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【発明の名称】 マルチフィルム穿孔装置
【発明者】 【氏名】星野 悟
【住所又は居所】群馬県渋川市990番地1 ハラックス株式会社内

【要約】 【課題】マルチフィルムに設けるスリット穴の間隔のパターンを増やし、農作物の株の間隔に合わせてスリット孔の間隔を調整できるようにするとともに、マルチフィルムが残り少なくなったときでも、容易に穿孔できるように、マルチフィルムを引き出す際の張力の抵抗を高めることのできる装置を提供する。

【解決手段】ブレード16のマルチフィルム切断部16Aが円盤回転方向側に設けられていることにより、前記円盤型穿孔手段11が回転しながら、一定の間隔でマルチフィルム2にスリット孔を穿設することができる。又、前記ブレード16を前記円盤型穿孔手段11の円周方向へ複数列設けて交互に配置することで、スリット孔の間隔のパターンを従来よりも増やすことができる。加えて、円盤型穿孔手段11の近傍にマルチフィルム押さえ手段が設けられていることによって、マルチフィルム2が残り少なくなった時においても容易にスリット孔を穿設できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチフィルムが繰り出されるように構成された回転軸と、放射方向にブレードを突設させることにより前記マルチフィルムにスリット孔を穿設するように構成された円盤型穿孔手段と、からなるマルチフィルム穿孔装置において、前記ブレードの円盤回転方向当接部により前記マルチフィルムへのスリット孔の穿設を行なうとともに、前記ブレードの円盤回転方向反対部を前記スリット孔端面に当接させることにより、マルチフィルムの送り出しを行なうようにしたことを特徴とするマルチフィルム穿孔装置。
【請求項2】
前記ブレードを前記円盤型穿孔手段の円周方向へ複数列設けたことを特徴とする請求項1記載のマルチフィルム穿孔装置。
【請求項3】
前記各列のブレードを交互に配置することによりスリット孔を穿設するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチフィルム穿孔装置。
【請求項4】
円盤型穿孔手段の近傍にマルチフィルム押さえ手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3にいずれか記載のマルチフィルム穿孔装置。
【請求項5】
円盤型穿孔手段を構成する円盤部とブレード収納部を軽量金属で構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4にいずれか記載のマルチフィルム穿孔装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の栽培において、地面を覆い農作物に好適な環境を提供するため農業用マルチフィルムを敷設するに際し、該マルチフィルムに農作物が生育するための適当な大きさのスリット孔を穿設するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農作物の栽培において、地面の保温や保湿を行い、かつ雑草の繁殖を防ぎ、さらには雨による土砂の流出やはね上がりを防ぐとともに、土で果実を汚さないようにするため、農業用マルチフィルムを農作物近傍の地面に敷設することが多く行なわれている。
【0003】
特に苺栽培において、マルチフィルムを敷設する作業は、苗を植えつけ、苗をしばらく成長させた後に行なわれる。そのため、従来ではマルチフィルムを苗の上に被せ、苗でマルチフィルムが膨らんだ位置にカッターなどで一つ一つ切り込みを入れ、該切込みを手で引き裂いて、株が通り抜けられる程の穴をあけ、そこから苗を引っ張り出し、マルチフィルムを敷設する作業をしていた。この作業は煩雑であると共に、中腰で行なわねばならず重労働であった。さらに、マルチフィルムを敷設する際に植物を傷つけてしまうおそれがあった。
【0004】
又、別の方法として、マルチフィルムがロールされている状態で、その上からカッター等で切り込みを入れ、マルチフィルムを引き出してから該切込みを手で引き裂き、上述した作業を行なってマルチフィルムを敷設する作業をしていた。しかしながらこの方法によると、事前にカッターでマルチフィルムに穴をあけられる厚さには限界があるため、ある程度マルチフィルムを引き出すと、適当にスリット孔があけられたフィルム部分が終わってしまうので、逐次ロールまで戻り、再びカッターで切り込みを設けるという作業をしなければならなかった。又、カッターでスリット孔を設ける作業は手作業で行われるものであるから、一定の間隔を保つのが難しく、農作物の位置に適合するように穿設するのは困難であった。
【0005】
この問題を解決すべく、特許文献1で示すように、マルチフィルム穿孔装置が開発されたが、この装置は穿孔した後に巻き取り手段を設けることを特徴としており、又、穿孔手段が覆われていないので取り扱いが危険であることから、畑などに装備することができず、手軽さに欠けていた。
【0006】
そこで特許文献2に示す装置が開発された。この発明は穿孔手段が、防滑面を形成した円盤にカッターを放射線状に設けて、マルチフィルムが引き出されると同時に該円盤が回転し、該フィルムにスリット孔を設けるようにした装置である。
【0007】
しかし、当該発明は円盤にカッターを放射線状に設けるのみなので、スリット孔の間隔のパターンが乏しく、農作物の株間隔に合わせた調整に困難が伴っていた。
【0008】
また、この発明では回転軸で支持されたマルチフィルムが少なくなることによって自重が減少すると、引き出す際の張力に対する抵抗が少なくなり、マルチフィルムにスリット孔をあけ難くなるという問題点があった。
【0009】
加えて、特許文献2の発明は円盤型穿孔手段に防滑面を形成することによって、円盤が回転した時に一定の限度で穿孔を終えるようにしているが、本願出願人は防滑面が必要のない部材であることを発見した。
【0010】
【特許文献1】特開平6−39376
【0011】
【特許文献2】特開2003−235368
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明は、マルチフィルムに設けるスリット孔の間隔のパターンを増やし、農作物の苗の間隔に合わせてスリット孔の間隔を調整できるマルチフィルム穿孔装置を提供することを目的としている。
【0013】
又、マルチフィルムが残り少なくなったときでも、容易に穿孔できるように、マルチフィルムを引き出す際の張力に対する抵抗を高めることのできる装置を提供する。
【0014】
さらに、円盤型穿孔手段が回転した時に一定の限度で穿孔が終えることができるようにした装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
マルチフィルムが繰り出されるように構成された回転軸と、放射方向にブレードを突設させることにより前記マルチフィルムにスリット孔を穿設するように構成された円盤型穿孔手段と、からなるマルチフィルム穿孔装置において、前記ブレードの円盤回転方向当接部により前記マルチフィルムへのスリット孔の穿設を行なうとともに、前記ブレードの円盤回転方向反対部を前記スリット孔端面に当接させることにより、マルチフィルムの送り出しを行なうようにしたことにより、前記円盤型穿孔手段が回転しながら、一定の間隔でマルチフィルムにスリット孔を穿設し、前記課題を解決することができる。
【0016】
又、前記ブレードを前記円盤型穿孔手段の円周方向へ複数列設け、さらに、前記各列のブレードを交互に配置し、スリット孔を穿設するように構成することで、スリット孔の間隔のパターンを従来よりも増やし、農作物の株の間隔に合うよう調整することができるようにして、前記課題を解決することができる。
【0017】
加えて、円盤型穿孔手段の近傍にマルチフィルム押さえ手段が設けられていることを特徴とするマルチフィルム穿孔装置を提供することによって、マルチフィルムが残り少なくなった時においても容易にスリット孔を穿設できるようにし、前記課題を解決することができる。
【0018】
さらに、円盤型穿孔手段を構成する円盤部とブレード収納部を軽量金属で構成したことにより、円盤型穿孔手段の回転を迅速に停止させることのできるマルチフィルム穿孔装置を提供することによって、前記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、ブレードの円盤回転方向当接部により前記マルチフィルムへのスリット孔の穿設を行なうとともに、前記ブレードの円盤回転方向反対部を前記スリット孔端面に当接させることにより、マルチフィルムの送り出しを行なうようにしており、これにより一定の大きさのスリット孔を穿孔することができる。
【0020】
また、ブレードを円盤型穿孔手段の円周方向へ複数列設け、各列のブレードを円盤厚方向に交互に配置することにより、円盤型穿孔手段のブレードが一列のみであった従来例よりも、円盤の外縁から突出するブレードの間隔を狭めることができる。これによりスリット孔の間隔のパターンが豊富になり、農作物が植えられている間隔にあわせてブレードを出し入れすることにより、マルチフィルムに設けるスリット孔の間隔を調整することができる。
【0021】
さらに、ロールされているマルチフィルムが残り少なくなり、マルチフィルムの自重が減少すると、マルチフィルムを引き出す張力に対する抵抗が減り、スリット孔を穿設しにくくなるが、マルチフィルム押さえ手段を円盤型穿孔手段の近傍に設けることで、マルチフィルムを引き出す張力に対する抵抗が増され、マルチフィルムに容易に穿孔できる。
【0022】
そして、円盤型穿孔手段を構成する円盤部とブレード収納部を軽量金属で構成したことにより、回転エネルギーの蓄積による回転変動を生じにくくするため、マルチフィルムの引き出しを停止した場合に、円盤型穿孔手段の回転を迅速に停止させることができ、円盤型穿孔手段の超過回転によるスリット孔のあけすぎを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態について図面に従い詳細に説明する。図1は本発明の使用状態を表す全体図である。図2は本発明の組み立て図である。図3は正面図である。図4は本発明の側面図である。図5はブレードユニットの全体図である。図6は円盤とその一部(A−A)断面図である。図7はブレードを収納した場合の円盤内面の図である。図8はB−B面図を表している。図9は円盤型穿孔手段のブレードを円盤から突出させた状態図である。図10はブレードの円盤回転方向反対部を前記スリット孔端面に当接させた状態図を表している。
【0024】
本発明に係るマルチフィルム穿孔装置1は、図1及び図2に示すように、ブレードユニット部10と、支持台4と、によって構成されている。
【0025】
支持台4は図1乃至図4に示すように、第一マルチフィルム押さえ手段30と、マルチフィルム支持部材40と、第二マルチフィルム押さえ手段50と、第三マルチフィルム押さえ手段53と、これらを連結する側面フレーム61と、背面フレーム62と、下面フレーム63と、からなる。
【0026】
支持台4の側面には側面フレーム61があり、その下部でボルトにより下面フレーム63と固定される。そして支持台4の後方には背面フレーム62があり、ボルトによって側面フレーム61と固定される。
【0027】
支持台4の後方上部にはマルチフィルム支持部材40が配置されている。マルチフィルム支持部材40は、回転軸41と、回転軸留め42と、回転軸受け43と、フラボルト44と、によって構成されている。回転軸41内にロールされているマルチフィルム2が挿入された後、回転軸留め42と、回転軸受け43と、フラボルト44と、によって回転軸41が支持され、ロールされた状態のマルチフィルム2が引き出されるように構成されている。無論、マルチフィルムが回転軸によって支持されていなくても、マルチフィルムを引き出せるような構成であればよい。
【0028】
マルチフィルム支持部材40の前下方には整張棒31からなる第一マルチフィルム押さえ手段30が設けられている。そして整張棒位置調節手段32が有する突起に整張棒31を挿入することによって、整張棒31は支持される。
【0029】
整張棒31がなくてもマルチフィルム2に穿孔することは可能であるが、マルチフィルム支持部材40から送り出されたマルチフィルム2が整張棒31の下部を通ってブレードユニット部10へと送り出されることによって、マルチフィルム2を引き出す張力に対する抵抗を増すことができ、スリット孔を穿設しやすいようにすることができる。
【0030】
尚、整張棒31は側面フレーム61に取り付けられた整張棒位置調節手段32によって、整張棒31の位置を上下に調整することが可能である。整張棒31の位置を下げることによってマルチフィルム2を引き出す際の張力に対する抵抗をさらに増すことができ、スリット孔3が穿設しやすくなる。
【0031】
第一マルチフィルム押さえ手段30の前方には、図3及び図4に示すように、ブレードユニット部10がブレードユニット固定ネジ26とロックピン27によって下面フレーム63と固定されている。マルチフィルム2に穿孔したい場所に円盤型穿孔手段11が配置するよう、下面フレーム63にブレードユニット部10を固定することができる。
【0032】
図5に示すように、ブレードユニット部10は、円盤型穿孔手段11と、円盤回転軸22と、円盤回転軸支持部材25と、から構成されている。円盤型穿孔手段11に設けられている円盤回転軸穴21に円盤回転軸22が挿入され、円盤回転軸支持部材25の上部に設けられている円盤回転軸受け23と円盤回転軸受け押さえネジ24で係止される。円盤回転軸受け23には従来からあるベアリングユニットを使用できるが、マルチフィルム2の引き出しを停止した時に、円盤型穿孔手段11の回転が迅速に停止するよう、含油樹脂等を用い、潤滑油を使用しないベアリングを使用するのが好ましい。
【0033】
通常の苺栽培では一つの畝につき2列の苗が植えられているが、一つの円盤型穿孔手段11は1列の苗に対応することになるので、ブレードユニット部10には円盤回転軸支持部材25の両側に一つずつ円盤型穿孔手段11を設けるのがよい。その際、2つの円盤型穿孔手段11のブレード16が、図5に示すように平行して設けられるようにして円盤型穿孔手段11を円盤回転軸22に固定するのがよい。無論、必要があれば円盤型穴あけ手段11を円盤回転軸22に複数設けることもできる。
【0034】
尚、複数のブレードユニット部11を支持台4に取り付けて、穿孔するスリット孔3を増やすことも可能である。
【0035】
円盤型穿孔手段11を構成する円盤12の内側には、図6及び図7に示すように、ブレード収納部13が設けられ、ブレード16のマルチフィルム切断部16Aが円盤回転方向側に設けられるようにしてブレード16が収容される。
【0036】
円盤12には鉄やステンレス、チタン等、金属であれば何でも使用できるが、好ましくは、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽量金属で構成されるのが望ましい。これにより円盤型穿孔手段11の自重が減少するため、マルチフィルム2の引き出しが止まると、円盤型穿孔手段11の回転も共に止まり、回転エネルギーが蓄積されることによるマルチフィルム2の過剰切断を防ぐことができる。
【0037】
ブレード16には円盤回転方向側にマルチフィルム切断部16Aが設けられ、その反対面にマルチフィルム2を切断できない平坦部からなるマルチフィルム非切断部16Bを有している。マルチフィルムに穿孔するスリット孔の終縁がマルチフィルム非切断部16Bに当接することによって、円盤型穿孔手段を回転させることができる。
【0038】
ブレード16がマルチフィルム2にスリット孔3を穿設するまでについて、図4、図9、図10を用いて説明する。まずマルチフィルム切断部16Aがマルチフィルム2と接し始める時に穿孔を始め(O)、マルチフィルム2が引き出され円盤型穿孔手段11が回転するとともに、マルチフィルム切断部16Aは穿孔を続け(P)、始縁3Aから終縁3Bまでスリット孔を穿設する。マルチフィルム2がマルチフィルム切断部16Aから離れ始め(Q)、非切断面16Bがスリット孔3の終縁3Bに当接すると(図10)、マルチフィルム2にはせん断抵抗力が生じる。このせん断抵抗により、円盤型穿孔手段11が回転するとともに、ブレード16は一定の大きさのスリット孔3を穿設することができる。
【0039】
ブレード16は図8に示すように、ブレード押さえ14とブレード調節ネジ15とによってブレード16が円盤12の放射方向に可変となるよう設けられる。尚、ブレード16を交換するのも自由に行なえる。
【0040】
図7及び図9に示すように、前記円盤型穿孔手段11は、2枚の円盤12が有するブレード16が交互に配置するように、円盤押さえネジ穴18に、円盤押さえネジ17が挿入されて連結した構成になっている。これにより一つの円盤型穿孔手段11は2列のスリット孔3をマルチフィルム2に穿設することができる。ブレード16を円盤厚方向に交互に設けることによって、円盤の外縁から突出するブレード16の間隔を狭めることができるので、スリット孔3の間隔のパターンが豊富になり、農作物が植えられている間隔にあわせてブレード16を出し入れすることにより、マルチフィルム2に設けるスリット孔3の間隔を調整することができる。一つの円盤型穿孔手段11が穿設することのできるスリット孔3は2列となって、連結される円盤12相互の距離分が生じることとなるが、苗にマルチフィルム2を被覆できなくなるほどの距離ではないので問題にはならない。無論、円盤12を複数接合して、複数列のスリット孔3を穿設させることも可能である。ブレード16を交互に配置することによって幅広い苗の間隔に対応させるためである。
【0041】
尚、円盤型穴あけ手段11の外周には、円盤12の外縁でマルチフィルム2を切断してしまうことのないよう、カバー20が設けられる。特許文献1では防滑面を設ける旨の記載があるが、本発明では防滑面である必要はない。なぜならマルチフィルム2が引き出される際に円盤12が回転するのは、上述したように、非切断面16Bに対するマルチフィルム2のせん断抵抗力によるところが大きいからである。
【0042】
第二マルチフィルム押さえ手段50は図2に示すように第二マルチフィルム押さえ51と、カバーパイプ52と、からなる。第二マルチフィルム押さえ51は円盤型穿孔手段11の近傍に設けられており、好ましくは上部に構成される。円盤型穿孔手段11が有するブレード16が第二マルチフィルム押さえ51に当たらないよう、カバーパイプ52と連動するようにして取り付けられる。
【0043】
カバーパイプ52はブレードユニット10の上方に第二マルチフィルム押さえ51が配置されるように、第三マルチフィルム押さえ手段53の部材に取り付けることができる。
【0044】
図1乃至図3に示すように、第三マルチフィルム押さえ手段53は、第三マルチフィルム押さえ54を備え、その長手方向が第一マルチフィルム押さえ手段と平行となる向きに、側面フレーム61に取り付けられる。そして、第三マルチフィルム押さえ54は円盤型穿孔手段11の近傍にあり、好ましくは前下方に構成されている。当第三マルチフィルム押さえ54はマルチフィルム2が浮かないよう、スリット孔3を確実に穿設するための部材である。
【0045】
本発明がマルチフィルム2に穿孔するまでの使用状態について説明する。まず回転軸41内にマルチフィルム2を挿入し、支持台4に取り付ける。支持台4のカバーパイプ52を上部に上げておき、第二マルチフィルム押さえ51と円盤型穿孔手段11の間隔をあけてマルチフィルム2をセットしやすくする。そして円盤型穿孔手段11が有するブレード16を、ブレード調節ネジ15を用いて円盤から突出するようにセットする。このとき、植物が植わっている間隔に応じてブレード16を突出させ、全部のブレードを出す必要はないが、スリット孔3を多くあけておくと、スリット孔3に沿ってマルチフィルム2を引き裂くことによって簡単に後片付けができるという利点がある。
【0046】
次にマルチフィルム2を引き出して整張棒31の下部を通し、円盤型穿孔手段11にマルチフィルム2を被せるようにし、突出しているブレード16がマルチフィルム2に穿孔するようにする。そしてマルチフィルム2を、第三マルチフィルム押さえ54の下部に通し、ガイドパイプ52を下げると、第二マルチフィルム押さえ51が円盤型穿孔手段11の上部にくることとなる。
【0047】
上述の方法でマルチフィルム2をマルチフィルム穿孔装置1にセットした後は、マルチフィルム2を持ち、畝に沿ってマルチフィルム2を引き出すように歩くと、円盤型穿孔手段11が回転してマルチフィルム2に穿孔することとなる。
【0048】
次にマルチフィルム2を敷設し終わった後の片付けについて説明する。農地には通常、いくつか畝があって、1つの畝には2列の苗が植えつけられている。そして当該2列の苗の間には、マルチフィルム2で被覆した後でも農作物に水分が補給できるよう、灌水チューブが敷かれている。そこで畝の中央にあるマルチフィルム2をスリット孔3に沿ってはがす際に灌水チューブをマルチフィルム2と一緒に持ち、あおるようにして剥がすと、スリット孔3に沿ってマルチフィルム2を剥がすことができる。この作業によって株間のマルチフィルム2は剥がされているので、あとは畝の斜面に存在しているマルチフィルム2を片付ければよい。
【実施例1】
【0049】
以下に本発明の実施例について説明する。本実施例に示すマルチフィルム穿孔装置1は苺栽培に使用する際に使用される。苺栽培においては一つの畝に2列の苗が植えられているので、本実施例においては図2に示すように円盤型穿孔手段11を円盤回転軸支持部材25の両側に一つずつ設けるのが望ましい。
【0050】
これらの円盤型穿孔手段11相互の間隔はおおむね15cm〜30cmにするのが望ましく、農作物の間隔に合わせて調整することができる。
【0051】
円盤型穿孔手段11の円盤12には45度の間隔で8つのブレード16が取り付けられるのが望ましい。円盤型穿孔手段11には2つの円盤12が連結されるのが望ましく、これにより16個のブレード16がマルチフィルム2に穿孔するようになる。
【0052】
さらに2つの円盤のブレード16を連結する際に、ブレード16を円盤厚方向に交互に(22.5度ずれるように)設けることによって、円盤の外縁から突出するブレード16の間隔を狭めることができる。これにより、スリット孔3の間隔のパターンが豊富になり、農作物が植えられている間隔にあわせてブレード16を出し入れすることによって、マルチフィルム2に設けるスリット孔3の間隔を調整することができる。
【0053】
そして円盤12の直径は150〜250mmにするのが望ましいが、最も望ましくは212.2mmとするのが好ましい。この直径でそれぞれの円盤12に8個ずつブレード16を取り付けた場合に円盤型穿孔手段11は41.7mmの倍数の間隔でスリット孔3を穿設することができ、一般的な苗の植え付け間隔に適合したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】使用状態を表す全体図
【図2】組み立て図
【図3】正面図
【図4】側面図
【図5】ブレードユニットの全体図
【図6】円盤とその一部(A−A)断面図
【図7】ブレードを収納した円盤の内面図
【図8】B−B断面図
【図9】円盤型穿孔手段のブレードを突出させた状態図
【図10】ブレードの円盤回転方向反対面を前記スリット孔端面に当接させた状態図
【符号の説明】
【0055】
1 マルチフィルム穴あけ装置
2 マルチフィルム
3 スリット孔
3A スリット孔始縁
3B スリット孔終縁
4 支持台
10 ブレードユニット
11 円盤型穴あけ手段
12 円盤
13 ブレード収納部
14 ブレード押さえ
15 ブレード調節ネジ
16 ブレード
16A マルチフィルム切断部
16B マルチフィルム非切断部
17 円盤押さえネジ
18 円盤押さえネジ穴
19 ブレード収納ネジ穴
20 カバー
21 円盤回転軸穴
22 円盤回転軸
23 円盤回転軸受
24 円盤回転軸受押さえネジ
25 円盤回転軸支持部材
26 ブレードユニット固定ネジ
27 ロックピン
30 第一マルチフィルム押さえ手段
31 整張棒
32 整張棒位置調節手段
40 マルチフィルム支持部材
41 回転軸
42 回転軸留め
43 回転軸受け
44 フラボルト
50 第二マルチフィルム押さえ手段
51 第二マルチフィルム押さえ
52 カバーパイプ
53 第三マルチフィルム押さえ手段
54 第三マルチフィルム押さえ
61 側面フレーム
62 背面フレーム
63 下面フレーム
【出願人】 【識別番号】392013497
【氏名又は名称】ハラックス株式会社
【住所又は居所】群馬県渋川市990番地1
【出願日】 平成16年4月1日(2004.4.1)
【代理人】 【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘

【公開番号】 特開2005−287435(P2005−287435A)
【公開日】 平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願番号】 特願2004−108987(P2004−108987)