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【発明の名称】 自動給水栓
【発明者】 【氏名】山下 英俊

【氏名】有村 圭二

【要約】 【課題】電気的な制御を必要せず簡易な構造であると共に、給水用パイプラインの末端開口での水圧も利用せず自動で給水及び止水をできるようにした自動給水栓を提供する。

【解決手段】自動給水栓1は、給水用パイプライン2の末端開口3に接続される接続管4を上下にスライドするスライド管5と、このスライド管5に連結されるフロート7とを備えているので、水位が設定水位Hから下降し始めると、フロート7が下降すると共にスライド管5が下降して、接続管4の上端開口40が次第に開放されて除々に給水量を増加させる。一方、水位が上昇すると、フロート7が上昇すると共にスライド管5が上昇して、接続管4の上端開口40が次第に閉塞されて除々に給水量を減少させる。これにより、電気的な制御を必要とせず簡易な構造で、水圧を利用することなく自動で給水及び止水を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水用パイプラインの末端開口に接続される自動給水栓であって、
前記給水用パイプラインの末端開口を開閉する方向に移動可能な弁体と、該弁体に連結されるフロートとを備えることを特徴とする自動給水栓。
【請求項2】
前記弁体の移動手段は、水位の変動に伴って上下移動する前記フロートと、前記フロートの移動を規制する保持手段とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動給水栓。
【請求項3】
前記保持手段は、前記フロートと共に上下移動する磁石と、前記弁体を上下移動可能に支持する支持部材に備えられた上下一対の磁性部材とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の自動給水栓。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ほ場(農地等)への灌漑用水の供給のため、ほ場に配管される給水用パイプラインの末端開口に接続される自動給水栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ほ場への給水設備を整備する際、ほ場への給水方式は、自然圧式とポンプ圧送式の2種類に大別される。ここで、ポンプ圧送式の場合には、ポンプ設備を整備する必要があり、維持費を含め莫大な費用が必要である。そのため、近年においては、比較的コスト面で有利な自然圧を利用した自然圧式パイプラインが整備されるようになってきた。
しかしながら、現状では、自然圧式パイプラインからの給水方法は、パイプラインの末端開口に手動バルブを設け、手動バルブを操作して給水及び止水を行っているか、あるいは、パイプラインの末端開口を開口させたままで垂れ流しの状態となっている。
そこで、自然圧式パイプラインの末端開口に接続される給水栓において、まず、電気を使用する方式では、ほ場の水位を感知して、電磁バルブ等を利用してパイプラインの末端開口の開閉を電気的に制御して給水及び止水を行っているが、このような電気制御による方式は、電源の確保等の問題や、構造が複雑になり装置本体の費用が高く維持費も必要になるため採用が難しい。一方、電気を使用しない方式では、ほ場に水位センサーを設け、パイプライン内の水圧を利用してパイプラインの末端開口する開閉する弁を自動で開閉作動させるものがある。しかしながら、水圧を利用して弁を自動開閉させるものにおいては、給水用パイプラインの末端開口での水圧を最低でも0.005MPa以上確保する必要があり、換言すれば、水圧を最低でも0.005MPa以上確保できなければ、水圧を利用した給水方式を採用することはできないということになる。
【0003】
また、電気を使用せず水圧を利用して給水する方式として特許文献1には、自動運転モードの場合では、水田の水面が下がると、水位を感知するフロートが下降して大気開放弁が開状態となり、一次圧室内の圧力が開口部の上流側の圧力よりも小さくなり、弁体が水圧により上方へ押し上げられ、自動給水装置が開状態となって給水され、一方、水田に水が供給されて水面が上がると、フロートが上昇して大気開放弁が閉状態となり、一次圧室内の圧力が開口部の上流側の圧力と等しくなりダイヤフラムの有効受圧面積が弁体の受圧面積よりも大きいため、弁体が下降して、自動給水装置が閉状態となって止水されることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−268755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、自動運転モードにおいて、開口部の上流側である入口流路の水圧が一次圧室内の圧力よりも相当大きい場合には、水圧により弁体が押し上げられ自動給水装置を開状態にできるが、入口流路の水圧が極端が小さい場合(例えば0.005MPa以下の場合)には、水圧により弁体を押し上げることができず自動給水装置を開状態にすることができないため、手動操作により、弁体を上昇させて自動給水装置を開状態としており、まだ多くの課題を残している。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電気的な制御を必要せず簡易な構造であると共に、給水用パイプラインの末端開口での水圧を利用することなく自動で給水及び止水をできるようにした自動給水栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、給水用パイプラインの末端開口に接続される自動給水栓であって、前記給水用パイプラインの末端開口を開閉する方向に移動可能な弁体と、該弁体に連結されるフロートとを備えることを特徴とするものである。
このように構成することにより、自動給水栓が配置されるほ場の水位の変動に伴ってフロートが上下移動するので、水位が設定水位から下降し始めるとフロートの下降に伴って、フロートに連結された弁体が、給水用パイプラインの末端開口を開放する方向に除々に移動して給水量が除々に増加される。
一方、水位が上昇し始めるとフロートの上昇に伴って、フロートに連結された弁体が、給水用パイプラインの末端開口を閉塞する方向に除々に移動して給水量を除々に減少させ、水位が設定水位に到達すると給水が停止される。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記弁体の移動手段は、水位の変動に伴って上下移動する前記フロートと、前記フロートの移動を規制する保持手段とから構成されることを特徴とするものである。
このように構成することにより、水位が設定水位から下降し始め、水位が所定の水位に達するまでは、保持手段によりフロートの下降が規制されると共に、水位が所定の水位よりも下がると、保持手段によるフロートの移動規制が解除され、フロートは自重と浮力が均衡する位置まで下降すると共に、フロートに連結された弁体は、瞬時に給水用パイプラインの末端開口を全開させる位置まで移動して、給水量が最大となり急激に給水量が増加される。
一方、水位が設定水位から上昇し始め、水位がフロートの所定の水位に達するまでは、保持手段によりフロートの上昇が規制されると共に、水位が所定の水位よりも上がると、保持手段によるフロートの移動規制が解除され、フロートは浮力と自重が均衡する位置まで上昇すると共に、フロートに連結された弁体は、瞬時に給水用パイプラインの末端開口を全閉させるまで位置まで移動して、給水が停止される。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明において、前記保持手段は、前記フロートと共に上下移動する磁石と、前記弁体を上下移動可能に支持する支持部材に備えられた上下一対の磁性部材とから構成されることを特徴とするものである。
このように構成することにより、水位が設定水位から下降し始め、水位が所定の水位に達するまでは、磁石と上方の磁性部材との磁力がフロートの下向きの荷重よりも勝っているためフロートの下降が規制され、水位が所定の水位よりも下がると、フロートの下向きの荷重が磁石と上方の磁性部材との磁力よりも勝り、磁石と上方の磁性部材との保持力が途切れると同時にフロートが下降を始め、フロートは自重と浮力が均衡する位置まで沈降すると共に、弁体は給水用パイプラインの末端開口を全開させる位置まで連続で移動して、給水量が最大となり急激に給水量が増加される。さらに、弁体には磁石と下方の磁性部材との磁力が付与されてその状態が維持される。
一方、水位が上昇し始め、水位が所定の水位に達するまでは、磁石と下方の磁性部材との磁力がフロートの浮力よりも勝っているためフロートの上昇が規制され、水位が所定の水位よりも上がると、フロートの浮力が磁石と下方の磁性部材との磁力よりも勝り、磁石と下方の磁性部材との保持力が途切れると同時にフロートが上昇を始め、フロートは浮力と自重が均衡する位置まで上昇すると共に、弁体は給水用パイプラインの末端開口を全閉させる位置まで連続で移動して、給水が停止される。さらに、弁体には磁石と上方の磁性部材との磁力が付与されてその状態が維持される。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、給水用パイプラインの末端開口を開閉する弁体は、水位の変動で上下動するフロートに連結され、水位の変動に伴うフロートの上下動によって、弁体を給水用パイプラインの末端開口を開閉する方向に移動させて、自動で給水及び止水を行っているので、弁体の開閉動作に係る構造に電磁弁などの電気的な制御を採用することなく、簡易な構造で構成でき、装置全体及び維持管理のコストを低減することができる。また、弁体の開閉動作には水圧を利用せず、弁体をフロートの水位変動による上下動によって作動させており、しかも、給水用パイプラインの末端開口での水圧損失を出来るだけ低減しているので、水圧の極端に低い場所への自動給水が可能となる。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、水位が所定の水位に到達するまではフロートの移動が規制され、水位が所定の水位より上昇または下降すると、瞬時に弁体が給水用パイプラインの末端開口を全開閉させる位置まで移動され、中間的な開度になることがないので、給水時間を短くできると共に、水位が所定の水位まで低下しなければ全開とならないので、止水時間が長くなり、水を有効に活用することができる。さらに、請求項2に記載した発明によれば、全開(給水)と全閉(止水)とを繰り返す間断給水が可能になり、この間断給水を、たん水と落水とを数日ごとに繰り返す水管理の方法である間断灌漑に適用することができ有用である。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、保持手段を、複雑な構造とすることなく、簡易な構造で構成することができ、実用的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図6に基いて詳細に説明する。
ほ場には灌漑用水の供給のため給水用パイプライン2が配管され、この給水用パイプライン2の末端開口3には、自動で給水及び止水を行う自動給水栓1、1aが備えられている。
まず、第1の実施の形態に係る自動給水栓1を図1〜図4に基いて説明する。
第1の実施の形態に係る自動給水栓1は、図1及び図2に示すように、給水用パイプライン2の末端開口3に固定される接続管4の外周面を上下に所定距離移動可能なスライド管(弁体)5と、接続管4に連結されると共にスライド管5の上端が当接する弁座6と、スライド管5に連結されるフロート7とから概略構成されている。
【0014】
接続管4は、図1及び図2に示すように、給水用パイプライン2の末端開口3に取付フランジ8を介して固定されている。この接続管4のやや下部の外周面には、略円形の支持板9が一体に延設されており、この支持板9と取付フランジ8との間には、周方向に間隔をおいて複数の補強リブ10が一体に形成されている。また、この支持板9の上面には、その周方向に間隔をおいて複数の第1連結棒(本実施形態では3本)11が固定されている。これら第1連結棒11の上端には略円形の第1上板12が固定されており、この第1上板12の直径は、支持板9の直径と略同一に設定されている。また、この第1上板12の底面には、下方に滑らかに湾曲状に突出する弁座6が一体に形成されており、第1上板12の全周端からは散水防止板13が下方に延設されている。さらに、この第1上板12には、後述するスライド管5と固定される複数の第2連結棒15が上下動可能に挿通される挿通孔16が複数形成されている。さらに、この第1上板12の略中央には、上方に延びる所定長さの弁軸17が固定ナットにより固定されている。
【0015】
スライド管5は、図1及び図2に示すように、接続管4の外周面に上下にスライド可能に連結されている。このスライド範囲は、接続管4の支持板9の上面の高さから接続管4の略上端の高さまでの範囲Bとなる。また、スライド管5の上下方向略中央で、その外周面には略円形の支持板18が一体に延設されており、この支持板18の直径は、後述する第2上板20の直径と略同一に設定されている。この支持板18の上面には、周方向に間隔を置いて複数の第2連結棒(本実施の形態では3本)15が固定されている。これらの第2連結棒15は、第1上板12の各挿通孔16にそれぞれ上下動可能に挿通されると共に、その上端が略円形の第2上板20に固定されている。この第2上板20の略中央には開口21が設けられ、この開口21には下端に係止部22を備えた支持管23が挿通されている。
さらに、この支持管23の外周面には全高に亘ってネジ部が設けられ、その上端には連結ブロック27が螺合されており、この連結ブロック27に略コ字状のフロートアーム28が下向きに固定されている。このフロートアーム28の両サイドアームの下端には各固定板30、30が設けられ、各固定ボルト29、29が各固定板30、30に挿通されると共に中空円筒状のフロート7の両側に設けた各挿通孔31、31に挿通されて各固定ナット32、32により締結されている。
そして、支持管23の下部に螺合した固定ナット24を締結することにより、支持管23が第2上板20に固定されると共に、支持管23内に弁軸17が上下スライド自在に挿通される。さらに、この支持管23の上端部の内周面にネジ部が設けられ、手動操作用ハンドル25の軸部26に設けたネジ部が螺合されている。
【0016】
このように構成することにより、給水パイプライン2の末端開口3に接続される接続管4、及びこの接続管4に第1連結棒11を介して連結される第1上板12と弁軸17は、常時固定される形態となり、フロート7に連結される第2上板20、及びこの第2上板20に第2連結棒15を介して連結されるスライド管5が、フロート7の上下移動に伴って上下動する形態となる。
【0017】
次に、第1の実施の形態に係る自動給水栓1の作用を説明する。
まず、ほ場への給水が必要でない場合には、図3に示すように、手動操作用ハンドル25を時計回り方向に回し、手動操作用ハンドル25の軸部26の下端26aを弁軸17の上端17aに干渉させ、さらに、手動操作用ハンドル25を同じ方向に回して、支持管23と共にスライド管5を、その上端が弁座6に当接するまで上昇させて、接続管4の上端開口40を外部と遮断する。
【0018】
次に、自動給水する場合には、まず、次の要領で水位の設定を行う。自動給水栓1を図1に示すようなスライド管5の上端が弁座6に当接された状態、すなわち止水される状態としておき、フロート7を支持管23の外周面のネジ部と螺合する連結ブロック27に沿って回転させて、フロート7の喫水位置を所望の設定水位に一致させるように、フロート7の高さを適宜調整する。例えば、支持管23の外周面に設定水位Hの目盛りを表示して、フロート7を回転させて上下させ所望の設定水位の目盛りと連結ブロック27に付けた目印を一致させる。なお、支持管23と連結ブロック27のネジ部の螺合が弱い(緩みやすい)場合には、図示しない固定用のナットを追加する。
さらに、自動給水する場合には、手動操作用ハンドル25の軸部26の下端26aと弁軸17の上端17aとの間の距離Aを、スライド管5がスライドできる距離Bよりも長く設定しておく必要がある。
【0019】
そこで、図1の状態は、水位が設定水位Hに到達している状態であり、スライド管5の上端は弁座6に当接されて、止水されている。
そして、水位が設定水位Hから下降し始めると、フロート7も水位の変動に伴って同様に下降する。すると、支持管23に連結されたスライド管5が除々に下降して、接続管4の上端開口40の外部との開口率が次第に増大され、給水量が除々に増大される。さらに水位が下降し下限水位H’(図2参照)まで下降すると、スライド管5の下端が接続管4の支持板9の上面に当接し全開状態(図2の状態)となり、給水量が最大となる。この時、給水される水は、図2の矢印に示すように、接続管4の上端開口40から外方に流出すると共に、散水防止板13に衝突して下方に流れるようになる。この散水防止板13は、給水される水がフロート7の内周面に衝突して水圧によってフロート7の上下動に支障をきたすことを防いでいる。
【0020】
次に、図2の状態から給水や雨水等により水位が上昇し始めると、フロート7も水位の変動に伴って同様に上昇する。すると、支持管23と連結されたスライド管5が除々に上昇して、接続管4の上端開口40の外部との開口率が次第に減少され、給水量が除々に減少される。そして、水位が設定水位Hまで上昇すると、スライド管5の上端が弁座6に当接し全閉状態(図1の状態)となり、止水される。
なお、止水をより確実にするため、スライド管5の支持板18と接続管4の支持板9との間にバネ60を入れる場合もある。
【0021】
以上説明した第1の実施の形態に係る自動給水栓1は、給水用パイプライン2の末端開口3に接続された接続管4の上端開口40と、この接続管4に連結された弁座6との間にスライド管5をスライドさせることにより、接続管4の上端開口40を外部と連通及び遮断させて給水及び止水を行っており、しかも、このスライド管5は、スライド管5に連結されたフロート7の水位変動に伴う上下動によってスライドさせる構成とし、給水用パイプライン2内の水圧を利用しない形態であるので、水圧の極端に低い場所においても、自動で給水を行うことができる。また、第1の実施の形態では、水位の変動に伴って、接続管4の上端開口40の外部との開口率を増減させて給水量を増減させているので、水位の変動に伴った給水が実現でき水を有効に活用することができる。
【0022】
次に、第2の実施の形態に係る自動給水栓を図5及び図6に基いて説明する。
第2の実施の形態に係る自動給水栓1aは、給水用パイプライン2の末端開口3に固定される接続管4の外周面を上下に移動可能なスライド管(弁体)5と、接続管4に連結されると共にスライド管5の上端が当接する弁座6と、スライド管5に連結されるフロート7と、このフロート7の移動を規制する保持手段50とから概略構成されている。なお、第2の実施の形態に係る自動給水栓1aは、第1の実施の形態に係る自動給水栓1の構成に保持手段50を追加したものであるため、ここでの説明は、保持手段50について詳細に説明し、その他の構成についてはその説明を省略する。
保持手段50は、フロート7と共に上下移動する上下一対の磁石52、52’と、スライド管5を上下移動可能に支持する支持部材に備えられ、上下一対の磁石52、52’を内部に配置して上下動させるための空間を有する上下一対の磁性部材51とから構成されている。
そこで、この実施の形態では、スライド管5を上下移動可能に支持する支持部材は、接続管4に第1連結棒11を介して固定される第1上板12として構成されている。この第1上板12の上面に、断面略コ字状の磁性部材(上下一対の磁性部材)51が、その開口が内方に向くように全周又は部分的に固定されている。また、この磁性部材51の上部磁性板材53と下部磁性板材54との間の距離Cは、スライド管5がスライドできる距離Bと略同じに設定されている。
上下一対の磁石52、52’は、フロート7と共に上下移動する第2上板20の表裏面のそれぞれに、第1上板12に固定された磁性部材51に対応する位置に固定されている。
そして、この磁性部材51の内部に第2上板20の表裏面それぞれに設けた上下一対の磁石52、52’が配置され、上下一対の磁石52、52’が磁性部材51の上部磁性板材53と下部磁性板材54との間の空間を上下動できるように構成されている。
なお、上下一対の磁石52、52’それぞれの磁力は、フロート7の自重、設定水位H及び下限水位H’等の関係からスライド管5が後述する動作が成されるように適宜設定される。
【0023】
次に、第2の実施の形態に係る自動給水栓1aの作用を説明する。
まず、図5の状態(実線)は、水位が設定水位Hに到達している状態であり、スライド管5の上端は弁座6に当接されて、止水されている。
そして、水位が設定水位Hから下降し始め、水位が下限水位H’に達するまでは、フロート7の下向きの荷重よりも上部磁石52と上部磁性板材53との磁力が勝っているため、スライド管5の上端は弁座6に当接された状態が保持される。その後、水位が下限水位H’より下がると、フロート7の下向きの荷重が上部磁石52と上部磁性板材53との磁力よりも勝り、上部磁石52と上部磁性板材53との保持力が途切れ、フロート7はスライド管5と共に下降を始める。そして、フロート7は自重と浮力が均衡する位置(図5の2点鎖線の位置)まで沈降すると共にスライド管5も連続して下降し、スライド管5の下端が接続管4の支持板9の上面に近接すると、下部磁石52’と下部磁性板材54との磁力がさらに付与され、スライド管5の下端が接続管4の支持板9の上面に当接してその移動が規制される。この時、接続管4の上端開口40が全開されて、給水量が最大となり急激に給水量が増加される(図6の状態)。
このように、水位が下限水位H’に到達すると、フロート7と共にスライド管5も下降を始め、その下端が接続管4の支持板9の上面に当接するまで連続して下降して、接続管4の上端開口40が全開される。
【0024】
次に、図6の状態(実線)から給水や雨水により水位が下限水位H’より上昇し始め、水位が設定水位Hに達するまでは、フロート7の浮力よりも下部磁石52’と下部磁性板材54との磁力が勝っているため、スライド管5の下端は支持板9の上面に当接された状態が保持される。その後、水位が設定水位Hより上がると、フロート7の浮力が下部磁石52’と下部磁性板材54との磁力よりも勝り、下部磁石52’と下部磁性板材54との保持力が途切れ、フロート7はスライド管5と共に上昇を始める。そして、フロート7は浮力と自重が均衡する位置(図6の2点鎖線の位置)まで上昇すると共にスライド管5も連続して上昇して、スライド管5の上端が弁座6に近接すると、上部磁石52と上部磁性板材53との磁力がさらに付与され、スライド管5の上端が弁座6に当接してその移動が規制される。この時、接続管4の上端開口40が全閉されて、給水が停止される(図5の状態)。
このように、水位が設定水位Hに到達すると、フロート7が上昇を開始すると同時にスライド管5も上昇を始め、その上端が弁座6に当接するまで連続して上昇して、接続管4の上端開口40が全閉される。
【0025】
以上説明した第2の実施の形態に係る自動給水栓1aによれば、水位が設定水位Hより下限水位H’に達すると、スライド管5が瞬時に下降して、接続管4の上端開口40が全開され給水量が最大となり、一方、この給水により水位が下限水位H’より設定水位Hに達すると、スライド管5が瞬時に上昇して、接続管4の上端開口40が全閉され止水される。これにより、フロート7の設定位置と水位の変動により、全開(給水)と全閉(止水)とを繰り返す間断給水が可能になり、この間断給水を、たん水と落水とを数日ごとに繰り返す水管理の方法である間断灌漑に適用することができ有用である。しかも、第1の実施の形態のように水位の変動に応じて給水量を除々に増減させる形態に比べて、水位を設定水位Hまで到達させる時間を短くすることができると共に、水位が一定水位まで低下しなければ全開とならないので、止水時間が長くなり、水をさらに有効に活用することができる。
【0026】
なお、第2の実施の形態に係る自動給水栓1aでは、スライド管5を上下移動可能に支持する支持部材を、接続管4に第1連結棒11を介して固定される第1上板12として構成されているが、支持部材を接続管4として構成し、この接続管4に設けた支持板9に磁性部材51を固定してもよい。この形態の場合には、上下一対の磁石52、52’はスライド管5に設けた支持板18の表裏面にそれぞれ固定すればよい。
また、第2の実施の形態に係る自動給水栓1aでは、磁性部材51を略コ字状に形成する形態を説明したが、コ字状に限らず、内部に所定の空間を有する上下一対の磁性部材が設けられれば、その機能を果すことができる。
さらに、第2の実施の形態に係る自動給水栓1aでは、最も最適な保持手段50として磁力を採用したが、バネ力を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動給水栓の側面図を示し、接続管の上端開口が閉塞されている状態を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る自動給水栓の側面図を示し、接続管の上端開口が開放されている状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る自動給水栓の側面図を示し、手動で接続管の上端開口が閉塞された状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る自動給水栓の斜視図を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る自動給水栓の側面図を示し、接続管の上端開口が閉塞されている状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る自動給水栓の側面図を示し、接続管の上端開口が開放されている状態を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1、1a 自動給水栓
2 給水用パイプライン
3 末端開口
5 スライド管(弁体)
6 弁座
7 フロート
50 保持手段
51 磁性部材(上下一対の磁性部材)
53 上部磁性板材
54 下部磁性板材
52、52’ 磁石
12 第1上板(支持部材)

【出願人】 【識別番号】000241290
【氏名又は名称】豊国工業株式会社
【出願日】 平成16年6月8日(2004.6.8)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫

【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫

【識別番号】100080908
【弁理士】
【氏名又は名称】舘石 光雄

【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫

【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏

【識別番号】100093193
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 壽夫

【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉

【識別番号】100093414
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 祐輔

【識別番号】100131141
【弁理士】
【氏名又は名称】小宮 知明

【公開番号】 特開2005−348613(P2005−348613A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−170022(P2004−170022)