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【発明の名称】 栽培作物の経年管理方法および装置並びにプログラム
【発明者】 【氏名】野竹 聖子
【住所又は居所】東京都品川区東品川4丁目12番7号 日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】適正な輪作栽培が行われている圃場あるいは連作障害が発生する恐れがある圃場を地図上で視覚的に表示すること。

【解決手段】管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録するステップと、地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させるステップと、表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示するステップとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1のステップと、
地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2のステップと、
表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3のステップと
を備えることを特徴とする栽培作物の経年管理方法。
【請求項2】
色分け表示された圃場の図形に対する所定の指定操作を受付け、当該圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を文字表示する第4のステップとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の栽培作物の経年管理方法。
【請求項3】
前記圃場データは年度別に異なる階層に区分して前記圃場データベースに登録することを特徴とする請求項1または2に記載の栽培作物の経年管理方法。
【請求項4】
前記階層毎の圃場データにおける表示属性の情報として、栽培作物に対応する表示色の透明度の情報を受付けて登録することを特徴とする請求項3に記載の栽培作物の経年管理方法。
【請求項5】
管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1の手段と、
地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2の手段と、
表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3の手段と
を備えることを特徴とする栽培作物の経年管理装置。
【請求項6】
色分け表示された圃場の図形に対する所定の指定操作を受付け、当該圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を文字表示する第4の手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の栽培作物の経年管理装置。
【請求項7】
前記第1の手段は、前記圃場データを年度別に異なる階層に区分して前記圃場データベースに登録することを特徴とする請求項5または6に記載の栽培作物の経年管理装置。
【請求項8】
前記第1の手段は、前記階層毎の圃場データにおける表示属性の情報として、栽培作物に対応する表示色の透明度の情報を受付けて登録することを特徴とする請求項7に記載の栽培作物の経年管理装置。
【請求項9】
栽培作物の経年管理を行うためのコンピュータを、
管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1の手段と、
地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2の手段と、
表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3の手段と
に機能させることを特徴とする栽培作物の経年管理用のプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、地理情報を利用した栽培作物の経年管理方法および装置並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産者が適正な輪作を行わないと連作障害が発生するため、来シーズンに栽培する作物を決定する上でその土地の過去の栽培履歴が必要となる。
来シーズンに栽培する作物を決定する技術として、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に記載のものが知られている。
下記特許文献1に記載のものは、各種子に適した土壌特性、気候特性、肥料特性、農薬特性、害虫特性、疾病特性、及び、播種並びに収穫の時期に関する生育環境情報とユーザが管理する耕作地の土壌の分析情報、その経時変化に関する土壌特性などの耕作環境情報を照合し、特定のユーザが管理する圃場に適した種子の選定、播種、撒水、施肥、施薬、収穫時期などに関する栽培収穫情報をユーザに配信するようにしたものである。
また、下記特許文献2に記載のものは、インターネット等から過去の市場取引情報、気象情報等を得て、今年の市場取引、気象等の予測をし、作物別市場動向を参考にして、当該年度の栽培作物と圃場割付を決定するようにしたものである。
【特許文献1】特開2003−189742号公報
【特許文献2】特開2002−189773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、種子本来が持つ特性から適する栽培作物を選択することができるが、ユーザの耕作地がどの種子に適しているかは利用年数を長くすることによって得られる信頼性及び精度の高さが必要となる。
また、栽培作物の履歴が残っているため、輪作による地力の低下を防ぐこともできるが、輪作管理の具体的な方法は記述されていない。
また、上記特許文献2に記載の技術は、気象情報から栽培作物を決定することができるが、過去の栽培作物を考慮して来シーズンの栽培作物を決定するに際し、連作障害が生じないように支援することはできないなどの問題がある。
【0004】
本発明の目的は、圃場の位置や形状、地図上の位置及び栽培作物の種類を所定期間単位(例えば複数年単位)で管理し、適正な輪作栽培が行われている圃場あるいは連作障害が発生する恐れがある圃場を地図上で視覚的に表示し、適正輪作となるような作物の栽培を支援することができる栽培作物の経年管理方法および装置並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る栽培作物の経年管理方法は、管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1のステップと、地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2のステップと、表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3のステップとを備えることを特徴とする。
また、色分け表示された圃場の図形に対する所定の指定操作を受付け、当該圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を文字表示する第4のステップとをさらに備えることを特徴とする。
また、前記圃場データは年度別に異なる階層に区分して前記圃場データベースに登録することを特徴とする。
また、前記階層毎の圃場データにおける表示属性の情報として、栽培作物に対応する表示色の透明度の情報を受付けて登録することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る栽培作物の経年管理装置は、管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1の手段と、地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2の手段と、表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3の手段とを備えることを特徴とする。
また、色分け表示された圃場の図形に対する所定の指定操作を受付け、当該圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を文字表示する第4の手段とをさらに備えることを特徴とする。
また、前記第1の手段は、前記圃場データを年度別に異なる階層に区分して前記圃場データベースに登録することを特徴とする。
また、前記第1の手段は、前記階層毎の圃場データにおける表示属性の情報として、栽培作物に対応する表示色の透明度の情報を受付けて登録することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るプログラムは、栽培作物の経年管理を行うためのコンピュータを、管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で入力手段から受付け、圃場データベースに登録する第1の手段と、地図データベースから管理対象の圃場が存在する地図データを取得し、表示装置画面に表示させる第2の手段と、表示された地図上において任意の区域指定および指定年度区間の情報を受付け、指定された区域に存在する圃場データを前記圃場データベースから取得し、当該指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における前記指定年度区間における栽培作物の種類を前記表示属性に従った色で重ね合わせて表示装置に表示された地図上に表示する第3の手段とに機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、管理対象の圃場の形状、位置情報、栽培作物の種類、栽培年および栽培作物の種類を表示出力する際の色を含む表示属性に関する圃場データを圃場単位で圃場データベースに登録しておき、表示装置画面に表示させた地図上において任意の区域および年度区間が指定されたならば、指定された区域に存在する圃場データを圃場データベースから取得し、指定区域に存在する圃場を表す図形と各圃場における指定年度区間における栽培作物の種類を表示属性に従った色で重ね合わせて地図上に表示するため、重ね合わせ表示された作物の表示色あるいは、表示色の濃度によって、指定された区域に存在する圃場でどのような種類の作物が栽培されているか、さらには、表示色の濃度によって適正な輪作栽培が行われているか、あるいは連作障害が発生する恐れがある圃場を地図上で視覚的に表示し、適正輪作となるような作物の栽培を支援することができる。
また、圃場に番号あるいは名称を付与して管理する場合に比べ、圃場の位置や形状の情報を登録しておくため、圃場が分筆あるいは合筆により前年と異なった場合にも複雑な管理は不要になる。具体的には、圃場が分筆となった場合には、分筆後の形状と位置を地図上で登録するだけで済む。
圃場の図形を重ね合わせ表示する際、古い年の圃場が下層になるように重ね合わせを行うが、表示属性情報により透過率を高く設定して登録することにより、重なりあった下層の圃場の色も識別できる。そのため、同一の色で色濃く塗りつぶしが行われている場所があれば、同じ作物が複数年に渡り作付されているということが即座に分かるようになる。
また、表示属性の情報により、ある年にある作物を栽培している場所のみを塗り潰して表示させることも可能であるため、輪作パターンに従った作物を栽培する圃場や、逆に連作を行っている圃場の特定が容易にできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施する場合の一形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の栽培作物経年管理システムの一実施の形態を示す図である。
本実施形態の栽培作物経年管理システムは、図1に示すように、データの入出力やデータベースアクセス等を行う中央処理装置1と、キャラクタ及びグラフィック画面を有するディスプレイ装置2と、キーボード、マウス等のデータ入力装置3と、圃場を表す図形の背景データとして地図データを格納している地図データベース4と、圃場を表す図形の位置情報と栽培作物の種類等の情報から成る圃場データを格納している圃場データベース5と、圃場を表す図形の塗り潰し色や塗り潰しパターン、透過率などの表示スタイルを定義した表示スタイルデータベース6、栽培作物の種類とコードを定義した作物マスタデータベース7とからなっている。
中央処理装置1は、データ表示処理11、データ入力処理12、表示データ作成処理13、表示スタイル設定処理14、圃場データ登録処理15、圃場データ参照処理16、データベースアクセス処理17を有している。これらの各処理は、具体的には、中央処理装置1のメモリ内に格納されたプログラムによって構成されるものである。
データ表示処理11は、表示データ作成処理13で作成される表示データをディスプレイ装置2に表示する処理、データ入力処理12は圃場データ登録処理15や圃場データ参照処理16から呼び出され、データ入力装置3で入力されるデータを受け付ける処理である。
データベースアクセス処理17は、必要に応じ地図データベース4、圃場データベース5、表示スタイルデータベース6のデータを参照したり、更新するなどを行う処理である。
【0010】
各データベースに格納されているデータについて説明をする。
図2は圃場データベース5に格納されている圃場データの構造を表した図である。
圃場データは、圃場を表す図形を特定するための図形ID21や形状情報22、その図形がもつスタイルID23を持っている。スタイルID23が表示スタイルデータベース6の検索キーとなる。
図形ID21にはどのレイヤの何番目の図形というデータが数値化されて設定される。
形状情報22は、圃場を表す図形を構成する複数の構成点の各頂点のX,Y座標値で構成される。
さらに圃場データは、圃場を特定するための圃場番号24や栽培年25、栽培作物26などの情報を持つ。栽培作物は作物マスタデータベース7において栽培作物に対応するコードが管理されており、圃場データにおける栽培作物26は対応するコードが設定されていることが望ましい。
地図データベース4に格納されている地図データも圃場データと同様、図形ID、形状情報、スタイルIDを持っている。
【0011】
図3は表示スタイルデータベース6に格納されているスタイルデータのデータ構造を表した図である。
スタイルデータはあらかじめ河川、道路、特定の作物の圃場など図形の種別毎に用意しておき、それぞれユニークなスタイルIDを付与してスタイルデータベース6内に格納しておく。
スタイルデータは、表示スタイルを特定するためのスタイルID31及び属性値33を持ち、属性値33は、線色34、線種35、線幅36、塗り潰し色37、塗り潰しパターン38、透過率39というデータで構成される。
線色34は、表示対象図形を表示する際の線の色を指定するものである。
線種35とは、表示対象図形を表示する際の線の種類(実線、破線など)の種類を指定するものである。
線幅36とは、表示対象図形を表示する際の線の太さを指定するものである。
塗り潰し色37とは、表示対象図形を表示する際の図形枠内の塗り潰しの色を指定するものである。
塗り潰しパターン38とは、表示対象図形を表示する際の図形枠内の塗り潰しのパターン(斜線、網掛けなど)を指定するものである。
透過率39とは、複数のレイヤの表示対象図形を重ね合わせて色分け表示する際の透過率を表すものであり、圃場図形など重ね合わせをした場合に下に表示される図形の色も同時に確認したい場合は、透過率39を高く設定しておく。
【0012】
次に、地図データや圃場データなどの図形データについて説明する。
図4は、地図データベース4及び圃場データベース5のレイヤ構造を示したものである。
地図データベース4に格納される地図データは、図4に示すように、複数のレイヤによる層構造になっており、道路図形は道路レイヤ45に格納され、河川図形は河川レイヤ46に格納されており、地図データベース4内のすべてのレイヤを重ねると地図41と同じ画像になる。
圃場データベース5も同様に、例えば2004年の圃場図形は2004年圃場レイヤ47に、2003年の圃場図形は2003年圃場レイヤ48に、2002年の圃場図形は2002年圃場レイヤ49に格納されている。
地図41上における表示範囲50の座標値と表示対象レイヤとを入力装置3から指定することによって表示データ作成処理13がディスプレイ装置2に表示するデータを作成する。
【0013】
表示データ作成処理13の処理手順を示すフローチャートを図5に示す。
表示データ作成処理13は、まずステップS51においてデータ入力装置3から表示対象を受け付ける。
表示対象とは、どの場所の何を表示するかを示すものであるが、その指定方法は、緯度経度指定、住所指定、図の種類の指定などさまざまであって構わない。ある区域における圃場で適切な輪作が行われているかを確認する場合には、区域と栽培年度の区間を指定する。
次に、ステップS52において指定された表示対象から、地図上の表示範囲と表示対象レイヤを決定する。
次に、ステップS53において地図上の表示範囲をシステム内の座標系で表わされる座標値に変換する。
次に、ステップS54において圃場データベース5にアクセスし、ステップS55において、表示範囲に含まれる圃場の図形を対象レイヤごとに取り出す。
取り出した図形に対し表示スタイルを設定する処理がステップS56である。ステップS56の表示スタイル設定処理は、図8を使用しその処理の流れを後述する。
【0014】
図形データの表示例として、図6はある地域のすべての圃場を表示した例、図7は作物を指定してある場所の圃場を表示した例である。
図6は、ある表示範囲に地図データベース4の全てのレイヤと圃場データベース5の全てのレイヤの図形を色分け表示対象として表示したものである。
圃場図形は、栽培作物の種類毎に異なる色を表示スタイルデータベース6に定義してあるため、色分けして表示される。
また、2004年圃場レイヤ47、2003年圃場レイヤ48、2002年圃場レイヤ49の全ての圃場図形を表示対象としたため、3つのレイヤで管理されている3年分の圃場が重ね合わせて表示される。
図6において、同じ色が濃く表示されている箇所(符号61)があるが、これは同一作物の連作が行われている可能性が高いことを示すものである。
図7では、2002年に「馬鈴薯」、2003年に「てん菜」、2004年に「大豆」を栽培している箇所という条件をつけて表示した例である。
表示スタイルデータベース6では、「馬鈴薯」の色はベージュ、「てん菜」の色は紫、「大豆」の色は水色で定義されているものとする。「馬鈴薯」、「てん菜」、「大豆」が3年輪作の適切なパターンとした場合、それに該当する圃場が何処かということが色分け表示することで簡単に認識することができる。それぞれの作物を示す色の混合色で表示されている符号71で示す部分がこの場合の適切なパターンに該当する箇所である。
色分け表示をするために必要となる表示スタイル設定処理14を説明する。
【0015】
図8は、表示スタイル設定処理14の処理手順を示すフローチャートである。
図7のようにある条件で色分け表示をする場合、指定された作物以外の圃場は設定されているスタイルの塗り潰し色や塗り潰しパターン、透過率などの表示スタイルに従わず、色分け表示の対象としない。その判定のためにまず、
表示スタイル作成処理14は、ステップS81において、表示対象の圃場の図形が色分け表示の対象かどうか、すなわち指定された作物の圃場の図形かを判定する。色分け表示対象ではない場合ステップS82で色分け非対象用としてあらかじめ定義されているスタイルを設定し、処理を終了する。
色分け非対象用のスタイルとは、例えば属性値33を構成する線色34が黒、線種35が実線、線幅36が0、塗り潰し色37及び塗りつぶしパターン38がなし、透過率39が100%といった単に図形の形状のみを表示するような属性が設定されているスタイルである。
色分け表示対象であった場合は、ステップS83において表示対象の圃場の図形データが持つスタイルID23を圃場データベース5から取得する。
次に、ステップS84において取得したスタイルIDに対応するの属性値を設定し、処理を終了する。
【0016】
次に、圃場データ登録処理15について説明する。
図9は圃場データ登録処理15の操作を表示した図である。
図9(a)に示すように、圃場データの登録は、背景データとして地図データ91をディスプレイ装置2に表示し、地図データ91上でマウスなどのデータ入力装置3を利用し、圃場の形状情報22を入力し、さらに図9(b)に示すように、圃場番号24、栽培年25、栽培作物26、耕作者名称27の情報をキーボードなどのデータ入力装置3によって入力する。
【0017】
図10は圃場データ登録処理15の処理手順を示すフローチャートである。
図10において、まず、ステップS101において、背景となる地図データ上で圃場の形状を入力する。具体的には、登録対象の圃場の形状を構成している複数の構成点をディスプレイ装置2に表示されている地図上で入力装置3により順次指定して入力する。
次に、ステップS102において、1つの圃場を構成する構成点の入力操作が完了したことが入力装置3の特定の操作またはコマンドによって指示されたかを判定する。入力完了が指示された場合には、ステップS103において、入力された1つの圃場の図形を構成する構成点データを取得する。
次に、ステップS104において、取得した構成点をシステム内の座標系で表わされる座標値に変換し、次のステップS105において構成点数をチェックし、構成点が3点に満たない場合は閉じた図形を作成できないためエラーとする。
構成点が3点以上であった場合には、ステップS106において構成点が自己交差をしていないかもチェックする。
自己交差していなければ、図2の圃場データベース5のデータ構造で示す形状情報22(頂点数、頂点1のX座標値〜頂点nのY座標値)をステップS107において作成する。
次に、ステップS108において、図2におけるスタイルID23、圃場番号24、栽培年25、栽培作物26、耕作者名称27の情報をデータ入力装置3から受付け、次のステップS109において、図2の圃場データベース5のデータ構造の1レコードとなるデータを作成し、次のステップS110において、データベースアクセス処理17を利用して圃場データベース5に圃場データを登録する。
この場合、1つの圃場の図形毎に図形ID21を自動生成して登録する。
【0018】
次に、圃場データの参照処理について説明する。
図11は圃場データ参照処理の操作を表示した図である。
図11に示すように、重ね合わせ表示をした圃場図形の任意の位置を、マウスなどのデータ入力装置3によってポイントすると、その位置に存在する圃場図形の栽培作物を取得することができる。紫の色が濃い符号111の場所をポイントすると、過去に栽培された作物の種類が文字表示される。図11の例では、過去3年間に渡って「てん菜」を植え続けたことが表示され、この表示によって、次シーズンでは適正な輪作となるよう別の作物を栽培しなくてはならないことが分かる。換言すれば、次シーズンも「てん菜」を栽培した場合には連作障害が起こる恐れがあることが分かる。
また、符号112の場所をポイントすると、同様にして過去に栽培された作物の種類が文字表示される。図11の例では、馬鈴薯→てん菜→小麦という輪作が行われていることが分かり、輪作パターンから次シーズンに適した栽培作物が「馬鈴薯」であることが分かる。
【0019】
図12は、圃場データ参照処理16の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS121において、圃場データ参照処理16は、図11に示すように重ね合わせ表示した圃場図形のある場所がデータ入力装置3によってポイントされると、ディスプレイ装置2に表示されている地図上におけるポイント位置を判定し、そのポイント位置のデータをステップS122で取得する。
次に、取得したポイント位置の座標をステップS123においてシステム内の座標系で表わされる座標値に変換する。
次に、ステップS124において、データベースアクセス処理17を利用して圃場データベース5にアクセスし、ステップS125において前記座標値を含む構成点の座標が存在する圃場データを年単位に取得する。
【0020】
以上により、指定された区域に存在する圃場で栽培された複数年度に渡る栽培作物の種類を色分けして表示することができる。また、同一種類の作物が複数年度に渡って連作されていた場合には、各年度の階層の圃場図形の色が重ね合わせられることにより、表示色濃度が濃くなり、連作が続いていることが視覚的に分かるように表示される。
連作が続いていない場合、異なる色が重ね合わせられることから特定の作物の表示色が濃くなることはなく、適正な輪作が行われていることが分かる。
【0021】
なお、ディスプレイ装置2に表示させる地図データはネットワークを介して取得する構成であってもよい。
また、地図を表示させた状態で区域指定を行う例を説明したが、最初に圃場の住所や圃場番号、耕作者名称のいずれかと、対象年度を指定し、該当する圃場データを呼び出し、この後に、その圃場データ内の位置座標を含む範囲の地図データを取得して地図を表示し、その地図上に該当する圃場における対象年度の栽培作物の種類を表示するように構成することもできる。
また、中央処理装置1に組み込む表示データ作成処理等は、汎用のパーソナルコンピュータで実行可能なプログラムとして提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の圃場栽培作物経年管理装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】圃場データのデータ構造を表した図である。
【図3】表示スタイルデータのデータ構造を表した図である。
【図4】地図データベース及び圃場データベースのレイヤ構造を示した図である。
【図5】表示データ作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】ある場所のすべての圃場の表示例を示す図である。
【図7】作物を指定してある場所の圃場の表示例を示す図である。
【図8】表示スタイル設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】圃場データ登録処理の操作を示す図である。
【図10】圃場データ登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】圃場データ参照処理の操作を示す図である。
【図12】圃場データ参照処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
1…中央処理装置、2…ディスプレイ装置、3…データ入力装置、4…地図データベース、5…圃場データベース、6…表示スタイルデータベース、7…作物マスタデータベース、11…データ表示処理、12…データ入力処理、13…表示データ作成処理、14…表示スタイル作成処理、15…圃場データ登録処理、16…圃場データ参照処理、17…データベースアクセス処理。
【出願人】 【識別番号】000233055
【氏名又は名称】日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市鶴見区末広町一丁目1番43
【出願日】 平成16年4月28日(2004.4.28)
【代理人】 【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一

【公開番号】 特開2005−312346(P2005−312346A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−133071(P2004−133071)