| 【発明の名称】 |
漁礁用立体網状構造培地及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西堀 貞夫 【住所又は居所】岐阜県本巣郡穂積町生津天王東町2丁目25番地 アイン株式会社総合研究所内
【氏名】中村 雄一郎 【住所又は居所】岐阜県本巣郡穂積町生津天王東町2丁目25番地 アイン株式会社総合研究所内
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| 【要約】 |
【課題】海藻の着生率や増殖機能を高める漁礁用立体網状培地を提供する。
【解決手段】漁礁用立体網状構造培地1は、熱可塑性樹脂の連続線条2の押出成形によってランダムなループ3を成形する立体網状構造樹脂成形品からなるベース4と、ベース4の上に側面に互いに間隙を置いて固定される複数段(ここでは2段)のブロック5、ブロック6と、を備え、ベース4、ブロック5及び6の側面に多数の針状突起7と空隙8を備えるものである。また、ベース4、ブロック5及び6の頂面及び底面(上下面)には、ループ3による空隙9が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂の連続線条の押出成形によってランダムなループを形成する立体網状構造樹脂成形品の側面に多数の針状突起を備えることを特徴とする漁礁用立体網状構造培地。 【請求項2】 前記立体形状の立体網状樹脂成形品の頂面及び底面には前記線条のループによる空隙が形成されることを特徴とする請求項1の漁礁用立体網状構造培地。 【請求項3】 熱可塑性樹脂の連続線条を押出成形によりランダムなループを形成する立体網状構造樹脂成形品を成形する第1のステップと、 該立体網状構造樹脂成形品をカッタで針状突起を備える面を有する立体形状に切断する第2のステップと、 を備えることを特徴とする漁礁用立体網状構造培地の製造方法。 【請求項4】 前記切断する方向は、前記押し出し方向と交差する方向であることを特徴とする請求項3に記載の漁礁用立体網状構造培地の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、漁礁用立体網状構造培地に関し、立体網状構造体から構成される立体網状樹脂成形品を利用して海藻着生を図るものである。 【背景技術】 【0002】 従来、特許文献1記載の発明の通り、立体網状構造体を利用する海藻培地が提案されている。この海藻培地は、海藻・海藻を食害から守り、集魚効果を高めて海藻の着生を容易とするため、熱可塑性樹脂の連続線条及び/又は短線条のランダムなループ又はカールの隣接する線条相互を接触絡合集合して成る三次元立体網状構造体を成し、前記三次元立体網状構造体内に鉄片を内包させるものである。 【特許文献1】特開2002−281860 しかしながら、特許文献1の技術では、未だ海藻着生率が十分なものではなく、海藻の着生率の向上が期待されている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 そこで、本発明は、海藻の着生率や増殖機能を高める漁礁用立体網状培地を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記課題に鑑み、請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂の連続線条の押出成形によってランダムなループを成形する立体形状の立体網状構造樹脂成形品の側面に多数の針状突起を備えることを特徴とする漁礁用立体網状構造培地である。ここでいう海藻には昆布等が含まれるが、アマモ等の海草も含む概念である。 【0005】 「立体網状構造樹脂成形品」の形状、硬度、配置、個数等は適宜設定できる。「立体網状構造樹脂成形品」は、複数の連続線条を押し出し機から下方に押し出して降下させ、連続線条の降下速度よりも、緩やかな速度で水中のコンベアが連続線条を巻き取ることで、連続線条がランダムにループを描き相互に絡合し溶着し、固定されることにより成形されたものである。連続線条の原料樹脂は、汎用プラスチック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニール等)、エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエステル、ポリアセタール等)等である。好ましくは熱可塑性エラストマーよりなり、例えば、ポリエチレン(以下PEと記す)、ポリプロピレン(以下PPと記す)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はナイロン等のエラストマーより成ることが好ましい。連続線条には中空、中実いずれも含む。中空線条の場合、中空部は連続であっても良いし、不連続であっても良い。例えば、1本の線条に中空部と該中空部が塞がれた部分とを共に有している場合等が一例として挙げられる。「立体網状構造樹脂成形品」の硬度は熱可塑性術の材質の選択によって変更可能である。 漁礁用立体網状構造培地を海水中に設置する場合、漁礁用立体網状構造培地を浮きで吊り下げて海中に浮遊させてもよいし、漁礁用立体網状構造培地をコンクリートに緊結金具で結合させて海底に沈めても良く、その他、適宜の手段によって、海水中に設置することができる。さらに、漁礁用立体網状構造培地に鋳鉄等の鉄片を取り付けることにより、鉄イオンを海藻に供給することができる。 【0006】 請求項2記載の発明は、前記立体形状の立体網状樹脂成形品の頂面及び底面には前記線条のループによる空隙が形成されることが好ましい。 【0007】 請求項3記載の発明は、熱可塑性樹脂の連続線条を押出成形によりランダムなループを形成する立体網状構造樹脂成形品を成形する第1のステップと、該立体網状構造樹脂成形品をカッタで針状突起を備える面を有する立体形状に切断する第2のステップと、を備えることを特徴とする漁礁用立体網状構造培地の製造方法である。 【0008】 押出成形は四面成形が一般的である。立体網状構造培地が鋳鉄等の鉄片を備えている場合、鉄片から鉄イオンが溶け出し、立体網状構造樹脂成形品に海藻が効果的に付着するので、海藻の育成や魚の餌場や産卵に最適である。 【0009】 前記針状突起は、前記ループをカッタで面状に切断すること等により形成される。押し出された立体網状構造樹脂成形品を切断すると、ループが途中で寸断されることによって、内方から外方に向かって伸張する針状突起が形成される。 【0010】 請求項4記載の発明は、前記切断する方向は、前記押し出し方向と交差する方向であることが好ましい。 【発明の効果】 【0011】 請求項1〜4の発明によれば、培地の側面から海水が透過して通水するので、網状構造が胞子を捕捉する確率が高まり、海藻の着生率が向上し、汚れが溜まりにくい。また、海藻は頂面よりも側面(特に垂直面)に着生しやすく、側面に針状突起を備えており、比表面積が例えば30倍以上に増大することにより、海藻の根の張りが抜群であり成長率が良好である。特に角地に着生しやすい。さらに海水が培地の表面を洗い流すことができるので、ウツボ等が付着しづらい構造である。ウツボは吸盤で岩に付着するからである。そして、海藻が繁殖すれば、貝、ウニも取り付きやすいので、貝やウニを採集する培地としても利用できる。従って、昆布が好む岩肌を超えた網状構造体培地とすることができる。 【0012】 請求項2に記載の発明によれば、ループによる空隙のある構造面と、深く複雑に絡み合う針状突起の構造面から構成され、ループによる空隙面同士を重ね合わせることにより、前記針状突起を備える側面を積み重ねて高くすることができる。また、ループによる空隙により頂面への砂の堆積を防止できる。 【0013】 請求項3に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果がある。 【0014】 請求項4に記載の発明によれば、効率的に針状突起を備える面を形成することができる。特に押出方向と直交する方向又は平行な方向にカッタで切断することにより、切断屑を少なくして効率的に培地を製造できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施形態1の漁礁用立体網状構造培地1について図1〜図10を参照して説明する。 この漁礁用立体網状構造培地1は、熱可塑性樹脂の連続線条2の押出成形によってランダムなループ3を成形する立体網状構造樹脂成形品からなるベース4と、ベース4の上に側面に互いに間隙を置いて固定される複数段(ここでは2段)の立体網状構造樹脂成形品からなるブロック5、ブロック6と、を備え、ベース4、ブロック5及び6の側面に多数の針状突起7と複雑な起伏を備える空隙8を備えるものである。また、ベース4、ブロック5及び6の頂面及び底面(上下面)には、ループ3による起伏に富む空隙9が形成されている。 【0016】 ベース4、ブロック5、ブロック6は、ループ3による空隙9のある上下面と、深く複雑に絡み合う針状突起7の側面から構成され、ループ3による空隙8のある面同士を重ね合わせることにより、針状突起7を備える側面を積み重ねて高くすることができる。また、ループ3よる空隙8により頂面への砂の堆積を防止できる。 【0017】 漁礁用立体網状構造培地1によれば、図5に示す通り、側面から昆布等の胞子を含む海水が透過して通水するので、網状構造が胞子を捕捉する確率が高まり、海藻の着生率が向上し、汚れが溜まりにくい。また、海藻は頂面よりも側面(特に垂直面)に着生しやすく、側面に針状突起7を備えており、比表面積が増大することにより、海藻の根の張りが抜群であり成長率が良好である。特に角地に着生しやすい。さらに海水が培地の表面を洗い流すことができるので、ウツボ等が付着しづらい構造である。ウツボは吸盤で岩に付着するからである。そして、海藻が繁殖すれば、貝、ウニも取り付きやすいので、貝やウニを採集する培地としても利用できる。従って、昆布が好む岩肌を超えた漁礁用立体網状構造培地1とすることができる。例えば、従来は培地1m2に3本着けば上出来と言われていたが、10倍以上着生率が向上する。 【0018】 実施形態2の漁礁用立体網状構造培地101は、図6に示す通り、海藻のみならず、ウニ、アワビ、サザエ等の産卵、成育に適したものである。実施形態1と共通する構成の説明は100番台として援用するが、実施形態2では、立方体形状のブロック105、106が多数点在したものであり、それらの間隙の体積が増大したものである。これにより実施形態1と同様の効果を奏するほか、ウニ、アワビ、サザエ等の産卵、成育等に適した培地を提供できる効果がある。 【0019】 実施形態3の立体網状構造培地201は、図7に示す通り、海藻のみならず、イカの成育に適したものである。実施形態1と共通する構成の説明は200番台として援用するが、実施形態3では、実施形態1の漁礁用立体網状構造培地1を2段に積み重ねて、産卵用或いは通魚用の貫通穴200を複数個形成したものである。これにより実施形態1と同様の効果を奏するほか、イカの産卵に適した培地とすることができる。 【0020】 実施形態4の立体網状構造培地301は、図8に示す通り、海藻のみならず、カニ、エビ等の産卵、成育に適したものである。実施形態2と共通する構成の説明は300番台として援用するが、実施形態4では、ベース104に水平方向に貫通穴300を形成したものである。これにより実施形態1と同様の効果を奏するほか、ウニ、アワビ、サザエ等の産卵、成育等に適した培地を提供できる効果がある。 【0021】 実施形態5の立体網状構造培地401は、図9に示す通り、海藻のみならず、カニ、エビ等の産卵、成育に適したものである。実施形態4と共通する構成の説明は400番台として援用するが、実施形態5では、ブロックの形状を実施形態1と同様の直方体形状の構造としてものである。これにより実施形態4と同様の効果を奏する。 【0022】 実施形態6の立体網状構造培地501は、図10に示す通り、海藻のみならず、タコ等の産卵、成育に適したものである。実施形態5と共通する構成の説明は500番台として援用するが、実施形態6では、貫通穴500の形状が円形である。これにより実施形態1と同様の効果を奏するほか、タコ等の産卵、成育等に適した培地を提供できる効果がある。 【0023】 図11に示す通り、漁礁用立体網状構造培地1を海水中に設置する場合、漁礁用立体網状構造培地1を浮き12で吊り下げて海中に浮遊させてもよいし、図12に示す通り、漁礁用立体網状構造培地1をコンクリート14に緊結金具16で結合させて海底に沈めても良く、その他、適宜の手段によって、海水中に設置することができる。さらに、漁礁用立体網状構造培地1に鋳鉄等の鉄片18を取り付けることにより、鉄イオンを海藻に供給することが好ましい。漁礁用立体網状構造培地1が鋳鉄等の鉄片を備えている場合、鉄片から鉄イオンが溶け出し、漁礁用立体網状構造培地1に海藻が効果的に付着するので、海藻の育成や魚の餌場や産卵に最適である。 【0024】 [立体網状構造樹脂成形品の説明] 本実施形態の漁礁用立体網状構造培地1に適用される立体網状構造樹脂成形品20は、図4に示す通り熱可塑性樹脂を原料又は主原料とする連続線条2(以下、単に線条2ともいう)からなる線条集合体25である。この線条集合体25は、複数の線条2のループの隣接する線条相互をランダムに接触絡合集合させ内部に所定の空隙を備える立体網状構造体である。 【0025】 本実施形態の立体網状構造樹脂成形品20は、海藻、海草の生育を妨げない空隙率に形成されると共に、長期にわたる水中での使用及び成長した海藻、海草の重量にも耐え得る強度を備えるものであり、熱可塑性樹脂の連続線状のランダムなループ又はカールの隣接する線状相互を接触、絡合、集合して成る所定の密度の隙間を備えてなる立体網状状の三次元構造を備える樹脂成形品である。 【0026】 この立体網状構造樹脂成形品20は、例えば熱可塑性エラストマーを複数のノズルより所定押出速度において溶融押し出し、後述の引き取り機により引き取り、600〜90,000デニール、好ましくは3,000〜30,000デニール、より好ましくは6,000〜10,000デニールの無垢又は中空の連続線条を形成し、溶融状態の線条に、例えば直径1〜10mm、好ましくは直径1〜5mmのループを形成させ、隣同士の線条と水中で接触絡合させることによりランダムなループを形成する。水中において引き取り機113の引き取り速度は均一とする。しかし、任意の間隔で前記引き取り機の引き取り速度を低速に調整して、長手方向長さで5〜10cmの低速引き取り時の嵩密度の大きい部分すなわち、高密部とそれ以外の粗の部分、すなわち粗密部を有する厚さ20〜30cm、幅1,000mmの三次元立体網状構造を形成することにより製造することも好ましい。このようにして形成された線条の接触絡合部位の少なくとも一部は、相互に溶融接着される。 【0027】 前記連続線条は、線条の断面形状が、無垢又は中空であって、線径は、無垢の場合、0.5〜3mm、好ましくは0.7〜2mm、中空の場合、0.7〜5mm、好ましくは1〜3mmである。又、中空線条の中空率は、30〜70%。好ましくは40〜60%である。 【0028】 前記連続線条は、熱可塑性樹脂全般でよいが、オレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは熱可塑性エラストマーよりなり、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、PVCのエラストマーより成る。 【0029】 立体網状構造樹脂成形品20の嵩密度は、粗の部分で、0.009〜0.280g/cm3、好ましくは、0.027〜0.210、特に0.045〜0.09、密の部分で0.45〜1.25g/cm3、好ましくは、0.54〜1.17、特に0.63〜1.10である。 【0030】 立体網状構造樹脂成形品20の空隙率は、粗の部分で、80〜99%、好ましくは、85〜97%、特に90〜95%、密の部分で40〜90%、好ましくは、70〜90%、特に75〜85%である。海藻類の着生部となる全体の平均空隙率は、30〜98%、好ましくは、50%〜95%、より好ましくは70%〜80%である。粗密をつけない場合も同様の範囲である。 【0031】 (立体網状構造樹脂成形品20の製造方法) 前記立体網状構造樹脂成形品20は、図13に示すように、押出機110のホッパー111より、原料樹脂として例えばポリプロピレンのエラストマーを投入し、溶融混練して、成型ダイ112に設けた所定径の多数の射出口より押し出し、バス115内の引き取り機113の引き取りロール114,114間で厚さ及び嵩密度が設定され、カール又はループ状にランダムに成形されながら、水中で固化し、巻き取りロール116,116により立体網状構造を有する樹脂成形品たる立体網状構造樹脂成形品20として取り出される。この立体網状構造樹脂成形品20を構成する線条の押し出しに使用する成型ダイ112の一例を図14〜図18に示す。図示の場合、巻き取りロール116,116によって左右側面側が押さえられるので、押出成形は二面成形である。 【0032】 図14に示すように、前記立体網状構造樹脂成形品20を成す線条を押し出すための成形ダイ112は、合成樹脂の線条が押し出される多数のノズル121を備えており、このノズル121より押し出された樹脂材料が固化して線条を形成する。 【0033】 本実施形態にあっては、この成型ダイ112の射出方向に突出する幅方向の断面を矩形状と成す中子体122を設け、この中子体122の部分において、鉄パイプ等の鉄片の挿入部、また魚道としての役割を持つ線条の存在しない貫通穴(図示略)が立体網状構造樹脂成形品20内に形成されるよう構成されている。 【0034】 このようにして中子体122により形成された線条のない貫通穴(図示略)は、河川等内にこの立体網状構造樹脂成形品20を配置した際に、魚類等の生物の住処となり、これらの生物の通り道と成る。 【0035】 本実施形態にあっては、図14及び図15に示すように、この中子体を幅方向の断面において矩形状に形成しているが、この中子体122の形状は、前述のように生物の住処や魚道等と成り得る貫通穴(図示略)を立体網状構造樹脂成形品20内に形成し得るものであれば、前記ノズルの一部を閉塞したり、前述矩形に代えて、円柱状、その他如何なる形状とすることもできる。 図16は中子体122が1本の場合である。 貫通穴2を設けない場合には成型ダイ112には中子体122を設けず、もしくは、ノズルの一部を閉塞する必要がない。 【0036】 次に図19を参照して立体網状構造樹脂成形品20の切断工程を説明する。図示する通り、線条2の押出方向に対して、直交する方向である切断方向A及び/又はBに沿って、カッタ30で切断して適宜のブロック形状とする。両側面35をそのまま残せば、ループ3がそのまま残り、一方、カッタによる切断面には、前述した針状突起7が形成されるのである。端面36は切断方向Bに沿って切断する。切断屑を少なくして効率的に培地を製造できる。 【0037】 針状突起7は、連続線条2をカッタで面状に切断することにより形成される。押し出された立体網状構造樹脂成形品20を切断すると、ループが途中で寸断されることによって、内方から外方に向かって伸張し、切れ止る針状突起が形成される。ここでは押出成形は2面、3面、4面、多面成形があるがいずれもカッタ30で切断する。立体網状構造樹脂成形品20を適宜方向から切断してやれば、必然的に針状突起7が形成できる。 【0038】 このように、漁礁用立体網状構造培地製造方法により、熱可塑性樹脂の連続線条2を押出成形によりランダムなループ3を形成する立体網状構造樹脂成形品20を成形する第1のステップと、立体網状構造樹脂成形品20をカッタ30で針状突起7を備える面を有する立体形状に切断する第2のステップと、を備えることにより、漁礁用立体網状構造培地1と同様の効果を奏することができる。 【0039】 以下に変更形態を説明する。本変更形態は立体網状構造樹脂成形品20とコンクリート重錘が緊締金具で分離不能に結合したものである。 この立体網状構造樹脂成形品20は、コンクリート重錘と一体成形し立体網状構造樹脂成形品20の一部を埋設することもあるが、この際、高密部Bにより生コンクリートが遮蔽されるように、高密部Bと低密度部Aの異密度に構成されることもある(図20参照)。すなわち、厚さ方向垂直面を境に一方の部位を高密度、他方の部位を低密度に上下異密度成形する。そのため、図17に示す通り、高密部Bの製造はノズル121の間隔を狭くし、低密部Aの製造はノズル121の間隔を広くすることにより製造できる。 【0040】 図18に示す通り、成型ダイ112において、シート部143(図21参照)を作成したい部位を、スリット幅0.2〜3mm、好ましくは、0.7〜1.5mmのスリット141にすることにより、コンクリートと一体成形し立体網状構造樹脂成形品20の一部を埋設する際、中央面のシート部により生コンクリートが遮蔽されるように厚さ方向垂直面をシート状に形成することができる。 【0041】 漁礁用立体網状構造培地又は漁礁用立体網状構造培地の製造方法の変更形態を説明する。 図20に示す通り、型枠142内の内周の全部(又は一部)に立体網状構造樹脂成形品103を配置した後に、生コンクリート140を型枠142内に注入し製造すれば、立体網状構造樹脂成形品103の一部がコンクリート140に埋設され、一体成形が可能である。この場合、アンカーボルト108を埋設しコンクリート140と立体網状構造樹脂成形品103とを結合し、アンカーボルト108をナットで締めて固定するので、頑丈な構造になる。アンカーボルト・ナット間に押さえ板を介装させてもよい。 【0042】 図20及び図21に示す通り、海中に露出させる海藻、海草の着生部(略全体)は、鋳鉄ブロック104またはコンクリートの挿入や魚道として使用される貫通穴131、コンクリートを遮蔽する高密部B又はシート部143、コンクリートが充填される低密部A、そして、前記着生部位の平均空隙率は、30〜98%。好ましくは50〜95%。より好ましくは70〜80%。30%以下では、表面が平滑になり、海藻、海草の着生率が低下する。98%以上では、立体網状構造樹脂成形品の表面積が少なく、着生率が低下する。また、着生した海藻、海草をウニ、貝等魚介類の食害から守れない。 【0043】 また、生コンクリート遮蔽部位となる高密部B又はシート部143の空隙率は、0〜70%。好ましくは、30〜50%。70%以上であると、生コンクリートを遮蔽できない。生コンクリートを充填し埋設する部位の空隙率は、70〜98%。70%以下では生コンクリートが充填されない。98%以上では線条が少なく、立体網状構造樹脂成形品とコンクリートが一体化されない。 【0044】 そして、前記立体網状構造樹脂成形品に、鋳鉄ブロック(又は鉄片)104を内包させる。鋳鉄ブロック104は、ミネラルの一種である珪素、カルシウム、マンガンを含み、海藻、海草の生育に有利であることに加え、炭素含有量が多く、海水による腐食が低減できる等の利点があり、鋳鉄製が好ましい。前述貫通穴131に円筒状、矩形あるいは、パイプなど鉄片104を挿入することができる他、立体網状構造樹脂成形品成形装置において、成型ダイ112と水中に備わる引取機113の間にパーツフィーダーの投入口を設け、溶融線条が硬化する直前に任意形状の鉄製ブロック104を線条に絡ませる(図示省略)ことにより鉄製ブロック104を線条間に挟持させ内包させることができる。 【0045】 また、立体網状構造樹脂成形品を多層構造にすることにより、その中間部、上部もしくは下部に鉄を挟み込むなどの方法でもよい。 【0046】 コンクリート重錘は、海底に鋳鉄104を内包した立体網状構造樹脂成形品20を海中に定置させる錘の役割をするもので、立体網状構造樹脂成形品とコンクリートを一体化する方法としては、コンクリートを新規に作成する場合の一体化は、立体網状構造樹脂成形品20において隣り合う高密部Bの間に粗密部Aを設け粗密部Aに生コンクリートを注入し、硬化させる。高密部で生コンクリートは遮蔽されるため、立体網状構造樹脂成形品の一部をコンクリート重錘に埋設することができる(図20)。この場合、アンカーボルト108を使用しナットと結合する。アンカーボルト・ナット間に押さえ板を介装させてもよい。 【0047】 また、図21に示す通り、スリット141を有する成形ダイ112で製造した立体網状構造樹脂成形品内部のシート部143を境界として、片側に生コンクリートを注入し硬化させる。シート部によりコンクリートが遮蔽され立体網状構造樹脂成形品の一部をコンクリートに埋設することができる。 【0048】 さらに、表面に露出したい部分を低密度に成形しておき、エアモルタルを注入し硬化させた後、生コンクリートを注入する。生コンクリート硬化後エアモルタルを水の高圧噴射洗浄等で取り除くなどの方法の他、既存のコンクリート体に穴をあけ鉄入り立体網状構造樹脂成形品に貫通穴を設けアンカーボルト等で固定することにより錘としてもよい。 【0049】 本実施形態の効果を下記に列挙する。 【0050】 なお、本実施形態における立体網状構造樹脂成形品の実施の形態は、上記に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得るものである。また、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。 【産業上の利用可能性】 【0051】 本発明は昆布等の海藻、アマモ等の海草の着生させて育成する培地として利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0052】 【図1】実施形態1の漁礁用立体網状構造培地1の斜視図である。 【図2】漁礁用立体網状構造培地1の部分拡大斜視図である。 【図3】針状突起7の拡大斜視図である。 【図4】漁礁用立体網状構造培地1の平面図である。 【図5】漁礁用立体網状構造培地1に昆布の胞子が捕捉される様子を示す斜視図である。 【図6】実施形態2の漁礁用立体網状構造培地101の斜視図である。 【図7】実施形態3の立体網状構造培地201の斜視図である。 【図8】実施形態4の立体網状構造培地301の斜視図である。 【図9】実施形態5の立体網状構造培地401の斜視図である。 【図10】実施形態6の立体網状構造培地501の斜視図である。 【図11】漁礁用立体網状構造培地1が海中に浮遊する使用状態の説明図である。 【図12】漁礁用立体網状構造培地1が海底に設置される使用状態の説明図である。 【図13】立体網状構造樹脂成形品の製造装置を示す説明図である。 【図14】成型ダイの正面図である。 【図15】成型ダイの底面図である。 【図16】成型ダイの左側面図である。 【図17】成型ダイの変更例を示すノズル部分の要部拡大図である。 【図18】成型ダイの他の変更例を示すノズル部分の要部拡大図である。 【図19】漁礁用立体網状構造培地の切断工程を示す説明図である。 【図20】コンクリートを錘として構成した実施例を示す全体図である。 【図21】コンクリートを錘として構成した他の実施例を示す全体図である。 【符号の説明】 【0053】 1・・・漁礁用立体網状構造培地 2・・・連続線条 3・・・ループ 4・・・ベース 5,6,105,106・・・ブロック 7・・・針状突起 空隙・・・8,9 101,201,301,401,501・・・漁礁用立体網状構造培地 貫通穴・・・200,300,500 12・・・浮き 14・・・コンクリート 16・・・緊結金具 18・・・鉄片 25・・・線条集合体 110・・・押出機 111・・・ホッパー 112・・・成型ダイ 115・・・バス 113・・・引き取り機 114,114・・・引き取りロール 116,116・・・巻き取りロール 121・・・ノズル 122・・・中子体 30・・・カッタ 35・・・両側面 36・・・端面 143・・・シート部 141・・・スリット 142・・・型枠 103・・・網状構造樹脂成形品 140・・・生コンクリート 108・・・アンカーボルト 104・・・鋳鉄ブロック 131・・・貫通穴
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| 【出願人】 |
【識別番号】591007789 【氏名又は名称】アイン株式会社総合研究所 【住所又は居所】岐阜県瑞穂市生津天王東町2丁目25番地
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| 【出願日】 |
平成15年9月5日(2003.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103207 【弁理士】 【氏名又は名称】尾崎 隆弘
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| 【公開番号】 |
特開2005−80536(P2005−80536A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−314528(P2003−314528) |
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