| 【発明の名称】 |
浮島ユニット及び植生浮島 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀内 澄夫 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】製品リサイクルの観点から廃タイヤを用いて製造され、植生基盤部に水生植物が植栽された人工浮島において、人工浮島への小型船舶の接岸や、流木の衝突による浮島本体の破損を防止する。
【解決手段】廃タイヤ10の周囲に、外縁の所定位置に連結部を有する発泡浮力体12を形成するとともに、廃タイヤ10の下面開口から下方に突出した植生基盤収容バスケット11を設け、廃タイヤ10内及び植生基盤収容バスケット11内に植生基盤材15を充填してなる本体ユニット2を連結してなる浮島の外周位置に、廃タイヤ10の内部に内部発泡浮力体16を形成し、廃タイヤ10の下面開口から下方に突出した植生基盤収容バスケット11を設け、廃タイヤ10内及び植生基盤収容バスケット11内に植生基盤材15を充填してなる防衝ユニット3を、所定間隔をあけて固定するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃タイヤの周囲に、外縁の所定位置に連結部を有する発泡浮力体を形成するとともに、前記廃タイヤの下面開口から下方に突出した植生基盤収容部を設け、前記廃タイヤ内及び植生基盤収容部内に植生基盤材を充填してなる本体ユニットと、 廃タイヤの内部に前記本体ユニットとの連結部を有するとともに、タイヤ内部空間に発泡浮力体を形成し、前記廃タイヤの下面開口から下方に突出した植生基盤収容部を設け、前記廃タイヤ内及び植生基盤収容部内に植生基盤材を充填してなる防衝ユニットとを備え、前記防衝ユニットを、前記本体ユニットを連結してなる浮島の外周位置に所定間隔をあけて固定したことを特徴とする浮島ユニット。 【請求項2】 前記本体ユニットに太陽電池駆動の水浄化施設及び/または植物水供給施設を設け、前記防衝ユニットで前記本体ユニットの側面に船舶接岸部を構築したことを特徴とする請求項1記載の浮島ユニット。 【請求項3】 請求項1の浮島ユニットを所定平面形状に連結するとともに、植生基盤材に抽水植物を植栽して設置水域に定置されることを特徴とする植生浮島。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は浮島ユニット及び植生浮島に係り、その主体構造に、製品リサイクルの観点から廃タイヤを用いて連結され、使用時にも流木等の衝突による破損のおそれを防止した浮島ユニットと、該浮島ユニットに植栽を施すことにより、周辺景観を考慮した植生浮島に関する。 【背景技術】 【0002】 廃タイヤは、年間1億本以上発生しており、傷みの少ない一部は更正タイヤとして所定の再生作業を経た後、タイヤとして再利用される。また、約半数はセメント製造工程等における熱源及びセメント原料の一部として利用される。しかし、二酸化炭素発生量の削減の意味から他の用途への転用が求められている。このため、廃タイヤを機械的処理することによりリサイクルする方法が種々実施されている。たとえば廃タイヤをカットしてタイヤチップとしたり、粉砕して再生ゴムや、ゴム粉を各種工業用品、資材に利用することも行われている。しかし、加工工程が必要な上、市場での材料使用量はそれほど多くない。また、廃タイヤを原形利用(プロダクトリサイクル)するものとして法面山留め材、遊具、防舷材としての用途もあるが、さらにその利用量は少ない。 【0003】 そこで、出願人は、廃タイヤの周囲に、外縁の所定位置に連結部を有する発泡浮力体を形成するとともに、タイヤの一方の開口をメッシュ材で閉塞して底部を構成した前記廃タイヤ内に植生基盤材を充填した浮島状のユニットを製造し、その浮島ユニットを多数連結し、前記植生基盤材に植生を施した植生浮島を提案している(特許文献1参照)。 【0004】 この植生浮島で生育する抽水植物としては、植生浮島を設置する湖沼等の湖岸の水域に根ざしている在来種が選定されることが多いが、植生浮島の下方の水中に活根しやすく、水上では葉茎が繁茂しやすい植物、たとえばヨシ、マコモ、ガマ等の一年草イネ科の植物がよく選定される。これら抽水植物は、水中に活根し、水中のリン、窒素等を吸収し、水質浄化機能を発揮することが知られており、この種の植生浮島は周囲景観の向上とともに、水質改善の役割を果たすことが期待されている。 【0005】 【特許文献1】特開2003−88259公報。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、上述の植生浮島をダム湖などに設置する場合、流木などの流出物が植生浮島に衝突するような状態が想定される。この場合、植生浮島を構成する浮島ユニット浮力体としてのポリウレタン樹脂が破損することが懸念される。また、浮島ユニットのポリウレタン樹脂部分をヤシ繊維等を含んだ不織布製の保護マットなどで覆うことで、浮島ユニットの損傷の軽減は図れるが、大きな流出物等が衝突した場合には、その防衝効果はほとんど期待できない。なお、本明細書では、水面を流れてきた流出物等が浮島ユニットへ衝突した際の損傷の軽減を図る効果を「防衝効果」と呼ぶものとする。 【0007】 一方、上述したように、廃タイヤの原形利用の一適用例として、廃タイヤの弾力性を利用し、桟橋等に廃タイヤを並べて固定した防舷材もあるが、廃タイヤをそのまま浮島ユニットの側面に直接取り付けると、浮島ユニットの浮力のバランスが崩れる上、景観上も好ましくない。 【0008】 また、上述の抽水植物による水質浄化をより促進するために、浮島周辺に適度な水流を発生させて水質の浄化を図るとともに、植物への水供給等の機能を持つ装置を、植生浮島に設置することも想定され、その際には装置のメンテナンスのために植生浮島に上陸するための小型船舶等を植生浮島に接岸することもあるため、浮島ユニットを損傷させないような構造の船舶接岸部を備えることも必要となってくる。 【0009】 そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、ダム湖等の水域に設置した際や、小型船舶の接岸を考慮した際に、その防衝効果が得られ、植生浮島の安定性が確保できるようにした浮島ユニット及び植生浮島を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記目的を達成するために、本発明は廃タイヤの周囲に、外縁の所定位置に連結部を有する発泡浮力体を形成するとともに、前記廃タイヤの下面開口から下方に突出した植生基盤収容部を設け、前記廃タイヤ内及び植生基盤収容部内に植生基盤材を充填してなる本体ユニットと、廃タイヤの内部に前記本体ユニットとの連結部を有するとともに、タイヤ内部空間に発泡浮力体を形成し、前記廃タイヤの下面開口から下方に突出した植生基盤収容部を設け、前記廃タイヤ内及び植生基盤収容部内に植生基盤材を充填してなる防衝ユニットとを備え、前記防衝ユニットを、前記本体ユニットを連結してなる浮島の外周位置に所定間隔をあけて固定したことを特徴とする。 【0011】 前記本体ユニットに太陽電池駆動の水浄化施設及び/または植物水供給施設を設け、外本体ユニットにアクセスするための船舶接岸部を、前記防衝ユニットで前記本体ユニットの一部に構築することが好ましい。 【0012】 上述の浮島ユニットを所定平面形状に連結するとともに、植生基盤材に抽水植物を植栽して設置水域に定置し、植生浮島とすることを特徴とする。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、ダム湖等の水域に設置した際や、船舶の接岸を考慮した植生浮島において、その防衝効果が得られ、植生浮島の安定性が確保できるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、本発明の浮島ユニット及び植生浮島の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。 【実施例1】 【0015】 図1は、複数個の本体ユニット2と防衝ユニット3とを連結して構成された浮島ユニットの一部を模式的に示した斜視図である。同図には、複数個が連結された本体ユニット2の外側部に防衝ユニット3が連結金具(図示せず)で連結された浮島ユニットの一部が示されている。 【0016】 図2(a)は防衝ユニット3と浮島ユニット2とを直列連結した状態を示した平面図、同図(b)は、IIb-IIb断面線に沿って示した断面図である。以下、この浮島ユニットと防衝ユニットの構成について説明する。本体ユニット2は、図2にその横断面を示したように、廃タイヤ10と、1辺の辺長が廃タイヤ10の外周にわずかに隙間をあけるようにタイヤの直径よりわずかに大きい平面寸法を有する略正六角形状に発泡成形された発泡浮力体12と、横置きされた状態の廃タイヤ10の下面開口を塞ぐように所定深さを有する下部の直径がわずかに小さい略半球状をなす植生基盤収容部としての基盤材収容バスケット11と、各ユニット2を連結するための連結治具14とから構成され、廃タイヤ10内部及び基盤材バスケット内に植生基盤材15が充填されている。 【0017】 本明細書では、廃タイヤ10とは、車両用タイヤとして使用され、たとえばトレッドパターンの摩耗により乗用に不適とされ廃棄されたタイヤであって、原形利用(プロダクトリサイクル)を意図してリサイクルされたものをいう。原形利用される廃タイヤ10には各種のサイズがあるが、所定寸法に設定された略正六角形の型枠内において、発泡浮力体の最小厚みを確保して収容可能な寸法のタイヤであれば、多少のサイズが異なったタイヤでも使用することができる。一般的にはタイヤ直径70cm、タイヤ幅20cm程度までの一般的な乗用車用タイヤを用いることが好ましい。 【0018】 発泡浮力体12としては、廃タイヤ10が図示しない型枠内に収容された状態で、廃タイヤと型枠との隙間に吹付け充填され、発泡成形された発泡ポリウレタン樹脂が使用されている。発泡浮力体12は型枠内に発泡させる際、樹脂が廃タイヤ10のタイヤ外周面に密着するので構造上、底板を必要としない。図2の実施例では、発泡浮力体12の厚さが廃タイヤ10のトレッド幅と等しいので、タイヤのサイドウォール部分が発泡浮力体の厚さより露出したような形状になっているが、発泡浮力体12の成形厚さは、植生浮島1としての喫水、すなわち植栽する水生植物の生育環境にふさわしい浸水条件が実現できるように適宜設定することが好ましい。 【0019】 基盤材収容バスケット(以下、単にバスケットと記す。)11は、図1,図2に示したように、所定深さを有する所定の曲面状、たとえば半球状をなす篭状体で、本実施例では、フレーム11(11a,11b)とネット13とが一体成形されたポリエチレン樹脂成形品から構成されている。内容物としての植生基盤材15が充填された際にも、略筒形状が十分保形されるように、半球の子午方向に放射状に配置されたリングフレーム11aと、周方向に所定方向を開けてリングフレーム11bとが骨格をなして成形され、その格子間にネットが成形されている。バスケット11は、全体形状として上部開口の直径が大きくなっているので、タイヤ開口に落とし込むことにより、所定の位置に固定されるが、数カ所において樹脂結束線等によりタイヤの一部に結束しておくことが好ましい。これによりバスケット内に植生基盤材15が十分に収容されてもバスケットが脱落したりしない。ネットの目開きとしてはバスケット11内に植生基盤材15が十分に収容されても変形したり破損したりしない程度のフレーム形状、ネット強度が保持でき、かつ水生植物の根が十分通過できるように十分粗くすることが好ましく、1.0〜3.0mm程度の目開きとすることが好ましい。 【0020】 変形例として、上述の骨格フレームを成形品として、その骨格フレームの内側全面にポリエチレン樹脂製ネット13を貼り付けたバスケット11としてもよい。 【0021】 防衝ユニット3は、図2各図に示したように、廃タイヤ10の内部に内部発泡浮力体16としての発泡ポリウレタン樹脂を充填するとともに、下面開口にバスケット11が取り付けられ、その内部に植生基盤材15が充填された構成からなる。この防衝ユニット3は、図1に示したように、隣接する本体ユニット2の2辺に接するように2個所で連結ボルト17(図2参照)を介して固定されている。このため、防衝ユニット3の内部発泡浮力体16の一部に、本体ユニット2側から延出した連結ボルト17をナット定着可能な箱抜き部18を形成しておくことが好ましい。 【0022】 また、防衝ユニット3が取り付けられた本体ユニット2の安定性をより向上させるために、廃タイヤ10を段重ね構造とし、浮島ユニット自体の安定性を向上させるために、廃タイヤを2段重ね構造とし、2段分を被覆するような高さの発泡ウレタン製の発泡浮力体を構成することも好ましい。 【0023】 このように構成された複数個の本体ユニット2を、図1に示したように、外周の所定位置に防衝ユニット3が連結金具を用いて連結された所定平面形状の浮島を構築する。この浮島の本体ユニット2内、防衝ユニット3内に植生基盤材15を充填し、植生基盤部を形成する。植生基盤材15としては人工軽量骨材や焼成粒状材等が用いられている。さらにこれらにチップ状にしたヤシ繊維や水ごけ等の有機基盤材を所定割合で混合することが好ましい。また、粒状材として、間伐材や流木を炭化したリサイクル資材を活用することもできる。このようにして形成された植生基盤部に、抽水植物21を植栽する。抽水植物21としては、植生浮島1を設置する湖沼等の湖岸の水域に根ざしている在来種を選定することが好ましい。本実施例では、各本体ユニット2のバスケット11が半球状をなしているため、植生浮島1の植生基盤部で十分に活根しやすくなっている。 【0024】 図3は防衝ユニット3を備えた植生浮島1上を所定水域に設置し、一定期間が経過し植生浮島1を示した部分断面図である。植生浮島1は図3に示したように、アンカーケーブル5により、設置水域に定置されている。植物21がある程度生育した植生浮島1では、水上において葉茎21aが十分生育するとともにバスケット11内を生長した根21bがさらにネット13を通過して水中にも伸長することができる。 【0025】 また、本実施例には、植生浮島に太陽電池パネル30を設置し、植物への水分供給用、水浄化用装置の設置例が示されている。本実施例では、発泡浮力体12に太陽電池パネル31を、パネル面が効率よく太陽光を受けるように設置されている。さらに本体ユニット2の水中には、太陽電池パネル30の起電力により駆動可能な水中ポンプユニット31が発泡浮力体下部に設置されている。この水中ポンプユニット31には、取水管32と排水管33とが連結され、取水管32の取水口32aは浮島の常時水位以下に位置し、排水管33の排出口33aは浮島ユニット2の植生基盤部に生育する植物の根元付近に位置している。この水中ポンプユニット32による水供給系統を設けることにより、浮島水面下および周辺水面において適度な循環水流が発生し、水質汚染の原因となるアオコ等の発生防止と、植生浮島1の植物の生育を促進することができる。 【0026】 このような抽水植物の生育において、水域における栄養塩の減少、溶存酸素の増加等の作用により水質浄化に寄与することが確認されている。また、この植生浮島をダム湖などの水域に浮かべ、農業生産用の浮遊地盤施設として利用することもできる。たとえばワサビや水菜のような付加価値の高い品種のものを選ぶことが好ましい。またこの浮遊地盤は風波によって揺動するため、植え付けた植物の根は、水面近くの酸素濃度の高い新鮮な水と常に触れることができる。このように、ダム湖を農作物の生産場として活用するとともに、流れ込んだ富栄養成分を吸収させて水質を改善し、さらに小魚等の繁殖の場を確保することも期待できる。この場合、農業生産用の浮遊地盤施設を設置する場合、施設へのアクセスに小型船舶等を利用するが、防衝ユニット3が設けられた側面に船舶を接岸することにより、船舶も安定した状態で係留でき、接岸時の作業性、安全性をより高めることができる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】本発明による浮島ユニットを連結した状態の一実施例を示した部分斜視図。 【図2】図1に示した浮島ユニットの一部平面、断面図。 【図3】植物が生長した状態における植生浮島を示した部分断面図。 【符号の説明】 【0028】 1 植生浮島 2 本体ユニット 3 防衝ユニット 10 廃タイヤ 11 バスケット 12 発泡浮力体 13 ネット 15 植生基盤材 21 植物 30 太陽電池パネル 31 水中ポンプユニット
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002299 【氏名又は名称】清水建設株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番3号
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| 【出願日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098246 【弁理士】 【氏名又は名称】砂場 哲郎
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| 【公開番号】 |
特開2005−295838(P2005−295838A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−113834(P2004−113834) |
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