| 【発明の名称】 |
人工魚礁の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川俣 実隆
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| 【要約】 |
【課題】水溶性材料から成る形枠を製造し、この形枠を用いて人工魚礁を製造する。
【解決手段】箱部32の内壁及び縦棒41、横棒42には樹脂ネット33が貼り付けられている。また、各側面には後述する縦棒41、横棒42を挿通するための挿通孔が設けられ、上部は開放されている。また、箱部32の側面には水分を抜き取るための多数の小孔43が穿けられている。この箱部32内に、水を加えて十分に混練した前述のゲル状の水溶性材料を流し込み、小孔43から水分を抜く。自然乾燥等により或る程度の乾燥が進むと、縦棒41、横棒42を抜き取る。続いて、箱体32内の材料に対し、空洞部内に熱風を吹き込んで乾燥させて、乾燥が十分になされた後に、箱部32を解体することによって固化した形枠を取り出す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内側に樹脂ネットを貼った解体可能な成形型内にゲル状の水溶性材料を充填して固化して取り出すことにより複数個の型枠を形成し、これらの型枠を鉄筋により所定空間位置に配置し、これらの外側を板体により箱状に囲むと共に、前記型枠と前記板体との間の空間部にコンクリートを充填し、該コンクリートの固化後に前記板体を外し、前記型枠を注水により溶解して排出することを特徴とする人工魚礁の製造方法。 【請求項2】 前記型枠は前記成形型の外部から前記樹脂ネットを巻回した複数の棒状体を縦横に挿入し、これらの縦横に交叉する棒状体を接して配置した後に、前記成形型内にゲル状の前記水溶性材料を充填して固化し、該固化後に前記成形型から前記棒状体を抜き取り、前記棒状体を抜き取った孔部を前記溶解のための導水路とする請求項1に記載の人工魚礁の製造方法。 【請求項3】 前記水溶性材料は水解促進剤を添加した請求項1又は2に記載の人工魚礁の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、海中に沈設して岩礁性根付魚やイセエビ等の魚介類の蝟集、定着、増殖等を行うための人工魚礁の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、人工魚礁は成形枠に生コンクリートを流し込み、固化した後に、成形枠を取り除くことにより製造している。 【0003】 しかしながら、人工魚礁は当然ながら目的とする魚介類の棲息生態に適合した構造のものでなければ、魚礁としての効果は十分に得られない。 【0004】 発明者は長年に渡り、潜水調査、潜水写真、映画撮影等を通じ、多数の人工魚礁において魚類の生態観察を実施してきた。その結果、従来の内外空間を開放した多窓型のブロック魚礁には構造的な欠点があり、根付魚介類の定着効果が少ないことを知った。人工魚礁は単に魚介類の棲家を提供するのではなく、魚介類の心理的効果、安息性も考慮したものでなければならず、採餌と共に休息、保身の種族保存本能を満たさなければならない。 【0005】 この点において、従来の人工ブロック魚礁は外敵侵入口が複数個あり、他方向に注意を払わなければならない上に、室内が広く海流の影響を魚体が直接受け、保身のために静止安息ができない。このことは魚介類が定着している岩礁等の天然の棲家は、魚体の大きさ程度の出入口が1個所、或いは多くとも2個所のものが圧倒的に多いことからも裏付けられる。 【0006】 そして、魚類は自然を利用した暗部に身を隠しながら、出入口1個所のみを注意して警戒しながら、面前を通る小魚等に対して採餌活動を行っているのである。 【0007】 また、廃バス魚礁、廃船、廃タイヤ等の代用魚礁も多用されているが、上述の問題の外にも、耐久性、安定性の構造的な欠陥が多く、魚介類の蝟集、定着効果は充分ではない。 【0008】 また、本出願人は既に特許文献1に示す人工魚礁の製造方法の特許を取得しており、水溶性材料を用い出入口が1個所で内部に単数又は複数の礁室を有するコンクリート製の人工魚礁の製造方法を発明している。 【0009】 【特許文献1】 特許第2821516号 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、特許文献1の人工魚礁の製造方法においては、成形型に水溶性材料を流し込み魚礁の空間となるとなる形枠を製造する際に、成形型内において水溶性材料が固化すると成形型に固着してしまい、成形型を外し難く、形枠の形崩れが発生し易い等の問題がある。 【0011】 本発明の目的は、水溶性材料から成る形枠を容易に製造し、この形枠を用いて容易に製造し得る人工魚礁の製造方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本発明に係る人工魚礁の製造方法は、内側に樹脂ネットを貼った解体可能な成形型内にゲル状の水溶性材料を充填して固化して取り出すことにより複数個の型枠を形成し、これらの型枠を鉄筋により所定空間位置に配置し、これらの外側を板体により箱状に囲むと共に、前記型枠と前記板体との間の空間部にコンクリートを充填し、該コンクリートの固化後に前記板体を外し、前記型枠を注水により溶解して排出することを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】 本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。 図1は例えばイセエビ用人工魚礁の完工後の斜視図、図2はその断面図を示し、この人工魚礁1はコンクリートから成り、その前面部の開口は内部に設けられているイセエビ礁室2、ウツボ礁室3のそれぞれの入礁部4、5であり、礁室2、3が複数列、複数段に配置されている。そして、天井部にはひさし6、沈設時にロープ掛けをするための吊り金具7が設けられており、イセエビ礁室2には入礁部4、消波部9、避難口10、安息室11が一体となって形成されている。 【0014】 このイセエビ用人工魚礁1にウツボ礁室3を共に設けた理由は、発明者の観察によると、タコの天敵であるウツボはイセエビと共存する習性があり、ウツボをウツボ礁室3に入礁棲息させると、イセエビの天敵であるタコによるイセエビに対する食害から防除することができるためである。 【0015】 図3は人工魚礁1のイセエビ礁室2の形枠21を示し、図4はウツボ礁室3の形枠22を示している。この形枠21、22は水溶解性の材料を用いて形成されており、材料として新聞紙等の古紙、澱粉、紅藻植物等の海藻、発泡スチロールチップス等を用い、水解促進剤としてCMC(carbon metyle cellulose)を添加する。このCMCは多数の解離基を有する水溶性高分子であり、水中で全体が膨潤ゲル化し、繊維同士を分解し易くする役割を果たしている。 【0016】 この形枠21、22を製造する方法を模式的に図示して説明すると、図5に示すように蝶番31により平たく展開可能な箱部32の内壁には、合成樹脂から成る網目状の樹脂ネット33を貼り付けられている。この網目ネットは合成樹脂による成型品であり、例えば孔径2〜3mm程度のものを用いられている。 【0017】 図6は蝶番31を介して成形型の箱部32を組み立てた状態の斜視図を示しており、各側面には後述する縦棒、横棒を挿通するための挿通孔34が設けられ、上部は開放されている。なお、箱部32は蝶番31を介して組立可能としたが、釘やボルト等を用いてもよい。挿通孔34には、縦横に丸棒や角棒などから成り、上述の樹脂ネットを巻回した縦棒41、横棒42を掛け渡し、縦棒41と横棒42とが内部で接するようにし、棒41、42を抜き取った際にこれらの空胴部が連通するようにする。また、箱部32の側面には水分を抜き取るための多数の小孔43が穿けられている。 【0018】 そして、この箱部32内に、水を加えて十分に混練した前述のゲル状の水溶性材料を流し込み、小孔43から水分を抜く。自然乾燥等により或る程度の乾燥が進むと、縦棒41、横棒42を抜き取る。続いて、箱体32内の材料に対し、空洞部内に熱風を吹き込んで乾燥させて、乾燥が十分になされた後に、図示しないロックを外して蝶番31により箱部32を展開することによって、図7に示すように固化した形枠51を取り出す。 【0019】 また、箱部32の内壁及び縦棒41、横棒42に樹脂ネット33を貼り付けたことにより、形枠51が箱部32の内壁等に固着せず形枠51を容易に分離することができ、縦棒41、横棒42を容易に抜き取ることができる。 【0020】 これにより、図7に示すように、縦棒41、横棒42を抜き取った後の空洞部同士が連通した導水口52を有する形枠51が形成されることになる。なお、この場合の形枠51は説明の便宜上、簡略化した直方体状の構造体として説明している。 【0021】 礁室の入礁部4、5となる部分は、人工魚礁1の外面に配置されるので、形枠51のこの部分には、内部に注水するための導入口52を設けておく必要がある。また、イセエビ礁室2の場合にはイセエビが波浪により押し流されたり転倒しないように、また外敵に対して抵抗し得るように、特に入礁部4の床部は凹凸を有する足掛かりを設けることが好適であり、このためにイセエビ用の形枠21のこの部分に相当する個所は凹凸面としておくことが好ましい。 【0022】 そして、形枠21、22は生コンクリートを打設した時の重圧に強く、コンクリートの水分により変形されず、更にはコンクリートが固化した後に、水により溶解し除去し易いことが必要である。このようにして製作した形枠21、22は、放置しておくと大気中の水分を吸収し、べと付いて変形し易いので、その防止のために保管時にはビニルシートなどで密閉シールし、高乾燥を維持するように管理することが好ましい。 【0023】 これらの形枠21、22を用いて人工魚礁1を製造するには、図8に示すように分解・組立可能な箱枠状の形鋼61内に人工魚礁の骨材となる鉄筋62を用いて形枠21、22を所定位置に固定する。そして、周囲を鋼板や合板により囲み、形枠21、22の入礁部4、5となる入口部分は鋼板等に当接させ、この部分を他部材により仮に閉塞しておくか、鋼板等に密着させることによって、生コンクリートが形枠21、22の内部に流入しないように注意を払う必要がある。更には、導入口52以外の孔部の入口を、生コンクリートが内部に流入しないように予め閉塞しておく必要がある。 【0024】 このようにして、鋼板等と形枠21、22との間隙に生コンクリートを流し込み、コンクリートが固化した後に形鋼61、鋼板等を取り外す。その後に、コンクリートの外壁から露出している形枠21、22の導入口52から形枠21、22内に注水する。 【0025】 水を充分に注入すれば2時間程度で形枠21、22は軟弱化するので、その後に例えば高圧水をジェット噴流により形枠21、22内に注水して、溶解した形枠21、22を逆水流と共に排出する。また、噴流によって排出不能な場合にはポンプにより吸引排出すればよい。かくすることにより、図1に示すような人工魚礁1を製造することができる。 【0026】 形枠21、22の溶解に際して、排水路に回収ネットを取り付け、排出された原料を回収すれば、再び形枠21、22の原料として使用することができる。 【0027】 【発明の効果】 以上説明したように本発明に係る人工魚礁の製造方法は、注水により溶解し易い形枠を樹脂ネットを用いて製造するので、成形型から容易に分離でき、複雑な内部構造を有する場合においても、短期間で容易に製造することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】人工魚礁の斜視図である。 【図2】断面図である。 【図3】イセエビ礁室の形枠の斜視図である。 【図4】ウツボ礁室の形枠の斜視図である。 【図5】箱部の展開図である。 【図6】形枠の製法の説明図である。 【図7】製造した形枠の斜視図である。 【図8】人工魚礁の製法の説明図である。 【符号の説明】 1 人工魚礁 2 イセエビ礁室 3 ウツボ礁室 21、22、51 形枠 31 蝶番 32 箱部 33 樹脂ネット 41、42 棒 43 小孔 52 導入口 61 形鋼 62 鉄筋
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| 【出願人】 |
【識別番号】596176921 【氏名又は名称】川俣 実隆
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| 【出願日】 |
平成15年7月11日(2003.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075948 【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
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| 【公開番号】 |
特開2005−27551(P2005−27551A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月3日(2005.2.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−195725(P2003−195725) |
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