず、持ち運び及び取り扱いが容易であると共に、釣り場におけるチューニングを容易に且つ繰り返し行うことの出来る餌木を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、以下(1)ないし(5)の手段を採用するものとしている。
【0012】
(1)すなわち、本発明の餌木は、擬餌形状からなる餌木本体1と、餌木本体1に付属して餌木の動的な機能を果たす付属物2と、この付属物2を餌木本体1に交換可能に固定する付属物固定構造3と、を具備することを特徴とする。
【0013】
このようなものであれば、付属物2を交換して固定し直すことで、釣り場においても機能を変化させて、チューニングを容易に且つ繰り返し行うことが出来る。
【0014】
(2)前記付属物2は、餌木本体1の水中での姿勢及び挙動を決定する挙動決定手段からなるものを有することが好ましい。
【0015】
このようなものであれば、付属物2たる挙動決定手段を交換することで、水中での姿勢及び挙動を容易に調節することができる。
【0016】
(3)前記挙動決定手段は、それぞれが単独で餌木本体1に固定される複数の錘21からなると共に、この錘21は、それぞれが単独で固定されたときの餌木本体1の水中での挙動を認識可能にする挙動認識手段4を有することが好ましい。
【0017】
このようなものであれば、それぞれの錘に対応した挙動を容易かつ即座に認識することができる。また、単独で固定された錘のみの交換という、容易な交換作業によって調節できる。このため、チューニングに関する操作者の技術や経験に拘らず、任意の挙動とすることができる。よって、細かな作業に適さない釣り場においても、チューニング(機能調節)を容易かつ迅速に行うことができ、刻々と変わる様々な釣り現場の状況に対応することができる。
【0018】
(4)前記付属物2は、外部の接触物に掛止する掛止手段からなるものを有することが好ましい。すなわち、付属物2は、掛止手段からなるもの、又は、前記挙動決定手段と、掛止手段と、からなるものとすることが好ましい。
【0019】
このようなものであれば、付属物2たる掛止手段を交換することで、獲物への掛止や水中での根掛かりに関する調節をも、容易に行うことができる。
【0020】
(5)前記いずれかの付属物固定構造3は、付属物2の全部を餌木本体1から着脱可能とすることが好ましい。
【0021】
このようなものであれば、餌木本体1と付属物2とを完全に分離することが出来、コンパクトな形態として運搬及び取り扱いが容易となる。またこのとき、付属物2が挙動決定手段であれば、この挙動決定手段を餌木本体1から全て外した状態で使用することも出来る。これにより、引き釣りに使用する餌木を胴ツキ釣りという他の釣法にも用いることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上述のような構成とし、必要な種類の餌木を全て揃える必要が無いことから、費用や手間がかからず持ち運び及び取り扱いが容易である。また、付属物を交換可能としたことによって、釣り場におけるチューニングを容易に且つ繰り返し行うことの出来る餌木を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、各実施例として示す各図と共に説明する。図1および図2は、本発明の実施例1の餌木の一部切欠説明図である。図3は、挙動調節手段たる錘21を固定する構造のバリエーションに関し、本発明の実施例2の前方部分を示した拡大図である。図4及び図5は、掛止手段たる針23を固定する構造のバリエーションに関し、それぞれ本発明の実施例3及び実施例4の後方部分を示した拡大図である。(同様に、図2は本発明の実施例1の後方部分を示した拡大図である。)尚、図6は、従来の餌木を示す説明図である。
【0024】
下記いずれの実施例においても、本発明の餌木は、擬餌形状からなる餌木本体1と、餌木本体1に付属して主として餌木の動的な機能を果たす付属物2と、この付属物2を餌木本体1に交換可能に固定する付属物固定構造3と、を具備する。
【実施例1】
【0025】
実施例1は、図1の側面切欠図及び図2の後方部分の分解斜視図で示される。
【0026】
餌木本体1は、獲物(釣りの対象)の餌となる各種魚類や甲殻類の形体を擬似した擬餌形状のみからなる本体部分をいう。また、この餌木本体1は、目、鰭、表面の模様、色彩等の擬態要素の全部又は一部を含み、形体によって獲物を誘引する静的な機能を果たす。
【0027】
具体的には、車海老、蝦蛄、小鯵、スズメ鯛、ネンブツ鯛、ベラ、鯖、鰯、等の各形体やその類似形体を模倣し、また号数の規格によって大きさを判別可能とした複数種の形状から成る。また、各形状においても、様々な模様や色彩の組み合わせから成る。この各形状、模様及び色彩からなる複数種のうち、釣りの方法、目的、地域に応じて選択した必要な数種類を釣り場へ用意し、更に釣りの状況に応じて適宜いずれかを選択して使用することが好ましい。
【0028】
実施例1において、餌木本体1には付属物2が交換可能に固定されると共に、結束環22が交換不能として固定される。
【0029】
付属物2は、餌木本体1の水中での姿勢及び挙動を決定する挙動決定手段と、外部の接触物に掛止して接触物への掛かりを決定する掛止手段と、からなる(図1)。
【0030】
本実施例の他に、付属物2は、挙動決定手段のみからなるものや、図3に示す掛止手段のみからなるものとしても良い。挙動決定手段或いは掛止手段のいずれかのみからなるものは調節可能箇所が比較的少ないため、極めて容易にチューニングを行うことが可能となる。また、比較的簡易な構造となるため、容易に破壊されない耐久性の高いものとなりうる。
【0031】
付属物2は、餌木本体1に付属して、水中での姿勢や動き方、外部への掛止の仕方を決定することで、主として餌木としての動的な機能を果たすものである。他に、目、鰭、模様等、擬餌形状を構成する擬態要素の、いずれか一部を含むものとしても良い。この場合、餌木としての動的な機能を果たすと共に、静的な機能の一部を果たすものとなる。
【0032】
ここで本発明における動的な機能とは、餌木本体1の使用状態における、水中での経時変化を伴う機能を言う。例えば挙動、掛止、反射、におい等が挙げられ、次述の静的な機能を除くものである。
【0033】
これに対し本発明における静的な機能とは、餌木本体1を使用しない静止状態における、経時変化を伴わない機能を言い、擬態要素に基づく視認による機能を意味する。
【0034】
先ず、挙動決定手段は、それぞれが単独で餌木本体1に固定される複数の錘21からなる。これと共に、それぞれの錘21は、複数のうちいずれかが単独で固定されたときの餌木本体1の水中での挙動を認識可能にする挙動認識手段4を有する。
【0035】
錘21は、それぞれが互いに相違した複数種の形状及び重量の別体からなると共に、付属物固定構造3によって、それぞれが単独で餌木本体1に固定される。錘21の形状の相違によって餌木の重心位置が変化し、特に落とし込み時における餌木の沈下姿勢や沈下の挙動が、各形状毎に決定される。また、錘21の重量の相違によって餌木の重量が変化し、落とし込みの操作における餌木の沈下速度が、各重量毎に決定される。
【0036】
次に、掛止手段は、複数種の針23からなる。それぞれの針23は外部に掛止するフック部23aを有し、互いに相違した形状からなると共に、付属物固定構造3によって、それぞれが単独で餌木本体1に固定される。針23の形状の相違によって、餌木に外部から接触する外部接触物への接触方向や掛止態様が変化し、獲物の捕獲機能や根掛かりの起こりやすさが決定される。また、各種の針23の相違形状によって、獲物への掛止や水中での根掛かりの相違を識別することができる。また、この識別しやすい針23のみを単独で固定しなおすことで容易に交換することが出来る。従って、獲物の食いつきや海底の岩、海草等への根掛かりのし易さに応じて的確に対処すべく、迅速に調節することができる。
【0037】
掛止手段たる各種針23の相違形状は、具体的には、笠、すなわち複数のフック部23aの周設構造の有無及び笠の段数の相違、全笠針か半笠針かの相違(すなわち針23の各フック部23aの周設方向の相違)、及び、針23を構成する各フック部23aの本数の相違からなる。そして更に、略直線形状又は略曲線形状、フック角度、長さ、太さ、及び、各フック部23aの先端付近の返り構造の数或いは角度等、フック形状の相違からなる。
【0038】
このようなものであれば、固定する針23の種類を全笠針にしたり、笠の段数や各フック部23aの本数を増やしたり、返り構造を設けたりすることで、主に獲物の掛止率を上げ、或いは一旦掛止した獲物の解離(バラシ)が起こりにくいものとすることができる。実施例1の掛止手段たる針23は、2段の全笠針からなる。
【0039】
一方、半笠針にしたり、笠の段数や各フック部23aの本数を減らしたり、返り構造を簡易化或いは省略したりすることで、海底の岩や海草等への根掛かり率を下げ、針23を軽量化することができる。
【0040】
また、結束環22は、釣り糸に結束されるために、両端が餌木本体1に固定されてなる環である。結束環22の長さ、材質、餌木本体1への固定位置の相違によって、釣り糸から餌木本体1への力の伝達速度や伝達方向が変化する。そして、シャクリの操作による餌木の水中での挙動、中でも直進性や揺動性が決定される。
【0041】
そして、付属物固定構造3は、付属物2の全部を餌木本体1から着脱可能とする着脱手段からなる。実施例1の付属物固定構造3は、具体的には、錘を固定する錘固定構造31と、針23を固定する針固定構造33と、からなる。
【0042】
付属物固定構造3たる錘固定構造31は、餌木本体1に設けられて餌木本体1の前方から長手方向後方へ伸びる嵌入穴31aと、付属物2たる錘に設けられてこの嵌入穴に嵌入する嵌入突起31bと、また更に、案内溝31cによって嵌入の周角度を案内する案内溝構造31cと、からなる。
【0043】
このようなものであれば、水進する餌木本体1及び付属物2の前方から、嵌入突起31bがより嵌入する方向へ水圧がかかる。よって、水中において付属物2たる錘21が、餌木本体1から容易に脱落しないものとなる。
【0044】
案内溝構造31cは、嵌入穴31aの長手方向に沿って嵌入穴31aの左右に一対設けられる案内溝31cと、この案内溝31cに嵌合するように嵌入突起31bに設けられる案内突部31cと、からなる(図1)。この案内溝構造31cは、付属物2たる錘21の着脱時に、錘21の嵌入周角度が適切なものとなるように案内するものである。これにより、付属物2を容易に着脱することが出来る。また、嵌入突起31bの嵌入周角度(すなわち餌木本体1に対する付属物2の固定角度)を一定のものに確実に保持することができる。
【0045】
また、案内突部31cは、その表面が案内溝31cと接触しながら嵌入突起31bの嵌入方向に沿うように伸長してなる。よって、案内突部31cと案内溝31cとの接触面積が増加し、両接触面による摩擦力が比較的大きいものとなる。更にその表面には無数の微細な突起が設けてある(図示せず)。これらにより、より脱落しにくい比較的強固な固定構造となる。
【0046】
針固定構造33は、餌木本体1に設けられて餌木本体1の後方端から長手方向前方へ伸びる嵌入穴33aと、付属物2たる針23に設けられてこの嵌入穴33aに嵌入する嵌入突起33bと、更に、この嵌入穴33aに嵌入した嵌入突起33bをピン固定するピン構造33cと、からなる。
【0047】
ピン構造33cは、具体的には、嵌入穴33aに嵌入突起33bが嵌入した嵌入状態において、針23の嵌入突起33b及び餌木本体1の嵌入穴33aを上下に横断して貫通するピン孔33cと、このピン孔33cに、餌木本体1の下部から挿入して固定されるピン33cと、からなる(図2)。
【0048】
本実施例のピン孔33cは、円筒樹脂が埋め込み固定されており、ピン33cの挿脱がスムーズに行えると共に、繰り返しピン固定をしても磨り減ることのない耐性に優れたものとしている(図2)。
【0049】
このようなピン構造33cであれば、ピン33cが付属物の嵌入方向に交差する方向に固定されることで、ピン33cが杆の役目を果たし、比較的大きな引張力にも耐えることができる。また、ピン33cが付属物の捻り方向に対しても固定されることで、一定程度の捻り力にも耐えることができる。よって、比較的簡易な構造であるにも拘らず、針23が餌木本体1から容易に脱落しないものとなる。そして、掛止した獲物の抵抗力に耐えうる、比較的丈夫で強固な固定構造を、安価なものとして得ることができる。
【0050】
また、嵌入穴33a及び嵌入突起33bは、互いに嵌合する断面視偏平形状からなる(図2)。この偏平形状によって、ピン固定を行うために適切な嵌入突起33bの嵌入周角度を、使用者が容易に認識することができる。よって、針23と餌木本体1との交換作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0051】
しかして、挙動認識手段4は、複数の錘21又は結束環22において、それぞれの材質、形状、模様、色彩、餌木本体1への固定位置のうち、少なくともいずれかを相違させたものとしている。実施例1の挙動認識手段4は、いずれも略等厚の平板状とした複数の錘21において、錘21それぞれの側面の相違形状と、その表面に付した相違模様と、からなる。
【0052】
他に、挙動認識手段4は、それぞれの錘21の表面に付されて錘21の重量を表示する重量表示を有するものとしても良い。
【0053】
例えば、挙動認識手段4が、それぞれの錘21の表面に付されて錘21の重量を表示する重量表示と、それぞれの錘21の形状を相違させた相違形状と、からなるものであれば、重量表示によって沈下速度や飛距離を容易に認識できると共に、相違形状によって水中での姿勢や応答性の相違を識別できる。このため、錘21の交換による餌木の機能の変化の程度を確認しながら、餌木の水中での挙動の各要素を任意のものへ調節することができる。
【0054】
他の実施例として、挙動認識手段4は、それぞれの錘21の表面に付されて、錘21が固定されたときの餌木本体1の水中姿勢を表示する姿勢表示や、また、これに加えて或いは代替して、それぞれの錘に適した泳動方法を表示する泳動表示を有するものとしてもよい(図示せず)。姿勢表示によって、水中での前後傾姿勢や応答性の程度をより直感的に識別できる。また泳動表示によって、操作者の操作技術の程度に拘らず、容易に任意の泳動を行わせることができる。
【0055】
また、挙動認識手段4たる前記重量表示や、姿勢表示や、泳動表示は、それぞれの錘21の表面に付された光反射材24からなるものとすることもできる(図1)。獲物であるイカやタコは光に集まる習性があることから、前記各表示機能を果たすと共に、獲物の誘引機能をも果たすことができる。具体的には、光反射材24の材質や形状という反射の態様をそれぞれの錘21相互で相違させることによって、使用者も各錘21の種類を認識しやすくなり、錘21を交換することで獲物へのアピールの態様を調節することができる。
【0056】
この光反射材24として、実施例1では、天然の貝(例えば鮑、真珠、ヤコウ貝等)を貼っている。これにより、天然の装飾による自然な乱反射の効果を得ることができる(図1)。他に、天然魚のうろこを貼ったものでも良い。
【0057】
その他、各部の具体的な構成は、上述した実施例に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【実施例2】
【0058】
実施例2は、実施例1における錘21及び錘固定構造31の他のバリエーションであり、図3の部分拡大説明図にて示される。その他の構成は実施例1と同様である。
【0059】
実施例2において、付属物2は、餌木本体1の水中での姿勢及び挙動を決定する挙動決定手段からなる(図3)。付属物2は、図3に示すような挙動決定手段のみからなるものとしても良い。
【0060】
実施例2における錘固定構造31は、餌木本体1に設けられて餌木本体1の前方から長手方向後方へ伸びる嵌入穴31aと、付属物2たる錘21に設けられてこの嵌入穴31aに嵌入する嵌入突起31bと、更に、固定溝31dによって嵌入突起31bの嵌入位置を固定する固定溝構造31dが設けられる。
【0061】
固定溝構造31dは、嵌入穴31aの長手方向に沿って嵌入穴の奥へ伸長して設けられる固定溝31dと、この固定溝31dに嵌合するように嵌入突起31bの先端から突出してその先端が周方向に膨出した固定突部31dと、から成る。固定突部31dの先端の膨出部分が固定溝31d1の内側面に圧接することで、嵌入突起31bの嵌入位置を確実に保持する(図3の右図)。よって、錘21が餌木本体1から容易に脱落しない強固な固定構造とすることができる。
【0062】
固定突部31d及び固定溝31dは、伸長方向先端に向かって滑らかに膨出する膨出形状からなると共に、固定溝31dは固定突部31dが嵌入したときに広がる弾性体からなるものとしている。これにより、より脱落しにくい固定構造となる。
【0063】
実施例2における挙動認識手段は、錘21の表面に付された反射材24と、重量表示25と、からなる。この反射材24は、色塗料を流して成形したガラス球24bを複数個、錘21の両側面からその一部が突出するように埋設してなると共に、このガラス球24bの周囲に乱反射模様24aを付したものとしている。
【0064】
また、重量表示25は、錘21に刻印されて錘のグラム数を表示するものであり、容易に錘の重量を認識しうるものとしている。
【実施例3】
【0065】
実施例3は、実施例1における針固定構造33の他のバリエーションであり、図4の部分拡大断面図にて示される。その他の構成は実施例1と同様である。
【0066】
実施例3において、付属物2は、外部からの接触物(根或いは捕獲物)に掛止する掛止手段たる針23からなる(図4)。付属物2は、この挙動決定手段たる針23のみからなるものとしても良い。実施例3の針23は、実施例1と同様、2段の全笠針である。
【0067】
実施例3の付属物固定構造3は、針固定構造33からなるものを有する。この針固定構造33は、餌木本体1に設けられて餌木本体1の後方端から長手方向前方へ伸びる嵌入穴33aと、付属物2たる針23に設けられてこの嵌入穴に嵌入する嵌入突起33bと、固定溝33dによって嵌入突起33bの嵌入穴33aへの嵌入位置を固定する固定溝構造33dと、からなる。
【0068】
固定溝構造33dは、嵌入穴33aの内部に周設される複数の固定溝33dと、この固定溝33dに嵌合するように嵌入突起33bに周設された複数の固定突部33dと、から成る。複数の固定突部33dが同数の固定溝33d1の内側面に圧接することで、嵌入突起33bの嵌入位置を、より確実に保持する(図4)。よって、針23が餌木本体1から容易に脱落しない強固な固定構造とすることができる。
【0069】
また、複数の固定突部33dのうち一部のみが固定溝33d1の内側面に圧接するように、嵌入突起33bを途中まで嵌入することで、嵌入突起33bの固定位置を調節することが出来る。これにより、餌木本体1に固定した針23の長さを可変させることができる。
【0070】
固定溝33dは固定突部33dが嵌入したときに広がる弾性体からなるものとしている。これにより、容易に固定突部33dを着脱することが出来、針23の交換を容易且つ迅速に行える固定構造となる。
【実施例4】
【0071】
実施例4は、実施例1における針固定構造33及び針23の他の実施例であり、図5の部分拡大断面図にて示される。その他の構成は実施例1と同様である。
【0072】
すなわち、実施例4の付属物2は、外部からの接触物(根或いは捕獲物)に掛止する掛止手段たる針23からなる。この掛止手段たる針23は、左右上方向へ鋭角的に湾曲させた、比較的長く太いフック部23aを2本設け、それぞれのフック部23aの先端に返し構造を設けたものとしている(図5)。このようなものであれば、比較的大きな外力がかかっても、容易に変形することが無く、掛止した獲物の解離(バラシ)が起こりにくい。例えば、比較的力の強いマダコ、コウイカ、スミイカ等の捕獲に適する。他に例えば、やや緩やかに上方向へ湾曲させた、比較的長く細いフック部23aを4ないし8本程度設けたもの(図示せず)とすれば、ソデイカ等の捕獲に適する。
【0073】
また、実施例4の針固定構造33は、餌木本体1に設けられて餌木本体1の後方端から長手方向前方へ伸びる嵌入穴33aと、付属物2たる針23に設けられてこの嵌入穴33aに嵌入する嵌入突起33bと、この嵌入穴33a及び嵌入突起33bを螺合接続する螺合構造33eと、からなるものとしている。
【0074】
このような螺合構造33eによるものであれば、嵌入突起を嵌入穴に捩じ込むだけで容易に固定できる。また、別部材や可動構造等を設けることなく簡易な構造として確実に固定でき、長手方向に沿う引張力に対し、極めて強固な固定構造となる。
【実施例5】
【0075】
上記のほか、実施例5として、挙動決定手段は、それぞれが単独で餌木本体1に固定される複数の錘21と、それぞれが単独で餌木本体1の前方に固定される複数の結束環22と、からなると共に、それぞれの錘21及び結束環22は、錘21又は結束環22が単独で固定されたときの餌木本体1の水中での挙動を認識可能にする挙動認識手段4を有するものとしてもよい(図示せず)。
【0076】
結束環22の挙動認識手段4を詳述する。結束環22の材質は、金属製、軟質又は中硬質樹脂製等があり、合成樹脂繊維若しくは天然繊維からなるものとしても良い。結束環22の形状は、環を構成する紐状材の断面形状や、表面の凹凸や、長さ(つまり環の大きさ)を含む概念である。結束環22の固定位置は、餌木本体1の長手方向先端付近や、先端付近から上方又は下方にずれた位置等をいい、左右対象に挙動させるためには、いずれも平面視中心線上とすることが望ましい。
【0077】
これら材質、形状、及び固定位置の相違によって、結束環22に結束した引き糸への摩擦力やその分布が異なり、使用者の操作による応答性、すなわち操作性及び餌木の進行方向転換時の動きが可変する。結束環22を交換することで、比較的小さい範囲での応答性の調節を、容易且つ確実に行うことができる。
【0078】
実施例5において、付属物固定構造3は、錘を固定する錘固定構造31と、結束環22を固定する結束環固定構造32と、針23を固定する針固定構造33と、からなる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
このようにして得られた各実施例の餌木は、必要な種類の餌木本体及び付属物をそれぞれ複数用意して、釣り場にて任意の餌木本体と付属物とを組み合わせたり、或いは餌木本体のみを使用することで、様々な釣法の餌木として用いることが出来る。また、軟体動物以外を獲物とする釣りにおいても、チューニング可能な擬餌として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の餌木の実施例1の一部切欠き側面説明図である。
【図2】本発明の実施例1の餌木にて針を固定する状態を示す斜視説明図である。
【図3】本発明の実施例2の餌木にて錘を固定する状態を示す側面説明図である。
【図4】本発明の実施例3の餌木にて針を固定した状態を示す側面説明図である。
【図5】本発明の実施例4の餌木にて針を固定した状態を示す側面説明図である。
【図6】従来の餌木を示す側面説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1 餌木本体
2 付属物
21 錘
3 付属物固定構造
4 挙動認識手段

【出願人】 【識別番号】301018120
【氏名又は名称】リーダー株式会社
【出願日】 平成16年2月4日(2004.2.4)
【代理人】 【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義

【公開番号】 特開2005−218331(P2005−218331A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−28014(P2004−28014)