| 【発明の名称】 |
底質地盤混合工法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野口 良
【氏名】宮川 正則
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| 【要約】 |
【課題】底質の無酸素状態の改善および底質の改善・改良を行うことができる、底質地盤混合工法およびその装置を提供する。
【解決手段】この底質地盤混合工法は、水底の基層上の堆積物をケージで囲繞するステップ1と、ケージの中の領域において、堆積物を水の噴流にて流動化させるステップ2と、砂を、ケージの中の領域において流動化された堆積物の表面に水の水流に伴いケージの中に圧送するステップ3と、ケージの中の領域において、圧送された砂と流動化された堆積物とを撹拌して混合し、堆積物の粒度の改善をするステップ4とを含む工法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水底の基層上の堆積物等の水底物をケージで囲繞するステップ1と、 前記ケージの中の領域において、堆積物等の水底物を水の噴流にて流動化させるステップ2と、 砂を、ケージの中の領域において流動化された堆積物等の水底物の表面に水の水流に伴いケージの中に圧送するステップ3と、 ケージの中の領域において、圧送された砂と流動化された堆積物等の水底物とを撹拌して混合し、堆積物等の水底物の粒度の改善をするステップ4とを含む、 底質地盤混合工法。 【請求項2】 前記ステップ4は、ウォータージェットにて圧送された砂と流動化された堆積物とを撹拌翼にて撹拌して混合することを含む、請求項1に記載の底質地盤混合工法。 【請求項3】 前記ステップ3は、内部に撹拌翼が回転自在に設けられたケージを、水底の底質表面の近傍まで引き上げた後、砂をケージ内の隔壁の中に圧送する、請求項1または2に記載の底質地盤混合工法。 【請求項4】 前記ステップ4は、内部に撹拌翼を回転自在に設けられたケージを、貝類の生息可能な深さまで押し下げながら、撹拌翼にて水底の底質の粒度を改善する、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の底質地盤混合工法。 【請求項5】 水底に着底し、水底を攪拌改良する攪拌混合装置と、 前記攪拌混合装置を水底の特定領域に運搬する運搬装置と、 前記攪拌混合装置に水を送る水送り装置と、 前記攪拌混合装置に砂を送る砂送り装置とを備え、 前記攪拌混合装置は、内部に攪拌翼を回転自在に設けられたケージを具備し、 前記水送り装置は、水のジェット噴射により水底の堆積物等の水底物を流動化させるように構成され、且つ、前記砂送り装置によって送られる砂をジェット水流により攪拌混合装置に送りように構成されている、底質地盤混合装置。 【請求項6】 撹拌混合装置は、ケージ内に該ケージの深さ方向を上下に隔てる隔壁を設け、該ケージと該隔壁と水底とで囲まれる領域に高圧水噴出ノズルと撹拌翼が配置され、 該隔壁には、水送り装置及び砂送り装置のホースが連結され、該ホースからジェット水流により砂が圧送されるように形成され、 該高圧水噴出ノズルには、水送り装置のホースが連結され、該ホースから高圧水が送られ、ジェット噴射するように形成された、請求項5に記載の底質地盤混合装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、海底や川底などの水底の底質地盤混合工法及びその装置に関し、特にたとえば、アサリやタイラギやシジミ等の貝の海底や川底などの水底の漁場の底質改善工法及びその装置に関する。 【背景技術】 【0002】 最近、沿岸のアサリやタイラギ等の貝類の水揚げ量が減少してきているが、その原因としては、地球の温暖化現象、海流の変化、底質の無酸素状態等が考えられる。ところが、人工的に地球の温暖化現象や海流の変化をコントロールすることは困難であるが、底質の酸素状態の改善および底質の改良を行うことは可能である。 たとえば、距岸が1.5km地点で、水深が7m前後と典型的な遠浅地形を示す海底においては、例えば、ある海岸では、その平均勾配は、1/350〜1/260程度と極めて緩やかであり、その底質は、シルト分と粘土分で75〜80%前後を占めており、全般に非常に細かい粒径を示し、化学成分でもCODが7.02〜8.69mg/g、硫化物が0.130〜0.277mg/gとなっている。 そして、その海況は、干満差の大きい泥質遠浅地形を示し、干満差が大きいゆえに、広大な干潟が形成されているが、その干潟におけるアサリ、タイラギ等の貝の漁場整備を行うにあたっては、その底質の改善が不可欠である。 ところが、通常の工法、たとえば、覆砂、海底耕運、土砂の置換等では対処が難しいと思われる。 【0003】 【特許文献1】特許第3303169号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、この従来の覆砂工法では、覆砂厚の規準にもよるが、その砂を薄く、たとえば、10.0cm〜20.0cm敷き詰めても、海流および干満差の影響により、砂がその覆砂した場所に留まることができない。 また、砂自体の自重により、シルト層に埋没してしまう可能性も考えられる。 また、海底耕運の方法によれば、干潮時には陸上機械を用いて地盤の改良を行うことができるが、シルト80%の地質の場合、重機作業は不可能となる。 また、土砂の置換工法の場合、土砂の置換を行うにあたり、浚渫土砂の捨場の選定およびその作業を行うにあたり、海面の汚濁の問題が発生する。 【0005】 それゆえに、この発明の主たる目的は、底質の無酸素状態の改善および底質の改善・改良を行うことができる、底質地盤混合工法及びその装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 この発明の請求項1にかかる底質地盤混合工法は、水底の基層上の堆積物等の水底物をケージで囲繞するステップ1と、前記ケージの中の領域において、堆積物等の水底物を水の噴流にて流動化させるステップ2と、砂を、ケージの中の領域において流動化された堆積物等の水底物の表面に水の水流に伴いケージの中に圧送するステップ3と、ケージの中の領域において、圧送された砂と流動化された堆積物等の水底物とを撹拌して混合し、堆積物等の水底物の粒度の改善をするステップ4とを含む、底質地盤混合工法である。 この発明の請求項2にかかる底質地盤混合工法の前記ステップ4は、ウォータージェットにて圧送された砂と流動化された堆積物とを撹拌翼にて撹拌して混合することを含む、請求項1に記載の底質地盤混合工法である。 この発明の請求項3にかかる底質地盤混合工法の前記ステップ3は、内部に撹拌翼が回転自在に設けられたケージを、水底の底質表面の近傍まで引き上げた後、砂をケージ内の隔壁の中に圧送する、請求項1または2に記載の底質地盤混合工法である。 この発明の請求項4にかかる底質地盤混合工法の前記ステップ4は、内部に撹拌翼を回転自在に設けられたケージを、貝類の生息可能な深さまで押し下げながら、撹拌翼にて水底の底質の粒度を改善する、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の底質地盤混合工法である。 この発明の請求項5にかかる底質地盤混合装置は、水底に着底し、水底を攪拌改良する攪拌混合装置と、前記攪拌混合装置を水底の特定領域に運搬する運搬装置と、前記攪拌混合装置に水を送る水送り装置と、前記攪拌混合装置に砂を送る砂送り装置とを備え、前記攪拌混合装置は、内部に攪拌翼を回転自在に設けられたケージを具備し、前記水送り装置は、水のジェット噴射により水底の堆積物等の水底物を流動化させるように構成され、且つ、前記砂送り装置によって送られる砂をジェット水流により攪拌混合装置に送りように構成されている、底質地盤混合装置である。 この発明の請求項6にかかる底質地盤混合装置は、撹拌混合装置は、ケージ内に該ケージの深さ方向を上下に隔てる隔壁を設け、該ケージと該隔壁と水底とで囲まれる領域に高圧水噴出ノズルと撹拌翼が配置され、該隔壁には、水送り装置及び砂送り装置のホースが連結され、該ホースからジェット水流により砂が圧送されるように形成され、該高圧水噴出ノズルには、水送り装置のホースが連結され、該ホースから高圧水が送られ、ジェット噴射するように形成された、請求項5に記載の底質地盤混合装置である。 【発明の効果】 【0007】 この発明にかかる底質地盤混合工法によれば、施工時に海上などの水上の汚濁がほとんどなく、施工海域の干満の差が大きい場合でも、砂の流出がなく、施工箇所の粒度を自由に変更することができる。 また、施工海域の地形が複雑な場合や施工海域の水深が深い場合においても、施工管理をすることが比較的容易にできる。この工法によれば、現地盤を圧密、撹拌、水圧により、水底を上下に180度反転を行って酸素を送り込み、底質の改良改善を行うことができる。 また、この発明にかかる底質地盤混合装置によれば、隔壁等が十分な重量を備えているので、海流などの水流の影響を受けず、また海面などの水面の汚濁等の問題をほとんど出すことはないため、貝の漁場への影響が少ない。 また、隔壁内部に砂を圧送し充填して、底質を改良するために、砂の損失が最小限に抑えられる。 【0008】 この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 図1は、底質地盤混合装置を用いた底質地盤混合工法の施工状況を示す図解図であり、図2は、底質地盤混合装置の平面図解図であり、図3は、砂送り装置の正面図解図であり、図4は、砂送り装置の側面図解図である。図5は、砂送り装置を3基連結した状態を示す平面図解図であり、図6は、砂送り装置を3基連結した状態を示す正面図解図であり、図7は、ホッパーと第2のホースとの連結状態を示す図解図である。図8は、撹拌混合装置の一例を示す斜視図であり、図9は、底質地盤混合装置の底面図解図であり、図10は、底質地盤混合装置の断面図解図である。 【0010】 この海底の底質地盤混合装置10は、地盤改良船12と撹拌混合装置14とを備える。 地盤改良船12は二艘に分かれ、地盤改良船12を構成する起重機船12aは、運搬装置16と水送り装置18とを搭載し、作業員が乗り込み、海底の底質地盤改良作業を行う船であり、前記撹拌混合装置14を運搬装置16によって吊り下げた状態で、底質地盤改良工法を行う作業現場まで運ぶように構成されている。 【0011】 地盤改良船12を構成する台船12bは、砂送り装置20が搭載され且つ底質地盤改良のために用いる砂貯蔵エリア22を備えるとともに、該砂貯蔵エリア22に貯蔵された砂を砂送り装置20に運搬し投入するためのバックホウ24を積載している。 台船12bは、推進動力を備えた引き船で牽引することにより、海上を移動することができるよう構成されている。 【0012】 運搬装置16は、起重機30を備え、起重機30のブーム32の先端からワイヤー34を垂らし、そのワイヤー34の先端に撹拌混合装置14を吊り下げられるように構成されている。 起重機30は、水平面内で回動可能な旋回台36上に搭載され、該旋回台36は、地盤改良船12上に固定されている。 そして、運搬装置16は、撹拌混合装置14を動力を用いて吊り上げ、ブーム32の仰角を変え且つ旋回台36を回動させて、該撹拌混合装置14を垂直および水平に運搬するように構成されている。 【0013】 運搬装置16は、内臓された深度計(図示せず)により、撹拌混合装置14の深度を計測し、パーソナルコンピュータ28により、デジタルデータ管理をすることができるように構成されている。 すなわち、深度計による深さ測定は、運搬装置16の内部に装備しているワイヤー34を巻くドラム38の回転数を計測し、その回転数によってワイヤー34の下降している長さを測定して撹拌混合装置14の深さ測定をし、さらに、パーソナルコンピュータ28により、デジタル化して深さの管理をするように構成されている。 【0014】 水送り装置18は、地盤改良船12の船上に固定されたジェットポンプ40を含み、該ジェットポンプ40と撹拌混合装置14とを結ぶ第1のホース42を介して高圧に加圧された水が撹拌混合装置14に送られるように構成されている。 第1のホース42は、高圧バルブ44によって連結され、該高圧バルブ44より上流に設けられたマニホールド46により分岐された第2のホース48は、砂送り装置20を経て撹拌混合装置14に連結されている。 【0015】 砂送り装置20は、ジェットポンプ40によって、第2のホース48に送られるジェット水流中に砂を送り込み、ジェット水流によって砂を撹拌混合装置14に圧送する装置であり、ホッパー50を備える。 ホッパー50は、フレーム52をもって地盤改良船12の台船12bに固定される。 ホッパー50の側壁には、振動モータ54が付設されており、ホッパー50の中に入れられた砂に振動を与え、砂が下方に降りてくるように構成されている。 ホッパー50の下部にはシャッタ56が設けられ、シャッタ56の開閉は、油圧シリンダ58によって行われるように構成されている。さらに、ホッパー50の下部には、T字型のエルボ60が設けられ、該エルボ60には、第2のホース48が連結されている。 【0016】 振動モータ54は、カウンターウェイトを調節することにより、最適な起振力を選択できるように構成されている。 ホッパー50の前面には、ホッパー50および振動モータ54を制御するための制御盤62が設けられ、該制御盤62には、ブレーカ、セレクタスイッチ等が設けられている。 油圧シリンダ58は、油圧ユニット64からの油圧ラインによって制御される。 【0017】 地盤改良船12は、GPS(全地球測位システム)の移動局装置26を備え、このGPSを使用し、地盤改良船12の位置を1cm単位の精度で管理し、且つ前記深度計によって水深管理をするためのデータと連動させて、地盤改良船12と撹拌混合装置14の位置及び撹拌混合装置14の深さの数値をデジタル化したデータを、パーソナルコンピュータ28と連動させることにより、底質地盤改良の施工の管理を行うよう構成されている。パーソナルコンピュータ28は、CPU(中央演算処理装置)と、移動局装置26からの信号により地盤改良船12および撹拌混合装置14の位置を制御する位置制御手段と、運搬装置16のブーム32の仰角および旋回台36の旋回角を制御する仰角・旋回角制御手段と、深度計と連動して撹拌混合装置14の深さを制御する深度制御手段と、前記手段のソフトウェアおよびデータを記憶する記憶手段とを備え、地盤改良船12と撹拌混合装置14の位置及び撹拌混合装置14の深さを制御するように構成されている。 【0018】 撹拌混合装置14は、図8ないし図10において示すように、3つのユニット72を連結してなるものである。この実施形態の各ユニット72は、2つの撹拌翼74を備え、装置全体としては合計6つの撹拌翼74を供える。 【0019】 図9を参照しながら各ユニット72についてさらに説明する。底質地盤混合装置10のユニット72は、4角筒状のケージ76を含む。ケージ76は後述する各部材を保持するとともに、施工領域の周囲を取り囲むためのものである。ケージ76の金網状の天井部には原動機78が設置される。原動機78にはたとえばパイプ状の回転軸80の一端が鉛直方向に垂下されて接続される。原動機78によって回転軸80はその中心軸周りに回転される。回転軸80の中間部は軸受け82によって回転自在に保持される。軸受け82は、桟部材84を介してケージ76の内壁に固定される。 【0020】 回転軸80の下端部には撹拌羽根ユニットが連結される。撹拌翼74は、回転軸80の下端の周囲に回転軸80の中心軸と略直交する方向へ張り出し設けられる。この回転軸80はたとえば3枚の羽根を有し、それらの羽の先端は環状部材86で取り囲まれている。環状部材86の水底に面する縁部はジクザグ状に加工されている。また、撹拌翼74の先端部に固着された環状部材86とケージ76の内壁との間には、海底の礫の直径よりも大きな間隔が開けられる。これにより、海底の底質を改良施工する際に、撹拌翼74の先端とケージ76との間に礫が挟まって、撹拌翼74の回転を妨げることがない。この実施の形態では、撹拌翼74同士の間、および撹拌翼74とケージ76との間に、それぞれ20cm以上の間隔を設けた。 【0021】 撹拌羽根ユニットの回転軸80には、高圧水噴出ノズル88が設けられる。高圧水噴出ノズル88は、回転軸80の回転に伴い高圧水の噴出方向を360°変化させながら、水底の底質へ向かって高圧にした水を噴出させるためのものである。この実施の形態では、高圧水噴出ノズル88から、回転軸80の中心軸に対してたとえば略45°斜め下方へ、高圧水が噴出されるよう設けられている。高圧水噴出ノズル88への高圧水の供給は、回転軸80内に設けられた供給パイプにより行われるが、その供給は、第1のホース42と連結された供給パイプから高圧水噴出ノズル88へとなされる。なお、高圧水噴出ノズル88の角度は本発明の目的を達成するために適宜の角度が選択できる。 【0022】 撹拌羽根ユニットの下端には槍状の突出部92が設けられる。突出部92は水底の底質に突き刺さり、施工時に底質地盤混合装置10の位置決めを行うためのものである。 【0023】 ケージ76内の深さ方向中間部には深さ方向を上下に隔てる矩形の隔壁90が水平に設けられる。隔壁90の周縁は、ケージ76の内壁に適宜な間隔をあけて上下方向に複数設けられた隔壁受け76aに着脱自在に固定され、ケージ76の下端縁76bとの間隔を変えることができるように構成されている。隔壁90を貫通する回転軸80と隔壁90との間には、円環状の隙間90aが設けられる。隙間90aは、回転軸80の回転を妨げないようにするとともに、隔壁90の厚み方向へ水や空気を流通させるためのものである。隙間90aが大きすぎると施工時に撹拌混合された底質が漏れ出して周辺海域を汚染するので、隙間90aの大きさは必要最小限とされる。隔壁90には、方形の貫通孔90bが複数箇所設けられ、該貫通孔90bにはその全面にフィルター部材94が取り付けられる。フィルター部材94は、方形の貫通孔90bより一回り大きな方形の枠体94aと、該枠体94aの上縁に取り付けられた網(メッシュ)94bおよび下縁に取り付けられた網(メッシュ)94cと、該網(メッシュ)94b,94cの間に挟装された透水マット94dとからなり、該透水マット94dから水や空気の排水・排出を行うとともに、汚濁物を取り除くように形成されている。貫通孔90bおよびフィルター部材94を流通した水や空気は、ケージ76の金網状の天井部、およびケージ76の側壁に設けられた貫通孔76cを通じてケージ76外へ流通する。透水マット94dは、ポリアミド系の比較的細い合成繊維を編んでなる布状体を複数枚重ね合わせて形成されている。 【0024】 隔壁90の略中央には貫通孔90cが形成され、該貫通孔90cには第2のホース48が連結されている。そして、砂送り装置20よりジェット水流によって送られてくる砂が隔壁90の下のケージ76内に供給される。 【0025】 次に、この海底の底質地盤混合装置10を用いた海底の底質地盤混合工法について、図12ないし図14を参照しながら説明する。 この底質地盤混合装置10は、海底の底生動物である、アサリ、タイラギ等の貝類の生息環境を改善するために用いるに適する。 まず、この底質地盤混合装置10は、地盤改良船12を、GPSの指示に基づき目的とする施工水域にまで作業船によって移動し、図15に示すように、目的とする施工水域に至ると、運搬装置16によって撹拌混合装置14を海水中に投入する。 【0026】 改良する底質の土質(堆積物等の水底物)は、シルト分80%以上であるが、その改良深さは、例えばアサリ、タイラギ等の貝の生息可能な深さを0.5mとした場合には、改良すべき深度は、貝の生息可能な深さの1.5倍の0.75mとなる。改良すべき深度は、貝の生息可能な深さの1.5倍とするが、その改良すべき深度は、隔壁90とケージ76の下端縁76bとの間の間隔により規定する。隔壁90は、上下方向に移動可能であるので、改良すべき深度に対応して適宜上下に移動させる。 まず、GPSに従い、パーソナルコンピュータ28によって、施工エリアの中心に撹拌混合装置14を移動させ、運搬装置16のブーム32の仰角および起重機30の旋回台36の旋回角によりスポットを選定し、且つ運搬装置16を作動させて、ワイヤー34を伸張させ、撹拌混合装置14を海水中に没入させる(ステップ1)。 【0027】 撹拌混合装置14が海底に達すると、水送り装置18のジェットポンプ40を作動させ、第1のホース42に高圧に加圧された水が送られ、高圧水噴出ノズル88から高圧水を噴出して、噴流によりシルトをほぐす。そして、徐々に撹拌混合装置14を海底内に押し下げながら、撹拌翼74によってシルトを撹拌する(ステップ2)。 この水圧と撹拌翼74の作用によって、シルト層をほぐすことによって、その工法が施されたエリアは、海水に含まれる溶存酸素と撹拌翼74によって酸化され、底質の化学成分および無酸素状態が改善される。 その後、運搬装置16の起重機30を作動させ、撹拌混合装置14を底質の表面近くまで引き上げる。 【0028】 一方、油圧ラインを操作して、ホッパー50のシャッタ56を油圧シリンダ58を作動させて閉じ、ホッパー50内に、バックホウ24により、砂貯蔵エリア22から砂を運び込み、投入する。 次に、電源のブレーカーをオンにし、ホッパー50の制御盤62のブレーカーをオンにする。 次に、水送り装置18のジェットポンプ40を作動させ、第1のホース42からマニホールド46及び高圧バルブ44を介して第2のホース48に高圧水を供給する。 砂送り装置20の制御盤62のセレクタスイッチを運転に切替え、油圧ラインを操作して、ホッパー50のシャッタ56を開くことにより、砂がエルボ60内に流れ込む。このとき、振動モータ54を作動させて、その振動により砂が下方に降りてゆくようにする(ステップ3)。 【0029】 砂送り装置20を作動させ、第2のホース48を流れるジェット水流により砂を撹拌混合装置14内の隔壁90の下部領域内に添加し、アサリ、タイラギ等の貝類の生息可能な深さである0.5mのところまで、撹拌混合装置14を撹拌翼74を回転させることにより押し下げ、底質の粒度の改善を行う(ステップ4)。 かかる作業により、シルト分80%以上の底質の土質が、砂分80%以上の粒度の底質に改良することが可能となる。 【0030】 1つのエリアの底質の改良を行えば、水送り装置18および砂送り装置20を停止し、運搬装置16を移動させて、撹拌混合装置14を海底より引き上げ、次のエリアに運搬装置16を作動させて、撹拌混合装置14を海底の当該エリアに沈める。 そして、前記したと同様な作業を繰り返す。 【0031】 なお、深度計による深さ測定は、運搬装置16の内部に装備しているワイヤー34を巻くドラム38の回転数を計測し、その回転数によってワイヤー34の下降している長さを測定して撹拌混合装置14の深さ測定をし、さらに、パーソナルコンピュータ28により、デジタル化して深さの管理をするように構成されているので、改良深さの確認管理が正確である。 また、施工位置は、GPSを使用することにより、高い精度で管理を行うことができる。 また、撹拌混合装置14内に、砂を圧送し、底質に充填して、底質を改良するために、砂の損失が最小限に抑えられる。 【0032】 この工法により、海底の底質を圧密、撹拌、水圧により、底質を上下に180度反転を行って酸素を送り込み、底質の改良改善を行うことができ、水深が深い場合でも、改良が可能であり、施工性に優れている。 【0033】 この撹拌混合装置14では、ケージ76内に該ケージの深さ方向を上下に隔てる隔壁90を設け、該ケージ76と該隔壁90と水底とで囲まれる領域に高圧水噴出ノズル88と撹拌翼74が配置される。底質地盤混合工法の施工の際には、高圧水噴射ノズル88から噴射された高圧水が底質を吹き上げ、吹き上げられた底質が撹拌翼74で混合されるが、施工領域の周囲がケージ76で囲まれ、施工領域の上方が隔壁90で囲まれるので、底質混合物が周辺海域にほとんど漏れ出さない。また、施工領域の周囲および上方がケージ76および隔壁90で覆われることにより、底質地盤混合工法の施工の際に施工領域に装置10の自重による圧力がかかるため撹拌混合物の密度を高めながら混合撹拌できるので、混合撹拌の効率を高めることができる。また、撹拌混合装置14に十分な重量があり、海流により影響を受け難い。 【実施例1】 【0034】 1.起重機船12a(70t(120t))に、撹拌混合装置14、水送り装置18、油圧ユニット64、発電器を搭載し、500t積み台船12bに、砂、バックホウ24、ジェットホッパー50を含む砂送り装置20を積んで施工を行う。 2.施工パターンとしては、次のとおりである。 1)撹拌混合装置14の着底 2)水送り装置18の第1のホース42によるジェット噴射および撹拌混合装置14の撹拌翼の回転による改良開始(改良する深度(厚さ)は0.5m。改良時間3分・5分・7分) 3)改良時間終了後、水送り装置18の噴射および撹拌混合装置14の回転を止め、撹拌混合装置14の下端縁が着底表面の近傍に至るまで撹拌混合装置14を引き上げ、第2のホース48のジェット水流に切り替えて砂を投入する(ケージの面積(5m2)×深さ(隔壁と下端縁との間の間隔0.5m)の体積分の30%および50%の砂を投入。改良率30% 50%)約1〜2分で投入終了 4)投入終了後、撹拌混合装置14の改良開始(改良時間3分・5分・7分)で、撹拌混合装置14の撹拌翼を回転させながら撹拌混合装置14を改良する深度(厚さ)まで押し下げて底質の改良を行い終了 5)改良終了後、撹拌混合装置14を着底位置に戻し、撹拌混合装置14の撹拌翼を停止して終了 3.かかる施行を1エリア6スポットで行った結果は表1の通りである。 【0035】 【表1】
壱岐産砂を改良率30%および50%で投入、改良時間3分、5分、7分で底質地盤改良をしたところ、貝類の生息に適する砂分80%以上に改良された。 【産業上の利用可能性】 【0036】 この発明にかかる底質地盤混合工法及びその装置は、主として、アサリ、タイラギ等の貝類の漁場の改善および回復をさせるという用途に適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】底質地盤混合装置を用いた底質地盤混合工法の施工状況を示す図解図である。 【図2】底質地盤混合装置の平面図解図である。 【図3】砂送り装置の正面図解図である。 【図4】砂送り装置の側面図解図である。 【図5】砂送り装置を3基連結した状態を示す平面図解図である。 【図6】砂送り装置を3基連結した状態を示す正面図解図である。 【図7】ホッパーと第2のホースとの連結状態を示す図解図である。 【図8】撹拌混合装置の一例を示す斜視図である。 【図9】底質地盤混合装置の底面図解図である。 【図10】(A)は、底質地盤混合装置の断面図解図であり、(B)は、その一部の断面図解図である。 【図11】底質地盤混合装置の制御方法を示す図解図である。 【図12】底質地盤混合装置を用いた底質地盤混合工法の施工状況を示す図解図である。 【図13】底質地盤混合装置を用いた底質地盤混合工法の施工状況を示す図解図である。 【図14】底質地盤混合装置を用いた底質地盤混合工法の施工状況を示す図解図である。 【符号の説明】 【0038】 10 底質地盤混合装置 12 地盤改良船 12a 起重機船 12b 台船 14 撹拌混合装置 16 運搬装置 18 水送り装置 20 砂送り装置 22 砂貯蔵エリア 24 バックホウ 26 GPS装置の移動局装置 28 パーソナルコンピュータ 30 起重機 32 ブーム 34 ワイヤー 36 旋回台 38 ドラム 40 ジェットポンプ 42 第1のホース 44 高圧バルブ 46 マニホールド 48 第2のホース 50 ホッパー 52 フレーム 54 振動モータ 56 シャッタ 58 油圧シリンダ 60 エルボ 62 制御盤 64 油圧ユニット 72 ユニット 74 撹拌翼 76 ケージ 76a 隔壁受け 76b 下端縁 76c 貫通孔 78 原動機 80 回転軸 82 軸受け 84 桟部材 86 環状部材 88 高圧水噴出ノズル 90 隔壁 90a 隙間 90b 貫通孔 90c 貫通孔 92 突出部 94 フィルター部材 94a 枠体 94b 網(メッシュ) 94c 網(メッシュ) 94d 透水マット
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| 【出願人】 |
【識別番号】596176943 【氏名又は名称】株式会社西海建設 【識別番号】592090809 【氏名又は名称】松尾建設株式会社 【識別番号】500518522 【氏名又は名称】株式会社ワイビーエムサービス
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| 【出願日】 |
平成15年9月1日(2003.9.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079577 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 全啓
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| 【公開番号】 |
特開2005−73585(P2005−73585A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月24日(2005.3.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−308292(P2003−308292) |
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