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【発明の名称】 水平保持散水装置
【発明者】 【氏名】濱崎 博英
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 MKVプラテック株式会社開発研究所内

【氏名】大江 達也
【住所又は居所】東京都港区芝四丁目1番23号 MKVプラテック株式会社内

【氏名】大橋 達郎
【住所又は居所】東京都港区芝四丁目1番23号 MKVプラテック株式会社内

【要約】 【課題】建築物、その他の対象物の屋根面や壁面の一定位置に沿って概ね水平に固定して、屋根面や壁面に散水することが簡易に可能な散水装置を提供する。

【解決手段】水平方向に散水するための散水装置であって、複数の通水孔1aを長手方向に列状に有する軟質の散水チューブ1と、断面が略C字形で、散水チューブ1の外側に、該散水チューブの通水孔が露出するように外嵌して散水チューブを保持するための水平保持具2と、該散水チューブ1の端部に内嵌した端部導入具3とを有する水平保持散水装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に散水するための散水装置であって、複数の散水孔1aを長手方向に列状に有する軟質の散水チューブ1と、断面が略C字形で、散水チューブ1の外側に、該散水チューブの散水孔が露出するように外嵌して散水チューブを保持するための水平保持具2と、該散水チューブ1の端部に内嵌した端部導入具3とを有することを特徴とする水平保持散水装置。
【請求項2】
該軟質の散水チューブ1の内部に所定水圧を付加した供給水を供給可能な送水装置を更に備えてなることを特徴とする水平保持散水装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に散水するための散水装置である。詳しくは、軟質の散水チューブと特定の水平保持具を組み合わせた構成を有し、ビルディング、温室、豚舎、牛舎、鶏舎などの建築物の屋根面や壁面、或いは、織布、不織布などで構成されたテント類やカーテン類の壁面に水を水平方向に均一に散水するための散水装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートアイランド現象と呼ばれる都市部の温暖化現象が問題視されており、その対策の一つとして、ビルディングなどの建築物の屋根や壁面に水を徐々に流し、その水分が蒸発する際の気化熱を利用して気温を下げるという方法が提案されている。このような方法は、セラミック系の材質で構成された建築物に限らず、その他透明ガラスや透明プラスチックフィルムで構成された建築物にも適用できる。また、温室や、豚舎、牛舎、鶏舎等の建築物の屋根や壁面に対する減熱目的にも適用できる。
【0003】
従来、このような屋根や壁面への散水に適した装置はあまり知られていない。散水といえば、例えば畑などの農業用途での作物栽培時における潅水目的に用いられる、多数の散水孔が高精度で規則正しく配列された軟質ポリ塩化ビニル系樹脂製やポリオレフィン系樹脂製などの散水チューブを応用するのが簡便であるが、このような樹脂製の散水チューブは軟質であるため、建築物の屋根面や壁面の一定位置に水平に固定することは難しい。近年、建物壁面への濾水確認試験を目的として、仮設される足場に散水ホースを接着テープやロープ等で取り付けて、壁面に散水する方法などが提案(特許文献1)されているが、足場がない壁面への散水作業は無理であるし、固定するためのテープ等を複数必要とし、また、壁面の高い位置への設置を行うことは難しいという問題がある。
【0004】
一方、硬質合成樹脂管に孔を開けたものを用いることも考えられるが、散水に適した散水孔を規則正しく高精度で形成することが難しく、その結果、均一散水を行うことができず、また、目詰まり等が生じた際の修理や交換が難しいという問題がある。
また、最近、豚舎、牛舎、鶏舎で発生するアンモニア、メルカプタン成分等の糞尿臭気の建屋周辺外への拡散を抑制する目的で、建屋周辺に光触媒をコーティングした織布、或いは不織布で構成されたテント類やカーテン類の壁面に散水チューブを活用して水平方向に散水して光触媒の働きによる臭気成分の分解、脱臭を行う方法が検討されているが、その場合でも散水チューブを対象面に沿って一定位置に水平に固定することは難しく、同様に、対象とする面に均一に散水が可能な新規の散水装置が所望されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−93309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかして本発明の目的は、建築物、その他の対象物の屋根面や壁面の一定位置に沿って概ね水平に固定して、屋根面や壁面に散水することが簡易に可能な散水装置を提供することであり、更に好ましくは、目詰まり時の修理や交換が簡便であり、該壁面への固定着脱を容易に行うことができる水平保持水装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討した結果、軟質の散水チューブと特定の水平保持具を組み合わせた構成を提供することで、建築物やその他の対象物の屋根面や壁面に水を水平方向に均一に散水することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、水平方向に散水するための散水装置であって、複数の散水孔1aを長手方向に列状に有する軟質の散水チューブ1と、断面が略C字形で、散水チューブ1の外側に、該散水チューブの散水孔が露出するように外嵌して散水チューブを保持するための水平保持具2と、該散水チューブ1の端部に内嵌した端部導入具3とを有することを特徴とする水平保持散水装置、更に該軟質の散水チューブ1の内部に所定水圧を付加した供給水を供給可能な送水装置を更に備えてなることを特徴とする水平保持散水装置に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水平保持散水装置によれば、従来農業用途等で用いられている軟質の散水チューブを用いて、屋根面や壁面に沿って水平に固定した状態での対象面への均一散水が簡易に可能となる。更に好ましくは、目詰まり時の修理や交換が簡便であり、該壁面への固定着脱を容易に行うことができる散水装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限られるわけではない。
図1には、本発明の水平保持散水装置の斜視図を示し、図2には、本発明の水平保持散水装置を建築物等の壁面に沿って設置した際の利用態様の一例を示す概略図を示す。
【0010】
図1に示すとおり、本発明の水平保持散水装置は、少なくとも、複数の散水孔1aを有する軟質の散水チューブ1と、水平保持具2と、端部導入具3を有するものである。
軟質の散水チューブ1とは、軟質塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂に、必要に応じた各種添加剤、例えばカーボン、耐候安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、滑材、顔料、染料、帯電防止剤、可塑剤などの各種添加剤を適宜添加した軟質の樹脂組成物で作られたチューブ状の管であって、従来、農業用途などで用いられている散水チューブ等を利用することが可能であり、通常、これらの散水チューブは、散水孔を穿設した二枚の長尺状熱可塑性樹脂フィルムを重ね合わせて、幅方向の両端を長尺方向に融着することによって形成された貼合タイプのもの(例えば、特開昭58−63335号報)、および、溶融押出法によって熱可塑性樹脂を円筒状のスリットから溶融押出し、直接チューブ状に成形加工し、得られたチューブに散水孔を穿設した非貼合タイプのもの(例えば、特開平2−258187号報)が存在する。
【0011】
該散水チューブ1には、その長手方向に列状に、複数の散水孔1aが適当な間隔で形成されている。散水チューブの一端からその内部に、所定水圧をかけて供給水を送水することにより、均一な散水特性を達成できるように、精度の高い穿孔処理、具体的にはポンチ打ち抜き法や、熱針穿孔法、或いはレーザー穿孔法などの方法により、ある程度の規則をもって配列された多数の小孔を有する。
本発明で用いる散水チューブの形状及び長さは、使用する壁面の規模等により任意に採用でき特に限定されないが、例えば内径が10〜80mmΦ、肉厚が0.1〜2mm程度のチューブを利用することができる。
また散水チューブに設ける散水孔1aの大きさも、任意の大きさを採用しうるが、通常、孔径として0.1〜2mmΦ程度であり、散水孔の間隔も10〜200mm程度である。 該散水孔は、1〜10程度の列状に(規則的又は不規則的の両方を含む意味で用いる)点在していてよいが、少なくとも、散水チューブの一方の面側に複数設けられていることを必要とする。
【0012】
本発明で用いる水平保持具2とは、断面が略C字形で、前記軟質の散水チューブ1の外側に外嵌して、軟質散水チューブを水平に保持するための部材であって、硬質部材で形成されてなり、散水チューブ1の外径と略同一内径を有しており、散水チューブ1に対してスライドして外嵌装着可能な部材である。また、前記散水チューブ1に設けられた散水孔が存在する面が露出するように、即ち、該水平保持部材の略C字形の開口部分が、散水孔が存在する面に対応するようにして、散水チューブ1の外側に外嵌する。
このような水平保持具2としては、ある程度の保形性と、屋外使用時の耐候性を有する材質であれば任意に採用しうるが、例えば塩化ビニル製の塩ビ管などの硬質合成樹脂製の管、または金属製の管を利用することができる。また、断面が略C字形とは、少なくとも散水チューブが容易に落下しないための断面形状を有する必要があり、円管の断面の一部分(好ましくは円周の1/8〜1/2より少ない範囲)を切断除去することにより得ることができ、また一方、硬質合成樹脂の場合には、異型押出法により予め所定のC字形に設計されたスリット部から溶融押出加工を行うことにより得ることが出来る。
本発明で用いる水平保持具2は、散水チューブと略同じ長さのものを利用してもよいが、複数の短めの水平保持具2を連結して用いて、またはある程度の間隙をもって用いて、散水チューブの外側に外嵌して使用してもよい。
【0013】
本発明で用いる端部導入具3とは、散水チューブ1の端部に内嵌してなり、散水チューブ1の水平保持具2内へのスライド装着をスムーズにし、かつ装着後の散水チューブの脱落を防止するための硬質管であり、水平保持具2の内径と略同一又は若干小さな外径を有する部材である。ある程度の保形成と耐候性を有する材質であれば任意に採用しうるが、例えば硬質塩ビ管などの硬質合成樹脂製の管や金属製の管を利用することができる。
更に本発明で用いる送水装置とは、散水チューブ1の内部に所定水圧を付加して供給水を供給可能な送水装置であり、従来用いられている、ポンプと送水管を使用することができる。
【0014】
以上、このように、軟質の散水チューブと特定の水平保持具を組み合わせた構成を提供することで、建築物やその他の対象物の屋根面や壁面に水を水平方向に均一散水が簡易に可能となり、更には、目詰まり時の修理や交換が簡便であり、該壁面への固定着脱を容易に行うことができる。
この散水装置を用いることで、従来の作物露地栽培、或いは施設園芸用ハウス栽培において、散水チューブを地面よりも高所の位置に水平方向に敷設して作物への頭上潅水システムへの応用も可能とならしめる。
【実施例】
【0015】
本発明について、以下の具体的な実施例により、さらに詳細に説明する。
尚、実施例に示した散水チューブ1は以下の通り。
(散水チューブ1)
材質:密度が0.92g/cm、メルトインデックスが2g/10分のエチレン−(4メチルペンテン−1)共重合体47重量部、メルトインデックスが1g/10分、酢酸ビニル含有量が10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体50重量部、カーボンブラック3重量部の組成よりなるポリオレフィン系組成物
仕様:管径25mmΦ、折径38mm、肉厚0.50mm、散水孔径0.30mmΦ、散水孔ピッチ20mm、散水孔列数1(図3の設計図参照。図中数値はmmを示す)でレーザーにて穿孔設計されたチューブ仕様のもの(非貼合タイプ)
【0016】
(実施例1)
外径32mmΦ、内径25mmΦ(肉厚約3.5mm)の硬質塩化ビニル樹脂製円管(以下塩ビ管という。)の一部を、断面円周の約1/4を除去するように切断し、断面がC字状の水平保持具2を作成した。
外径25mmΦ、内径18mmΦ、長さ60mmの硬質塩化ビニル樹脂製円管(以下塩ビ管という。)を利用して、端部導入具3とした。
これに、散水チューブ1の端部に、端部導入具3の長さ約半分を内嵌めし、該端部導入具を嵌めた散水チューブ1を、その散水孔1aが水平保持具2の開口面に位置するように、水平保持具2の内側にスライド挿入して図1に示す水平保持散水装置を得た。
得られた水平保持散水装置は、水平保持具2の適宜位置に壁面に固定するための固定具を取り付けて、図2に示すように、壁面の一定位置に水平保持散水装置を、散水チューブ1の散水孔1aが壁面に略対面する位置となるように略水平に取り付けて使用することができる。その際、水平保持散水装置の散水チューブに通じる端部導入具に、送水装置(図示しない)からのホースを接続し、一方、散水チューブ末端部を封止して水抜けのない形態で使用する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の壁面用散水装置の一例の斜視図を示した図
【図2】本発明の壁面用散水装置を利用した壁面散水方法を示した概略図
【図3】本発明の実施例1で用いた散水チューブの散水孔の設計図
【符号の説明】
【0018】
1・・軟質散水チューブ、1a・・散水孔、2・・水平保持具、3・・端部導入具
【出願人】 【識別番号】504137956
【氏名又は名称】MKVプラテック株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝四丁目1番23号
【出願日】 平成16年6月1日(2004.6.1)
【代理人】 【識別番号】100103997
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 曉司

【公開番号】 特開2005−341838(P2005−341838A)
【公開日】 平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願番号】 特願2004−163587(P2004−163587)