| 【発明の名称】 |
活きイカの保存方法,輸送方法及びその為の道具 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 正之
【氏名】山口 恭弘
【氏名】橘 勝康
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| 【要約】 |
【課題】生簀料理店をはじめ,外食産業界や一般家庭でも,新鮮なイカ料理に対する需要は非常に多い。そのため,水揚げされたイカは出来るだけ活き活きした状態で輸送し,活かして保存し,客の食膳に供する必要がある。
【解決手段】活きイカの墨袋を,予め切り裂いて墨を排出させてから,船や車の水槽で輸送し,或いは料亭等の水槽で活かして保存する。そうすると,イカは水槽内で墨を吐かないので,イカ墨がイカの水中呼吸用のエラに付着して呼吸活動を妨げることがなく,水槽内のイカは,活き活きした状態で長期間活きつづけることが出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活きイカの墨袋を切り裂いて,墨を排出させた後,水槽内で活かすことを特徴とする活きイカの保存方法 【請求項2】 活きイカの墨袋を切り裂いて,墨を排出させた後,水槽内で活かして輸送することを特徴とする活きイカの輸送方法 【請求項3】 前記水槽内を水が流通出来るように仕切って複数の区画を設け,イカとは別の区画に魚を入れ,同じ水槽で保存,輸送することを特徴とする請求項1,2記載の活きイカの輸送,保存方法 【請求項4】 活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間にスペーサーを挿入し,活きイカの内部観察と刃物挿入を容易にして活きイカの墨袋を切り裂くことを特徴とする請求項1,2,3記載の活きイカの輸送,保存方法 【請求項5】 請求項1,2,3,4において,先端に刃物を備えた棒状体が,保護筒の中に収納され,前記棒状体の後部を押すことによって,前記刃物を前記保護筒の先端から突出させ得ることを特徴とするの活きイカの墨袋を切り裂く為の道具 【請求項6】 請求項5において,ファイバースコープとライトの内,少なくともファイバースコープを備えたことを特徴とする活きイカの墨袋を切り裂く為の道具 【請求項7】 請求項1,2,3,4において,2枚の刃物を枢着した鋏みであって,前記2枚の刃物の枢軸から先端までの長さが異なることを特徴とする活きイカの墨袋を切り裂く為の道具 【請求項8】 請求項7において,2枚の刃物の内長い方の刃物の先端部に,保護キャップ,ライト,ミラーの内,少なくとも何れかを備えたことを特徴とする活きイカの墨袋を切り裂く為の道具 【請求項9】 請求項4において,活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間に挿入して,活きイカの内部観察と刃物挿入を容易にする為の,筒状又は軸方向に切断された筒状のスペーサーであることを特徴とする活きイカの墨袋を切り裂く為の道具
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は,食用のイカ(特に大型のあおりイカ,カミナリイカ他)を,必要な期間,水槽内で生かし,保存又は輸送する方法及びその為の道具に関する。 【背景技術】 【0002】 生簀料理店を始め,外食産業界や一般家庭でも,新鮮なイカ料理に対する需要は多い。そのため,水揚げされたイカは出来るだけ活き活きした状態で輸送し,料亭等の水槽に活かして保存し,客の食膳に供する必要がある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 イカは,活きた状態で水揚げしても,網にかかった時,生命の危険を感じた時,小さな水槽に多数のイカを入れてストレスが高まった時,或いは他のイカや魚と接触した時等,不安な状態に置かれると,その内臓にある墨袋から真っ黒な墨を吐出し,自己防衛を図る習性がある。そして,吐出された墨は,敵を攻撃するだけでなく,イカ自身の水中呼吸用のエラに付着し,呼吸活動を妨げ,自身の生命力も弱めている。更に,同じ水槽内の他の魚のエラにも付着して呼吸活動を妨げ,その生命力にも悪影響を及ぼしている。これが,イカを船内や陸上の水槽で活かして輸送すること,あるいは,料亭の水槽で料理に供するために活かしておくことの大きな妨げになっていた。特に,大型で墨袋の大きいあおりイカやカミナリイカ等では致命的な問題となっていた。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明の請求項1に係る発明は,活きイカの墨袋を切り裂いて,墨を排出させた後,水槽内で活かす活きイカの保存方法である。 【0005】 本発明の請求項2に係る発明は,活きイカの墨袋を切り裂いて,墨を排出させた後,水槽内で活かして輸送する活きイカの輸送方法である。 【0006】 本発明の請求項3に係る発明は,請求項1,2の活きイカの輸送,保存方法において,水槽内を水が流通出来るように仕切って複数の区画を設け,イカとは別の区画に魚を入れ,同じ水槽で保存,輸送する活きイカの輸送,保存方法である。 【0007】 本発明の請求項4に係る発明は,請求項1,2,3において,活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間にスペーサーを挿入し,活きイカの内部観察と刃物挿入を容易にして活きイカの墨袋を切り裂く活きイカの輸送,保存方法である。 【0008】 本発明の請求項5に係る発明は,請求項1,2,3,4における活きイカの墨袋を切り裂く為の道具であって,先端に刃物を備えた棒状体が,保護筒の中に収納され,前記棒状体の後部を押すことによって前記刃物を前記保護筒の先端から突出させ得るものである。 【0009】 本発明の請求項6に係る発明は,請求項5において,ファイバースコープとライトの内,少なくともファイバースコープを備えたものである。 【0010】 本発明の請求項7に係る発明は,請求項1,2,3,4における活きイカの墨袋を切り裂く為の道具であって,2枚の刃物を枢着した鋏みの,前記2枚の刃物の枢軸から先端までの長さが異なるものである。 【0011】 本発明の請求項8に係る発明は,請求項7において,2枚の刃物の内長い方の刃物の先端部に,保護キャップ,ライト,ミラーの内,少なくとも何れかを備えたものである。 【0012】 本発明の請求項9に係る発明は,請求項4における活きイカの墨袋を切り裂く為の道具であって,活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間に挿入して,活きイカの内部観察と刃物挿入を容易にする為の,筒状又は軸方向に切断された筒状のスペーサーである。 【発明の効果】 【0013】 本発明の請求項1に係る発明の方法では,水槽に入れるイカの墨袋を,予め切り裂くことによって,ほとんどの墨を排出させることが出来る。更に,切り裂かれた墨袋は収縮力がなくなるので,わずかに残った墨も吐出すことが出来なくなる。その為,イカ墨がイカの水中呼吸用のエラに付着して呼吸活動を妨げることがなくなる。なお,墨袋は,イカの生命維持には直接関係がなく,切り裂く際に他の臓器を傷つけないようにすれば,その活力を殺ぐことはない。このようにして,水槽内のイカは長期間活きつづけることが出来るようになる。また,比較的小さな水槽で多数のイカを活かして保存することも出来るようになる。従って,料亭等で,常に新鮮なイカ料理を客に提供することが可能になる。 【0014】 本発明の請求項2に係る発明の方法では,イカの墨袋を予め切り裂いて,墨を排出させてから水槽に入れて輸送する。従って,0013欄記載のように,イカは長期間活きるので,遠方まで輸送出来るようになる。また,比較的小さな水槽に多数のイカを入れて,低コストで輸送することも可能になる。 【0015】 本発明の請求項3に係る発明の方法では,水槽内に水の流通可能な複数の区画を設け,墨抜き活きイカとは別の区画に魚を入れ,イカと同じ水槽で保存,輸送する。この場合,イカ墨がイカばかりでなく魚の水中呼吸用のエラに付着して呼吸活動を妨げることもない。その為,網等の簡単な仕切りを設けるだけで,同じ水槽内で多種多数のイカや魚を活かしておくことが出来る。従って,客の食膳に常に新鮮なイカ料理や魚料理を提供することが出来る。また,多種多数のイカや魚を遠方まで,低コストで輸送することが可能となる。 【0016】 本発明の請求項4に係る発明の方法では,活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間にスペーサーを挿入して活きイカの墨袋を切り裂く。スペーサーを挿入することにより,活きイカの内部観察と刃物挿入が容易になり,墨袋以外のイカの内臓を傷つけることが無く,イカの活力を弱めることなく墨袋を切り裂く処置をすることが出来る。 【0017】 本発明の請求項5に係る発明の,活きイカの墨袋を切り裂く為の道具では,保護筒内に収納された刃物をイカの体内へ挿入し,墨袋に達してからはじめて,保護筒から刃物を突出させて墨袋を切り裂き,その後は再び保護筒内に収納してイカの体内から引き抜くので,墨袋以外のイカの内臓を傷つけることが無い。従って,イカの活力を弱めることなく墨袋を切り裂く処置をすることが出来る。 【0018】 本発明の請求項6に係る発明の,活きイカの墨袋を切り裂く為の道具では,請求項5の保護筒付き刃物に,ファイバースコープとライトの内,少なくともファイバースコープを備えている。従って,より正確にイカの内部観察が出来るようになり,より安全にイカの墨袋を切り裂く処置をすることが出来る。 【0019】 本発明の請求項7に係る,活きイカの墨袋を切り裂く為の道具は,2枚の刃物の長さが異なる鋏みであり,比較的小型のイカの墨袋を切り裂く処置に適している。 【0020】 本発明の請求項8に係る,活きイカの墨袋を切り裂く為の道具は,請求項7の2枚の刃物の長さが異なる鋏みの長い方の刃物の先端部に,保護キャップ,ライト,ミラーの内,少なくとも何れかを備えているので,より正確,安全にイカの墨袋を切り裂く処置をすることが出来る。 【0021】 本発明の請求項9に係る,活きイカの墨袋を切り裂く為の道具は,活きイカの腹側の外套膜と漏斗との間に挿入して,活きイカの内部観察と刃物挿入を容易にする為の筒状又は軸方向に切断された筒状のスペーサーである。挿入したスペーサーの内側や外側周辺の隙間から,イカの内部を観察し,墨袋を確認した後刃物を挿入することが出来るので,墨袋以外のイカの内臓を傷つけることなく,又イカの活力を弱めることなく墨袋を切り裂く処置をすることが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 本発明の実施の形態として,活きイカの保存,輸送方法に関する実施例1及びその為の道具に関する実施例2〜6を説明する。 【実施例1】 【0023】 図1はイカの墨袋を切り裂いている状況を示す説明図である。1はイカ,2は刃物,3は墨袋,4はエラ(肺臓),5は肝臓である。 【0024】 魚市場や漁業共同組合等の活きイカの水揚げ場所において,作業者は,イカ1の生命維持に必要なエラ4や肝臓5等の臓器を傷つけないように注意しながら,イカ1の体内へ刃物2を挿入し,墨袋3を切り裂く。墨袋3を切り裂いたイカは,墨を充分に排出し,墨を洗い落す為に海水に浸漬して引き上げ,輸送用の船や車の水槽へ入れる。船や車は,墨抜き活きイカを速やかに消費地へ輸送し,料亭等の水槽に入れ,活かして保存する。船,車,料亭等の水槽では,網等で簡単な仕切りを設けて,墨抜き活きイカとは別の区画に他の魚を入れて同一水槽で輸送,保存しても良い。 【実施例2】 【0025】 図2は活きイカの墨袋を切り裂く為の保護筒付き刃物の側断面図で,刃物が保護筒内に収納された状態,図3は同じく保護筒付き刃物の側断面図で,刃物が保護筒から突出した状態を示す。11は保護筒付き刃物で,先端に刃物12を取り付けられた棒状体13が保護筒14に摺動可能に挿設されている。15はバネ,16は把手,17はストッパー,18は回り止めのキーである。 【0026】 作業者は図1のイカ1の体内へ保護筒付き刃物11を挿入する。この時,保護筒付き刃物11の刃物12は保護筒14内に収納されていて,イカの生命維持に必要なエラ4や肝臓5等の臓器を傷つけることがない。保護筒14の先端がイカ1の墨袋3に達してからはじめて,把手16を押して刃物12を保護筒14の先端から突出させ,墨袋3を切り裂く。切り裂いた後把手16押すのを止めると,刃物11はバネ15の力で再び保護筒14内に収納され,他の臓器を傷つけることなく保護筒付き刃物11を引き抜くことが出来る。 【実施例3】 【0027】 図4は,図3の保護筒付き刃物に,ファイバースコープを取り付けた図である。19はファイバースコープ,19aは観察窓,19bは照明窓である。 【0028】 作業者は,実施例2の要領で,保護筒付刃物11をイカ1の体内に挿入して,墨袋3を切り裂く。この時,イカ1の体内を,ファイバースコープ19の先端の照明窓19bの光で照らし,観察窓19aで観察しながら,作業を行なうことが出来るので,それ程の熟練者でなくても,より正確,安全に墨袋3を切り裂くことが出来る。なお,キャップライト等他の照明手段を用いれば,照明窓19bを無くし,ファイバースコープ19をより細く,安価にすることも出来る。 【実施例4】 【0029】 図5はイカの墨袋を切り裂く為の道具としての鋏みの正面図である。21は鋏み,22は長い刃物,23は短い刃物,24は枢軸,25はガード,26a,26bは把手である。 【0030】 作業者は,2枚の刃物22と23を閉じた状態で,鋏み21をイカ1の体内へ挿入する。この時,長い刃物22の先端にガード25が付いているので,エラ4等の臓器を傷つけることが防止される。長い刃物22の先端のガード25が,墨袋3に達したところで,刃物22,23を開き,他の内臓を傷付けないように注意しながら,短い刃物23の先端で,墨袋3を突き破り,その後,2枚の刃物22と23で墨袋3を切り裂いて行く。 【実施例5】 【0031】 図6は,図5の鋏みの長い方の刃物の先端に保護キャップとミラーを取り付けたものである。27は保護キャップ,28はミラーである。更に,長い方の刃物の先端にはライトを取り付けても良い。 【0032】 作業者は,実施例4の要領で鋏み21をイカ1の体内に挿入して,墨袋3を切り裂く。この時,保護キャップ27が一層確実にエラ4等の臓器を傷つけることを防止する。また,ミラー28で観察しながら,作業を行なうことが出来るので,それ程の熟練者でなくても,より正確,安全に墨袋3を切り裂くことが出来る。更に,長い方の刃物の先端にライトを設けると安全性は一層高まる。 【実施例6】 【0033】 最後に,図1と図7を用いて実施例6を説明する。図1はイカの墨袋を切り裂いている状況を示す説明図であるが,同図において,1はイカ,6は外套膜,8は貝殻,9は頭部,10は漏斗である。7はスペーサーであり,図7はスペーサーの詳細図で,(a)は斜視図,(b)は平面図である。スペーサー7は,透明なビニール管を切断した短い筒状で,軸方向の切断7aを有する場合もある。 【0034】 作業者は,イカ1の貝殻8を下にしてまな板の上に置く。活きイカ1が外套膜6を動かして呼吸する時,外套膜6と頭部9又は漏斗10との間に隙間が出来るので,素早く,その隙間に短い筒状のスペーサー7を差し込む。そうすると,スペーサー7の内側や外側周辺の隙間からイカ1の内部を観察して墨袋3を確認出来るので,正確,安全に刃物2を挿入し,墨袋3を切り裂くことが出来る。スペーサー7は弾力のあるビニール管で,活きイカ1の呼吸作用で外套膜6が運動し,頭部9又は漏斗10との間の隙間が拡大収縮しても,スペーサー7はそれに応じて変形し,活きイカ1の内臓に負担を与えずその活力を殺ぐことなく視野を確保することが出来る。更に,スペーサー7が軸方向の切断7aを有している場合は,外套膜6の運動に一層柔軟に対応して変形する。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】イカの墨袋を切り裂いている状況を示す説明図である。 【図2】活きイカの墨袋を切り裂く為の保護筒付き刃物の側断面図で,刃物が保護筒内に収納された状態である。 【図3】活きイカの墨袋を切り裂く為の保護筒付き刃物の側断面図で,刃物が保護筒から突出した状態である。 【図4】図3の保護筒付き刃物に,ファイバースコープを取り付けた図である。 【図5】イカの墨袋を切り裂く為の道具としての鋏みの正面図である。 【図6】図5の鋏みの長い方の刃物の先端に保護キャップとミラーを取り付けた図である。 【図7】スペーサーの詳細図で,(a)は斜視図,(b)は平面図である。 【符号の説明】 【0036】 1・・・イカ 2・・・刃物 3・・・墨袋 4・・・エラ(肺臓) 5・・・肝臓 6・・・外套膜 7・・・スペーサー 7a・・・軸方向の切断 8・・・貝殻 9・・・頭部 10・・・漏斗 11・・・保護筒付き刃物 12・・・刃物 13・・・棒状体 14・・・保護筒 15・・・バネ 16・・・把手 17・・・ストッパー 18・・・キー 19・・・ファイバースコープ 19a・・観察窓 19b・・照明窓 21・・・鋏み 22・・・長い刃物 23・・・短い刃物 24・・・枢軸 25・・・ガード 26a・・・把手 26b・・・把手 27・・・保護カバー 28・・・ミラー
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| 【出願人】 |
【識別番号】500026430 【氏名又は名称】株式会社壱番舎
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| 【出願日】 |
平成15年8月18日(2003.8.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−58199(P2005−58199A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月10日(2005.3.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−330673(P2003−330673) |
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