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【発明の名称】 つる性植物栽培用資材
【発明者】 【氏名】垣内 宗一

【要約】 【課題】つる性植物の地這い栽培において、下敷き用として用いられ、透水性に優れ、かつ雑草の成長を抑制すると共に、つるが巻きつきやすくて、風からつるや果実を効果的に守ることができる機能を有し、しかも耐久性に優れる上、敷設が簡単で、コストの低いつる性植物栽培用資材を提供する。

【解決手段】遮光率30%以上の透水性基布3の一方の面に、複数のテープヤーン4を実質上平行に浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部6を設けてなるつる性植物栽培用資材である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光率30%以上の透水性基布の一方の面に、複数のテープヤーンを実質上平行に浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部を設けたことを特徴とするつる性植物栽培用資材。
【請求項2】
実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンの間隔が50〜300mmである請求項1に記載のつる性植物栽培用資材。
【請求項3】
浮かし編みされたテープヤーンの編み込み部の長さが30〜200mmで、浮かせ部の長さが10〜300mmである請求項1又は2に記載のつる性植物栽培用資材。
【請求項4】
実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンにおける浮かせ部を、千鳥状に配置してなる請求項1、2又は3に記載のつる性植物栽培用資材。
【請求項5】
遮光率30%以上の透水性基布が、ポリエチレン製ラッセル編物である請求項1ないし4のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材。
【請求項6】
浮かし編みされてなるテープヤーンが、ポリプロピレン製テープヤーンである請求項1ないし5のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材。
【請求項7】
雑草の成長抑制機能を有する請求項1ないし6のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、つる性植物栽培用資材に関する。さらに詳しくは、本発明は、カボチャ、キュウリ、スイカ、メロンなどのつる性植物の地這い栽培において、下敷き用として用いられ、透水性に優れ、かつ雑草の成長を抑制すると共に、つるが巻きつきやすくて、風からつるや果実を効果的に守ることができる機能を有し、しかも耐久性に優れたつる性植物栽培用資材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カボチャ、キュウリ、スイカ、メロンなどのつる性植物の地這い栽培においては、例えば畝の両側にビニルシートなどの黒や緑色のシートを敷いて、雑草の繁茂を防止すると共に、伸びてくるつるを絡ませ、誘引するための目の粗いネットを、前記シートの上に広げて栽培を行っていた。
しかしながら、このような2種の資材を組み合わせて使用する方法では、敷設がやっかいであると共に、栽培コストが高くつくのを免れないなどの問題があった。
つる性植物の地這い栽培に用いられる資材に対しては、一般に、(1)透水性を有すること、(2)雑草の成長を抑制し得ること、(3)つるが巻きつきやすく、風からつるや果実を効果的に守ることができること、(4)耐久性に優れていること、などが要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような事情のもとで、カボチャ、キュウリ、スイカ、メロンなどのつる性植物の地這い栽培において、下敷き用として用いられ、透水性に優れ、かつ雑草の成長を抑制すると共に、つるが巻きつきやすくて、風からつるや果実を効果的に守ることができる機能を有し、しかも耐久性に優れる上、敷設が簡単で、コストの低いつる性植物栽培用資材を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するつる性植物栽培用資材を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、遮光率がある値以上の透水性基布の一方の面に、複数のテープヤーンを浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部を設けた資材が、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)遮光率30%以上の透水性基布の一方の面に、複数のテープヤーンを実質上平行に浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部を設けたことを特徴とするつる性植物栽培用資材、
(2)実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンの間隔が50〜300mmである上記(1)項に記載のつる性植物栽培用資材、
(3)浮かし編みされたテープヤーンの編み込み部の長さが30〜200mmで、浮かせ部の長さが10〜300mmである上記(1)又は(2)項に記載のつる性植物栽培用資材、
(4)実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンにおける浮かせ部を、千鳥状に配置してなる上記(1)、(2)又は(3)項に記載のつる性植物栽培用資材、
(5)遮光率30%以上の透水性基布が、ポリエチレン製ラッセル編物である上記(1)ないし(4)項のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材、
(6)浮かし編みされてなるテープヤーンが、ポリプロピレン製テープヤーンである上記(1)ないし(5)項のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材、及び
(7)雑草の成長抑制機能を有する上記(1)ないし(6)項のいずれかに記載のつる性植物栽培用資材、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、カボチャ、キュウリ、スイカ、メロンなどのつる性植物の地這い栽培において、下敷き用として用いられ、透水性に優れ、かつ雑草の成長を抑制すると共に、つるが巻きつきやすくて、風からつるや果実を効果的に守ることができる機能を有し、しかも耐久性に優れる上、敷設が簡単で、コストの低いつる性植物栽培用資材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のつる性植物栽培用資材は、つる性植物の地這い栽培における下敷き用として用いられる資材であって、遮光率30%以上の透水性基布の一方の面に、複数のテープヤーンを実質上平行に浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部を設けてなるものである。
前記基布の遮光率が30%未満では雑草の成長抑制効果が不十分である。雑草の成長抑制効果を考慮すると、該遮光率は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。また、その上限については特に制限はないが、透水性とのバランスの点から、通常95%程度である。基布の形態については、前記の遮光率を有すると共に透水性を有するものであればよく、特に制限されず、織布、編布、不織布のいずれも用いることができるが、これらの中で編布が、性能などの点から好ましい。編布の中でも、遮光率が90%以上と高く、かつ良好な透水性を有するラッセル編物が特に好適である。
図1は、ラッセル編物の一態様を示す斜視図であり、クサリ編みの糸1とテープヤーン2とから構成されている。このようなラッセル編物からなる基布の下では、一般的な植物は繁茂することが極めて困難であり(防草効果)、また、ネット状であるので、透水性及び通気性も良好であるため、保水効果に優れ、地温の急変動を和らげ、急乾防止など、栽培により適した環境を実現することができる。
【0007】
本発明においては、当該透水性基布の材質に特に制限はなく、従来農業用資材として慣用されている樹脂の中から任意のものを選択して用いることができるが、特にポリ塩化ビニル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂が加工性、耐候性、経済性、強度などの点から好適である。ここで、ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば数平均重合度が800〜2500程度、好ましくは1000〜1800の塩化ビニル単独重合体又は塩化ビニルを主体とする共重合体(例えば、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体など)、あるいはこれらの塩化ビニル単独重合体や共重合体を主体とする他の相溶性樹脂とのブレンド物などに、常用の可塑剤を配合して成る軟質ポリ塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル基重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。
これらの中で、廃棄した際の処理における環境汚染を考慮するとポリオレフィン系樹脂が好ましく、加工性などの点から、特にポリエチレンが好適である。また、ポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、耐久性を向上させるために、所望により、添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤などを配合することが好ましい。
当該透水性基布の色については特に制限はないが、保温性などの点から、黒に着色することができる。また、当該透水性基布の坪量は、通常60〜140g/m2程度、好ましくは100〜120g/m2である。
【0008】
本発明において、前記透水性基布の一方の面に、浮かし編みするのに用いられるテープヤーンは、幅が1〜20mmの範囲にあるものが好ましい。テープヤーンの幅が上記範囲にあれば、つるが絡まりやすく、かつ十分な強度を有し、切れにくい。好ましい幅は、5〜15mmである。
当該テープヤーンの材質に特に制限はないが、加工性、耐久性(耐候性、耐加水分解性など)、腰の強さ、経済性などの点から、前述のポリオレフィン系樹脂が好ましく、特に結晶性プロピレン系重合体が好ましい。この結晶性プロピレン系重合体としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらに前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
【0009】
当該テープヤーンにポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、耐久性を向上させるために、所望により、添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸着剤などを配合することが好ましい。
テープヤーンを作製するには、前記ポリオレフィン系樹脂と必要に応じて用いられる各種添加剤を、リボンブレンダー、バンバリミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機を用いて均質に配合し、樹脂配合物を調製したのち、公知の方法、例えばカレンダー法、押出成形法、溶液流延法などにより、厚さ10〜300μm程度、好ましくは30〜200μmのフイルム状に成形し、次いで、必要に応じ、一軸又は二軸延伸処理したのち、幅が1〜20mm程度、好ましくは5〜15mmになるように裁断することにより、所望のテープヤーンが得られる。なお、テープヤーンの長さについては、特に制限はない。
このテープヤーンの色に特に制限はないが、透水性基布の色と異なることが好ましく、基布が黒色の場合には、例えばシルバーが好ましい。このように、基布と色を変えることにより、当該テープヤーンは、敷設時や栽培時の目印となる。
シルバーは鳥や害虫よけになるので、テープヤーンが黒である場合には、基布の色はシルバーであることが好ましい。
【0010】
本発明は、このようにして得られたテープヤーンを複数用いて、透水性基布の一方の面に、実質上平行に浮かし編みして、つる性植物のつるを絡ませる浮かせ部を設ける。この実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンの間隔は特に制限はないが、通常50〜300mm程度であり、好ましくは70〜150mmである。そして、この実質上平行に浮かし編みされた複数のテープヤーンにおける浮かせ部を、千鳥状に配置することが好ましい。このように千鳥状に配置することにより、最大600mmまで伸びてくるつるを確実に絡ませることができる。前記間隔は、栽培するつる性植物の種類に応じて、前記範囲内で適宜選定される。
本発明においては、テープヤーンの編み込み部の長さは特に制限はないが、通常30〜200mm程度であり、また浮かせ部の長さも特に制限はないが、通常10〜300mm程度である。浮かせ部の長さが上記範囲にあれば、つるが絡まりやすく、下をくぐることが抑制される。好ましい浮かせ部の長さは30〜200mm、より好ましくは50〜100mmである。また、編み込み部の長さが上記の範囲にあれば、テープヤーンの固定が良好であり、風などで基布からテープヤーンが外れることが抑制される。好ましい編み込み部の長さは10〜200mm、より好ましくは30〜100mmである。
なお、本発明におけるテープヤーンの編み込みには、例えば、基布が不織布である場合には、熱融着などによるテープヤーンの固定も包含する。
【0011】
本発明のつる性植物栽培用資材においては、テープヤーンの浮かせ部の数については特に制限はないが、透水性基布1m2当たり、通常30〜500個程度であり、好ましくは70〜200個、より好ましくは100〜150個である。
図2は本発明のつる性植物栽培用資材の構成の一態様を示す平面図である。ネット状の透水性基布3に、複数のテープヤーン4が、実質上平行に編み込まれた状態が示されている。符号5は編み込み部、6は浮かせ部であり、該編み込み部5及び浮かせ部6は、それぞれ千鳥状に配設されている。
本発明のつる性植物栽培用資材は、編み込まれたテープヤーンが上になるように畑地に敷設し、この資材と共に土に穴を穿ち、つる性植物の苗を所定の間隔で植付けを行う。この際、つるが伸びる方向に、テープヤーンが実質上直角に編み込まれているように、資材の位置を調節することにより、伸びたつるは、テープヤーンの浮かせ部に良好に絡み、風からつるや果実が守られる。
前記資材は、遮光性が高いので雑草の成長が抑制されると共に、透水性及び通気性が良好であるので、保水効果に優れ、かつ地温の急変動を和らげ、急乾防止など、栽培により適した環境を実現することができる。
使用後は、つるを枯らせて毟り取る方法が一般的であるが、つるの絡む部分として、強度及び耐久性の高いテープヤーンが用いられており、また耐久性の高い基布が用いられているので、複数年利用が可能である。さらに、前記テープヤーンは、敷設時や栽培時の目印ともなる。
【実施例】
【0012】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
図1に示す幅200cm、長さ50mの黒色シート状のポリエチレン製ラッセル織物[ダイオ化成(株)社製、商品名「ダイオラッセル」、目付け=100g/m2]の一方の面に、幅2.5mmのポリプロピレン製テープヤーン[ダイオ化成(株)社製、商品名「ゼットヤーンPPテープ」]を10cm間隔で幅方向に平行に、編み込み部の長さが5cm、浮かせ部の長さが5cmになるように編み込みした。なお、編み込みは、各平行のテープヤーンにおける編み込み部及び浮かせ部が、図2に示すように、それぞれ千鳥状になるように行った。
このようにして、本発明のつる性植物栽培用資材を作製した。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明のつる性植物栽培用資材は、つる性植物の地這い栽培において下敷き用として用いられ、透水性に優れ、かつ雑草の成長を抑制すると共に、つるが巻きつきやすくて、風からつるや果実を効果的に守ることができる機能を有し、カボチャ、キュウリ、スイカ、メロンなどの栽培に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ラッセル織物の一態様を示す斜視図である。
【図2】本発明のつる性植物栽培用資材の構成の一態様を示す平面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 クサリ編みの糸
2、4 テープヤーン
3 透水性基布
5 編み込み部
6 浮かせ部
【出願人】 【識別番号】390028451
【氏名又は名称】ダイオ化成株式会社
【出願日】 平成16年3月31日(2004.3.31)
【代理人】 【識別番号】100075351
【弁理士】
【氏名又は名称】内山 充

【公開番号】 特開2005−278589(P2005−278589A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−101750(P2004−101750)