| 【発明の名称】 |
植物による汚染土壌の浄化 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 明裕
【氏名】横山 雅裕
【氏名】大森 俊雄
【氏名】野尻 秀昭
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| 【要約】 |
【課題】ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を分解するカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードする遺伝子を植物に導入することにより、ダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物汚染土壌を浄化し、しかも植物体を回収、焼却せずに低コストで無害化する方法を提供すること。
【解決手段】植物に、Pseudomonas resinovorans CA10由来のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAであるターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及びフェレドキシン(carAc)をコードするDNAを導入し、ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を吸収し、代謝分解するカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物を作製し、この形質転換植物をダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌に植栽し、汚染土壌を浄化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物に、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導入されていることを特徴とするカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 【請求項2】 カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが、Pseudomonas resinovorans CA10由来のDNAであることを特徴とする請求項1記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 【請求項3】 カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが、ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及びフェレドキシン(carAc)をコードするDNAであることを特徴とする請求項1又は2記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 【請求項4】 ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)をコードするDNAが、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項3記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつターミナルオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質 【請求項5】 フェレドキシン(carAc)をコードするDNAが、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードするDNAであることを特徴とする請求項3記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 (a)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつフェレドキシン活性を有するタンパク質 【請求項6】 ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を吸収し、代謝分解することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 【請求項7】 被子植物(単子葉植物・双子葉植物)又は裸子植物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物を、ダイオキシン類等の有害な多芳香族化合物で汚染された土壌に植栽することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、Pseudomonas resinovorans CA10等に由来するカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNA(carAa遺伝子及びcarAc遺伝子)を導入した植物、及び該植物を利用してダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌を無毒化する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 都市ゴミや産業廃棄物等の焼却に伴い発生したダイオキシン類は、大気中に放出され、周辺の土壌や河川を汚染している。特に、飛灰に多量のダイオキシン類が含まれているため、焼却場付近の汚染が著しい。ダイオキシン類は難分解物であるために土壌に蓄積していき、年々汚染が進行する。 【0003】 一般に、塩素数が1から8までの75種類のポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン、135種類のポリ塩化ジベンゾフランを含めてダイオキシン類と呼ばれているが、平面構造をもつコプラナ−PCBもダイオキシン類に含める場合が多い。これらダイオキシン類は、食物連鎖により生物濃縮され、催奇形性、発癌作用を示すことが知られており、その強い毒性による人体への悪影響が懸念されている。 【0004】 ダイオキシン類による汚染を防止するために、発生源である焼却炉を高温焼却炉にする取組みがなされているが、多大な費用を要するためあまり改善されていないのが現状である。一方、汚染された土壌を浄化するために、汚染土壌を非汚染土壌に入れかえる方法がとられているが、この方法は一時的な処理方法であり根本的な解決とはなっていない。 【0005】 他方、発癌性を有するカルバゾールを炭素源及び窒素源として資化しうるPseudomonas resinovorans CA10が発見され、その分解にカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼが関与することが明らかとなった(例えば、非特許文献1参照)。この酵素はターミナルオキシゲナーゼ(CarAa)、フェレドキシン(CarAc)並びにフェレドキシンレダクターゼ(CarAd)より構成される多成分ジオキシゲナーゼで、その一次構造も解明されている(例えば、非特許文献2参照)。この酵素の基質特異性は広く、ダイオキシン類等の難分解化学物質を酸化分解するのみならず、ナフタレン、フルオレンやビフェニル等の多環芳香族化合物にも作用することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。このPseudomonas resinovorans CA10に由来するヘテロ多環芳香族炭化水素を安息香酸類似体ヘ変換する、微生物由来の酸化酵素遺伝子(カルバゾール 1,9-aジオキシゲナーゼ遺伝子)で形質転換した微生物を用いてジベンゾ−p−ダイオキシンをジフェニルエーテルトリオール体に変換し、ダイオキシンで汚染された土壌や水を浄化する方法(例えば、特許文献1参照)も知られているが、このような微生物による環境浄化、いわゆるバイオレメディエーションが、多大な費用を要する従来の物理的、化学的処理方法の代替として検討されている。しかし、一般的に微生物による土壌浄化では、汚染土壌中に住む在来菌の増殖を抑え、接種した菌に栄養源を与えて長期間増殖し続けるために多大な労力と費用を要する。 【0006】 このような観点から植物を用いた、いわゆるファイトレメディエーションによる環境浄化が検討され始めている。植物は独立栄養的に生育するので微生物による浄化と比べメリットがある。植物はダイオキシン類を吸収しないというのが定説であったが、近年、一部の植物で根からダイオキシン類を吸収することが報告された(環境研究機関連絡会成果発表会、2003 於筑波)。しかし、ダイオキシン類を吸収する植物を汚染地に植栽する方法(例えば、特許文献2参照)ではダイオキシン類を植物体に蓄積してしまい、植物を回収、焼却しなければならないので労力と費用を必要とする。 【0007】 最近、環境汚染物質分解遺伝子を導入した根粒菌が耕作地を効率的に浄化する可能性があることに着目し、Pseudomonas resinovorans CA10に由来するヘテロ多環芳香族炭化水素化合物酸化酵素遺伝子(カルバゾール 1,9-aジオキシゲナーゼ遺伝子)を導入した根粒菌により根粒を形成させた豆科植物を用いた環境汚染物質除去方法が報告されている(例えば、特許文献3参照)。 【0008】 【特許文献1】特開平10−257895号公報 【特許文献2】特開平11−333442号公報 【特許文献3】特開2003−250545号公報 【非特許文献1】Biosci. Biotechnol. Biochem. Vol.57 P455-460(1993) 【非特許文献2】J. Bacteriol Vol.179 P4850-4858(1997) 【非特許文献3】J. Bacteriol Vol.181 P3105-3113(1999) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明の課題は、ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を分解するカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードする遺伝子を植物に導入することにより、ダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物汚染土壌を浄化し、しかも植物体を回収、焼却せずに低コストで無害化する方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、Pseudomonas resinovorans CA10由来のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼを構成するターミナルオキシゲナーゼ(CarAa)、フェレドキシン(CarAc)並びにフェレドキシン(CarAd)の内、CarAaとCarAcの2つのタンパク質を植物で発現させ、CarAdを植物が持つフェレドキシンレダクターゼで代用することによりカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼが植物体内で機能することを見い出し、carAaとcarAcの2遺伝子を植物に導入することで、吸収したダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物を植物体内で分解する形質転換体を得ることに成功した。また、この形質転換植物をダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌に植栽し、汚染土壌を無害化しうることを見い出した。本発明は、これら知見に基づき完成するに至ったものである。 【0011】 すなわち、本発明は、(1)植物に、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導入されている、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(2)カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが、Pseudomonas resinovorans CA10由来のDNAであることを特徴とする上記(1)記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(3)カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが、ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及びフェレドキシン(carAc)をコードするDNAである上記(1)又は(2)記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(4)ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)をコードするDNAが、(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつターミナルオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAである上記(3)記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(5)フェレドキシン(carAc)をコードするDNAが、(a)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつフェレドキシン活性を有するタンパク質をコードするDNAである上記(3)記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(6)ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を吸収し、代謝分解する上記(1)〜(5)のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物や、(7)被子植物(単子葉植物・双子葉植物)又は裸子植物である上記(1)〜(6)のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物に関する。 【0012】 また本発明は、(8)上記(1)〜(7)のいずれか記載のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する形質転換植物を、ダイオキシン類等の有害な多芳香族化合物で汚染された土壌に植栽する汚染土壌の浄化方法に関する。 【発明の効果】 【0013】 本発明によると、ダイオキシン類等の多環芳香族化合物を分解するカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードする遺伝子を植物に導入することにより、ダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物汚染土壌を浄化し、しかも植物体を回収、焼却せずに低コストで無害化することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明のカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ活性を有する植物としては、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導入され、該DNAが発現する植物であれば特に制限されるものではなく、上記カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAの由来としては、Pseudomonas resinovorans strain CA10(前記特許文献1,3、非特許文献1)、Pseudomonas stutzeri strain OM1(J. Gen. Appl. Microbiol. 44, 57-63, 1998、Biotechnol. Lett., 25, 1255-1261, 2003)、Sphingomonas sp. strain KA1(FEMS Microbiol. Lett., 211, 43-49, 2002)、Sphingomonas sp. strain GTIN11(Biochem. Biophys. Res. Commun., 297,1255-1261, 2003)、Pseudomonas resinovorans strain CA06(Biosci. Biotechnol. Biochem., 57, 455-460, 1993)、Ralstonia sp. strain RJGII.123(Can. J. Microbiol., 46, 269-277, 2000)、Pseudomonas stutzeri strain ATCC 31258(Biosci. Biotechnol. Biochem., 58,213-214, 1994)、Pseudomonas sp. strain LD2(Environ. Sci. Technol., 30, 575-585, 1996)、Sphingomonas sp. strain CDH-7(Biosci. Biotechnol. Biochem., 63, 1563-1568, 1999)、Janthinobacterium sp. strain J3、Pseudomonas sp. strain K23、Pseudomonas sp. strain K15、Pseudomonas sp. strain K22、Pseudomonas putida HS01、Pseudomonas putida HS02、Janthinobacterium sp. strain J4、Pantoea sp. strain J14、Novosphingobium sp. strain J30、Pseudomonas sp. strain K11 Sphingomonas sp. strain M2、Sphingomonas sp. strain J40などを挙げることができる。 【0015】 上記カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAとしては、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼを構成するターミナルオキシゲナーゼ(CarAa)、フェレドキシン(CarAc)及びフェレドキシンレダクターゼ(CarAd)を具体的に例示することができるが、CarAdを植物が持つフェレドキシンレダクターゼで代用する場合、上記カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAとして、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼを構成するターミナルオキシゲナーゼ(CarAa)及びフェレドキシン(CarAc)を好適に例示することができる。 【0016】 上記ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)をコードするDNAとしては、(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつターミナルオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを具体的に例示することができ、また、フェレドキシン(carAc)をコードするDNAとしては、(a)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつフェレドキシン活性を有するタンパク質をコードするDNAを具体的に例示することができる。そして、フェレドキシンレダクターゼ(CarAd)をコードするDNAとしては、DDBJアクセッションナンバー[AB047548;32951−33274]を具体的に例示することができる。 【0017】 本発明において、上記カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導入される植物としては、被子植物(単子葉植物・双子葉植物)又は裸子植物等特に制限されず、花卉、果菜、葉菜、根菜、穀類、観葉植物、芋類、豆類、工芸作物、果樹、樹木、水棲植物などの植物、それら植物の培養細胞のうちから適宜選択することができるが、強いフェレドキシンレダクターゼ活性を有する植物やカルバゾール吸収能に優れた植物が好ましい。具体的には、アオイ科のケナフ、ワタ、アカザ科のホウレンソウ、アブラナ科のインディアンマスタード、シロイヌナズナ、アブラナ、イネ科のエノコログサ、モロコシ、ウリ科のキュウリ、ズッキーニ、ヒョウタン、キク科のヒマワリ、ベニバナ、オナモミ、ゴマ科のゴマ、シソ科のシソ、シナノキ科のモロヘイヤ、ナス科のナス、チョウセンアサガオ、タバコ、マメ科のダイズ、ポプラ、アシ、スギ、ヒノキ等を挙げることができる。 【0018】 これらの植物体へ上記カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを導入して本発明の形質転換植物を作製するには、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNA、好ましくは、ターミナルオキシゲナーゼをコードするcarAa遺伝子、若しくはフェレドキシンをコードするcarAc遺伝子、又は両遺伝子を適当なベクターに組み込み、この組換えベクターを植物細胞内に導入し、植物細胞内のゲノムDNA中に本発明の遺伝子DNAを導入する方法を採用することができる。植物の形質転換は、植物の種類等に応じて、リーフディスク共存培養法、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法等の公知の方法を適宜用いて行うことができる。その他、物理的または化学的に植物細胞の透過性を高めて本発明の遺伝子DNAを受容体細胞内に直接取り入れて形質転換植物を作製する方法を採用することもできる。 【0019】 例えば、イネについては、エレクトロポレーション法(Nature 338:274, 1989)、アグロバクテリウム法(Plant J. 6:271, 1994)、パーティクルガン法(Plant Cell Rep. 14:586, 1995)等により形質転換を行うことができる。また、アブラナやタバコについては、アグロバクテリウム法(Plant Mol. Biol. 26:1115,1994)、アグロバクテリウムを用いたリーフディスク共存培養法(EMBO J. 6:2531, 1987)、エレクトロポーレーション法(Plant Tissue CultureLetters 11:199, 1994)によって形質転換することができる。大豆等についても、アグロバクテリウム法(Bio/technology 6:915, 1988)、エレクトロポーレーション法(Plant Cell Rep. 10:106, 1991)、パーティクルガン法(Theor.Appl.Gnet. 79:337, 1990)等により形質転換を行うことができる。 【0020】 植物にカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを導入するために用いられるベクターとしては、Tiプラスミド(Tumor inducing plasmid)、pSPORT1、pT7Blue-Tベクターなどのプラスミド、あるいはタバコモザイクウイルス、カリフラワーモザイクウイルス、ジェミニウイルスなどの植物ウイルスなどを挙げることができ、これらベクターにカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを組み込んだ組換えベクターを作製する方法としては、遺伝子工学の分野で周知の手法を適用することができ、例えば、構造が既に解析されている上記ベクターの所定の位置の塩基配列を制限酵素で切断し、次いで切断ベクターの末端にカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNA、例えば、ターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及び/又はフェレドキシン(carAc)をコードするDNAを酵素的に導入することにより組換えベクターを得ることができる。また、適切なプロモーターとターミネーター等の制御配列をあらかじめカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAに連結させておくこともできる。かかるプロモーターとしては、例えばカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターを挙げることができ、ターミネーターとしては、例えばノパリン合成酵素遺伝子のターミネーターを挙げることができる。 【0021】 上記組換えベクターは、通常、植物細胞(受容体細胞)に効率よく導入することができ、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導入された植物細胞は、抗生物質等の薬剤耐性の性質を利用することにより選抜することができる。カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを植物細胞のゲノムDNA内に組み入れることによって、植物細胞がカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼを産生するように形質転換を生じさせることができる。すなわち、上記組換えベクターを各種植物の培養細胞に導入することにより、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ産生能を有する植物培養細胞を得ることができる。これら形質転換植物細胞は、公知の方法で分化させることにより植物体を得ることができる。また、上記組換えベクターを用いて種々の農作物や園芸植物の形質転換を行うことによって、ダイオキシン類を含む多環芳香族化合物を吸収、分解する形質転換植物を得、これを用いてダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌を浄化することが可能となる。 【0022】 以上のようにして作製された植物を、ダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌に植栽することにより有害物質を吸収分解し、汚染土壌を浄化することができる。ここで、有害な多環芳香族化合物として、具体的に、塩化ジベンゾーp−ダイオキシン、塩化ジベンゾフラン、カルバゾール、塩化ビフェニル、アントラセン、フルオレンを例示することができる。 【0023】 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。 【実施例1】 【0024】 [ベクターの構築とシロイヌナズナへの導入] (1)carAaを挿入したベクターの作製 Pseudomonas resinovorans CA10のゲノムDNAから、カルバゾールの代謝分解に関与する3つの酵素、すなわちカルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼ(CarA)、2'−アミノビフェニル2,3−ジオール1,2−ジオキシゲナーゼ(CarB)及び2−ヒドロキシ−6−オキソ−6−(2'−アミノビフェニル)−ヘキサ−2,4−ジエノイックアシッドヒドロラーゼ(CarC)をコードする遺伝子を切りだし、クローニングベクターであるpUC119に挿入することにより作製されたプラスミドpUCA1(J. Bacteriol Vol.179 P4841-4849(1997))からターミナルオキシゲナーゼ(carAa)遺伝子(配列番号1)を得るために、プライマー合成を行った。各プライマーの塩基配列は以下の通りである。 PCAA−F:5'−CGCGGATCCATGGCGAACGTTGATGAGGCA−3'(配列番号5) PCAA−R:5'−GGCGAGCTCTCAGCCCGAAACGTGCGCTTG−3'(配列番号6) 【0025】 上記の合成DNAプライマーを用い、pUCA1上にあるcarAaをテンプレートとし、TOYOBO KOD-Plus-DNAポリメラーゼによりPCRを行った。反応は94℃で15秒、61℃で30秒、68℃で90秒を30サイクル行った。上記PCR産物をBam HIとSac I で消化した後、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて反応液を処理し、carAaインサート断片を得た。次ぎに、植物用発現ベクターであるプラスミドpBI121(Plant Cell Report Vol.9 p55-60 1990)をBam HIとSac I で消化し、GUS遺伝子を除去し、さらにエビアルカリフォスファターゼ(Roche)で5'末端を脱リン酸化することにより調製したベクター断片に上記のcarAaインサート断片を挿入し、DNAリガーゼ(TOYOBO)で連結した。得られたプラスミドベクターをpBIcarAaと命名した(図1)。 【0026】 (2)carAcを挿入したベクター作製 プラスミドpUCA1からフェレドキシン(carAc)遺伝子(配列番号3)を得るために、プライマー合成を行った。各プライマーの塩基配列は以下の通りである。 PCAC−XB:5'−CGCTCTAGAAAGGAGATATAACAATGAACCAAATTTGGTAAG−3'(配列番号7) PCAC−SA:5'−GGGGAAATTCGAGCTCTGTGGATGAATCTACTTCTTTTCT−3'(配列番号8) 【0027】 上記(1)と同様の方法で、pUCA1上にあるcarAcをテンプレートとしてPCRを行って得たPCR産物をXba IとSac Iで消化し、carAcインサート断片を得た。次いで、植物用発現ベクターであるpSMAB704(森林総合研究所研究報告 Vol.1 p235-240 2002)をXba Iとsac Iで消化してGUS遺伝子を除去し、アルカリフォスファターゼで処理して調製したベクター断片に、上記のcarAcインサート断片を挿入した。得られたプラスミドベクターをpSMAB carAcと命名した(図2)。 【0028】 (3)シロイヌナズナへの導入 凍結法にてpBIcarAa及びpSMAB carAcを導入したAgrobacterium tumefaciens LBA4404株(Plant Cell Report Vol.9 p55-60 1990)を用いて、インプランタ(in planta)法にてシロイヌナズナを形質転換した。まず、pBIcarAaを保持したAgrobacterium tumefaciens LBA4404株の菌体濃度がOD600=0.8になるように375mLの形質転換バッファー(5% sucrose, 10mM MgCl2・6H2O, 44nM BAP, 0.05% Silwet L−77)に懸濁した。次ぎに、蕾の付いたポット植えのシロイヌナズナの地上部を前記懸濁液に30秒間浸漬し、その後、各ポットをビニール袋で3日間覆った。覆いを取った後、さらに栽培を続け、種子を得た。栽培はグロースチャンバーー(16h明/8h暗、温度22℃、湿度50%、照度1.6x104lx)内で行った。 【0029】 得られた種子を殺菌し、50ppmのカナマイシン、200ppmのセフォタキシム及び0.8%の寒天を含む1/2濃度のMurashige & Skoogの培地(Physiol.Plant Vol.15 P473-497 (1962))に播種し、形質転換体を得た(KA系)。この形質転換体を土に移植し、グロースチャンバー内で栽培し、2世代目の種子を得た。さらに前記培地で2世代目の種子から選抜した個体を粉砕し、50mMのリン酸バッファー(pH7.5)で抽出した総タンパクを試料とし、マウス抗CarAaポリクローナル抗体を用いたウエスタン・ブロッティングを行った結果、酵素の生成が確認された。 【0030】 さらに、pSMAB carAcを保持したAgrobacterium tumefaciens LBA4404株を、先と同様な方法でcarAaを発現するシロイヌナズナに感染させ、栽培後、種子を得た。殺菌した種子を2.5ppmのグルホシネート、200ppmのセフォタキシム及び0.8%の寒天を含む1/2濃度のMurashige & Skoogの培地に播種し、2つ目の遺伝子であるcarAcが導入された形質転換体(KGAC系)を得、2世代目の種子を採種した。2世代目の種子からグルホシネートを含む上記培地で選抜した個体の一部を取り、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)でRNAを抽出し、DIG標識したcarAc DNA断片を用いてノーザン・ハイブリダイゼーションを行った結果、carAcが発現していることを確認した。 【実施例2】 【0031】 [形質転換シロイヌナズナによるカルバゾール代謝] グロースチャンバー内で花芽形成期まで生育させた形質転換シロイヌナズナKA系及びKGAC系の葉に100ppmのカルバゾール水溶液(1%の Dash及び1%の界面活性剤を含む)をマイクロシリンジで1株あたり100μl滴下し、2日間栽培した。それぞれの地上部を切り取り、15ml/g f.w.の90%メタノールを加えホモジェネートした。ろ過後、ろ液に等量のクロロホルムを加え、3回液−液分配し、クロロホルム層を濃縮乾固した。さらに4mlのメタノールで固形物を溶かしてから6mlの水を加え、Sep Packで分離し、HPLCでカルバゾールを定量した。野生型シロイヌナズナを対照とし、カルバゾール滴下量に対する残存率を表1に示す。 【0032】 【表1】
【0033】 上記の結果から、Pseudomonas resinovorans CA10由来のターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及びフェレドキシン(carAc)の2遺伝子を導入したKGAC系はカルバゾールを代謝分解したが、carAaのみを導入したKA系では、野生型と同様にカルバゾールの分解が見られなかった。従って、カルバゾール1,9a−ジオキシゲナーゼを構成する1成分のフェレドキシンレダクターゼを、植物のもので代用することにより、その機能が植物体中で発現することが判明した。こうした形質転換植物をダイオキシン類等の有害な多環芳香族化合物で汚染された土壌に植栽する事により有害化学物質を分解除去できると考えられる。 【実施例3】 【0034】 [ベクターの構築とヒマワリへの導入] (1)carAa−TNOSを挿入したプラスミドpUCCATNの作製 2遺伝子をpSMAB704に導入するため、初めにcarAa−TNOS−PEF1A−carAcインサートを構築し、次いでpSMAB704のGUS遺伝子を除去し、構築したインサートを挿入する方法を採用した。PEF1Aはシロイヌナズナの翻訳伸長因子EF1A A1遺伝子のプロモーター(Nucleic Acids Res. 19:1305, 1991)で、35Sプロモーターとのサイレンシングを回避するために使用した。 【0035】 まずcarAa−TNOSインサートを調製するために、プラスミドpUCA1からcarAaを得るためのプライマーを合成した。各プライマーの塩基配列は以下の通りである。 PCAA−XB:5'−CGCTCTAGAAAGGAGATATAACAATGGCGAACGTTGATGAGGCAATTTTA−3'(配列番号9) PCATN−R:5'−TTGAACGATCGGGGAAATTCATCTTGGCCCATAGGCGTCT−3'(配列番号10) 【0036】 また、pBI121を鋳型としてTNOSを得るためのプライマー合成を行った。各プライマーの塩基配列は以下の通りである。 PCATN−F:5'−AGACGCCTATGGGCCAAGATGAATTTCCCCGATCGTTCAA−3'(配列番号11) PTNOS−BA:5'−GACGGCCAGTGGATCCCCGATCTAGTAACATAGATGACAC−3'(配列番号12) 【0037】 実施例1(1)と同様の方法でPCRを行い、XbaI-carAa及びTNOS-BamHI断片を得た。さらに両断片を連結するために、アガロースゲル電気泳動で精製した各断片とプライマーであるPCAA−XB(配列番号9)及びPTNOS−BA(配列番号12)を混ぜ、PCRを行った。反応は初期変性として94℃で2分、増幅反応は94℃で15秒、55℃で30秒、68℃で2分を30サイクル、最終伸長処理として68℃で5分行った。得られたXbaI-carAa-TNOS-BamHI断片をXbaIとBamHIで消化し、carAa−TNOSインサート断片を得た。次いで、大腸菌のクローニング用ベクターであるpUC19をXbaIとBamHIで消化し、上記インサート断片を挿入した。得られたプラスミドベクターをpUCCATNと命名した(図3)。 【0038】 (2)carAa−TNOS−PEF1A−carAcを挿入したプラスミドpUCCACの作製 初めにPEF1A−carAcインサートを調製した。まず、PEF1A遺伝子を含む領域断片を得るために、シロイヌナズナのゲノムDNAを鋳型とし、上記と同様の方法でPCRを行った。用いたプライマー以下の通りである。 EF−F0054:5'−CGCCCACAAGAGAAGCCATGGCGTAGCAAC−3'(配列番号13) EF−R1957:5'−AAGCAAGTAGAGCGTGCTCACGGGTCTGAC−3'(配列番号14) 【0039】 次いで、得られたPEF1A遺伝子を含む領域断片を鋳型として、BamHI−PEF1A断片を得るために、上記(1)と同様の方法でPCRを行った。用いたプライマーは以下の通りである。 PEF1A−BA:5'−ATCGGGGATCCATCAAATATTTACACTAGAGAAGAGTGTC−3'(配列番号15) PEFCC−R:5'−TTCAACCAAATTTGGTTCATGGTTAGAGACTGTCAACAAA−3'(配列番号16) 【0040】 さらに、carAc−SacI断片を得るためにpUCA1を鋳型としてPCRを行った。用いたプライマーは以下の通りである。 PEFCC−F:5'−TTTGTTGACATGCTCTAACCATGAACCAAATTTGGTTGAA−3'(配列番号17) PCAC−SA:5'−GGGGAAATTCGAGCTCTGTGGATGAATCTACTTCTTTTCT−3'(配列番号18) 【0041】 上記で得られたBamHI-PEF1A断片及びcarAc-SacI断片を連結した。アガロースゲル電気泳動で精製したBamHI-PEF1A断片及びcarAc-SacI断片とプライマーであるPEF1A−SA(配列番号8)及びPCAC−SA(配列番号18)を混ぜ、上記(1)と同様な方法でPCRを行い、BamHI-PEF1A-carAc-SacI断片を得た。 【0042】 次ぎに、BamHI-PEF1A-carAc-SacI断片を先に得たプラスミドpUCCATNに挿入した。すなわちまずBamHI-PEF1A-carAc-SacI断片をBamHIとSacIで消化し、PEF1A−carAcインサートを得た。次いで、pUCCATNをBamHIとSacIで消化し、アルカリフォスファターゼで5'末端を脱リン酸化した後に、上記のPEF1A−carAcインサートを挿入した。得られたプラスミドをpUCCACと命名した(図4)。 【0043】 (3)carAa−TNOS−PEF1A−carAcを挿入した植物発現用プラスミドの作製 プラスミドpUCCACを制限酵素PshBIで37℃、3時間消化した後、QIAquick gel extractionキット(QIAGEN)で制限酵素を除去し、DNA断片混合物を得た。このDNA断片混合物をさらにXbarIとSacIで処理し、アガロースゲル電気泳動で精製することによりcarAa−TNOS−PEF1A−carAcインサート断片を得た。次いで、植物用発現ベクターであるpSMAB704をXbarIとSacIで消化してGUS遺伝子を除去し、アルカリフォスファターゼで5`末端を脱リン酸化した後に、上記carAa−TNOS−PEF1A−carAcインサート断片を挿入した。得られたプラスミドベクターをpSMABCACと命名した(図5)。 【0044】 (4)ヒマワリへの導入 凍結法にてpSMABCACを導入したAgrobacterium tumefaciens LBA4404株を用いて、子葉の共存培養法にてヒマワリを形質転換した。まず、pSMABCACを保持したAgrobacterium tumefaciens LBA4404株の菌体濃度が108個/mLになるように20mLの懸濁培地(Murashige & Skoog培地、50mM KNO3, 1mM m-イノシトール, 4.44μM BAP, 0.5g/Lカザミノ酸, 17.66μM AgNO3, 101,9μM アセトシリンゴン、3% ショ糖, pH5.8)に懸濁した。次ぎに、種子を滅菌し、発芽2日目のヒマワリの葉柄部を切り取り、子葉を得、さらに基部と末端部に分けた。基部を前記懸濁培地に30分間浸漬し、その後、ろ紙で余分な培地を拭き取り、前培養培地(Murashige & Skoog培地、50mM KNO3, 1mM m-イノシトール, 4.44μM BAP, 2.69μM NAA, 0.5g/Lカザミノ酸, 17.66μM AgNO3, 101,9μM アセトシリンゴン、3% ショ糖, 0.8% 寒天、pH5.8)に葉柄部を挿しこみ、ペーパータオルで容器を覆って共存培養した。3〜4日後、子葉を取りだし、1錠/L オーグメンチンS錠(グラクソ・スミスクライン)を含む100mlの洗浄培地(Murashige & Skoog培地、1mM m-イノシトール, 4.44μM BAP, 0.5g/Lカザミノ酸, 3% ショ糖, pH5.8)に入れ、25℃暗条件下で1時間振とうした。この操作を3回繰り返した後、子葉をろ紙で拭き取り、向軸側を上にして分化培地(Murashige & Skoog培地、1mM m-イノシトール, 4.44μM BAP, 0.27μM NAA, 0.5g/Lカザミノ酸, 17.66μM AgNO3, 1錠/L オーグメンチンS錠、3% ショ糖, 0.8% 寒天, pH5.8)に置床し、シュートの分化を促した(Plant Cell Tiss. Org. Cult. 58:39, 1999)。子葉から分化したシュートを切り取り、3ppmのグルホシネートを含む発根培地(1/2 Murashige & Skoog培地, 2.85μM IAA, 3% ショ糖, 0.8% 寒天, pH5.8)に挿し込み、形質転換体を選抜した。培養はグロースチャンバー(14h明/10h暗、温度23℃、湿度50%、照度1.6x104lx)内で行った。 【0045】 (5)カルス誘導 選抜個体からカルスを誘導した。まず、5mm角に切った形質転換体の葉をカルス誘導培地(Murashige & Skoog培地、2.22μM BAP, 1.14μM NAA, 1錠/L オーグメンチンS錠、3% ショ糖, 0.8% 寒天, pH5.8)に置床し、カルスを誘導した。誘導したカルスを2ppmのグルホシネートを含む上記培地に移植し、さらに選抜を行った。野生型より誘導したカルスを比較対照とした。カルスを粉砕し、50mMのリン酸バッファー(pH7.5)で抽出した総タンパクを試料とし、マウス抗CarAaポリクローナル抗体を用いたウェスタン・ブロッティングを行った結果、ターミナルオキシゲナーゼの生成が確認された。また、カルスの一部を取り、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)でRNAを抽出し、DIG標識したcarAc DNA断片を用いてノーザン・ハイブリダイゼーションを行った結果、フェレドキシンが発現していることを確認した。 【実施例4】 【0046】 [形質転換ヒマワリカルスによるフェナントレンの代謝] グルホシネートで選抜したカルスを液体培地(Murashige & Skoog培地、2.22μM BAP,1.14μM NAA,3% ショ糖,pH5.8)に移し、振とう速度80rpmで25℃暗条件にて6週間培養した。その間、10日ごとに新しい培地に交換した。 【0047】 液体培養したカルスを漏斗でろ過し、新鮮重として2gを取り、1.8ppmのフェナントレンを含む25mlの液体培地(0.05% DMSO,0.01% Tween85を含む)に入れ、5日間振とう培養した。培地から一定量を取り、遠心後同量のアセトニトリルを加えてHPLCにてフェナントレンを定量した。また、カルスは漏斗でろ過し、十分洗浄した後20mlのメタノールを加えてワーレンブレンダーでホモジェネートし、さらに遠心して上澄み液中のフェナントレンをHPLCで定量した。野生型を対照とし、野生型カルス及び培地中に残存するフェナントレンに対する形質転換体のカルス及び培地に残存する割合を表2に示す。 【0048】 【表2】
【0049】 上記の結果から、Pseudomonas resinovorans CA10由来のターミナルオキシゲナーゼ(carAa)及びフェレドキシン(carAc)の2遺伝子を同時に導入したヒマワリにおいて、カルバゾール1,9a-ジオキシゲナーゼが機能することを明らかにした。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】プラスミッドpBIcarAaの構造を示す図である。 【図2】プラスミッドpSMABcarAcの構造を示す図である。 【図3】プラスミドpUCCATNの構造を示す図である。 【図4】プラスミドpUCCACの構造を示す図である。 【図5】プラスミドpSMABCACの構造を示す図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004307 【氏名又は名称】日本曹達株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年3月11日(2004.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107984 【弁理士】 【氏名又は名称】廣田 雅紀
【識別番号】100102255 【弁理士】 【氏名又は名称】小澤 誠次
【識別番号】100118957 【弁理士】 【氏名又は名称】岡 晴子
【識別番号】100123168 【弁理士】 【氏名又は名称】大▲高▼ とし子
【識別番号】100120086 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼津 一也
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| 【公開番号】 |
特開2005−253366(P2005−253366A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月22日(2005.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−69599(P2004−69599) |
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