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【発明の名称】 手釣り用釣り糸の手繰り補助装置
【発明者】 【氏名】田房 律夫

【要約】 【課題】基本的には手釣りの趣向を邪魔することなくその醍醐味等を思う存分楽しめるものとしつつ、手指等の痛みが起こった場合など必用に応じて、釣り糸の手繰り寄せを補助できるような手繰り補助装置を案出する。

【解決手段】手釣り用釣り糸10を1周以上巻き掛け可能な手繰りロータ2と、この手繰りロータ2に回転動力を伝えるロータ駆動部4と、このロータ駆動部4を支持する装置本体3とを有し、この装置本体3には船体適所37に対して着脱自在となるクランプ部31が設けられて成るものとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手釣り用釣り糸(10)を1周以上巻き掛け可能な手繰りロータ(2)と、この手繰りロータ(2)に回転動力を伝えるロータ駆動部(4)と、このロータ駆動部(4)を支持する装置本体(3)とを有しており、この装置本体(3)には船体適所(37)に対して着脱自在となるクランプ部(31)が設けられていることを特徴とする手釣り用釣り糸の手繰り補助装置。
【請求項2】
前記手繰りロータ(2)に対しその外周面に近接する配置で手釣り用釣り糸(10)の巻き掛け時横揺れを防止する糸ガイド(20)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の手釣り用釣り糸の手繰り補助装置。
【請求項3】
前記装置本体(3)には、クランプ部(31)に対して手繰りロータ(2)を首振り自在にすると共に首振り角度の固定を可能にする首振り角度設定手段(32)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の手釣り用釣り糸の手繰り補助装置。
【請求項4】
前記装置本体(3)には、所定範囲で弾力性を有する魚信アンテナ(50)が装着可能になっており、この魚信アンテナ(50)には手繰りロータ(2)へ巻き掛ける直前の手釣り用釣り糸(10)を通す糸通し部(51)と、当該魚信アンテナ(50)の振動を周辺に報知する報知手段(52)とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の手釣り用釣り糸の手繰り補助装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、手釣り用釣り糸の手繰り補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アジ、サバ、イサギ、タイ、ハマチなどを海洋へ出て船釣りする場合、釣り竿を用いた「竿釣り」とは別に、引き合いの手応えや醍醐味を肌で感じて楽しむ趣向として「手釣り」がある。因みに手釣りは、糸巻き用木枠に巻き付けた状態又はループ状に整然と巻いた状態で釣り船のデッキ上に置かれた釣り糸(勿論、釣り竿は無い)の先端側に仕掛け(釣り針や錘)と餌を取り付け、これを海中へ流すと共に船上では釣り人が釣り糸を人差し指等に引っ掛け、親指を添えるようにしつつ当たりを待ち、当たりがあったときには両腕を交互に動かして釣り糸を手繰り寄せるという釣り方をするものである。
【0003】
従来、この手釣りをする際に、釣り人によって海中から手繰られて釣り船のデッキ上へ投げ出される釣り糸が、デッキ上で散乱するのを防止するために、この釣り糸を順次巻き取るようにした巻取装置が提案されている(特許文献1参照)。この手釣り用巻取装置は電動で回転する巻取リールを有したもので、この巻取リールまわりに、釣り人によって手繰られた後の釣り糸を改めて全部、巻き付けるようにしている。要するに、(釣りに伴う)張力が無くなった後の釣り糸を回収し、格納するための装置であると言える。
なお「竿釣り」に関しては、釣り竿に直接又は間接に装着する電動リールが周知である(例えば、特許文献2など参照)。この電動リールでは、回転するリールにより海中からの釣り糸の巻き取りを行うと共に、巻き取った釣り糸をそのままリールまわりに全部、巻き付けるようになっている。
【0004】
また「延縄漁」などで漁船に搭載される釣縄や網用の巻取装置も知られている(例えば、特許文献3など参照)。この漁船搭載用の巻取装置は、回転するローラーと周回転するエンドレスベルトとを互いに摺り合わせ、これらの摺り合わせ間で釣縄や網を海中から引き上げるようにするものである。
【特許文献1】実用新案登録第3091611号公報
【特許文献2】実開平5−91350号公報
【特許文献3】実開平7−25770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手釣りでは、あまり慣れていない者がすると、何度も釣り糸の手繰り寄せ動作を繰り返したときに手指が痛くなるということがある。尤も仕掛けに掛かった魚が大物であったり引きの強いものであったりしたときであれば、慣れ不慣れに関係なく、手指が痛くなる。
ところで、このような場合に「竿釣り」の場合よろしく従来の手釣り用に提案された巻取装置(特許文献1のもの)で釣り糸の巻き上げをしようとしても、この巻取装置では巻取リールに対して釣り糸の全部を巻き付ける構造であるため、最初から釣り糸の尾端を巻取リールに固定しておかなければならず、そのうえで、常に、釣り人による釣り糸の手繰り寄せと巻取リールによる釣り糸の巻き付けとを同調させるように、この巻取装置を作動させておく必用がある。
【0006】
このような巻取装置の作動や制御は非常に難しい。そのため、いざ仕掛けに魚が掛かり、その時点で手指が痛いと気付いたときには、巻取装置をすぐに有効な作動状態とさせる(巻き取りを開始させる)ことができないと言わざるを得ない。しかも、この巻取装置は釣り船のデッキなどに対して据え置き型となっており、必ずしも釣り人の居場所の近くにあるとは限らない。このようなことから、従来の巻取装置は釣り糸を海中から巻き上げる役には立たず、あくまでも、張力が無くなった後の釣り糸を回収し、格納するための装置にすぎないと言わざるを得ない。
【0007】
また「竿釣り」時に用いる電動リール(特許文献2等)は、そもそもが海中からの釣り糸の巻き取りとリールまわりへの巻き付けとを一貫して行うものであり、この点で上記した手釣り用巻取装置と同じものと言え、のみならず、この竿釣り用電動リールは釣り竿が装着の対象及び前提となっていることから、逆の言い方をすれば、これを手釣りで使用することはできない。
なお、「延縄漁」などでの漁船搭載用の巻取装置は、手釣り用巻取装置や竿釣り用電動リールとはその大きさも出力も甚だ異なるものであり、本来、技術的範疇を異にすると言っても過言ではない
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基本的には手釣りの趣向を邪魔することなくその醍醐味等を思う存分楽しめるものとしつつ、手指等の痛みが起こった場合など必用に応じて、釣り糸の手繰り寄せを補助できる(委ねられる)ようにした手釣り用釣り糸の手繰り補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る手釣り用釣り糸10の手繰り補助装置1は、釣り糸10を1周以上巻き掛け可能な手繰りロータ2と、この手繰りロータ2に回転動力を伝えるロータ駆動部4と、このロータ駆動部4を支持する装置本体3とを有したものである。そして装置本体3に対して、船体適所37に対して着脱自在となるクランプ部31が設けられている。
このような構成の手繰り補助装置1は、釣り船上にて手釣りを行おうとする場所の近くで、船縁(フナベリ)などの船体適所37へクランプ部31を使って取り付けておく。そしてこの状態のまま、例えば最初の段階ではこの手繰り補助装置1を使わずに、手釣りを堪能する。そして手釣りによって手指が痛くなったときなど、必用が生じたときに、釣り糸10を手繰りロータ2へ一周程度、巻き掛け、そのうえでロータ駆動部4を作動させる。これにより、手繰りロータ2の回転によって釣り糸10の手繰り寄せを補助させることができるようになる。手繰り寄せられた釣り糸10は、手繰りロータ2へ巻き付けてゆくのではなく、本来の手釣り同様、釣り船のデッキ上又は回収カゴ内などへ引き上げるか、或いは糸巻き用木枠等へ巻き付けるようにする。
【0009】
手繰りロータ2に対し、その外周面に近接する配置で釣り糸10の巻き掛け時横揺れを防止するための糸ガイド20を設けるのが好適である。
この糸ガイド20を設けておけば、仕掛けに掛かった魚が激しく泳ぎまわるようなことがあった場合にも、手繰りロータ2から釣り糸10が外れるのを防止できる。
装置本体3には首振り角度設定手段32を設けることも可能である。この首振り角度設定手段32は、クランプ部31に対して手繰りロータ2を首振り自在にさせると共に、所定の首振り角度とした後に、この首振り角度を固定可能にするためのものである。
【0010】
このような首振り角度設定手段32を設けると、潮の流れをはじめとして、風や釣り船の向きなどに対して釣り糸10の流す方向を順応させるように手繰りロータ2の向きを調節することができる。そのため、手繰りロータ2による釣り糸10の手繰り寄せが円滑に行え、また手繰り寄せの途中で手繰りロータ2から釣り糸10が外れるのを防止できる。
装置本体3に対し、所定範囲で弾力性を有する魚信アンテナ50を装着可能にすることが可能である。この魚信アンテナ50には、手繰りロータ2へ巻き掛ける直前の釣り糸10を通す糸通し部51と、この魚信アンテナ50の振動を周辺に報知する報知手段52とを設けておく。なお、この報知手段52は、音や光などを発生させることによって周辺に居る釣り人に注意を喚起させるためのものである。
【0011】
このような魚信アンテナ50を装置本体3に装着すると、仕掛けに対して魚のあたりがあるかどうかを報知手段52が報知するまで、放っておくことができる。すなわち、釣り人は、他の用事をしたり休憩をしたり、或いは一人で複数の仕掛けを管理したりできることになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る手釣り用釣り糸の手繰り補助装置では、基本的には手釣りの趣向を邪魔することなくその醍醐味等を思う存分楽しめるものとしつつ、手指等の痛みが起こった場合など必用に応じて、釣り糸の手繰り寄せを補助できるようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図5は、本発明に係る手釣り用釣り糸の手繰り補助装置1の一実施形態を示している。この手繰り補助装置1は手繰りロータ2を有している。この手繰りロータ2は横軸まわりで縦回転できる状態に装置本体3によって支持されている。またこの手繰りロータ2は、ロータ駆動部4によりその回転が駆動されるようになっている。
手繰りロータ2は、車輪形をしたロータ本体7に対しその幅方向両側に径方向外方へ張り出すフランジ8が設けられたもので、これら両フランジ8によって挟まれるようになったロータ本体7の外周面に釣り糸10を巻き掛けることができ、また巻き掛けた釣り糸10がフランジ8を超えて横方へ外れないようにしてある。
【0014】
図4に示すように、ロータ本体7の外周面は、幅方向中央部に所定幅で径小化された本胴部7aが設けられ、その幅方向両側に中央の本胴部7aへ向けて徐々に径小化するテーパ部7bが設けられたものとしてある。テーパ部7bの最小径は本胴部7aより径大なものとされており、本胴部7aの幅方向両側に段差が突出形成されるようにしてある。これらテーパ部7bや段差の存在により、釣り糸10が基本的に本胴部7aに巻き掛けられた状態に保持され、この本胴部7aから可及的に横ズレしないようにしてある。
なお、テーパ部7bから本胴部7aへ臨む段差部には、釣り糸10の切断を防止するためにアール面取りを施しておくのが好適である。同様に、フランジ8の外縁部にもアール面取りを施しておくのが好適である。
【0015】
本胴部7aの幅Wは釣り糸10を一周以上、巻き掛けることができればよいので、それほど幅広いものとする必用はない。本実施形態では本胴部7aの幅Wを9mmとし、テーパ部7bの幅Tを8mmとした。本胴部7aの直径Dについては、小径すぎると釣り糸10のスリップが生じて手繰り作用が不能又は不安定になるので、ある程度の大きさが必用である。実験では、直径Dを70mm程度としたのでは釣り糸10にスリップが見受けられたため、100mm以上、好ましくは140mm以上とするのがよい。ただ大きければよいというものでもなく、この手繰り補助装置1の全体としての持ち運びに不便とならない範囲にしておく必用がある。本実施形態では本胴部7aの直径Dは約140mmとした。
【0016】
この手繰りロータ2は、海水や潮風などに対して耐食性に優れた材質(例えば、アルミ等の軽合金やステンレス、チタン、プラスチック、セラミック、或いは木)によって形成されている。回転用駆動の負担を軽減させ、またこの手繰り補助装置1の全体としての持ち運びを容易にするため、なるべく軽量であることが望まれ、必用に応じて軽量化のための肉抜き孔11を形成させればよい。
ロータ駆動部4は、手繰りロータ2の回転軸部に接続された減速部15とこの減速部15に高速回転駆動を入力する原動部16とを有している。減速部15による減速比は、手繰りロータ2による釣り糸10の手繰り寄せ速度が、手釣り時の手繰り速度と略同じぐらいになるように設定されている。
【0017】
原動部16には電動モータを採用するのが最適であるが、小型エンジンを採用することも可能である。原動部16に電動モータを採用する場合、そのオンオフスイッチ17を手前側へ設けて操作し易いようにすればよい。またこの原動部16用の動作電源としては、6V、12V、24V程度の携帯用バッテリー(図示略)を接続するか、釣り船に搭載された操船用バッテリーを接続するのもよい。オンオフスイッチ17に近接させてスピードコントロールスイッチ(図示略)を設け、これで手繰りロータ2の回転数を所望に調節できるようにするのもよい。
【0018】
このロータ駆動部4には、手繰りロータ2におけるロータ本体7の外周面に近接させて釣り糸10を通す糸ガイド20が設けられている。この糸ガイド20は、釣り糸10が横揺れしたときにその振れ幅を制限し、手繰りロータ2への巻き掛け状態が外れるのを防止するためのものである。
この糸ガイド20は、リングの一部を欠如させることでその欠如部分に糸入れ口21を形成させた形状(平面C型)を有していると共に、この糸入れ口21に対して側方へ向く位置関係で取付脚23が突設されたものとなっている。また、この取付脚23には更にボルト24が突設されており、減速部15から延びる取付ステー25に対してこのボルト24を貫通させた状態で蝶ナット26を螺合してボルト止めされている。従ってこの糸ガイド20は、糸入れ口21が手繰りロータ2の外周面に対して丁度、背を向けるように保持されることになる。
【0019】
なお、取付ステー25への取り付けに蝶ナット26を用いてあることで、これを簡単に緩めたりまた締め込んだりが自在であり、蝶ナット26を緩めた状態とすれば、糸ガイド20はボルト24を中心とする向き換えが可能になっている。また、取付ステー25は減速部15に対してボルト27及びナット28を用いて固定してあるが、このボルト27及びナット28を緩めることで取付ステー25の傾き自体を変更調節することができる。これにより、手繰りロータ2のまわりでの糸ガイド20の位置付けを調節することも自在に行えるようになっている。
【0020】
装置本体3は、ロータ駆動部4ごと手繰りロータ2を持ち上げて保持するようになった支持基部30と、この支持基部30の下部に設けられたクランプ部31とを有している。また、これら支持基部30とクランプ部31との上下間には、首振り角度設定手段32が設けられている。
支持基部30は、旋回台34を基礎としてこれからロータ駆動部4の減速部15と連結される支持アーム35が延び出た構造となっている。減速部15と支持アーム35との連結部分は、上記した減速部15に対する取付ステー25の固定部分でボルト27及びナット28により共締めさせてある。また、支持アーム35と旋回台34との連結部分は、ボルト36によりボルト止めされている。このボルト36を緩めた状態とすれば支持アーム35の傾き自体を変更調節することができるので、これにより、ロータ駆動部4ごと、手繰りロータ2の保持角度を前後傾方向へ調節することも自在に行えるようになっている。
【0021】
図2に示すように、クランプ部31は釣り船の船縁(フナベリ)など、船体適所37に対して着脱自在とされたもので、上部挟持片38及び下アゴ39と、この下アゴ39に対して上下方向に串刺し状に螺合貫通されたクランプボルト40とを有している。クランプボルト40には、その上端部に下部挟持片41が回転自在に設けられ、また下端部には回動操作用のクランクハンドル42が取り付けられている。なお、上部挟持片38の下面にはすべり止め及び船体適所37に対する傷防止のために、パッド43が設けられている。
首振り角度設定手段32は、ロータ駆動部4の旋回台34に対し、これを上下方向に串刺しにする状態で蝶ボルト46が刺し通され、この蝶ボルト46がクランプ部31の上部挟持片38に螺合されることで形成されている。蝶ボルト46を用いてあることで、これを簡単に緩めたりまた締め込んだりが自在であり、蝶ボルト46を緩めた状態とすれば、旋回台34は蝶ボルト46を中心とする向き換えが可能になっている。すなわち、クランプ部31対して手繰りロータ2を首振り自在にさせることができる。勿論、手繰りロータ2の首振り角度を決定させた後、蝶ボルト46を締め込めば、この首振り角度は固定可能である。
【0022】
なお、手繰りロータ2に釣り糸10が巻き掛けられた状態であって、釣り糸10の先が仕掛けに掛かった魚によって強く引っ張られ、且つこの引張方向が左右に振られたような場合に、この首振り角度設定手段32が簡単に緩んでしまうことがないように、本実施形態ではロータ駆動部4の旋回台34とクランプ部31の上部挟持片38との間で凹凸係合ができる構造を採用した。
すなわち、旋回台34の下面にはロックピン47を下向きに突設させると共に、上部挟持片38の上面にはこのロックピン47が嵌るピン用凹部48を、複数の首振り角度(図例では3箇所)に合わせて凹設してある。ロックピン47とピン用凹部48との上下位置関係を相対逆にすることもできる。
【0023】
なお、このような装置本体3において、本実施形態では、上記した支持基部30の旋回台35に魚信アンテナ50が設けられている。この魚信アンテナ50は、カーボンロッドなどにより形成されたもので、豊富な可撓性及び弾性を有している。この魚信アンテナ50は釣り竿としての作用を期待したものではないので、長さ的には50〜60cmもあれば十分である。
図1に示すように、この魚信アンテナ50の先端部には釣り糸10を通す糸通し部51が設けられている。また、この魚信アンテナ50が振動したときに、これを周辺に居る釣り人に報知する報知手段52が設けられている。この報知手段52は例えば鈴である。
【0024】
この魚信アンテナ50は必用に応じて装置本体3に対して着脱できるようになっている。本実施形態では、支持基部30の旋回台35に魚信アンテナ50の根本部を差し込み可能としたソケット53を斜め前方へ向けて突き出すように設けておき、このソケット53の先端部寄りに抜け止め用のセットボルト54を螺合させる構造とした。
次に、このような構成の手繰り補助装置1において、その使用状況を説明する。なお、多くの場合、「手釣り」を行うための釣り船は「竿吊り」をする釣り船とは別に仕立てられ、乗船する釣り客の殆どに「手釣り」を行う環境が与えられる。そして、釣り船には手釣り用の釣り糸10が予め、準備されている。そこで釣り人は、本発明に係る手釣り補助装置1を所持して釣り船に乗り込めばよい。勿論、釣り船側においてこの手釣り補助装置1をも準備しておくことは可能である。
【0025】
釣り船に乗船した釣り人はまず、釣り船上にて手釣りを行おうとする所望場所に陣取り、その近くの船縁(フナベリ)など、船体適所37へこの手釣り補助装置1のクランプ部31を挟み込み、クランクハンドル42を回してこの手釣り補助装置1の取り付けを行う。そしてロータ駆動部4を携帯用バッテリー等の適宜電源(図示略)と接続し、オンオフスイッチ17をオン操作しさえすれば手繰りロータ2が回転する状態にしておく。
多くの場合、最初の段階ではこの手繰り補助装置1を使わずに、人差し指へ釣り糸10を引っ掛け、それに親指を添えるようなかたちで手釣りを堪能する。そして手釣りによって手指が痛くなってきた頃、釣り糸10に当たりがきたとして、またそのときの魚が大物であったり引きが強かったりしたとする。
【0026】
この場合などには、図5に示すように人差し指に引っ掛けた釣り糸10を、先ず、手順1)で示すように糸ガイド20の糸入れ口21内へ入れて手繰りロータ2の上部へ回し、次に手順2)〜3)で示すように手繰りロータ2のまわりへ一周程度、巻き掛ける。そして、手順4)で示すように釣り糸10を手繰りロータ2から手前側へ引き出した状態でオンオフスイッチ17をオン操作し、ロータ駆動部4の作動で手繰りロータ2を回転させる。これにより、手繰りロータ2と共にそのまわりに巻き掛けられた釣り糸10が手前へと手繰り寄せられるようになる。手繰り寄せられた釣り糸10は、本来の手釣り同様、釣り船のデッキ上又は回収カゴ内などへ引き上げるようにすればよい。勿論、糸巻き用の木枠へ巻き付けるようにしてもよい。
【0027】
この間、仕掛けに掛かった魚が激しく泳ぎまわるようなことがあった場合にも、釣り糸10が糸ガイド20によって横振れを制限された状態にあることから、手繰りロータ2から釣り糸10が外れるということはない。
なお、手指の痛さが治まり、また手釣りをする意欲が沸いてきたときには手繰りロータ2から釣り糸10を外し、再び手釣りを楽しめばよいものである。このように手繰りロータ2に対する釣り糸10の巻き掛けや外しは、所望に応じて自由に行えるものである。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0028】
例えば、手繰りロータ2は縦軸まわりで横回転させるものとしてもよい。手繰りロータ2の外径、回転方向、回転速度などは適宜変更可能である。
魚信アンテナ50に設ける報知手段52は、魚信アンテナ50が振動したことを振動センサなどによって検出し、これで電子ブザーや電子メロディのようなものを鳴らしたり、或いは懐中電灯のようなものを光らせたりするものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る手繰り補助装置の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視図(側面図)である。
【図3】図2の一部を拡大して示した側面図である。
【図4】図3のB−B線矢視図である。
【図5】図1の手繰り補助装置の使用状況を説明した斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 手繰り補助装置
2 手繰りロータ
3 装置本体
4 ロータ駆動部
10 釣り糸
20 糸ガイド
31 クランプ部
32 首振り角度設定手段
37 船体適所
50 魚信アンテナ
51 糸通し部
52 報知手段
【出願人】 【識別番号】504025125
【氏名又は名称】田房 律夫
【出願日】 平成16年1月20日(2004.1.20)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【公開番号】 特開2005−204522(P2005−204522A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−12282(P2004−12282)