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【発明の名称】 シート止用条材
【発明者】 【氏名】直木 武之介

【要約】 【課題】長年の使用によってもガタが発生し難く、また、骨材への固定に要する部品点数を低減させることができると共に固定作業を容易にすることができ、更に、結露水を処理することができるシーと止用条材を提供する。

【解決手段】シート止用条材1は溝部2を備えており、溝部2の両側部上縁から上壁部3,3が、溝部2の開口から離隔する方向へ延設してある。両上壁部3,3の縁部からは、溝部2底部の直交軸と平行をなす側壁部4,4が、溝部2の両隅部から距離を隔てて、溝部2の底部より適宜寸法だけ延長させた様態で延設してある。この両側壁部4,4の下縁から取付け壁部5,5が外側へ向かって延設してあり、両取付け壁部5,5の縁部はそれぞれ起立させてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、
前記両側部の溝部開口に臨む両縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあることを特徴とするシート止用条材。
【請求項2】
前記両側壁部は端面視が略ハ字形にしてある請求項1記載のシート止用条材。
【請求項3】
帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、
前記両側部の底縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあることを特徴とするシート止用条材。
【請求項4】
前記両側壁部の間の寸法は、前記両側部の間の寸法より大きくしてある請求項3記載のシート止用条材。
【請求項5】
前記取付け壁部の幅方向の適宜位置に、この取付け壁部を固定すべく取付け壁部を貫通させる固定部材の鋭尖端部を嵌入させる凹部が設けてある請求項1から4のいずれかに記載のシート止用条材。
【請求項6】
前記取付け壁部には弾性を有する凸部が設けてあり、少なくとも、この凸部と前記側壁部との間に通水路が設けてある請求項1から5のいずれかに記載のシート止用条材。
【請求項7】
前記凸部は、端面視が台形状をなしており、前記溝部の長手方向へ延設してある請求項6記載のシート止用条材。
【請求項8】
前記取付け壁部は、延設方向の縁を起立させてあり、この起立させた部分とその部分に対向する前記側壁との間を所要寸法にしてある請求項1から7のいずれかに記載のシート止用条材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の骨材間に合成樹脂製のシートを展張してなる、所謂ビニルハウスにおいて、前記シートを止めるシート止用条材に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の骨材間に合成樹脂製のシートを展張してなる、所謂ビニルハウスにあっては、骨材間にシート止用条材を架設しておき、このシート止用条材にシートの一部を係止するようにしてある。
【0003】
図7は、従来のシート止用条材にシートを係止した状態を示す斜視図であり、図中、41はシート止用条材、Sは、合成樹脂製のシートである。図4に示した如く、シート止用条材41は、端面視が縦断三角フラスコ底部形状をしており、両側部の上縁部はそれぞれ外側へ丸め加工してある。そして、シート止用条材41内にシートSの一部を挿入させた後、その上から、面内交互台形波形状のスプリング30をシート止用条材41内に嵌入させることによって、シートSの一部をシート止用条材41に係止させてある。
【0004】
しかし、このようなシート止用条材41にあっては、シート止用条材41の長手方向へ向かう中心軸周りの捩れ力、及び長手方向と交わる方向への曲げ力に抗する材料強度が低いため、シート止用条材41が変形し易いという問題があった。そのため、後記する特許文献1には次のようなシート止用条材が開示されている。
【0005】
図8は、特許文献1に開示されたシート止用条材を示す端面図である。図8に示した如く、シート止用条材51は、端面視が縦断やかん底部形状の溝部52を備えており、該溝部52の外へ凸状に彎曲した両側部の上縁からそれぞれ上壁部53,53が、溝部52の底部側へ少し傾斜しつつ、溝部52の開口から離隔する方向へ延設してあり、両上壁部53,53の縁部からそれぞれ、溝部52底部の直交軸と平行をなす側壁部54,54が、前記溝部52の両隅部から距離を隔てて、溝部52の底部より適宜寸法だけ延長させた様態で延設してある。この両側壁部54,54の下縁からそれぞれ内側へ向かって、溝部52の底部と平行をなす取付け壁部55,55が延設してあり、両取付け壁部55,55の縁部は溝部52の底部へ向かってそれぞれ起立させてある。
【0006】
このようなシート止用条材51は、一方の上壁部53、側壁部54及び取付け壁部55によって端面視が略コ字形の部分が形成され、他方の上壁部53、側壁部54及び取付け壁部55によって前記部分と鏡像をなす形状の部分が形成されており、両コ字形の部分の開口内に前記溝部52の両隅部がそれぞれ挿入された様態になっているため、シート止用条材51の長手方向へ向かう中心軸周りの捩れ力、及び長手方向と交わる方向への曲げ力に抗する材料強度が高く、シート止用条材51が変形し難い。
【特許文献1】特開2002−27841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来のシート止用条材51にあっては、次のような問題があった。すなわち、シート止用条材51を骨材に固定するには、両取付け壁部55,55の長手方向の適宜位置に貫通孔を開設しておき、かかる貫通孔及び骨材に開設された孔を貫通させたボルトにナットを羅合させることによって行うが、シート止用条材51の骨材への固定点となる両取付け壁部55,55間の距離が狭いため、シート止用条材51の長手方向への中心軸周りの回動力に抗する固着力が比較的低く、長年の使用によってシート止用条材51にガタが発生し易かった。また、両取付け壁部55,55は平坦であるため、ボルトと取付け壁部55,55との間にスプリングワッシャーを介装させる必要があり、シート止用条材51の骨材への固定に要する部品点数が多く、また、固定作業が煩雑であった。更に、係止したシートの内面に生じた結露水が当該シートを伝ってシート止用条材51へ流下するが、従来のシート止用条材51では、かかる結露水を処理することができないため、シート止用条材51からハウス内へ結露水が滴下し、当該ハウス内で栽培されている植物体に罹病といった悪影響を与えていた。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、長年の使用によってもガタが発生し難く、また、骨材への固定に要する部品点数を低減させることができると共に固定作業を容易にすることができ、更に、結露水を処理することができるシート止用条材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、前記両側部の溝部開口に臨む両縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の本発明は、前記両側壁部は端面視が略ハ字形にしてあることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明は、帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、前記両側部の底縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明は、前記両側壁部の間の寸法は、前記両側部の間の寸法より大きくしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の本発明は、前記取付け壁部の幅方向の適宜位置に、この取付け壁部を固定すべく取付け壁部を貫通させる固定部材の鋭尖端部を嵌入させる凹部が設けてあることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の本発明は、前記取付け壁部には弾性を有する凸部が設けてあり、少なくとも、この凸部と前記側壁部との間に通水路が設けてあることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の本発明は、前記凸部は、端面視が台形状をなしており、前記溝部の長手方向へ延設してあることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の本発明は、前記取付け壁部は、延設方向の縁を起立させてあり、この起立させた部分とその部分に対向する前記側壁との間を所要寸法にしてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本発明では、帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、前記両側部の溝部開口に臨む両縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあるため、両取付け壁部間の距離が長く、シート止用条材の長手方向への中心軸周りの回動力に抗する固着力が高く、長年の使用によってシート止用条材にガタが発生し難い。また、両側壁部及び取付け壁部によって、略L字形の部分が形成され、この部分に、溝部に一部が係止されたシートを伝って流下した結露水が流入して露受部として作用する。
【0018】
請求項2記載の本発明では、両側壁部は端面視が略ハ字形、即ち、両側壁部の間の寸法を側壁部の延出方向の縁に向かうに従って広くなるようにしてあるため、複数のシート止用条材を重積させる場合、一のシート止用条材の両側壁部の間に、他のシート止用条材の溝部を内嵌させることができる。これによって、複数のシート止用条材を安定的に重積させることができ、保管及び搬送に要するスペースを狭くすることができる。
【0019】
請求項3記載の本発明では、帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるシート止用条材において、前記両側部の底縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してあるため、シート止用条材を押し出し成形によって製造することができる。一方、前同様、両取付け壁部間の距離が長く、シート止用条材の長手方向への中心軸周りの回動力に抗する固着力が高く、長年の使用によってシート止用条材にガタが発生し難い。また、両側壁部及び取付け壁部によって、略L字形の部分が形成され、この部分に、溝部に一部が係止されたシートを伝って流下した結露水が流入して露受部として作用する。
【0020】
請求項4記載の本発明では、両側壁部の間の寸法は、前記両側部の間の寸法より大きくしてあるため、複数のシート止用条材を重積させる場合、一のシート止用条材の両側壁部の間に、他のシート止用条材の溝部を内嵌させることができる。これによって、複数のシート止用条材を安定的に重積させることができ、保管及び搬送に要するスペースを狭くすることができる。
【0021】
請求項5記載の本発明では、取付け壁部の幅方向の適宜位置に、この取付け壁部を固定すべく取付け壁部を貫通させる固定部材の鋭尖端部を嵌入させる凹部が設けてあるため、固定部材たるビス等によってシート止用条材を骨材等に固定する場合、ビスの鋭尖端部を取付け壁部の凹部に嵌入させた状態でビスを回動させることができ、これによって、取付け壁部の面内でビスが滑動することが防止され、固定作業をスムーズに行うことができると共に、固定位置に対するビスの位置ズレを防止することができる。
【0022】
請求項6記載の本発明では、前記取付け壁部には弾性を有する凸部が設けてあり、少なくとも、この凸部と前記側壁部との間に通水路が設けてあるため、この凸部にボルトを貫通させてシート止用条材を骨材に固定することができ、このとき、凸部が弾性を有するため、スプリングワッシャーを用いることなく、ボルト止めすることができる。また、凸部と側壁部との間に通水路が設けてあるため、シート止用条材に流入した結露水の移動を塞ぎ止めることが回避され、結露水の落下を防止することができる。
【0023】
請求項7記載の本発明では、凸部は、端面視が台形状をなしているため、取付け壁部の構造強度を低下させることなく、弾性を付与することができ、また、凸部は、溝部の長手方向へ延設してあるため、この凸部の長手方向の適宜位置にボルト又はビスを貫通させて、シート止用条材を骨材に固定することができる。
【0024】
請求項8記載の本発明では、前記取付け壁部は、延設方向の縁を起立させてあり、この起立させた部分とその部分に対向する前記側壁との間を所要寸法にしてあるため、取付け壁部の構造上の強度が高いのに加え、取付け壁部の起立させた部分と前記側壁との間の寸法を、例えば、ボルトの頭部の外径に応じた寸法に設定しておくことによって、起立させた部分と側壁との間にボルトの頭部を嵌合させた場合に当該ボルトの頭部の回動が防止されるため、取付け壁部を貫通させたボルトにナットを羅合させてシート止用条材を固定する作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本実施の形態に係るシート止用条材は、帯状の底部の両側縁にそれぞれ側部を立設してなる溝部を備え、この溝部内にシートの一部を挿入させて当該シートを止めるようにしてあるが、前記両側部の溝部開口に臨む両縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してある。この側壁部と取付け壁部とがなす角度は、シート止用条材を固定する骨材に応じて定めればよいが、通常、略90度にしてある。
【0026】
前述した両側壁部は、端面視が略ハ字形、即ち、両側壁部の間の寸法を側壁部の延出方向の縁に向かうに従って広くなるようにしてある。これによって、複数のシート止用条材を安定的に重積させることができる。
【0027】
一方、押し出し成形による場合、シート止用条材は、前記両側部の底縁からそれぞれ側壁部が、前記底部から適宜長だけ突出するように延設してあり、両側壁部の延設方向の縁からそれぞれ取付け壁部が、両側壁部間の外側へ延設してある構成になす。
【0028】
そして、これら両側壁部の間の寸法は、前記両側部の間の寸法より大きく、好ましくは両側部の底縁間の寸法、即ち、前述した溝部の底部の幅寸法より大きくしてある。これによって、押し出し成形による複数のシート止用条材を安定的に重積させることができる。
【0029】
ところで、前述した取付け壁部の幅方向の適宜位置に、この取付け壁部を固定すべく取付け壁部を貫通させる螺子部材又は釘状部材といった固定部材の鋭尖端部を嵌入させる凹部が設けてある。
【0030】
また、取付け壁部には弾性を有する凸部が設けてあり、少なくとも、この凸部と前記側壁部との間に通水路が設けてある。
【0031】
ところで、前述した凸部は、端面視が台形状をなしており、溝部の長手方向へ延設してある。
【0032】
また、取付け壁部は、延設方向の縁を起立させてあり、この起立させた部分とその部分に対向する側壁との間を所要寸法にしてある。具体的には、取付け壁部の起立させた部分と側壁との間の寸法を、シート止用条材の固定に用いるボルトの頭部の外径に応じた寸法、即ちボルトの頭部が内嵌する寸法に設定しておく。これによって、ボルト及びナットを用いてシート止用条材を骨材等に固定する場合、ボルトの頭部の回転が防止され、固定作業を容易に行うことができる。
【0033】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明に係るシート止用条材の端面図であり、図2は、図1に示したシート止用条材の一部省略平面図である。両図に示した如く、シート止用条材1は、例えば端面視が縦断三角フラスコ形状の溝部2を備えており、溝部2の両側部上縁からそれぞれ、溝部2の底部と平行をなす上壁部3,3が、溝部2の開口から離隔する方向へ延設してある。従って、前記溝部2の両側部は、端面視が略ハ字形になっている。また、両上壁部3,3の縁部からはそれぞれ、溝部2底部の直交軸と平行をなす側壁部4,4が、前記溝部2の両隅部から距離を隔てて、溝部2の底部より適宜寸法だけ延長させた様態で延設してある。なお、溝部2の形状は縦断三角フラスコ形状に限らず種々の形状であってよいことはいうまでもない。
【0035】
この両側壁部4,4の下縁からそれぞれ取付け壁部5,5が、両側壁部4,4の間たる内側とは逆の外側へ向かって延設してあり、両側壁部4,4及び取付け壁部5,5によって、露受部9,9が形成されている。両取付け壁部5,5の縁部はそれぞれ起立させてあり、これによって取付け壁部5,5の捩れ力及び曲げ力に抗する構造上の強度を向上させてある。
【0036】
前述した両取付け壁部5,5の幅方向の略中央には、端面視が台形状に成形してなり、弾性を有する凸状部6,6が、長手方向の全領域に亘って設けてあり、該凸状部6,6の両側の部分は、結露水が通流し得る通水路7,7、7,7になしてある。また、凸状部6,6の長手方向の適宜位置(図2に示した例では、シート止用条材1の両端近傍)には、複数の貫通孔8,8、8,8が開設してあり、各貫通孔8,8、8,8を挿通させたボルトにナットを羅合させることによって、シート止用条材1を固定するようにしてある。
【0037】
このとき、ボルトは凸状部6,6に当接することになり、この凸状部6,6は前述した如く弾性を有するため、ボルトと凸状部6,6との間にスプリングワッシャーを介装させることなく、ボルトに前記ナットを羅合させ、両者を締め付けることができる。また、前述した貫通孔8,8、8,8は、側壁部4,4の下縁から外側へそれぞれ延設した取付け壁部5,5に設けてあるため、対をなす固定点間の距離が長く、シート止用条材1の長手方向への中心軸周りの回動力に抗する固着力が高く、長年の使用によってシート止用条材1にガタが発生し難い。
【0038】
一方、取付け壁部5,5の起立させた部分と、この部分に対向する側壁部4,4との間の寸法はそれぞれ、前記ボルトの頭部の外径に応じた寸法にしてある。これによって、前記起立させた部分と側壁部4との間に、ボルトの頭部を嵌合させることによって、ボルトの頭部の回動が防止され、ボルトにナットを羅合させる作業を容易に行うことができる。
【0039】
なお、本実施例では、凸状部6,6に開設した貫通孔8,8、8,8にボルトを挿通させてシート止用条材1を固定するようにしてあるが、本発明はこれに限らず、前記貫通孔8,8、8,8を挿通させたビスによってシート止用条材1を固定するようにしてもよい。なお、貫通孔8の数は4つに限らないことはいうまでもなく、また、貫通孔8は予め形成しておかなくてもよい。この場合、シート止用条材1を固定させる際に、凸状部6,6の適宜位置に貫通孔を開設するようにしてもよいし、貫通孔を開設することなく、ビスを凸状部6,6に、そこを貫通するように螺入させてもよい。
【0040】
図3は、図1及び図2に示したシート止用条材の使用様態を示す部分斜視図であり、図中、1は図1及び図2に示したシート止用条材、Sはシート、10は後述する露受器である。なお、図中、図1及び図2に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0041】
図3に示した如く、シート止用条材1の溝部2にシートSの一部が挿入してあり、その上から、面内交互台形波形状のスプリング30を溝部2内に嵌入させることによって、シートSの一部をシート止用条材1に係止させてある。
【0042】
このシート止用条材1は、ハウスの骨材に固定した取付け金具(共に図示せず)及びシート止用条材1の貫通孔8(8)(図2参照)を貫通させたボルト22(22)にナット21(21)を羅合させて、それらを締め付けることによって固定してある。このとき、前述した如く、取付け壁部5,5の縁の起立させた部分と、この部分に対向する側壁部4,4との間に、ボルト22,22の頭部が嵌合されてボルト22,22の頭部の回動が防止されるため、ボルト22(22)とナット21(21)とを締め付ける作業を容易に行うことができる。
【0043】
このようなシート止用条材1の長手方向の適宜位置に露受器10が、シート止用条材1の取付け壁部5,5を挟持する様態で取付けてある。露受器10は、排水口14を設けてなる箱状の本体11内に、前記取付け壁部5,5を挟持する2対の挟持柱12,12、12(12)が互いに距離を隔てて突設してあり、対をなす挟持柱12,12、12(12)の上部対向部分には、取付け壁部5,5の起立させた部分を嵌合させるコ字状の嵌合部13,13、13(13)がそれぞれ設けてある。
【0044】
前述したシート止用条材1にあっては、シートSの内面を流下した結露水が上壁部3と側壁部4との角部を伝って、側壁部4と取付け壁部5とがなす露受部9に流入する。取付けの際にシート止用条材1の長手方向の任意位置には、他の部分より相対的に低い高さ位置の部分が生じるが、露受部9に流入した結露水はその低位部分に移動し、当該低位部分の露受部9の容量を越えた場合、露受部9から外へ落下する。そこで、この低位部分に前述した露受器10を取付けておくことによって、低位部分の露受部9に集まった結露水は、露受器10の挟持柱12,12、12(12)を伝って本体11内へ導かれ、排水口14に連結した排水ホース(図示せず)によってハウス外へ排出される。また、仮に、低位部分の露受部9から結露水が落下した場合であっても、当該結露水は露受器10の本体11内へ落下し、前同様、ハウス外へ排出される。
【実施例2】
【0045】
図4は、実施例2に係るシート止用条材を示す端面図であり、複数のシート止用条材を重積することができるようにしてある。なお、図中、前述した図1に示した部分に対応する部分には同じ番号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図4に示した如く、シート止用条材1bの両側壁部4,4の間の寸法は、上壁部3,3から側壁部4,4の延設方向へ向かって漸次広くしてあり、従って両側壁部4,4は、端面視が略ハ字形をしている。すなわち、両側壁部4,4の延設方向の縁部の間の寸法は、一方の上壁部3の外側縁と他方の上壁部3の外側縁との間の寸法より適宜寸法だけ広くなっている。
【0047】
そのため、図5に示した如く、下段のシート止用条材1bの両上壁部3,3及び溝部2の部分を、上段のシート止用条材1bの両側壁部4,4の間に嵌入させる操作を繰り返すことによって、複数のシート止用条材1b,1b,…を安定して重積させることができる。これによって、シート止用条材1b,1b,…の保管及び搬送に要するスペースを狭くすることができる。
【0048】
一方、前述した両凸状部6,6の表面であって幅方向の略中央には、部分拡大図Aで示した如く、半円溝状の凹部6a,6aがそれぞれ凸状部6,6の長手方向の適宜領域に亘って設けてある。このようなシート止用条材1bにあっては、前記凹部6a,6aの長手方向の適宜位置にそれぞれ固定部材たるビスの鋭尖端部を嵌入させ、各ビスを両凸状部6,6を貫通するように螺入させることによって、シート止用条材を骨材等に固定する。
【0049】
このように、固定部材たるビスによってシート止用条材を骨材に固定する場合、ビスの鋭尖端部を凹部6a,6aに嵌入させた状態でビスを回動させることができ、これによって、凸状部6,6の表面上でビスが滑動することが防止され、シート止用条材1bの固定作業をスムーズに行うことができると共に、骨材の固定位置に対するビスの位置ズレを防止することができる。
【0050】
なお、本実施例では、凹部6aは、凸状部6の長手方向の適宜領域に亘って設けてあるが、本発明はこれに限らず、凸状部6の長手方向の複数の位置に、穴状の凹部をそれぞれ設けてもよい。
【実施例3】
【0051】
図6は、実施例3に係るシート止用条材を示す端面図であり、押出し成形によって形成してある。図6に示した如く、本実施例に係るシート止用条材1cは、端面視が略H形をなし、H形の上側両枝部をハ字形状に成形して溝部2aの側部2b,2bが形成してある。また、前記H形の下側両枝部は、当該両枝部の間の寸法を枝部の端へ向かうに従って僅かに広くして側壁部4a,4aにしてある。この両側壁部4a,4aの間の寸法は、前記溝部2aの底部2cの幅寸法より大きくしてあり、これによって、下段のシート止用部材1cの溝部2aを、上段のシート止用部材1cの両側壁部4a,4aの間に嵌入させ得るようになっている。
【0052】
また、前同様、両側壁部4a,4aの下縁からそれぞれ取付け壁部5,5が、両側壁部4a,4aの間たる内側とは逆の外側へ向かって延設してあり、両側壁部4a,4a及び取付け壁部5,5によって、露受部9,9が形成されている。両取付け壁部5,5の縁部はそれぞれ起立させてあり、これによって取付け壁部5,5の捩れ力及び曲げ力に抗する構造上の強度を向上させると共に、取付け壁部5,5の起立させた部分と、この部分に対向する側壁部4,4との間にナットを嵌合させることによって、ナットの回動を防止するようにしてある。
【0053】
前述した取付け壁部5,5の幅方向の略中央には、端面視が台形状に成形してなり、弾性を有する凸状部6,6が、長手方向の全領域に亘って設けてあり、該凸状部6,6の両側の部分は、結露水が通流し得る通水路7,7、7,7になしてある。また、凸状部6,6の長手方向の適宜位置に複数の貫通孔8,8が開設してある。そして、両凸状部6,6の表面であって幅方向の略中央に、前同様、半円溝状の凹部6a,6aがそれぞれ凸状部6,6の長手方向の適宜領域に亘って設けてある。
【0054】
これによって、固定部材たるビスによってシート止用条材1cを骨材に固定する場合、ビスの鋭尖端部を凹部6a,6aに嵌入させた状態でビスを回動させることができ、これによって、凸状部6,6の表面上でビスが滑動することが防止され、シート止用条材1cの固定作業をスムーズに行うことができると共に、骨材の固定位置に対するビスの位置ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るシート止用条材の端面図である。
【図2】図1に示したシート止用条材の一部省略平面図である。
【図3】図1及び図2に示したシート止用条材の使用様態を示す部分斜視図である。
【図4】実施例2に係るシート止用条材を示す端面図である。
【図5】図4に示した複数のシート止用条材の保管状態を説明する説明図である。
【図6】実施例3に係るシート止用条材を示す端面図である。
【図7】従来のシート止用条材にシートを係止した状態を示す斜視図である。
【図8】従来の他のシート止用条材を示す端面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 シート止用条材
2 溝部
3 上壁部
4 側壁部
5 取付け壁部
6 凸状部
6a 凹部
7 通水路
8 貫通孔
9 露受部
10 露受器
21 ナット
22 ボルト
30 スプリング
S シート
【出願人】 【識別番号】597088591
【氏名又は名称】佐藤産業株式会社
【識別番号】503423317
【氏名又は名称】直木 武之介
【出願日】 平成16年3月30日(2004.3.30)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎

【公開番号】 特開2005−295804(P2005−295804A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−101050(P2004−101050)