トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 釣り竿
【発明者】 【氏名】松冨 豊

【要約】 【課題】釣り人の経済的な負担が軽く、持ち運びし易く、竿操作性、竿強度に優れ、また竿長さの変更が容易な釣り竿を提供すること。

【解決手段】固着された握り2aを有する元竿2と、元竿2の穂先5側に接続される第一の竿3と、第一の竿3の穂先5側に接続される第二の竿4と、第一の竿3の元竿2側の端部部分の外側に取り付けられて握りとされる着脱可能な管状体10aとを備え、第二の竿4の穂先5側に穂先5を含む複数本の竿7、6、5が接続される釣り竿1であって、管状体10aが握りとして取り付けられた第一の竿3の穂先5側に穂先5を含む2本以上の竿4、7、6、5が接続されて、竿3〜7が接続された5本継ぎの短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿から管状体10aが取り外されて第一の竿3に元竿2が接続されて、竿2〜7が接続された6本継ぎの長尺の釣り竿とされる釣り竿1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固着された握りを有する元竿と、この元竿の穂先側に接続される第一の竿と、この第一の竿の穂先側に接続される第二の竿と、前記の第一の竿又は前記の第二の竿の元竿側の端部部分の外側に取り付けられて握りとされる着脱可能な管状体とを備え、前記の第二の竿の穂先側に穂先又は穂先を含む複数本の竿が接続される釣り竿であって、前記管状体が握りとして取り付けられた竿の穂先側に前記穂先を含む2本以上の竿が接続されて短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿から前記管状体が取り外されて管状体が取り外された竿の元竿側に前記元竿が接続されか又は前記の第一の竿と前記元竿とが接続されて長尺の釣り竿とされる釣り竿。
【請求項2】
前記管状体は、該管状体と該管状体が握りとして取り付けられた竿とを結合するとともに着脱可能な結合具を用いて竿からの抜けを防止されていることを特徴とする請求項1記載の釣り竿。
【請求項3】
前記管状体は前記の第一の竿に握りとして取り付けられ、この第一の竿の内部と、前記元竿の内部とに、残りの竿の全てが収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣り竿。
【請求項4】
前記の第一の竿と前記元竿とが透明性ケースの内部に収容されて、第一の竿に握りとして取り付けられた管状体が透視できる請求項3に記載の釣り竿。
【請求項5】
前記管状体は、その外面に深さが0.5mm以上である溝を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣り竿。
【請求項6】
前記管状体は、型の上に螺旋状に巻回された糸状体が樹脂又はゴムで結合され、次いで前記型が脱型されることで製造されたものである請求項1又は2に記載の釣り竿。
【請求項7】
釣り竿が、カーボン繊維とガラス繊維とから選ばれた少なくとも1種の繊維により補強されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣り竿。
【請求項8】
釣り竿が、へら鮒釣り用の釣り竿であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の釣り竿。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、へら鮒等の魚を釣るために用いる釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り竿として、径が異なる先細りテーパ状の複数の竿を並継ぎ形式で接続したものが用いられている。この並継ぎ形式によれば、振出形式よりも竿強度が大きい釣り竿が得られ易い。また釣り竿として、カーボン繊維等で補強されて軽量にして高強度のものが用いられている。このため、餌をつけた釣り糸を頻繁に投入する性質のへら鮒釣り用の竿(ヘラ竿)として、カーボン繊維等で補強された竿を並継ぎ形式で接続し、しなり具合が先調子で、元竿とこの元竿に接続される第一の竿との内部に残りの竿の全てを収容する2本仕舞いのものが用いられている。
【0003】
へら鮒釣りの場合、水深が漸次浅くなるかけ上がり、水草まわり等の好ポイントに餌を投入することが好ましい。このため竿長さが異なる多種の釣り竿がへら竿として市販されている。そして、釣り人は竿長さが異なる釣り竿を数本、例えば竿長さが18尺、15尺、13尺の3本の釣り竿を所持し使い分けている。
【0004】
長さが異なる複数のへら竿より構成されるへら竿群であって、竿操作が同じバランス感覚で行えるへら竿群が、特開2002−58393号公報に開示されている。また紐状の素材を溝部を露出させる状態で竿素材に巻回して形成した握り部を備えた釣り竿であって、手触りを向上させ、滑り難くした握りを有し、且つへら竿としても用いられる釣り竿が特開平6−343374号公報に開示されている。
【特許文献1】特開2002−58393号公報
【特許文献2】特開平6−343374号公報
【0005】
カーボン繊維等により補強された釣り竿は高性能であるが、釣り竿1本が数万円と高価である。この高価な釣り竿を数本備えることは、釣り人にとって経済的に負担である。また竿長さが異なる数本の釣り竿を釣り場に持ち運びすることは不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、釣り人の経済的な負担が軽く、持ち運びし易く、竿操作性、竿強度等に優れ、また竿長さの変更が容易な釣り竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の釣り竿は、固着された握りを有する元竿と、この元竿の穂先側に接続される第一の竿と、この第一の竿の穂先側に接続される第二の竿と、前記の第一の竿又は前記の第二の竿の元竿側の端部部分の外側に取り付けられて握りとされる着脱可能な管状体とを備え、前記の第二の竿の穂先側に穂先又は穂先を含む複数本の竿が接続される釣り竿であって、前記管状体が握りとして取り付けられた竿の穂先側に前記穂先を含む2本以上の竿が接続されて短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿から前記管状体が取り外されて管状体が取り外された竿の元竿側に前記元竿が接続されか又は前記の第一の竿と前記元竿とが接続されて長尺の釣り竿とされる釣り竿である。
【0008】
前記管状体は、該管状体と該管状体が握りとして取り付けられた竿とを結合するとともに着脱可能な結合具を用いて竿からの抜けを防止されていることが好ましい。また前記管状体は前記の第一の竿に握りとして取り付けられ、この第一の竿の内部と、前記元竿の内部とに、前記の第一の竿と前記元竿以外の全ての竿が収容されて2本仕舞いとされていることが好ましく、更に2本仕舞いとされた前記の第一の竿と前記元竿とが、透明性ケースの内部に収容されて、第一の竿に握りとして取り付けられた管状体が透視できるようにされていることが好ましい。また管状体は、その外面に深さが0.5mm以上である溝を有することが好ましい。更に、管状体は、型の上に螺旋状に巻回された糸状体が樹脂又はゴムで結合され、次いで前記型が脱型されることで製造されたものであることが好ましい。
【0009】
釣り竿が、カーボン繊維とガラス繊維とから選ばれた少なくとも1種の繊維により補強されていることが好ましく、また釣り竿がへら鮒釣り用の釣り竿であることが好ましい。
【0010】
前記結合具は第一の竿又は第二の竿と管状体とに係止してこれらの竿と管状体とが分離しないように結合するものであることが好ましい。また前記結合具がゴムを用いて構成され、このゴムが第一の竿又は第二の竿の表面と接触するようにされていることが好ましい。結合具がゴムの環状体、特に輪ゴムであることが望ましい。また前記管状体の中空部は貫通孔であることが好ましい。また前記管状体は、螺旋状に巻回されている糸状体が樹脂又はゴムで結合され、前記糸状体の幅が0.5mm以上である構造を有することが好ましい。また前記糸状体は、幅が0.5mm以上であるより糸であることが望ましい。また前記管状体とこの管状体が握りとして取り付けられる竿との隙間は、0mm以上で1.5mm以下であることが好ましい。また長尺の釣り竿と短尺の釣り竿との竿長さが区別して前記の透明性ケースに表示されていることが好ましい。また前記溝は、管状体の外面に螺旋状に形成されていることが望ましい。また釣り竿は、中空部を有して第一の竿の元竿側の端部部分に着脱可能に外嵌させられて握りとされる管状体と、中空部を有して第二の竿の元竿側の端部部分に着脱可能に外嵌させられて握りとされる管状体とを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の釣り竿は、着脱可能な管状体を第一の竿又は第二の竿の元竿側の端部部分の外側に握りとして取り付けることで短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿から管状体が取り外されて長尺の釣り竿とされるものであるから、製造コスト、持ち運び性等の点では、実質的に1本の釣り竿に等しい。従って本発明によれば、竿長さが異なる釣り竿が、竿長さ毎に釣り竿を揃える場合と比較して約1/3〜1/2の低コストで製造できるし、また持ち運びし易い釣り竿が提供される。
【0012】
また管状体は第一の竿又は第二の竿に握りとして取り付けられ、且つ管状体が握りとして取り付けられた竿の穂先側に穂先を含む2本以上の竿が接続されて短尺の竿とされるので、管状体が取り付けられた竿の竿径も十分に大きくて破断し難く、またしなり具合は先調子で竿操作性に優れる。
結合具により、管状体と該管状体が取り付けられた竿とが結合されていれば、管状体が竿から抜けるのを確実に防止できる。また結合具と管状体とは着脱可能なので竿長さの変更が容易である。
【0013】
管状体が第一の竿に取り付けられ、この第一の竿の内部と、元竿の内部とに、残りの竿の全てが収容された2本仕舞いとされていれば、釣り竿が短尺の釣り竿としても、長尺の釣り竿としても併用できることが一目で判る。また上記2本仕舞いの釣り竿が透明性ケースの内部に収容されていれば、第一の竿に握りとして取り付けられた管状体を透視できるので、本発明の釣り竿の持参忘れを防止できる。
【0014】
管状体がその外面に深さが0.5mm以上である溝を有すれば結合具による係止力が大きく、このため竿抜けを確実に防止できる。また管状体が型の上に螺旋状に巻回された糸状体が樹脂又はゴムで結合され、次いで前記型が脱型されることで製造されたものであれば、糸状体を多量に含有できてクッション性に富んで、管状体の取り付け取り外しが容易で、また竿の外面を傷つけない。また管状体が上記製法によるものでれば、中空部の形状精度が良く、また竿と比較して管状体を低コストで製造できる。
【0015】
釣り竿がカーボン繊維、ガラス繊維により補強されていれば、しなり具合を先調子とし易いうえに、第一の竿、第二の竿に管状体を握りとして取り付け使用してもこれらの竿は破損し難い。またカーボンロッド等の釣り竿は工業生産により形状一定の竿を量産できるので管状体を量産し易い。またへら鮒釣りでは、短尺、長尺の釣り竿が多用されるので、本発明の釣り竿はへら鮒釣り用の釣り竿として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1、2は、本発明に係わる釣り竿の第一の例を示す外形図であって、図1は本発明の釣り竿が5本継ぎの短尺の釣り竿とされている例を、 図2は本発明の釣り竿が6本継ぎの長尺の釣り竿とされている例を示す。図3は、図1に示す短尺の釣り竿の手元側の部分を拡大して示した断面図である。図1中の一点鎖線は釣り竿のしなり具合を示す。
この第一の例の釣り竿は、管状体10aを握りとして第一の竿3の元竿2側の端部部分の外側に着脱可能に嵌めることで、図1に示すように5本並継ぎの、竿長さ15尺の短尺の釣り竿として使用される。またこの短尺の釣り竿から管状体10aが取り外されて第一の竿3に元竿2が連結されることで、図2に示すように6本並継ぎの、竿長さ18尺の長尺の釣り竿としても使用される。
尚、竿3〜7は、短尺の釣り竿の場合と長尺の釣り竿の場合とで共用されている。
【0017】
即ち、この例の釣り竿1は、図1、2に示すように、固着された握り2aを有する元竿2と、この元竿2の穂先5側に接続される第一の竿3と、この第一の竿3の穂先5側に接続される第二の竿4と、第一の竿3の元竿2側の端部部分の外側に取り付けられて握りとされる着脱可能な管状体10aとを備え、第二の竿4の穂先5側に穂先5を含む複数本の竿、即ち第二の竿4、3番竿7、2番竿6,穂先5が順次接続される釣りり竿1であって、図1に示すように管状体10aが握りとして取り付けられた第一の竿3の穂先5側に穂先5を含む2本以上の竿、即ち第二の竿4、3番竿7、2番竿6,穂先5の4本の竿が順次接続されて5本継ぎの短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿から管状体10aが取り外されて、図2に示すように第一の竿3の元竿2側に元竿2が接続されて6本継ぎの長尺の釣り竿とされる釣り竿1である。
短尺の釣り竿とされた際に不使用の図1に示す元竿2は透明性ケース等の内部に保管される。
【0018】
各竿2〜7は、断面円形の外形を有して径が異なり、また先細りのテーパ状であって、並継ぎ形式で接続される。例えば図3に示すように、第一の竿3の穂先5側の開口部9内に、穂先5側から元竿2側の方向に向かって第二の竿4の元竿2側の端部部分が差し込まれて雌雄嵌合することで第一の竿3と第二の竿4とが着脱可能に接続される。釣りを止めて釣り竿1を仕舞うときは、各竿2〜7は引き抜かれることで接続を解かれる。
【0019】
穂先5以外の竿2〜4、6、7が中空を有する管体であれば、釣り竿1は軽量であるし、2本仕舞いできる。各竿2〜7の長さは、好ましくは約3尺である。
【0020】
各竿2〜7は、樹脂、例えばエポキシ樹脂がガラス繊維、好ましくはカーボン繊維若しくはカーボン繊維とガラス繊維等の高強度繊維で補強されていることが好ましい。カーボン繊維の含有量が、高強度繊維の総量中、80重量%以上であると、釣り竿1は特に高強度で、また先調子とし易い。先調子とは、図1中に一点鎖線で示すように、釣り竿1の先端部付近がしなり易い性質である。釣り竿1が先調子であると、中央部付近より先の部分がしなり易い胴調子の釣り竿と比較して、釣り糸を一定場所に投入し易く、また魚を取り込み易い。第一の竿3、第二の竿4の元竿2側の端部が、図3に示すように、尻栓8によって封じられていると竿強度が大きいので、こららの竿3、4に管状体を握りとして取り付けて使用してもこれらの竿3、4は破損し難い。
【0021】
元竿2は固着した握り2aを有し、外径が最も大きい部分を有する竿であって、長尺の釣り竿を形成するために用いられる。固着した握り2aは手触りを向上させ、手を滑り難くするためのものであり、取り外しできないように元竿2に固着されており紛失の虞がない。固着した握り2aの例は、元竿2の端部部分の外側に、藤、綿糸等の糸状体が巻回され、この糸状体が樹脂、例えばエポキシ樹脂により結合され、この樹脂が元竿2と接着により一体化されているものである。
【0022】
穂先5は釣り糸を取り付けるための竿であって、元竿2とは反対側に位置し、外径が最も小さい部分を有する。穂先5の先端部の外径は、例えば約0.5mm〜1.5mmである。釣り糸を取り付けるための蛇口5aが穂先5に取り付けられてもよい。
【0023】
管状体は短尺の釣り竿の握りとして用いられるものであって、固着された握りと同様に手触りを向上させ、手を滑り難くするためのものである。そして、管状体は中空部を有し、この中空部内に第一の竿又は第二の竿の元竿側の端部部分が着脱可能に嵌められる。管状体は、固着された握りと同様に、その長さが約5cm〜20cmで、最も太い所の外径が約15mm〜30mmであると握り易い。管状体の外形は、図1に示すように外面に凹凸を有する円筒状でもよいし、図示する固着した握り2aと同様な紡錘形でもよい。
【0024】
図1、3等に示す管状体10aは、その中空部11aに第一の竿3の元竿2側の端部部分が挿入されて握りとされる。図1に示すように、管状体10aが外嵌した第一の竿3の穂先5側に4本の竿4〜7が接続されているので、釣り竿1の調子は、図2に示す6本継ぎの長尺の釣り竿と殆ど同じである。また管状体10aが取り付けられた第一の竿3の部分の外径は十分に大きくて竿強度も大きい。
尚、6本並継ぎ、竿長さ18尺の釣り竿1の場合、元竿2の固着した握り2a部分の外径は例えば12mmであり、第一の竿3の元竿2側の端部部分の外径は例えば11mmである。
【0025】
管状体10aは断面形状が円形である中空部11aを有する。管状体10aとこの管状体10aが握りとして取り付けられた第一の竿3の部分との隙間(C−D)が、0mm以上で1.5mm以下、特に0.05mm以上で1.0mm以下であることが好ましい。中空部11aの内径C(図3に示す。)が第一の竿3の握りとして取り付けられた部分の外径D(図3に示す。)より小さいと、第一の竿3の元竿2側の端部部分を中空部11a内に差し込み難くて管状体10aを取り付け難い。内径Cが外径Dよりも1.5mmを越えて大きいと隙間が大き過ぎて、外嵌させられた管状体10aがたついて握り心地が悪く、また竿抜けし易い。
【0026】
管状体10aは糸状体12が樹脂13又はゴムにより結合された構造を有することが好ましい。樹脂13の例はエポキシ樹脂で、ゴムの例はウレタンゴムである。樹脂13がエポキシ樹脂であると管状体10aは硬質性であり、また製造し易い。管状体10aは、黒等に着色された糸状体12を用いて黒などに着色されるがよい。
【0027】
糸状体12は樹脂13又はゴムを補強して管状体10aに強度を与える。糸状体12の例は、綿糸、麻糸又は麻より糸、綿より糸、絹より糸等の天然繊維のより糸若しくは化学繊維より糸等のより糸である。綿等の天然繊維の短繊維を撚り合わせて糸とし、この糸の複数本(例えば3本)を撚り合わせたより糸は吸湿性であって強度も大きい。より糸の具体例は、外径が約1.2mmの3本撚りのジュート麻糸である。
【0028】
糸状体12は、0.5mm以上、好ましくは0.7mm〜4mmの太さ(外径)を有することが好ましい。糸状体12がこのような太さであれば破断し難いので、樹脂13が折損したとしても管状体10aは二つに分離し難いし、管状体10aの外周面に深さd(図5に示す。)が0.5mm以上、好ましくは深さdが0.7mm〜4mmの螺旋形状の溝16が形成され易い。糸状体12は管状体10a中においても、樹脂13により結合される前の形状をほぼ維持する。従って管状体10a中の糸状体12の幅w(図5に示す。)は、0.5mm以上、好ましくは0.7mm〜4mmである。
【0029】
管状体は、型の上に糸状体を螺旋状に巻回し、この糸状体を前記の樹脂又はゴムで型の上で結合し、次いで前記型を脱型することで製造できる。型は中空部を形成するためのものであり、この型は第一の竿、第二の竿でもよいし、第一の竿又は第二の竿の元竿側の端部部分の形状と隙間(C−D)とを与えるように切削加工された金属製若しくはプラスチックス製の型でもよい。
【0030】
管状体10aの製法例を図4に基づきを説明する。この例は、第一の竿3を型として用いた例である。
第一の竿3の元竿2側の端部部分の外側に、プラスチックスフィルム、例えばポリエチレンフィルムを巻回して離型性の保護フィルム層30を形成する。この保護フィルム層30は樹脂13が第一の竿3の外周面に接着するのを防止する。また保護フィルム層30の厚さによって管状体10aと第一の竿3との間の隙間(C−D)が確保される。
【0031】
次いで、保護フィルム層30の外側に樹脂液31を塗布し、その外側に樹脂液31が表面に付着した紐状の糸状体(例えば、黒に着色され、太さが0.7mm〜4mmの1本のより糸)12を螺旋状に且つ重ねて、例えば2、3重に巻回し、巻回された糸状体12の外側に更に樹脂液31を塗布した後、常温に放置して樹脂液31を硬化させる。この硬化により、紐状の糸状体12は樹脂13に取り囲まれ結合される。樹脂液31として、常温(20℃)で硬化する性質の常温硬化性の樹脂液、例えば2液混合型のエポキシ樹脂液が挙げられる。樹脂液31が硬化した後、第一の竿3を引き抜くことで脱型し、保護フィルム層30を除去する。
【0032】
以上の製法により、断面形状が円形の中空部11aを有し、図5に示すように紐状の糸状体12によって周方向に添う姿勢で螺旋状に形成された溝16がその外周面に多数形成された管状体10aが得られる。
また上記製法によれば糸状体12を多量に、例えば樹脂13と糸状体12との総量中に糸状体12を60体積%以上含有する管状体10aを容易に製造できる。糸状体12を多量に含有する管状体10aはクッション性に優れるので、握り心地が良く、また管状体10aの着脱が容易であり、しかも第一の竿3の塗膜を傷つけない。
【0033】
管状体10aの内面における樹脂13の厚みが小さいと、中空部11aに第一の竿3を数回挿入し引き抜くと、図5に示すように、糸状体12を構成する短繊維の毛羽12aが中空部11a内に露出する。この毛羽12aは適度の滑り性を与えるので、第一の竿3に管状体10aを外嵌させ易い。
【0034】
管状体10aが第一の竿3に取り付けられた状態で、管状体10aと第一の竿3とが分離しないように管状体10aと第一の竿3とを結合し、且つ着脱可能な結合具を用いて、管状体10aは第一の竿3からの竿抜けを防止される。結合具として、第一の竿3と管状体10aとに係止するものが好ましく、その例はゴムの環状体である。ゴムは伸度100%以上を有して引き伸ばし易く、ゴムとして天然ゴム、合成ゴムが挙げられる。ゴムの環状体の例は、輪ゴム(ゴムバンド)、リング状の被覆ゴムひもである。結合具がゴムの環状体であれば手触りが良いうえに、引き延ばして管状体10aと第一の竿3との外面に巻回することで管状体10aと第一の竿3とを結合できる。また、結合具がゴムから構成され、このゴムが第一の竿3の外面と接触するようにされていれば、第一の竿3の塗膜が傷つくこともない。
【0035】
結合具を取り付ける位置を示す取付位置の表示を、線状或いは帯状に、第一の竿、第二の竿に設けておけば結合具を竿に取り付け易い。この取付位置の表示は、管状体の取付位置よりも3mm〜35mmだけ離れた穂先5側に設けるがよい。
【0036】
図1、3に示す例では結合具として輪ゴム20が用いられている。輪ゴム20の一方の端部が引き延ばされて取付位置の表示18の所で第一の竿3の外周面に数回巻回され、他方の端部が引き延ばされて管状体10aの外周面に数回巻回されることで第一の竿3と管状体10aとは輪ゴム20を介して分離しないように結合される。このため管状体10aは竿抜けしないので、魚に竿を取られることもない。輪ゴム20は引き伸ばし易いし、切断しても入手容易であって取り替え易い。図1、3に示す輪ゴム20は1本であるが、複数本であると結合力が大きい。輪ゴム20の例は天然ゴム製であって、外径が約40mmのリング状のものである。
【0037】
管状体の中空部はその一端が封じられていてもよいが、中空部が貫通孔であると、図1、3に示すように、第一の竿3の端部部分を管状体10aの外側に、例えば5mm〜30mmの長さ露出できる。この露出した部分に輪ゴム20aの一方の端部を数回巻回し、引き延ばして他方の端部を管状体10aの外周面に数回巻回すれば竿抜けが一層防止される。
【0038】
管状体10aが0.5mm以上、好ましくは0.7mm〜4mmの深さdの溝16を外周面に螺旋状に有すれば、手が滑り難く、また輪ゴム20、20aは溝16内に確実に係止され、溝16内から外れないので輪ゴム20、20aによる竿抜け防止効果が大きい。
【0039】
図1に示す短尺の釣り竿を図2に示す長尺の釣り竿とするときは、もはや必要としない管状体10aを取り外す。即ち、輪ゴム20、20aを引き延ばして輪ゴム20、20aの巻回を解いて、輪ゴム20、20aを管状体10aと第一の竿3とから取り外した後、第一の竿3から管状体10aを引き抜いて取り外す。そして、元竿2の開口部に第一の竿3を差し込んで元竿2を連結して、竿2〜 7が接続された長尺の釣り竿とする。
【0040】
図6は本発明に係わる釣り竿の第二の例を示し、この例では管状体10bを第二の竿4の元竿2側の端部部分の外側に着脱可能に取り付けて握りとすることで、4本並継ぎの12尺の短尺の釣り竿とされている。図7には不使用の管状体10bが示されている。
即ち、この第二の例の釣り竿1は、図6に示すように、固着された握り2aを有する元竿2と、この元竿2の穂先5側に連結される第一の竿3と、この第一の竿3の穂先5側に連結される第二の竿4と、中空部11bを有する管状体10bとを備え、第二の竿4の穂先5側に穂先5を含む複数本の竿、即ち3番竿7、2番竿6,穂先5が順次連結される釣り竿1であって、管状体10bはその中空部11bに、図6に示すように、第二の竿4の元竿2側の端部部分が挿入されて握りとされるものであり、管状体10bが握りとして取り付けられた第二の竿4の穂先5側に穂先5を含む2本以上の竿7、6,5が順次連結されて4本継ぎの短尺の釣り竿とされ、この短尺の釣り竿の第二の竿4から管状体10bが取り外されて、図2に示すように、第二の竿4の元竿2側に第一の竿3が連結され、この第一の竿3の元竿2側に元竿2が連結されて、竿2〜7が接続された6本継ぎの長尺の釣り竿とされる釣り竿1である。
図6に示す不使用の第一の竿3と元竿2とは透明性ケース等の内部に保管される。
【0041】
前記の第一の例における管状体10aは第一の竿3を型として用いて製造されたが、第二の竿4を型として用いる以外は管状体10aの製造と同様にして、第二の竿4の元竿2側の端部部分に外嵌する管状体10bを製造できる。管状体10bとこの管状体10bが握りとして取り付けられる第二の竿4の部分との隙間(C−D)は第一の例と同じである。
【0042】
このように4本継ぎの釣り竿とした場合、図1に示す5本並継ぎの釣り竿1と比較して、図6中の一点鎖線で示すように、胴調子の傾向が若干強くなって竿操作性がやや劣る。
尚、上記の釣り竿1における第二の竿4の元竿2側の端部部分の外径は、例えば9mmである。
【0043】
図6に示す4本継ぎの短尺の釣り竿を、図1に示す5本継ぎの短尺の釣り竿とするときは、管状体10bと第二の竿4とを結合する輪ゴム20、20aを引き延ばしてその巻回を解き、輪ゴム20、20aを管状体10bと第二の竿4とから取り去り、次いで管状体10bを第二の竿4から引き抜く。次いで、この第二の竿4に第一の竿3を連結し、この第一の竿3に前記第一の例で示したように管状体10aを取り付けて竿3〜7が接続された5本継ぎの短尺の釣り竿とする。
【0044】
上記のように釣り竿1は、中空部11aを有して第一の竿3の元竿2側の端部部分に着脱可能に外嵌させられて握りとされる管状体10aと、中空部11bを有して第二の竿4の元竿2側の端部部分に着脱可能に外嵌させられて握りとされる管状体10bとを備えて、5本継ぎ、4本継ぎの短尺の釣り竿とされ、竿2〜7は共用されるものであるので、4本継ぎ、5本継ぎ、6本継ぎの釣り竿をそれぞれ揃える場合と比較して約1/3の低コストで製造でき、また持ち運びし易い。
【0045】
釣りを止めて前記第一、二の例の釣り竿を仕舞う方法の例を図7に基づき述べる。
釣り竿1を仕舞うときに、第二の竿4に管状体10bが取り付けられている場合は、2本仕舞いとするために管状体10bを取り外す。取り外した管状体10bを透明性ケース40の内部に保管すると紛失を防止できる。そして、図7に示すように、第一の竿3の端部部分に管状体10aが外嵌され、且つ輪ゴム20等により第一の竿3と管状体10aとが結合された状態とする。次いで、管状体10aが外嵌した第一の竿3の内部に3番竿7を収容し、この3番竿7の内部に穂先5を収容し、一方元竿2の内部に第二の竿4を収容し、この第二の竿4の内部に2番竿6を収容することで2本仕舞いとする。次いで元竿2の上端開口部と第一の竿3の上端開口部9とを竿栓41にて封じる。次いで透明性プラスチックス製、例えばPET製等の透明性ケース40の内部に、2本仕舞いとされた元竿2と第一の竿3とを収容する。このように本発明に係わる釣り竿を透明性ケース40の内部に収容すれば、第一の竿3に管状体10aが外嵌していることが透視できるので、短尺の釣り竿と長尺の釣り竿とが準備されていることが一目で判る。
【0046】
透明性ケース40に、長尺と短尺との竿長さを表す文字を区別して表示、例えば短尺の竿長さを文字サイズを変えて、若しくは図7に示すように括弧付きの表示としておけば12尺、15尺は管状体10b、10aを用いた場合の竿長さであることが判り易い。上記表示は、長尺と短尺との竿長さを区別して表したラベルを透明性ケース40に貼付することでもよい。このように透明性ケース40に表示しておくと、乾燥等の理由により管状体10b、10aを別の場所に置いていたとしても管状体10b、10aの持参忘れを防止できる。
【0047】
管状体は第一の竿又は第二の竿に取り付けられなければならない。例えば、図1等に示す3番竿7に管状体を握りとして取り付けて、この3番竿7と2番竿6と穂先5とが接続された3本継ぎ、竿長さ9尺の釣り竿とすると、胴調子の傾向が余りにも強くなり過ぎて竿操作性が悪く、また管状体が取り付けれた部分は細径で竿強度も低いので好ましくない。
尚、上記の3番竿7の元竿2側の端部部分の外径は、例えば7.5mmである。
【0048】
本発明の釣り竿の第三の例を以下に述べる。
長尺の釣り竿が固着された握りを有する元竿を含めて4本並継ぎ、12尺の場合は、元竿の穂先側に連結される第一の竿の元竿側の端部部分の外側に管状体が握りとして着脱可能に取り付けられる。そして管状体が取り付けられた第一の竿の穂先側に第二の竿が連結され、この第二の竿の穂先側に穂先が連結されて3本継ぎ、竿長さ9尺の短尺の釣り竿とされる。この短尺の釣り竿の場合に不使用の元竿は透明性ケース等の内部に保管される。
尚、上記の釣り竿における元竿の固着した握り部の外径は例えば11mmで、その第一の竿の元竿側の端部部分の外径は例えば9.0mmである。
【0049】
管状体が握りとして取り付けられた竿の穂先側に穂先を含む2本以上の竿が接続されなければならない。
例えば上記の4本並継ぎ、竿長さ12尺の釣り竿における第二の竿に管状体を握りとして取り付け、この第二の竿に穂先が連結された2本継ぎ、竿長さ6尺の釣り竿は胴調子が強すぎて竿操作性が悪く、また上記の第二の竿は細径で竿強度も低いので好ましくない。
尚、上記の第二の竿の元竿側の端部部分の外径は、例えば5.5mmである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の釣り竿は、真鮒、へら鮒などを釣るための釣り竿として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の釣り竿が短尺の釣り竿とされた例を示す外形図であって、各竿の中間部分は図示を省略されている。
【図2】本発明の釣り竿が長尺の釣り竿とされた例を示す外形図であって、各竿の中間部分は図示を省略されている。
【図3】図1に示す釣り竿の第一の竿、第二の竿の部分を拡大して示した断面図である。
【図4】管状体の製法の例を示す拡大断面図であって、第一の竿を型として用いた例を示す。
【図5】管状体の例を拡大して示す破断図であって、管状体の外形と断面とを同時に表す。
【図6】本発明の釣り竿が短尺の釣り竿とされた他の例を示す外形図であって、各竿の中間部分は図示を省略されている。
【図7】透明性ケースの内部に収容された本発明に係わる釣り竿の例を示す斜視図であって、竿、透明ケースの中間部分は図示を省略されている。
【符号の説明】
【0052】
1・・釣り竿、2・・元竿、2a・・固着された握り、3・・第一の竿、 4・・第二の竿、5・・穂先、5a・・蛇口、6・・2番竿、7・・3番竿、8・・尻栓、9・・開口部、10a・・管状体、10b・・管状体、11a・・中空部、11b・・中空部、12・・糸状体、12a・・毛羽、13・・樹脂、16・・溝、18・・取付位置の表示、20・・輪ゴム、20a・・輪ゴム、30・・保護フィルム層、31・・樹脂液、40・・透明性ケース、41・・竿栓、d・・深さ、w・・幅、C・・内径、D・・外径
【出願人】 【識別番号】300070192
【氏名又は名称】松冨 豊
【出願日】 平成15年9月8日(2003.9.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−80546(P2005−80546A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−315088(P2003−315088)