| 【発明の名称】 |
タコ箱 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮島 豊
【氏名】梅津 征英
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| 【要約】 |
【課題】内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるとともに、生産性に優れ、従来よりも低コストにて製造が可能なタコ箱を提供することである。また、十分な強度を有し、使用中に破損が起き難いタコ箱を提供することである。
【解決手段】一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジ3が設けられた上側半体Aと、一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジ4が設けられた下側半体Bと、を具備し、上側半体Aと下側半体Bとを、両者のフランジ3,4同士を突き合わせた状態で連結することによって構成されたタコ箱であって、内部にはタコを収容するためのタコ収容空間1が形成され、かつ、側面にはタコをこのタコ収容空間1内に侵入させるための開口2が形成されてなるとともに、上側半体Aにおけるフランジ3の突合せ面3aと下側半体Bにおけるフランジ4の突合せ面4aとの間には、タコ収容空間1と外部とをつなぐスリット11が形成できるよう構成されてなるタコ箱。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた上側半体と、 一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた下側半体と を具備し、 前記上側半体と前記下側半体とを、両者のフランジ同士を突き合わせた状態で連結することによって構成されたタコ箱であって、 内部にはタコを収容するためのタコ収容空間が形成され、かつ、側面にはタコを前記タコ収容空間内に侵入させるための開口が形成されてなるとともに、 前記上側半体におけるフランジの突合せ面と前記下側半体におけるフランジの突合せ面との間には、前記タコ収容空間と外部とをつなぐスリットが形成できるよう構成されてなることを特徴とするタコ箱。 【請求項2】 一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた上側半体と、 一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた下側半体と を具備し、 前記上側半体と前記下側半体とを、両者のフランジ同士を突き合わせた状態で連結することによって構成されたタコ箱であって、 内部にはタコを収容するためのタコ収容空間が形成され、かつ、側面にはタコを前記タコ収容空間内に侵入させるための開口が形成されてなるとともに、 前記上側半体におけるフランジの突合せ面と前記下側半体におけるフランジの突合せ面との間には、前記タコ収容空間と外部とをつなぐスリットが形成されてなることを特徴とするタコ箱。 【請求項3】 上側半体および下側半体には、共同で錘を保持する役割を果たす凹部がそれぞれ形成されてなるとともに、この凹部を用いて錘が配設されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタコ箱。 【請求項4】 タコをタコ収容空間内に侵入させるための開口が存在する側の端部に、紐孔が形成されてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のタコ箱。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】 本発明は、主として天然のタコの捕獲に用いられる漁具、すなわちタコ箱に関するものである。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】 古来、タコの捕獲には、タコ壷と呼ばれる素焼きの壷が用いられてきた。タコ壷は、数十個程度が枝紐を介して1本の長い幹紐に取り付けられ、海底に沈められる。その後、タコが壷の中に入ってくるのを待って、幹紐を船上から手繰り寄せることで、タコ壷は一つずつ海中から引き上げられる。この際、壷の中に入っているタコは、そこから逃げ出そうとしないため、船上で壷から放り出されて収獲となる。 【0003】 だが最近では、こうしたタコ漁に、素焼きの壷に代わって、タコ箱と呼ばれるプラスチック製の捕獲具が使われるようになってきている。これは、素焼きの壷が必要以上に重く、扱い難いためである。タコ箱は、比重が海水のそれよりも若干大きくなるよう成分調製された材料から構成される。したがって、素焼きのタコ壷に比べて格段に軽量であり、作業性の向上に寄与する。つまりタコ漁では、一度にたくさんの壷を使用するため、従来は多大な労力が必要であったが、素焼きの壷をプラスチック製のタコ箱に置き換えることで、労力を大幅に軽減することが可能となった。 【0004】 しかしながら、こうした有用なタコ箱にも次のような問題点がある。従来型のタコ箱は一体成形によって製造されており、その一端面には、タコを内部空間に侵入させるための開口が形成され、また側面には、多数の貫通孔が形成されている。この貫通孔は、タコ箱を漁場に設置する際には、それが迅速に海底まで沈むよう、内部の空気を効率よく排出させるための空気抜き孔として機能する。これに対して、タコ箱を海中から引き上げる際には、それを素早く船上に取り込めるよう、内部の海水をスムーズに排出させるための水抜き孔となる。 【0005】 ところで、上記貫通孔は通常、タコ箱の原形体が完成した後、形成されることになるが、こうした作業にはかなりの手間を必要とする。それゆえ、生産効率の低下は避けられず、これが製造コストを増大させる要因となっている。また、従来型のタコ箱は、側面に多数の貫通孔が存在するため強度を持たせるのが難しく、比較的容易に破損してしまうことが多かった。 【0006】 したがって、本発明が解決しようとする課題は、内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるとともに、生産性に優れ、従来よりも低コストにて製造が可能なタコ箱を提供することである。また、十分な強度を有し、使用中に破損が起き難いタコ箱を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 この課題は、一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた上側半体と、一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた下側半体と、を具備し、この上側半体と下側半体とを、両者のフランジ同士を突き合わせた状態で連結することによって構成されたタコ箱であって、内部にはタコを収容するためのタコ収容空間が形成され、かつ、側面にはタコをこのタコ収容空間内に侵入させるための開口が形成されてなるとともに、上記上側半体におけるフランジの突合せ面と上記下側半体におけるフランジの突合せ面との間には、上記タコ収容空間と外部とをつなぐスリットが形成できるよう構成されてなることを特徴とするタコ箱によって解決される。 【0008】 特に上記の課題は、一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた上側半体と、一面が開放されてなるとともに、この開放面を取り囲む環状のフランジが設けられた下側半体と、を具備し、この上側半体と下側半体とを、両者のフランジ同士を突き合わせた状態で連結することによって構成されたタコ箱であって、内部にはタコを収容するためのタコ収容空間が形成され、かつ、側面にはタコをこのタコ収容空間内に侵入させるための開口が形成されてなるとともに、上記上側半体におけるフランジの突合せ面と上記下側半体におけるフランジの突合せ面との間には、上記タコ収容空間と外部とをつなぐスリットが形成されてなることを特徴とするタコ箱によって解決される。 【0009】 すなわち、上記のごとくタコ箱を構成した場合、ことにタコ収容空間と外部とをつなぐスリットが形成されていると、それが空気の入出孔(空気抜き孔)あるいは海水の入出孔(水抜き孔)として機能するので、箱の側面に貫通孔を形成する必要はない。したがってタコ箱を製造する際には、手間の掛かる貫通孔形成作業を省略することができ、生産効率が大きく向上する。つまり、本発明に係るタコ箱は、生産性に優れ、従来よりも低コストにて製造が可能となっている。 【0010】 さらに本発明に係るタコ箱は、スリットが空気抜き孔として機能する状況(タコ箱を漁場に設置する際)では、それがタコ収容空間内の空気を効率よく外部に排出させるので迅速に海底まで沈んでいく。一方、スリットが水抜き孔として機能する状況(タコ箱を海中から引き上げる際)では、それがタコ収容空間内の海水をスムーズに外部に排出させるので、タコ箱を素早く船上に取り込むことが可能である。つまり、本発明に係るタコ箱は、先に挙げたような優れた効果を奏しながらも、内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるので、その設置や回収は極めて容易である。 【0011】 加えて、本発明に係るタコ箱は、側面に貫通孔すなわち断面欠損を設けなくともよいので、それに起因した強度の低下はない。言い換えれば、側面部分にも十分な強度を持たせることができるので、タコ漁中、比較的容易に破損してしまうといった問題の発生頻度が低減する。総じて言うと、本発明に係るタコ箱は、内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるとともに、従来よりも低コストにて製造が可能である。そのうえ十分な強度を有し、また成形形状として箱の角を切り欠いたり、丸みをつけたりすることができるので、たとえば海底の岩間に挟まって使用中に破損してしまうといったトラブルが起き難い。 【0012】 なお、本発明に係るタコ箱にあっては、その上側半体および下側半体(特にその内面側)には、共同で錘を保持する役割を果たす凹部がそれぞれ形成されてなるとともに、この凹部を用いて錘が配設されてなることが好ましい。すなわちタコ箱は、比重が海水のそれよりも若干大きくなるよう、無機充填材を混合するなどして成分調製されたプラスチック材料から構成され、したがってそのまま海中に投入しても自然と海底まで沈降していく。しかしながら、こうした構造を採用することで、タコ箱をさらに迅速に海底まで到達させることが可能となる。またこれと併せて、着底後、海流によって運ばれ難くなるといった効果も奏される。 【0013】 ところで、素焼きのタコ壷や従来型のタコ箱を使用する場合でも、それを迅速に海底まで沈めるため、錘に相当するものを使用することはあった。すなわち、タコ壷やタコ箱の中に適度な大きさの天然の石や砂を適当に投入して、それを錘とする手法などは以前から採用されていた。だが、投入した石や砂は、タコ壷やタコ箱の開口部から容易に外に飛び出してしまうため錘としての効果をさほど期待できず、そのうえ頻繁に補充してやる必要さえあった。 【0014】 これに対して、上記のごとく構成した場合には、錘がタコ箱から脱落することはなく、したがって錘を補充する必要もない。タコ箱は、それから脱落しないよう堅固に取り付けられた錘の作用で、海中へ投入するたび、速やかに海底まで沈降していく。 【0015】 また、本発明に係るタコ箱にあっては、タコをタコ収容空間内に侵入させるための開口が存在する側の端部にも、紐孔が形成されてなることが好ましい。通常、タコ箱吊り下げ用の紐を結び付けるための紐孔は、タコをタコ収容空間内に侵入させるための開口が存在する側ではなく、それとは反対の閉塞された端部側に形成される。そして、1本の幹紐から分岐する多数の枝紐の先端が、この紐孔を用いてタコ箱それぞれに連結される。つまり一般的には、タコ箱は並列状態で幹紐に取り付けられ、海底に沈められることになる。 【0016】 しかしながら実際には、さまざまな事情により、タコ箱同士を一列に連結して、すなわち多数のタコ箱を一定間隔で直列につないだ状態で使用した方が好ましい場合もある。ここで、タコ箱が上記のごとく構成されていると、つまり、タコをタコ収容空間内に侵入させるための開口が存在する側の端部にも紐孔が形成されていると、簡単にこうした使用形態に対応することが可能となる。 【0017】 【発明の実施の形態】 以下、図1〜図10を用い、本発明の一実施形態について具体的に説明する。ここで、図1は本実施形態に係るタコ箱(以下、本タコ箱とも言う)の外観図、図2〜図4はそれぞれ本タコ箱の平面図、側面図および正面図、図5は本タコ箱を構成する上側半体および下側半体を分離させた状態を示す斜視図、図6は図2におけるX−X線での本タコ箱の断面図、図7は図2におけるY−Y線での本タコ箱の断面図、図8は図2におけるZ−Z線での本タコ箱の断面図、図9は本タコ箱同士を上下に重ね合わせた状態での両者の係合部分の断面図、図10はスリット部分の他の様態を示す本タコ箱の要部断面図である。 【0018】 本タコ箱は、従来型の漁具であるタコ壷と同様、海洋でのタコ漁に用いられるもので、数十個程度がそれぞれ枝紐を介して1本の長い幹紐に取り付けられ、漁場の海底に沈められることになる。 【0019】 本タコ箱は、図1〜図4からわかるように、角に丸みを付与した略直方体状の中空構造物である。言い換えれば、本タコ箱の内部には、タコを収容するための空間すなわちタコ収容空間1が形成されており、また、本タコ箱の一側面には、タコをこのタコ収容空間1内に侵入させるための開口2が形成されている。 【0020】 なお、本発明に係るタコ箱の形状としては、略直方体型以外にも壷型や樽型など、さまざまなものが考えられ、したがって、ここに一実施形態として示した形状には特に限定されない。また、タコをタコ収容空間1内に導き入れる開口についても、もし必要とあれば、さらに増設してもよい。これに加えて、本実施形態ではタコ箱の表面を平滑なものとしたが、場合によっては、表面に木目状の凹凸などを形成し、あたかも木材などの自然素材から構成されているかのような外観を付与することもできる。 【0021】 本タコ箱は、図5に示すごとく概して二つの部分、すなわち上側半体Aおよび下側半体Bから構成されている。両者は、おおむね同一の寸法・形状を有しており、しかもそれぞれが、材料としてプラスチックを用いた一体成形品(たとえば射出成形品)である。ここでは、上側半体Aおよび下側半体Bの材料として、比重が1.2程度になるよう、合成樹脂とタルクや炭酸カルシウムなどの無機充填材とを混合して成分調製されたプラスチック材料を使用した。ただし材料は、比重が海水の比重(1.01〜1.05)よりもある程度大きなものであればよく、比重も上の値には限定されない。 【0022】 本タコ箱を構成する上側半体Aは、一面が開放された升状のものであり、図2などからもわかるように、この開放面を取り囲む環状のフランジ3が設けられている。ただし、上記開口2の付近については、図3や図4に示すごとく、フランジ3はこの開口2の縁に沿って略C字形に湾曲している。こうした点は、下側半体Bについても同じである。すなわち下側半体Bも、一面が開放された升状のものであり、この開放面を取り囲む環状のフランジ4が設けられている。そしてさらに、このフランジ4も開口2の付近については、この開口2の縁に沿って略C字形に湾曲している。 【0023】 言い換えれば、フランジ3およびフランジ4の略C字形に湾曲した部分同士が突き合わされて、上側半体Aおよび下側半体Bの一側面における略半円形の切欠き5,6とともに、本タコ箱の開口2を構成している。なお本実施形態では、上側半体Aおよび下側半体Bの底面(開放面に対向する面)に、その部分の強度を向上させるため長円形の環状凹部7,8を形成している。 【0024】 上側半体Aと下側半体Bとは、図5からわかるように、ボルト9およびナット10を用いて連結されている。すなわち、上側半体Aおよび下側半体Bは、両者のフランジ同士を突き合わせた状態で上下に重ね合わされ、たとえば図6に示すごとく、フランジ部分に配されるボルト9およびナット10によって強固に結合される。したがって本タコ箱は、主要構成要素である上側半体Aと下側半体Bとを連結することにより、内部にタコを収容(捕収)するためのタコ収容空間1を形成し、かつ、側面にタコをこのタコ収容空間1内に侵入させるための開口2を形成したものであると言える。 【0025】 なお、言うまでもないが、上記フランジ3,4においてボルト9およびナット10を配する場所には、それらを位置させるための孔や凹部が形成されている。本実施形態では、特に図2からわかるように、フランジ3,4上の計9箇所をボルト・ナット対によって締結することで、十分な連結強度を持たせた。 【0026】 本タコ箱には、たとえば図7に示すごとく、タコ収容空間1と箱の外部とをつなぐスリット11が形成されている。すなわち本実施形態では、上述したように上側半体Aと下側半体Bとを連結した状態で、上側半体Aにおけるフランジ3の突合せ面3aと、下側半体Bにおけるフランジ4の突合せ面4aとの間に、幅(図7中、dで示す)が1〜数mm程度、特に2mm程度の空隙が必然的に形成されるようにしている。本タコ箱では、この空隙が上記スリット11となっている。 【0027】 ここでは、図6に示すごとく、ボルト・ナット対によって締結される部分における互いに当接する端面を、フランジ3,4の突合せ面3a,4aよりもわずかに突出させることで、上記の特徴的な様態を実現している。すなわち、上側半体Aおよび下側半体Bを図1に示すごとく連結しても、フランジ3の突合せ面3aとフランジ4の突合せ面4aとが必ず離間した状態となるよう構成することで、上記スリット11を付与している。 【0028】 なお、フランジ3,4の突合せ面3a,4aに設けた上記突出部と同等の効果を、パッキンを用いて得ることもできる。すなわち、ボルト・ナット対により締結される部分において、フランジ3の突合せ面3aとフランジ4の突合せ面4aとの間にパッキンを挟み込むことでも、突合せ面3a,4a同士の間にスリットを形成できる。このような構造を採用した場合には、パッキンを取り外すことでスリットを持たないタコ箱となる。 【0029】 本実施形態では、タコ収容空間1と箱の外部とをつなぐスリット11を、ボルト・ナット対によって締結される部分や後述する錘を収容する部分、そして開口2の付近を除き、フランジ3,4のほぼ全域に設けた。しかしながら、スリット11が設けられる領域は、本実施形態のそれに限定されるわけではなく、スリット11は必要に応じて任意の位置に形成することができる。 【0030】 本タコ箱は、図8に示すごとく、海底への到達を速やかなものとするため、そして着底後に海流によって運ばれるのを抑止するため、計2個の鉄製の錘12を具備する。上側半体Aおよび下側半体Bには、共同でこの錘12を保持する役割を果たす凹部(錘収容凹部)13,14がそれぞれ形成されている。ここでは、錘12として矩形平板状のものを用いたので、凹部13,14についても、これに対応した形状となっている。 【0031】 さらに詳しく言うと、本実施形態では、フランジ3,4の一部を、いわば開放面と反対の側に突出させることで、上記凹部13,14を形成している。また、上側半体Aおよび下側半体Bにはそれぞれ、凹部13,14と対になる、錘止め片15,16が形成されている。錘12は、凹部13,14に加え、さらにこの錘止め片15,16を用いて、上側半体Aおよび下側半体Bにそれぞれ配設されている。 【0032】 言い換えれば、錘12は、凹部13,14の内側に設けられた錘止め片15,16と、凹部13,14を構成する突出壁部分とで挟持された状態で、それぞれ上側半体Aおよび下側半体Bに固定されている。つまり、錘12は上下から上側半体Aと下側半体Bとによって挟持された状態となっており、タコ箱を海中に投入した際や引き上げの途中で、それから脱落することはない。図示していない側についても、やはり同じようにして錘12はタコ箱に配設されている。 【0033】 ちなみに、錘12に、上記スリット11の幅を適切な値に保つスペーサとしての役割を負わせることもできる。なお、錘の取り付け方法については、本実施形態のそれに限定されるものではない。たとえば、タコ箱の外面に錘保持部を構成し、これを利用して錘を取り付けたり、あるいはビスを用いるなどして、ビス孔が形成された錘をタコ箱側面やフランジに直接取り付けてもよい。 【0034】 本タコ箱は、図2などからわかるように、タコ箱吊り下げ用の紐(図示せず)を連結するための紐孔17a〜17fを有する。すなわち、タコをタコ収容空間1内に侵入させるための開口2の逆端側だけでなく、この開口2が存在する側の端部にも、紐孔17c〜17fを形成している。本タコ箱をタコ漁に使用する場合、通常、1本の幹紐から分岐する多数の枝紐の先端が、紐孔17a,17bを用いて本タコ箱に連結される。つまり、タコ箱同士は並列状態で幹紐に取り付けられ、海底に沈められることになる。 【0035】 これに対して、本タコ箱同士を一列に連結して、すなわち多数のタコ箱を一定間隔で直列につないだ状態で使用する場合には、紐孔17a,17bと紐孔17d,12eとが同時に、あるいは紐孔17a,17bと紐孔17c,17fとが同時に使用される。つまり、前後に隣り合う二つのタコ箱の間には、紐孔17a,17bおよび紐孔17d,17e、あるいは紐孔17a,17bおよび紐孔17c,17fを用いて継ぎ紐(図示せず)が配され、これによって所定個数のタコ箱が一列に連結された状態となる。 【0036】 ところで、保管時や運搬時には、タコ箱同士が上下に重ね合わされる。本実施形態では、こうした状態での安定性を高めるため、タコ箱の上下両面に凹凸を付与している。すなわち、タコ箱の上面には2個の凸部18と、同じく2個の凹部(実際には環状の凸部)19を形成している。下面側については、凸部18と凹部19の位置が上面側とは逆になる。 【0037】 凸部18あるいは凹部19はそれぞれ共通の対角線上に存在し、タコ箱同士を重ね合わせた際には、図9に示すごとく、上側のタコ箱の凸部18(あるいは凹部19)が、下側のタコ箱の凹部19(あるいは凸部18)内に収まった状態、つまり係合状態となる。そしてこの結果、タコ箱同士の安定した重積状態が実現する。本実施形態では、凸部18および凹部19それぞれの中心に、貫通孔18a,19aを形成しており、これら貫通孔18a,19aも上記スリット11とともに、空気抜き孔あるいは水抜き孔として機能する。なお、これら凸部18および凹部19を、互いに噛み合う無数の小突起群によって代替させることもできる。 【0038】 さて、上記のごとくタコ箱を構成した場合、タコ収容空間1と箱の外部とをつなぐスリット11が、空気抜き孔(空気の入出孔)あるいは水抜き孔(海水の入出孔)として機能するので、箱の側面に貫通孔を別途形成する必要はない。このため、タコ箱を製造する際には、手間の掛かる貫通孔形成作業を省略することができ、生産効率が大きく向上する。つまり、本タコ箱は生産性に優れ、従来品よりも低コストにて製造が可能である。 【0039】 しかも、こうした格別な効果を奏するにもかかわらず、本タコ箱は、内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるので、海底への設置や回収が極めて容易である。すなわち、スリット11が空気抜き孔として機能する状況(本タコ箱を漁場に設置する際)では、それがタコ収容空間1内の空気を効率よく排出させるので、本タコ箱は迅速に海底まで沈んでいく。一方、スリット11が水抜き孔として機能する状況(本タコ箱を海中から引き上げる際)では、それがタコ収容空間1内の海水をスムーズに排出させるので、本タコ箱を素早く船上に取り込むことが可能である。 【0040】 加えて、本タコ箱は、側面に貫通孔すなわち断面欠損が多数存在しないので、それに起因した強度の低下は少ない。換言すれば、側面部分にも十分な強度を持たせることができる。また、それとともに角を切り欠いた形状や、角に丸みを持たせた形状となるようタコ箱を成形することもできる。したがってタコ漁中に、タコ箱が、海底の岩に衝突したり岩間に引っ掛かったりして、比較的容易に破損してしまうといった問題が起き難い。 【0041】 なお、本発明に係るタコ箱に、従来のタコ箱に形成されていたものと同様の紐孔や手棒孔(タコをタコ箱から強制的に押し出すのに使用される棒を箱内に挿入するための孔)などを形成しておけば、使用法をさらに拡張することができるので好ましい。 【0042】 上記実施形態では、スリットを平面状のものとしたが、言うまでもなく本発明は、こうした様態に限定されるわけではない。たとえば、図10に示すごとく、一方のフランジ21の突合せ面には凹部(あるいは凸部)21aを、また、他方のフランジ22の突合せ面には凸部(あるいは凹部)22aを形成することができる。つまり、フランジ21の突合せ面とフランジ22の突合せ面との間に形成されるスリット23を、途中が屈曲したものとしてもよい。このように構成した場合、箱の内部にスリット23から光が射し込まないようにすることができ、水深の浅い海域で漁をする際に、より理想的な箱内環境を実現できる。 【0043】 【発明の効果】 本発明に係るタコ箱は、内部に溜まった空気や海水の排出がスムーズになされるとともに、生産性に優れ、従来よりも低コストにて製造が可能である。そのうえ、本発明に係るタコ箱は十分な強度を有しており、使用中に破損が起き難い。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態に係るタコ箱の外観図 【図2】本発明の実施形態に係るタコ箱の平面図 【図3】本発明の実施形態に係るタコ箱の側面図 【図4】本発明の実施形態に係るタコ箱の正面図 【図5】本発明の実施形態に係るタコ箱を構成する上側半体および下側半体を分離させた状態を示す斜視図 【図6】図2におけるX−X線での本発明の実施形態に係るタコ箱の断面図 【図7】図2におけるY−Y線での本発明の実施形態に係るタコ箱の断面図 【図8】図2におけるZ−Z線での本発明の実施形態に係るタコ箱の断面図 【図9】本発明の実施形態に係るタコ箱同士を上下に重ね合わせた状態での両者の係合部分の断面図 【図10】スリット部分の他の様態を示す、本発明の実施形態に係るタコ箱の要部断面図 【符号の説明】 A タコ箱の上側半体 B タコ箱の下側半体 1 タコ収容空間 2 開口 3,4 フランジ 3a,4a フランジの突合せ面 5,6 切欠き 7,8 環状凹部 9 ボルト 10 ナット 11 スリット 12 錘 13,14 凹部(錘収容凹部) 15,16 錘止め片 17a〜17f 紐孔 18 凸部 19 凹部 18a,19a 貫通孔 21,22 フランジ 21a フランジ突合せ面の凹部 22a フランジ突合せ面の凸部 23 スリット
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| 【出願人】 |
【識別番号】391011825 【氏名又は名称】中央化学株式会社 【識別番号】503248293 【氏名又は名称】梅津 征英
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| 【出願日】 |
平成15年7月9日(2003.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079005 【弁理士】 【氏名又は名称】宇高 克己
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| 【公開番号】 |
特開2005−27528(P2005−27528A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月3日(2005.2.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−193997(P2003−193997) |
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