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【発明の名称】 生物飼育用水槽
【発明者】 【氏名】須 田 親 義

【要約】 【課題】全体がガラスにより構成されており、開口部を確実に閉鎖して内部に収容される生物が水槽外に飛び出してしまうことが無く、必要に応じて適宜開口部を開放することが出来る様な蓋体を備えた生物飼育用水槽の提供。

【解決手段】ガラス水槽1の開口部縁部(1a)に嵌合可能な第1の固定部(リップ部2)と、該第1の固定部(2)と直交する方向に突出した第2の固定部(リップ部4)及びガイドレール部(6)と、前記第1の固定部2に嵌合して固定されるガラス水槽側壁(8)と、前記ガイドレール部(6)によりスライド可能に支持されている板状の(例えばガラス製)蓋体(10)、とを有すること特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス水槽の開口部縁部に嵌合可能な第1の固定部と、該第1の固定部と直交する方向に突出した第2の固定部及びガイドレール部と、前記第1の固定部に嵌合して固定されるガラス水槽側壁と、前記ガイドレール部によりスライド可能に支持されている板状の蓋体、とを有すること特徴とする生物飼育用水槽。
【請求項2】
ガラス水槽の開口部縁部に嵌合可能な第1の固定部と、該第1の固定部と直交する方向に突出した第2の固定部と、該第2の固定部に嵌合して固定される板状の第1の蓋体と、該第1の蓋体に対して回動自在に接続された第2の蓋体、とを有することを特徴とする生物飼育用水槽。
【請求項3】
ガラス水槽側壁を貫通する貫通部分と、該貫通部分が貫通しているガラス水槽側壁の内側面及び外側面をシールするシール部分と、前記貫通部よりも水槽の外側に設けられ且つ開閉機構を備えたバルブ部分と、前記貫通部よりも水槽の内側に設けられ且つ前記貫通部に対して回転可能なエルボ部分とを有しており、該エルボ部分はエルボの曲がり部を含む面が水槽内側底面に垂直に配置され、エルボ部分を取り付ける際の回転時に回転軸に直交する側の端部が水槽内側底面に接する距離に構成されていることを特徴とする請求項1又は2の何れかの生物飼育用水槽。
【請求項4】
ガラス水槽の側面に換気手段を設け、該換気手段は、ガラス水槽内の空気をガラス水槽外へ排出する送風手段と、該送風手段のガラス水槽に対して内側或いは外側の何れか一方に設けられ且つ脱臭剤を充填したフィルタ手段、とを有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項の生物飼育用水槽。
【請求項5】
水槽隅部に断面L字型のカバー部材を設け、水槽内に設けられた機器の電源コードが、水槽隅部及び前記カバー部材で画定された領域に配置されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項の生物飼育用水槽。
【請求項6】
冷陰極管を照明器具に使用した請求項1〜5の何れか1項の生物飼育用水槽。
【請求項7】
ガラス水槽側壁及び/又はガラス水槽底上面の任意の位置に取付自在に構成された支持部材と、該支持部材により支持されるトレイとを有しており、該トレイ内には陸棲生物飼育用床材が充填されている請求項1〜6の何れか1項の生物飼育用水槽。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、魚類、両生類、爬虫類、昆虫、その他の各種小動物(生物)の飼育容器として用いるのに好適な生物飼育用水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
生物飼育用水槽は、インテリアの一部を構成可能な程度まで美観が向上している。ガラス水槽は、ガラスという素材自体が有する美観により、また、近年のガラス加工技術の向上に起因して継目部分が極めて美麗に処理されるようになったため、ガラスのみから構成された総ガラス水槽は非常に人気が有る。
【0003】
ここで、生物飼育用水槽として用いられる以上、その様なガラス水槽には、蓋をする必要がある。
しかし、総ガラス水槽では、蓋取付用の冶具をガラス面に加工することが大変困難であり、そのため、係る取付用冶具を使用しなくても良いように、ガラス板を水槽上面の開口部に渡して置くだけの蓋が圧倒的に多いのが現状である。
水槽内に収納される生物が非常に力が強く、運動能力に富んでいる場合には、単にガラス板を置いただけの蓋では、水槽内側からガラス板を移動して、水槽内の生物が水槽外に脱出してしまう恐れがある。
【0004】
水槽内に収納されていた生物が魚類であれば、水槽外に脱出した魚類は生存が困難であり、また、飼育していた生物が脱出してしまうと飼育者としてのモラルに拘る事態が発生するのみならず、飼育生物の種類如何によっては、法規違反として刑罰或いは過料の対象となってしまう。従って、総ガラス水槽で生物を飼育する場合には、生物が水槽外へ脱出出来ないような蓋が必要である。
【0005】
また、生物の種類によっては、大量の紫外線を必要とする場合が存在する。紫外線を照射する照明手段は、各種提案されているが(例えば、紫外線灯)、紫外線はガラス板を透過する事が出来ない。
従来のガラス板を使用した蓋では、生物が要求するレベルの紫外線照射量を確保できないという問題がある。
ここで、ガラス板を取り外すことにより紫外線照射量を確保することも可能であるが、その場合、紫外線灯等の照射時間をきめ細かく制御しなければ、紫外線照射が強すぎて、生体に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
さらに、ガラス板で蓋をした場合、水槽内の湿度が上昇し過ぎて、所謂「蒸れた」状態となり、飼育生物の体調を崩してしまう事例が多々見受けられる。
【0007】
上述したような各種の問題点は、ガラス水槽の開口に開閉自在な蓋を取付自在にすることが出来れば、解消する。
しかし、ガラス水槽、特に総ガラス水槽にその様な開閉自在な蓋を、確実且つ強固に取り付ける技術は未だ確立されていない。
【0008】
例えば、キスゴム等で取り付けるタイプのものがあるが、蓋をガラス水槽に固着する力は弱い。
【0009】
なお、アクリル等で蓋と一体的に構成された飼育用ケージも存在する。
しかし、アクリルでは、ガラスのような素材そのものの美観を発揮することが出来ない。そのため、上述したようなインテリア的な生物の観察や鑑賞が不可能となってしまう。
アクリルはガラスに比較して傷が付き易いので、鋭い爪を持つ生物を飼育している場合では、美観の経時劣化が特に顕著である。
その他の従来技術として観賞魚飼育用水槽について提案されているが(例えば特許文献1参照)、上述した各種問題を解決するものではない。
【特許文献1】特開2001−245549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、全体がガラスにより構成されており、開口部を確実に閉鎖して内部に収容される生物が水槽外に逃げ出してしまうことが無く、必要に応じて適宜開口部を開放することが出来る様な蓋体を備えた生物飼育用水槽を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の生物飼育用水槽(A)は、ガラス水槽1の開口部縁部(1a)に嵌合可能な第1の固定部(リップ部2)と、該第1の固定部(2)と直交する方向に突出した第2の固定部(リップ部4)及びガイドレール部(6)と、前記第1の固定部2に嵌合して固定されるガラス水槽側壁(8)と、前記ガイドレール部(6)によりスライド可能に支持されている板状の(例えばガラス製)蓋体(10)、とを有すること特徴としている(請求項1)。
本発明の実施に際して、前記第1の固定部(2)、第2の固定部(4)、ガイドレール部(6)は例えば樹脂製であり、一体に整形されている(20)のが好ましい。
【0012】
また本発明の生物飼育用水槽(A2)は、ガラス水槽(1)の開口部縁部(1a)に嵌合可能な第1の固定部(リップ部2)と、該第1の固定部(2)と直交する方向に突出した第2の固定部(リップ部4)と、該第2の固定部(4)に嵌合して固定される板状の第1の(例えばガラス製)蓋体(12、12A)と、該第1の蓋体(12、12A)に対して(例えば、蝶番の様な部材13により)回動自在に接続された第2の(例えばガラス製)蓋体(14、14A)、とを有してことを特徴としている(請求項2)。
本発明の実施に際して、前記第1の固定部(2A)及び第2の固定部(4A)は、例えば樹脂製であり、一体に整形されている(20A)のが好ましい。
【0013】
係る構成を有する本発明によれば、
ガラス水槽の開口部縁部(1a)に第1の固定部(リップ部2)が嵌合し、第1の固定部(リップ部2)を有する部材(20)を強固にガラス水槽(1)に固着することが出来る。
また、蓋体(10)をガイドレール(6)に沿ってスライドすることにより、生物飼育用水槽(A)の蓋体(10)を開閉自在とすることが出来る(請求項1の場合)。
或いは、第2の蓋体(14、14A)を第1の蓋体(12、12A)に対して回動することにより、生物飼育用水槽(A2)を開閉自在な構造とすることが出来る(請求項2の場合)。
すなわち、ガラス水槽において、確実に固着される開閉可能な蓋体が提供される。
【0014】
例えば、外部からの紫外線照射量を抑えたい場合は第2の蓋体(14、14A)を水槽開口部(1a)を覆う状態(閉鎖状態)にせしめ、「蒸れ」防止等で水槽の開口部を大きくしたい場合は、第2の蓋体(14、14A)が水槽開口部(1a)を覆っていない状態(開放状態)にすれば良い。
【0015】
ここで、生物を水槽で飼育する際に、水生生物であれば、糞や食べ残しの餌等により水が汚染されてしまう。仮に、フィルタ等で係る糞や余剰の餌等を完全に除去することが可能であったとしても、水生生物の排泄物により、水中内のアンモニア濃度或いは硝酸塩濃度が上昇してしまう。
そして、水槽内の水が汚染されたり、アンモニア濃度或いは硝酸塩濃度が許容値以上になると、生物の生存が困難な状況となってしまう。そのため、定期的に、水槽内の水を全量或いは一定量だけ、清浄な水と交換してやる必要がある。特に、亀等の水棲爬虫類は、排泄物の量が非常に多いため、換水の頻度を非常に多くしてやらなければ成らないことが良く知られている。
【0016】
従来の水槽、特にガラス水槽では、その様な水の交換に多大な労力が必要とされている。
そのため、図21で示す様に、ガラス水槽(1J)底面近傍に給排水口(3J)を設け、給排水口に設けたバルブ(5J)を普段は閉鎖しておくが、水交換時には係るバルブ(5J)を開放して、水を排水している。
しかし、現状のガラス加工技術では、ガラス水槽の内側底面(1Ja)丁度の位置に給排水口(3J)を設けることは困難である。
すなわち、水を全量交換したい場合にも、深さδ分の水(汚染された水)だけは残ってしまい、その状態で綺麗な水を給水しても、残存した汚水が存在するので、水槽内の水を完全に清浄な水で満たすことは出来ない。
【0017】
これに対して、本発明の生物飼育用水槽(A3)では、ガラス水槽側壁(8)を貫通する貫通部分(8a)と、該貫通部分(8a)が貫通しているガラス水槽側壁(8)の内側面(8i)及び外側面(8o)を(水槽内部の液体が外部に漏出しないように)シールするシール部分(S)と、前記貫通部(8a)よりも水槽の外側に設けられ且つ開閉機構を備えたバルブ部分(V)と、前記貫通部(8a)よりも水槽の内側に設けられ且つ前記貫通部(8a)に対して回転可能なエルボ部分(E)とを有しており、該エルボ部分(E)はエルボの曲がり部を含む面が水槽内側底面(9i)に垂直に配置され、エルボ部分(E)を取り付ける際の回転時に回転軸(J)に直交する側の端部(Ee)が水槽内側底面(9i)に接する距離に構成されていることを特徴としている(請求項3)。
この構成は、上述した水槽(請求項1又は2の何れかの水槽)にそのまま適用することが出来る。
【0018】
係る構成を具備する本発明によれば、エルボ部分(E)を回転することにより、該エルボ部分(E)の一端(Ee)が水槽内側底面(9i)と最も接近する距離(γ)となる。また、エルボの回転時に回転軸(J)に直交する側の端部(Ee)の直径を小さくすれば、前記距離(γ)を極めて小さな値とすることが可能である。或いは、エルボ部分(E)は回転させないでエルボの一端(Ee)を水槽内側底面(9i)に接触させ、前記貫通部(8a)側を回転することによってエルボ部分(E)と貫通部(8a)を接続するようにすれば、前記距離(γ)を0(零)とすることが出来る。そして、その状態で排水すれば、水槽内の水の大部分が排水され、図20で説明した従来技術の場合のように、汚れた水が残ってしまうことが無い。
そのため、換水後の水槽内を、清浄な水で満たすことが出来る。
【0019】
なおエルボ部分は、単一の部材(E)であっても、複数部材(図11参照)であってもよい。
【0020】
本発明の生物飼育用水槽(A4)は、ガラス水槽(1C)の側面(8)に換気手段(16)を設け、該換気手段(16)は、ガラス水槽(1C)内の空気をガラス水槽(1C)外へ排出する送風手段(16a)と、該送風手段(16a)のガラス水槽(1C)に対して内側或いは外側の何れか一方に設けられ且つ脱臭剤(16c)を充填したフィルタ手段(16b)、とを有していることを特徴としている(請求項4)。
この構成は、上述した水槽(請求項1〜3の何れか1項の水槽1)にそのまま適用することが出来る。
【0021】
乾燥状態を好む生物を飼育するにあたっては、水槽内が「蒸れた」状態になると悪影響があるので、換気手段をガラス水槽に設ける場合がある。
係る換気手段をガラス水槽の開口部のみならず、側面部に取り付けることは、現在のガラス加工技術でも可能である。そして、換気効率を向上し、「蒸れ」を防止するためには、係る換気手段は、ガラス水槽の開口部よりも、側面部(特に下方)に設けるのが効果的である。
ここで、従来の換気手段は「防臭」という観点で作成されていないので、ガラス水槽内の雰囲気が悪臭を有する場合、ガラス水槽内を換気する際に、水槽内の空気が水槽外に排気されることにより、ガラス水槽を設置してある空間に悪臭を漂わせてしまう可能性がある。
【0022】
これに対して、上述した構成を具備した本発明の生物飼育用水槽(A4:請求項4)によれば、水槽(1C)内の空気は、送風手段(16)により排出される際に(フィルタ手段(16b)を送風手段(16a)のガラス水槽(1)に対して外側に設けた場合)、或いは、送風手段(16a)により吸引される際に(フィルタ手段16bを送風手段16aのガラス水槽に対して内側に設けた場合)、フィルタ手段(16b)に充填された脱臭剤(16c)を通過する。
したがって、水槽内の空気が悪臭を有していても、脱臭剤(16c)を通過する際に悪臭が除去されるので、水槽(1C)内を換気しても、悪臭が水槽を設置した部屋内に漂ってしまうことが防止される。
【0023】
水槽内を適温に維持する場合、水槽内に各種の温度調節手段(例えばヒーター)を設ける場合がある。通常、商用電源からコードを介して温度調節手段に電力を供給している。
しかし、飼育されている生物が、噛み付く、爪を立てる等により、前記コードを破損する恐れがある。
係る事態が生じると、温度調節手段が作動せず飼育適正温度が維持できない、又はコード破損の際に飼育生物が感電する、或いは漏電による危険がある、等の不都合が予想される。
【0024】
これに対して本発明の生物飼育用水槽(A5)は、水槽隅部(1c)に断面L字型のカバー部材(17)を設け、水槽(1)内に設けられた機器(例えばヒーター、フィルタ、その他)の電源コード(18)が、水槽隅部(1c)及び前記カバー部材(17)で画定された領域(19)に配置されることを特徴としている(請求項5)。
この構成は、上述した水槽(請求項1〜4の何れか1項の水槽1)にそのまま適用することが出来る。
【0025】
係る構成を具備する本発明の生物飼育用水槽(A5)によれば、水槽(1D)内に設けられた機器(例えばヒーター、フィルタ、その他)の電源コード(18)は水槽隅部(1c)及び前記カバー部材(17)で画定された領域(19)に配置されているので、飼育生物が電源コード(18)を破損しようとしても、断面L字型のカバー部材(17)で電源コード(18)は遮蔽されている。すなわち、飼育生物による電源コード(18)の破損が完全に防止される。
【0026】
本発明において、冷陰極管(22)を照明器具に使用することが好ましい(請求項6)。
冷陰極管(22)を照明器具に使用すれば、照明器具(22)からの発熱量が激減するので、特に夏場における水槽内温度(水温、気温)の上昇を抑制するのに非常に効果的である。
【0027】
さらに本発明において、ガラス水槽側壁(7、8)及び/又はガラス水槽底上面(9i)の任意の位置に取付自在に構成された支持部材(34)と、該支持部材(34)により支持されるトレイ(36)とを有しており、該トレイ(36)内には陸棲生物飼育用床材(例えば、消毒済みの土等37)が充填されているのが好ましい(請求項7)。
【0028】
この様に構成すれば、トレイ(36)の上縁部(26a)より下方まで水を充填して、水槽(1E)内に陸地部分(トレイ36内の領域)と水場部分(38)とを設けることが出来る。この場合、水場(38)の面積としては、トレイ(36)の下方も含まれるので、水槽(1E)内のスペースを有効利用することが出来る。
そして、例えば亀の様に、水陸で活動する生物を飼育するのに好適である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の作用効果について、以下に列挙する。
(1) ガラス水槽の開口部縁部に第1の固定部が嵌合し、第1の固定部を有する部材を強固にガラス水槽に固着することが出来る。
(2) 蓋体をガイドレールに沿ってスライドすることにより、生物飼育用水槽の蓋体を開閉自在とすることが出来る。
(3) 第2の蓋体を第1の蓋体に対して回動することにより、生物飼育用水槽を開閉自在な構造とすることが出来る。
(4) 水槽内の空気は、送風手段により排出される際にフィルタ手段に充填された脱臭剤を通過するので、水槽内の空気が悪臭を有していても、脱臭剤を通過する際に悪臭が除去され、悪臭が水槽を設置した部屋内に漂ってしまうことが防止される。
(5) 水槽内に設けられた機器の電源コードは水槽隅部及びカバー部材で画定された領域に配置されているので、飼育生物が電源コードを破損しようとしても、断面L字型のカバー部材で電源コードは遮蔽されおり、飼育生物による電源コードの破損が完全に防止される。
(6) 冷陰極管を照明器具に使用しているので、照明器具からの発熱量が激減し、特に夏場における水槽内温度(水温、気温)の上昇を抑制する。
(7) ガラス水槽側壁及び/又はガラス水槽底上面の任意の位置に取付自在に構成された支持部材と、支持部材により支持されるトレイとを有しており、該トレイ内には陸棲生物飼育用床材(例えば、消毒済みの土等)が充填されているので、トレイの上縁部より下方まで水を充填して、水槽内に陸地部分と水場部分とを設けることが出来る。この場合、水場の面積としては、トレイの下方も含まれるので、水槽内のスペースを有効利用することが出来る。そして、例えば亀の様に、水陸で活動する生物を飼育するのに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0031】
先ず、図1〜図5を参照して、第1実施形態を説明する。
図1〜4は第1実施形態の第1実施例を示しており、図1において、図示を省略した全体を符号Aで表す生物飼育用水槽は、図4に示すガラス水槽1の開口部縁部1aに嵌合する樹脂製の固定部材20を有している。
【0032】
その固定部材20は、ガラス水槽1の開口部縁部1aに嵌合可能な第1のリップ部2と、該第1のリップ部2と直交する方向に突出した第2のリップ部4、及び第2のリップ部で形成されるガイドレール部6とで構成されている。
前記第1のリップ部2には、前記ガラス水槽1の側壁8の上端(開口部縁部1a)が嵌合し、前記第2のリップ部4は図2に詳細断面(図1のX1−X1断面)を示すように、第2のリップ部4の上下のリップ4a、4bで形成されるガイドレール部6にはガラス製の蓋体10がスライド可能に系合している。
【0033】
又、図1のX2−X2断面は、図3に詳細を示すように、第3のリップ部5が形成され、その上下のリップ5a、5bの間は、上段が深く、下段が浅い段付溝60が形成されている。上段の深い溝部60aには、ガラス製の固定蓋11が挿入され固定される。又そのガラス製の固定蓋11と前記下側のリップ5bとで形成される溝部60bには、可動蓋10がスライド可能に系合している。すなわち、ガラス製の固定蓋11と前記下側のリップ5bとで形成される溝部60bの幅tは、可動蓋10の厚みよりも大に構成されている。
【0034】
図5は、第1実施形態の他の実施例である。第1実施形態の一実施例では、可動蓋10と、固定蓋11を有していたが、図5の他の実施例(生物飼育用水槽全体を符号A1で表す)は、蓋が可動蓋10Aのみの実施例である。
ガラス水槽1Aの1箇所の側壁7Aが下端から所定の高さまで垂直面7Ahが延び、垂直面の終了位置から、水槽の内側に倒れ込む様な斜面7Acが接続している。その他の側壁7B、8A、8Aは何れも垂直面であり、すべての側壁7A、7B、8A、8Aの上縁を結ぶ線は水平の開口部Aoを形成する。
【0035】
図1と、図5とを比較して明確なように、第1実施例Aの水槽1の底9と他の実施例の水槽A1の底9Aが同一であれば、他の実施例AIの開口部の面積、すなわち蓋の幅は狭くなるので、可動蓋1枚のみとしている。可動蓋1枚のみとすることで第2のリップ部は、図2で示す断面形状と同一の断面形状となる。
【0036】
次に図6〜図8を参照して第2実施形態を説明する。
図6及び図7の第2実施形態の第1実施例において、ガラス水槽は省略しているが全体を符号A2で表す生物飼育用水槽は、ガラス水槽の開口部縁部に嵌合する固定部材20Aを有している。
【0037】
その固定部材20Aは、ガラス水槽の開口部縁部に嵌合可能な第1の固定部リップ部2Aと、該第1のリップ部2Aと直交する方向に突出した第2のリップ部4Aとで構成され、該第2のリップ部4Aには板状で固定側の第1のガラス製蓋体12と、該第1の蓋体12に対して、蝶番13により回動自在に接続された第2のガラス製蓋体14が嵌合する。
【0038】
ここで、図7を参照して、左右の固定部材20A、20Aを水槽の適正位置(水槽の側壁が左右の第1のリップ2Aに嵌合されるような位置)に配置した場合の前記左右の第2のリップ部4Aの上方のリップ4Aa、4Aaの組幅、即ちリップ先端間の距離をWu、前記左右の第2のリップ部4Aの下方のリップ4Ab、4Abの組幅、即ちリップ先端間の距離をWl、左右の固定部材20Aのガイド溝6A、6Aの底部同士の幅をWg、第1のガラス製蓋体12の幅をW12、第2の蓋体14の幅をW14とする。また、第2のリップ部4Aの上方のリップ4Aaは、第2のリップ部4Aの下方のリップ4Abよりも短く形成されている。
【0039】
前記第2の蓋体14の幅W14は、第2のリップ部4Aの下方のリップ4Ab、4Abの組幅Wlよりも大きく、第2のリップ部4Aの上方のリップ4Aa、4Aaの組幅Wuよりも小さい。従って、前述の蝶番13の軸を回転中心として回動させた場合、第2の蓋体14は、上方のリップ4Aa先端に邪魔されること無く略180°回動して完全に開き切ることが出来る。
【0040】
一方、第1の蓋体12の幅W12は、第2のリップ部4Aの上方のリップ4Aa、4Aaの組幅Wuよりも大きく、左右の固定部材20Aのガイド溝6A、6Aの底部同士の幅Wgよりも小さい。従って、第1の蓋体12はガイド溝6A、6Aからの脱落が防止される。
【0041】
ここで、第1実施例では、第1蓋体(固定蓋)の長さL12に対して、第2の蓋体の長さL14のほうが長く構成されている。このように構成されることによって、第2の蓋体14を回動して開いた場合は大きな開口部が得られる。
【0042】
図8に示す第2実施形態の他の実施例は、固定部材は、上述の第1実施例と同様なもの20Aが使用出来るが、上述の第1実施例が第1蓋体(固定蓋)の長さL12に対して、第2の蓋体の長さL14の方が長く構成されていたのに対して、第1蓋体の長さL12Aと第2の蓋体の長さL14Aを略等しくした実施例である。
開口部を小さめに限定したのは、例えば、飼育中の動物が逃げ出しやすい場合など開口部を小さくして逃げ出しを防止するのに好適である。
【0043】
第1の蓋体12A側を開いて、例えば掃除をしたい場合は、ガイド溝6A(図7参照)に沿って、第1の蓋体12Aを図8の手前側に引っ張り出せばよい。
【0044】
また、第二実施形態の第1実施例及び他の実施例において、動きが活発でなく、逃亡の恐れが低い飼育動物では、例えば、外部からの紫外線照射量を抑えたい場合は第2の蓋体14、14Aを水槽開口部1aを覆う状態(閉鎖状態)にせしめ、「蒸れ」防止等で水槽の開口部を大きくしたい場合は、第2の蓋体14、14Aが水槽開口部を覆っていない状態(開放状態)にすれば良い。
【0045】
次に図9〜図11を参照して、第3実施形態を説明する。
【0046】
ここで、生物を水槽で飼育する際に、水生生物であれば、糞や食べ残しの餌等により水が汚染されてしまう。仮に、フィルタ等で係る糞や余剰の餌等を完全に除去することが可能であったとしても、水生生物の排泄物により、水中内のアンモニア濃度或いは硝酸塩濃度が上昇してしまう。
そして、水槽内の水が汚染されたり、アンモニア濃度或いは硝酸塩濃度が許容値以上になると、生物の生存が困難な状況となってしまう。そのため、定期的に、水槽内の水を全量或いは一定量だけ、清浄な水と交換してやる必要がある。特に、亀等の水棲爬虫類は、排泄物の量が非常に多いため、換水の頻度を非常に多くしてやらなければ成らないことが良く知られている。
【0047】
従来の水槽、特にガラス水槽では、その様な水の交換に多大な労力が必要とされている。
そのため、図21で示す様に、ガラス水槽1J底面近傍に給排水口3Jを設け、給排水口3Jに設けたバルブ5Jを普段は閉鎖しておくが、水交換時には係るバルブ5Jを開放して、水を排水している。
しかし、現状のガラス加工技術では、ガラス水槽の内側底面1Ja丁度の位置に給排水口3Jを設けることは困難である。
すなわち、水を全量交換したい場合にも、深さδ分の水(汚染された水)だけは残ってしまい、その状態で綺麗な水を給水しても、残存した汚水が存在するので、水槽内の水を完全に清浄な水で満たすことは出来ない。
【0048】
これに対して、図9及び図10で示す第3実施形態(生物飼育用水槽全体を符号A3で示す)では、ガラス水槽1Bのガラス水槽側壁8を貫通する貫通部分8aを有している。該貫通部分8aには該貫通部分8aが貫通しているガラス水槽側壁8の内側面8i及び外側面8oを水槽内部の液体が外部に漏出しないようにシールするシール部分Sを含んでいる。
【0049】
前記貫通部8aよりも水槽の外側には開閉機構を備えたバルブ部分Vが設けられており、前記貫通部8aよりも水槽の内側には前記貫通部8aに対して回転可能なエルボ部分Eが接続されている。
該エルボ部分Eはエルボの曲がり部を含む面が水槽内側底面9iに垂直に配置され、エルボ部分Eを取り付ける際の回転(矢印R)時に回転軸Jに直交する側の端部Eeが水槽内側底面9iに接する距離に構成されている。
【0050】
そのような構成の第3実施形態によれば、エルボ部分Eを回転することにより、エルボ部分Eの一端Eeが水槽内側底面9iと最も接近する距離δとなる。
また、エルボの回転時に回転軸Jに直交する側の端部Eeの直径を小さくすれば、前記距離δを極めて小さな値とすることが可能である。
或いは、エルボ部分Eは回転させないでエルボの一端Eeを水槽内側底面9iに接触させ、前記貫通部8a側を回転することによってエルボ部分Eと貫通部8aを接続するようにすれば、前記距離δを0(零)とすることが出来る。
そして、その状態で排水すれば、水槽内の水の大部分が排水され、図21で説明した従来技術の場合のように、汚れた水が残ってしまうことが無い。
そのため、換水後の水槽内を、清浄な水で満たすことが出来る。
【0051】
なおエルボ部分は、図9及び図10のような単一の部材Eであっても、図11に示すように、アタッチメントT、エルボE1、ストレートコネクタNの複数部材を接続する構造であってもよい。
【0052】
乾燥状態を好む生物を飼育するにあたっては、水槽内が「蒸れた」状態になると悪影響があるので、換気手段をガラス水槽に設ける場合がある。
そのような換気手段をガラス水槽の開口部のみならず、側面部に取り付けることは、現在のガラス加工技術でも可能である。そして、換気効率を向上し、「蒸れ」を防止するためには、そうした換気手段は、ガラス水槽の開口部よりも、側面部(特に下方)に設けるのが効果的である。
ここで、従来の換気手段は「防臭」という観点で作成されていないので、ガラス水槽内の雰囲気が悪臭を有する場合、ガラス水槽内を換気する際に、水槽内の空気が水槽外に排気されることにより、ガラス水槽を設置してある空間に悪臭を漂わせてしまう可能性がある。
【0053】
これに対して、図12及び図13に示す第4実施形態(生物飼育用水槽全体を符号A4で示す)では、ガラス水槽1Cの側面8に換気手段16を設けている。
該換気手段16は、図13に詳細を示すように、ガラス水槽1C内の空気をガラス水槽1C外へ排出する送風手段16aと、該送風手段16aのガラス水槽1Cに対して内側或いは外側の何れか一方に設けられ且つ脱臭剤16cを充填したフィルタ手段16bとを有している。
この構成は、上述した第1実施形態から第3実施形態の生物飼育用水槽にそのまま適用することが出来る。
【0054】
上述した構成を具備した第4実施形態によれば、水槽1C内の空気は、送風手段16により排出される際にフィルタ手段16bに充填された脱臭剤16cを通過し、脱臭剤16cを通過する際に悪臭が除去されるので、水槽1C内を換気しても、悪臭が水槽を設置した部屋内に漂ってしまうことが防止される。
【0055】
水槽内を適温に維持する場合、水槽内に各種の温度調節手段(例えばヒーター)を設ける場合がある。その場合、通常商用電源からコードを介して温度調節手段に電力を供給している。
しかし、飼育されている生物が、噛み付いたり、爪を立てたりすることにより、前記コードを破損する恐れがある。
係る事態が生じると、温度調節手段が作動せず飼育適正温度が維持できない、又はコード破損の際に飼育生物が感電する、或いは漏電による危険がある、等の不都合が予想される。
【0056】
これに対して、図14に示す第5実施形態の生物飼育用水槽(生物飼育用水槽全体を符号A5で示す)は、水槽隅部1cに断面L字型のカバー部材17を設け、水槽1D内に設けられた機器(例えばヒーター、フィルタ、その他)の電源コード18が、水槽隅部1c及び前記カバー部材17で画定された領域19に配置されている。
この構成は、上述した生物飼育用水槽A〜A4にそのまま適用することが出来る。
【0057】
そのような構成の生物飼育用水槽A5によれば、水槽1D内に設けられた機器(例えばヒーター、フィルタ、その他)の電源コード18は水槽隅部1c及び前記カバー部材17で画定された領域19に配置されているので、飼育生物が電源コード18を破損しようとしても、断面L字型のカバー部材17で電源コードは遮蔽されている。すなわち、飼育生物による電源コード18の破損が完全に防止される。
【0058】
図15〜図17で示す第6実施形態では、図示しない生物飼育用水槽の照明器具として冷陰極管22を使用している。
【0059】
図15及び図16の第6実施形態の第1実施例において、冷陰極間22が円筒状のカバー管23の内部に封印されており、該カバー管23内部の一端のインバータ24に接続されている。
該インバータ24はゴム製の防水シールド25及び電源コード26を介して電源アダプタ27に接続されている。
【0060】
前記カバー管23の内面には水槽の壁面に近い半周分に反射用の塗料28が塗布してある。
又は、カバー管23の内面には水槽の壁面に近い半周分に反射板が接着剤等の公知の手段で貼り付けられている。
そしてカバー管23の外周には長手方向の両端部近傍に樹脂製の止め輪30aを有する吸盤30が取り付けられ、その吸盤30の吸引力によって、冷陰極管22を封印したカバー管23を水槽の側壁部8に取り付けている。
【0061】
その様に冷陰極管22を照明器具に使用しているため、照明器具22からの発熱量が激減するので、特に夏場における水槽内温度(水温、気温)の上昇を抑制するのに非常に効果的である。
【0062】
図17で示す第6実施形態の他の例では、反射板28Aを備えたW型のアタッチメントカバー25Aに2本の冷陰極管22が接続され、屈曲可能な自在ステー32及び取り付け治具33で、全体が水槽の側壁8上縁に取り付けられるように構成されている。機能は図15及び図16の一例と同様である。
【0063】
図18〜図20で示す第7実施形態の生物飼育用水槽(生物飼育用水槽全体を符号A7で示す)は、ガラス水槽側壁7及び/又はガラス水槽底上面9iの任意の位置に取付自在に構成された支持部材34と、該支持部材34により支持されるトレイ36とを有しており、該トレイ36内には陸棲生物飼育用床材(例えば、消毒済みの土等37)が充填されている。
【0064】
この様に構成すれば、トレイの上縁部36aより下方まで水を充填して、水槽1E内に陸地部分トレイ36内の領域と水場部分38とを設けることが出来る。この場合、水場38の面積としては、トレイの下方も含まれるので、水槽1E内のスペースを有効利用することが出来る。
そして、例えば亀の様に、水陸で活動する生物を飼育するのに好適である。
【0065】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記載ではない旨を付記する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態の第1実施例の要部を立体的に見た斜視図。
【図2】図1のX1−X1断面図。
【図3】図1のX1−X1断面図。
【図4】本発明の実施形態で用いられるガラス水槽の斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態の他の実施例を立体的に見た斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態の第1実施例の要部を立体的に見た斜視図。
【図7】本発明の第2実施形態における固定部材の断面図。
【図8】本発明の第2実施形態の他の実施例の第1及び第2の蓋部を立体的に見た斜視図。
【図9】本発明の第3実施形態の概略構成を示す斜視図。
【図10】本発明の第3実施形態の第1実施例の要部断面図。
【図11】本発明の第3実施形態の他の実施例の要部構成図。
【図12】本発明の第4実施形態の概略構成を示す斜視図。
【図13】本発明の第4実施形態の要部断面図。
【図14】本発明の第5実施形態の要部の構成を示す斜視図。
【図15】本発明の第6実施形態の第1実施例の要部の概略構成を示す概要図。
【図16】図15のZ−Z断面図。
【図17】本発明の第6実施形態の他の実施例の概略構成を示す斜視図。
【図18】本発明の第7実施形態の構成を示した斜視図。
【図19】本発明の第7実施形態において、水槽の底に支持部材を所定の配置で設置した状体図。
【図20】本発明の第7実施形態におけるトレイの斜視図。
【図21】従来技術における排水装置の断面図。
【符号の説明】
【0067】
1・・・水槽
2・・・第1のリップ部/第1の固定部
4・・・第2のリップ部/第2の固定部
6・・・ガイドレール
7、8・・・側壁部/枠体
9・・・水槽底部
10・・・蓋体
12、12A・・・第1の蓋体
14、14A・・・第2の蓋体
16・・・換気手段
17・・・カバー部材
18・・・電源コード
20、20A・・・固定部材
A〜A7・・・生物飼育用水槽
E・・・エルボ部分
V・・・バルブ部分
【出願人】 【識別番号】503328676
【氏名又は名称】株式会社プレココーポレーション
【出願日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠

【識別番号】100090000
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏邦

【公開番号】 特開2005−80589(P2005−80589A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−317079(P2003−317079)