トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 魚釣用スピニングリール
【発明者】 【氏名】堤 わたる
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内

【要約】 【課題】釣り人の手に伝わる振動を抑制し、使用寿命を延長することのできる魚釣用スピニングリールを提供すること

【解決手段】ハンドル16に連動回転する駆動筒軸22を、軸方向移動を規制するころがり軸受24a,24bを介してリール本体12aの前部に回転自在に支持し、この駆動筒軸内に嵌挿されるスプール軸30の前部に、釣糸を巻回保持するスプール14を設け、ハンドルを回転することにより、駆動筒軸22に取付け固定したロータ28をこの駆動筒軸22と共に回転し、このロータ22に設けた釣糸案内部27を通じてスプール14に釣糸を巻回する魚釣用スピニングリール10であって、駆動筒軸22とリール本体12aの支持部17との間に、駆動筒軸22をスプール軸30の軸方向に沿って付勢するスプリングワッシャ56を介挿し、ころがり軸受24aの内外輪間のガタ付きを抑えた魚釣用スピニングリール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルに連動回転する駆動筒軸を、軸方向移動を規制するころがり軸受を介してリール本体の前部に回転自在に支持し、この駆動筒軸内に嵌挿されるスプール軸の前部に、釣糸を巻回保持するスプールを設け、前記ハンドルを回転することにより、前記駆動筒軸に取付け固定したロータをこの駆動筒軸と共に回転し、このロータに設けた釣糸案内部を通じて前記スプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールであって、
前記駆動筒軸とリール本体の支持部との間に、前記駆動筒軸をスプール軸の軸方向に沿って付勢する弾性部材を介挿し、前記ころがり軸受の内外輪間のガタ付きを抑えたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記駆動筒軸を竿先側に付勢することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルを回転することにより、ロータを回転し、このロータに設けた釣糸案内部を通じてスプールに釣糸巻回する魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、魚釣用スピニングリールは、リール本体から延出する脚部の端部に形成した竿取付部を介して釣竿に取付固定される。このリール本体には、ハンドルが固定されるハンドル軸が回転可能に支持されている。また、ハンドル軸にはドライブギアが固定されており、このドライブギアには、ハンドル軸に対して直交する方向に延び且つリール本体に回転自在に支持された駆動筒軸の基端部外周に形成された歯部(ピニオンギヤ)が噛合する。この駆動筒軸は、軸方向移動を規制するころがり軸受を介して支持されており、先端部にはロータが一体的に取り付けられ、この駆動筒軸内をハンドル軸と直交する方向に延在するスプール軸が貫通している。また、スプール軸の先端部には釣糸が巻回されるスプールが取り付けられている。スプール軸は、ハンドルからの回転力をスプール軸の前後動に変換するスプール往復動機構(オシレーティング機構)により、ハンドル軸と直交する方向に沿って往復動される(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
このように、魚釣用スピニングリールは、ハンドルを回転することにより、ロータを回転しながらスプール軸を前後動し、ロータの釣糸案内部を介してスプールに釣糸が巻き取る構成であるため、この巻取り操作時には、スプールに巻回される釣糸からロータを介して駆動筒軸に負荷が加わる。通常、この駆動筒軸を回転自在に支えるころがり軸受は、外輪をリール本体に固定部材を介して固定され、内輪を駆動筒軸とロータとで挟着することで、駆動筒軸の軸方向移動を規制し、この駆動筒軸にロータを固定することで、ロータを所定位置に支持する。
【特許文献1】特開平7−246045号公報
【特許文献2】特開平9−205946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ころがり軸受は、スムーズな回転を実現するために、内輪及び外輪と、内外輪間に配置される転動体との間にわずかなクリアランスを形成するのが一般的である。このため、内輪と外輪とはその軸方向に微小のガタ付きを生じ、このガタ付きがころがり軸受で軸方向規制される駆動筒軸に微小のガタ付きを生じさせる。
【0005】
一方、駆動筒軸に固定されるロータは、径方向に対向配置される一対の腕部のうち、一方側の腕部にのみ、釣糸案内部を支持しているため、回転時にアンバランスを生じる。このアンバランスを解消するバランス構造は、上述の特許文献1にも記載されているが、しかし、アンバランスを完全に解消することは困難であり、微小のアンバランスが残る。
【0006】
このため、ロータの回転時は絶えず微小の振動が生じ、この振動がころがり軸受のガタ付きを定常的に生じさせる。このようなころがり軸受の振動は、リール本体および釣竿にも伝わり、巻取り操作時に釣り人は、釣竿を握る手を通じて不快な微小振動を感得し、これにより、操作感が悪く、また、長時間の実釣りで手に疲労を生じさせる原因となる。
また、長期間にわたってころがり軸受にガタ付きを与え続けると、ころがり軸受の消耗が促進され、使用寿命が短くなる虞がある。
【0007】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、釣り人の手に伝わる振動を抑制し、使用寿命を延長することのできる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明によると、ハンドルに連動回転する駆動筒軸を、軸方向移動を規制するころがり軸受を介してリール本体の前部に回転自在に支持し、この駆動筒軸内に嵌挿されるスプール軸の前部に、釣糸を巻回保持するスプールを設け、前記ハンドルを回転することにより、前記駆動筒軸に取付け固定したロータをこの駆動筒軸と共に回転し、このロータに設けた釣糸案内部を通じて前記スプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールであって、前記駆動筒軸とリール本体の支持部との間に、前記駆動筒軸をスプール軸の軸方向に沿って付勢する弾性部材を介挿し、前記ころがり軸受の内外輪間のガタ付きを抑えた魚釣用スピニングリールが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、駆動筒軸とリール本体との間に、駆動筒軸をスプール軸の軸方向に沿って付勢する弾性部材を介挿することにより、この弾性部材が、駆動筒軸の軸方向移動を規制するころがり軸受の内外輪間のガタ付きで生じる駆動筒軸の微小の前後方向の動きと、ロータの回転時に生じる僅かなアンバランスとで発生するロータの振動を吸収する。これにより、リール本体を介して釣り人に振動が伝わるのを防ぎ、釣り人に不快感を与えるのを防止すると共に、ころがり軸受のガタ付きの抑制により、ころがり軸受の使用寿命を延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1から図3は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリール10を示す。
本実施形態の魚釣用スピニングリール10は、剛性構造のリール本体12aと、リール本体12aから延出する脚部12bと、脚部12bの端部に形成され且つ釣竿に取り付けられる竿取付部12cとを有する。リール本体12a内には、スプール14に釣糸を巻回するための巻取駆動機構が設けられている。具体的には、ハンドル16が固定されるハンドル軸18がリール本体12a内に回転可能に支持されている。ハンドル軸18にはドライブギア20が固定されており、このドライブギア20にはピニオンギア22aが噛合している。
【0011】
ピニオンギア22aは、ハンドル軸18に対して直交する方向に延び且つリール本体12aに後述する軸受24a,24bを介して回転可能に支持された駆動筒軸22に設けられている。この駆動筒軸22の先端部には、ベール26および釣糸案内部27を備えたロータ28が一体的に取り付けられている。
【0012】
ハンドル軸18と直交する方向に延在するスプール軸30が駆動筒軸22を貫通する。このスプール軸30は、駆動筒軸22と同心的に配されており、ハンドル軸18と直交する方向に沿って駆動筒軸22内を前後動できる。このスプール軸30の先端部に、釣糸を巻回する上述のスプール14が取り付けられる。
【0013】
また、ハンドル軸18には、オシレーティング機構(往復動機構)32の連動歯車34と噛合する歯車36が形成されている。本実施形態のオシレーティング機構32は、いわゆるギヤ方式のものであり、歯車36に噛み合ってこれと連動回転する連動歯車34と、連動歯車34に突設され且つ連動歯車34の回転中心軸から偏心して位置する係合突起34aと、スプール軸30の後端部にビス31を介して取り付けられ且つ係合突起34aと係合するカム溝38aを有する摺動子38と、摺動子38と係合して摺動子38の往復動を案内するガイドレール40とを備えている。このようなオシレーティング機構32は、ハンドル軸18がハンドル16の回転操作によって回転されると、ハンドル軸18上の歯車36と噛み合う連動歯車34が回転し、それに伴って、連動歯車34の係合突起34aが回転するとともに、係合突起34aと係合するカム溝38aの案内によって摺動子38が前後に往復動する。したがって、摺動子38に取り付けられたスプール軸30が軸方向に沿って往復駆動(前後動)する。
【0014】
以上の構成によれば、ハンドル16を回転操作してハンドル軸18を回転させると、オシレーティング機構32を介してスプール軸30に取り付けられたスプール14が前後に往復動するとともに、ドライブギア3、ピニオンギア22a、駆動筒軸22を介してロータ28が回転駆動する。したがって、スプール14には、釣糸案内部27を介して、釣糸が均等に巻回される。
【0015】
また、リール本体12aの後端壁部13には、ロータ28の逆回転(釣糸繰り出し方向の回転)を防止する周知の一方向クラッチ40を備えた逆転防止機構の切換ロッド42の端部が貫通しており、後端壁部13から外部に突出する切換ロッド42の端部には、切換レバー42aが取り付けられている。この切換レバー42aを通じて、ロータ28を正逆転可能な状態と、正転可能でかつ逆転不能の状態とに切換えることができる。また、一方向クラッチ40は、駆動筒軸22に対して回り止め嵌合された内輪40aと、内輪40aの外側に配され且つ複数の転動部材Rを保持する保持器40bと、保持器40bの外側に配された外輪40cとを有している。
【0016】
本実施形態では、ロータ28は、駆動筒軸22の先端に螺合される例えば六角ナット44と一方向クラッチ40の内輪40aとの間で挟持されて固定されている。この六角ナット44の軸部の内周面には雌ネジ44aが形成されており、この雌ネジ44aを駆動筒軸22の先端部外周面に形成された雄ネジに螺合させることより、ナット44が駆動筒軸22に締結される。この六角ナット44の頭部の外周面は、ロータ28に螺合したネジ部材45の頭部と係合しており、このネジ部材45により、六角ナット44の回転が防止される。
【0017】
図2に拡大して示すように、六角ナット44の頭部の内周側には、凹環状の収容溝44bが形成されている。この収容溝44b内には、樹脂製のカラー46aを介してスプール軸30を回転可能に支持するころがり軸受48が収容されている。本実施形態では、ころがり軸受48が収容溝44bから抜け出るのを防止するため、皿小ネジ49が六角ナット44の端面に螺合してあり、この皿小ネジ49の頭部を介して、ころがり軸受48を係止する。なお、駆動筒軸22の後部では、スプール軸30は、樹脂製カラー46bを介して、この駆動筒軸22およびリール本体12aに支えられており、したがって、駆動筒軸22の前後に配置された2つの樹脂製カラー46a,46bにより、駆動筒軸22の内周面とスプール軸30の外周面との間に、極めて僅かな間隙Sを形成される。これにより、駆動筒軸22とスプール軸30との間の摩擦が軽減され、ハンドル16の回転に連動して、駆動筒軸22およびロータ28が滑らかにかつ一体的に回転する。
【0018】
図2および図3に示すように、本実施形態の駆動筒軸28は、2つのころがり軸受24a,24bにより、軸方向移動を規制された状態でリール本体12aの前部に支持されている。
【0019】
具体的には、本実施形態の駆動筒軸22は、ピニオンギヤ22aの外径を筒部22bおよび後端支持部22cよりも大径に形成してあり、リール本体12aに形成した段付き構造の収容凹部15に嵌合されかつ後方への移動を阻止されたころがり軸受24aが、ピニオンギヤ22aとの間にワッシャ50を介してこのピニオンギヤ22aの前方側で筒部22bを支える。このころがり軸受24aの前方側すなわち竿先側では、ワッシャ52と一方向クラッチ40とをリール本体12a内に保持する保持板54が、固定ネジ56でこのリール本体12aに固定してある。これにより、ころがり軸受24aの前方側および後方側への移動が阻止され、駆動筒軸22は、ピニオンギヤ22aおよびワッシャ50を介して係合するころがり軸受24aにより、前方側への軸方向移動が規制される。なお、本実施形態では、ピニオンギヤ22aとの間に介挿する後方側のワッシャ50をころがり軸受24aの内輪に係合させ、一方向クラッチ40の外輪40cとの間に介挿する前方側のワッシャ52をころがり軸受24aの外輪に係合させてあるが、これとは逆にすることも可能である。
【0020】
また、駆動筒軸22の後端支持部22cを支えるころがり軸受24bは、リール本体12aに一体に形成された支持部17に収容される。この支持部17は、ころがり軸受24bの外輪を嵌合する凹部17aと、この凹部17aの後端側外周部から半径方向内方に突出するフランジ部17bとを有し、このフランジ部17bところがり軸受24bの外輪との間で、上述の樹脂製カラー46bを挟持する。これにより、ころがり軸受24bの後方側への移動が阻止され、駆動筒軸22はピニオンギヤ22aを介して係合するころがり軸受24bにより、後方側への軸方向移動が規制される。
【0021】
そして、この支持部17に収容されたころがり軸受24bの内輪とピニオンギヤ22aとの間には、スプリングワッシャ56を介挿してあり、このスプリングワッシャ56が、弾性部材としてスプール軸30の軸方向に沿って駆動筒軸22を前方側すなわち竿先側に付勢する。結果として、リール本体12aの支持部17と駆動筒軸22との間に、軸受24aと弾性部材であるスプリングワッシャ56が介挿される。これにより、前方に配置されたころがり軸受24aは、外輪をリール本体12aに保持されつつ内輪を前方側に付勢され、一方、後方に配置されたころがり軸受24bは、外輪をリール本体12aに係止されつつ内輪を後方側に付勢される。したがって、ころがり軸受24a,24bの内輪と外輪との間に形成されるわずかな間隙が排除される。
【0022】
このように形成された魚釣用スピニングリール10は、駆動筒軸22をスプール軸30の軸方向に沿って付勢するスプリングワッシャ56が、リール本体12aとの間に介挿されていることにより、駆動筒軸22の軸方向移動を規制しているころがり軸受24a,24bの内外輪間のガタ付きで生じる駆動筒軸22の微小前後動が吸収される。更に、駆動筒軸22に結合されたロータ28が回転する際の僅かなアンバランスに起因するロータの振動も、スプリングワッシャ56で吸収される。したがって、例えば巻取り操作時に、ころがり軸受24a,24bやロータ28に起因する振動が、リール本体12aを通じて釣り人の手に伝わるのを防ぎ、釣り人に不快感を与えるのを防止すると共に、ころがり軸受のガタ付きの抑制により、ころがり軸受の使用寿命を延長することができる。
【0023】
更に、振動を吸収するスプリングワッシャ56が駆動筒軸22を竿先側に付勢することにより、駆動筒軸22とロータ28との間に介在するころがり軸受24aに対しても、簡単な構造でありながらも、無理なく付勢力を与えることができる。
【0024】
図4および図5は、変形例を示す。なお、以下に説明する種々の変形例および実施形態は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0025】
図4に示す変形例は、上述のスプリングワッシャ56に代え、弾性部材としてコイルスプリング58をころがり軸受24bの内輪とピニオンギヤ22aとの間に介挿し、駆動筒軸22を竿先側に付勢する。また、図5に示す変形例では、コイルスプリング60をころがり軸受24bの外輪と受部材17のフランジ部17bとの間に介挿し、ころがり軸受24bの内輪とピニオンギヤ22aとの間にワッシャ62を介挿してある。
【0026】
いずれの変形例についても、上述の実施形態と同様に、ころがり軸受24a,24bやロータ28に起因する振動が、リール本体12aを通じて釣り人の手に伝わるのを防ぎ、釣り人に不快感を与えるのを防止すると共に、ころがり軸受のガタ付きの抑制により、ころがり軸受の使用寿命を延長することができる。
【0027】
図6から図8は、第2の実施形態を示す。
本実施形態の魚釣用スピニングリール10Aでは、上述のギヤ方式とは異なり、オシレーティング機構32Aが、ピニオンギヤ22aと噛み合って回転するウォームシャフト(トラバースカム軸)64aと、ウォームシャフト64aの溝と噛み合いかつスプール軸30に対してその軸方向に移動不能に取り付けられたスライダ64bとからなり、ハンドル軸18がハンドル16の回転操作によって回転されると、スプール軸30を軸方向に沿って往復駆動(前後動)する。
【0028】
図7および図8に拡大して示すように、駆動筒軸22は一方向クラッチ40の前後に配置された2つのころがり軸受66a,66bにより、軸方向移動を規制された状態で、リール本体12aに回転自在に支持されている。前方に配置されたころがり軸受66aは内部を密閉されたシールタイプに形成してある。
【0029】
後方側のころがり軸受66bは、リール本体12aに形成した凹環部19内に収容され、竿先側に向けて、一方向クラッチ40と前方側のころがり軸受66aとが順に配置される。本実施形態では、ピニオンギヤ22aところがり軸受66bの内輪との間にワッシャ68を介挿し、ころがり軸受66bの内輪と一方向クラッチ40の内輪40aとの間に薄いワッシャ69を介挿し、一方向クラッチ40の内輪40aと前方側ころがり軸受66aの内輪との間に、ワッシャ70を介挿してある。そして、前方側ころがり軸受66aの内輪との間にロータ28を挟持した状態でナット44を締め付けることにより、ロータ28が駆動筒軸22上に固定される。後方側ころがり軸受66bの外輪と一方向クラッチ40の外輪との間には僅かな間隙が設けられる(図8参照)。
【0030】
また、前方側ころがり部材66aの外輪は、前端側が保持板54に当接し、一方向クラッチ40の外輪40cと前方側ころがり軸受66aの外輪との間にスペーサ72を介挿され、前方側ころがり軸受66aの外輪および一方向クラッチ40の外輪が保持板54で、前方側への移動を規制される。これにより、駆動筒軸22は、2つのころがり軸受66a,66bにより、リール本体に対して回転自在で、かつ、軸方向移動を規制された状態に保持される。
【0031】
そして、本実施形態では、Oリング74が、後方側ころがり軸受66bを介して駆動筒軸22とリール本体12aとの間に、駆動筒軸22を軸方向に付勢する弾性部材として、介挿されている。具体的には、Oリング74は、リール本体12aに形成した支持部である凹環部19の底壁あるいは段部19aところがり軸受66bの外輪との間に介挿されている。このOリング74は、ころがり軸受66bの外輪を介して、駆動筒軸22に固定されたころがり軸受66bの内輪、ワッシャ69、一方向クラッチの内輪40a、ワッシャ70、ころがり軸受66aの内輪および駆動筒軸22を前方に付勢する。保持板54が前方側ころがり軸受66aの外輪と一方向クラッチ40の外輪との前方への移動を阻止し、ナット44が駆動筒軸22に対するこれらのころがり軸受66a,66bと一方向クラッチ40のそれぞれの内輪の軸方向移動を規制するため、それぞれの外輪が内輪に対して付勢され、ころがり軸受66a,66bの内外輪間のガタ付きで生じる駆動筒軸22の微小前後動が吸収される。
【0032】
以上のように、本実施形態においても、Oリング74が、駆動筒軸22の軸方向移動を規制するころがり軸受66a,66bの内外輪間のガタ付きで生じる駆動筒軸22の微小の前後方向の動きと、ロータ28の回転時に生じる僅かなアンバランスとで発生するロータ28の振動を吸収する。これにより、リール本体12aを介して釣り人に振動が伝わるのを防ぎ、釣り人に不快感を与えるのを防止すると共に、ころがり軸受66a,66bのガタ付きの抑制により、ころがり軸受の使用寿命を延長することができる。
【0033】
上述の各実施形態では、駆動筒軸22は、軸方向移動を規制する複数のころがり軸受すなわち前方側ころがり軸受24a,66aと、後方側のころがり軸受24b,66bとで支持し、弾性部材を、後方側ころがり軸受24b,66bとリール本体12aとの間に配置したものであるが、これに限らず、前方側ころがり軸受24a,66aとリール本体12aとの間に配置することも可能である。この場合、弾性部材は内輪あるいは外輪といずれの側を介して駆動筒軸22を付勢してもよい。また、複数のころがり軸受の1つに弾性部材を設けるだけでなく、複数あるいは全てのころがり軸受に設けることも可能である。この場合には、スプリングワッシャ、コイルスプリングあるいはOリングを含む種々の弾性部材のうち、複数種を組合せて用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの内部構造を示す断面図。
【図2】図1の一部の拡大断面図。
【図3】図2の一部を更に拡大した断面図。
【図4】変形例を示す図3と同様な断面図。
【図5】他の変形例を示す図3と同様な断面図。
【図6】第2の実施形態による魚釣用スピニングリールン図1と同様な断面図。
【図7】図6の一部の拡大断面図。
【図8】図7の一部を更に拡大した断面図。
【符号の説明】
【0035】
10…魚釣用スピニングリール、12a…リール本体、14…スプール、16…ハンドル、22…駆動筒軸、24a,24b…ころがり軸受、27…釣糸案内部、28…ロータ、56…スプリングワッシャ。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号
【出願日】 平成16年2月4日(2004.2.4)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【公開番号】 特開2005−218329(P2005−218329A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−27989(P2004−27989)