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【発明の名称】 緑化用マット、緑化用資材、及び緑化用パネル
【発明者】 【氏名】東海林 稔
【住所又は居所】東京都中央区日本橋浜町1−2−1 日東紡績株式会社内

【氏名】西塔 幸由
【住所又は居所】東京都板橋区富士見町5番4号 株式会社昭和コーポレーション内

【氏名】清末 浩史
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目7番1号 川鉄商事株式会社内

【要約】 【課題】作製の効率化、及び保水性の向上を図ることが可能な緑化用マット、該緑化用マットを備えた緑化用資材、及び該緑化用資材を備えた緑化用パネルを提供する。

【解決手段】緑化用マット13は、ロックウールを主材とする細長のランダムウェブを複数積層して5cm〜15cmの積層厚に形成されており、該ランダムウェブの積層方向に略平行な一対の主面21,22を有するロックウールマット2と、ロックウールマット2の積層方向にある一対の端面23,24の一方24に貼付された不透水性シート3と、を備え、ロックウールマット2の一対の主面21,22の一方21を、植物の生育が行われる植生面とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックウールを主材とする細長のランダムウェブを複数積層して5cm〜15cmの積層厚に形成されており、該ランダムウェブの積層方向に略平行な一対の主面を有するロックウールマットと、
前記ロックウールマットの前記積層方向にある一対の端面の一方に貼付された不透水性シートと、を備え、
前記ロックウールマットの前記一対の主面の一方を、植物の生育が行われる植生面とすることを特徴とする緑化用マット。
【請求項2】
請求項1記載の複数の緑化用マットと、
前記複数の緑化用マットを一体化するための一体化シートと、を備え、
前記複数の緑化用マットのうち隣接する一の緑化用マットと他の緑化用マットとは、該一の緑化用マットの不透水性シートが該他の緑化用マットの不透水性シートが設けられていない方の端面に接するように積層されており、
前記複数の緑化用マットは、前記一対の主面のうち他方の主面が前記一体化シートに貼付されて一体化されていることを特徴とする緑化用資材。
【請求項3】
請求項2記載の緑化用資材と、
前記緑化用資材を格納する穴の開いた箱体と、
を備えることを特徴とする緑化用パネル。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化用マット、緑化用資材、及び緑化用パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁や高速道路の遮音壁を緑化するための手段として、植物を生育させた培地をパネル基体に格納した緑化用パネルが知られている。例えば、下記特許文献1に開示された緑化用パネルでは、植物が生育したマット状無土壌培地の四周端面を給排水材により囲み、該給排水材をパネル基体に嵌め込み、該パネル基体に蓋体をさらに嵌め込むことにより、緑化用パネルを作製している。上記の緑化用パネルを、水源が確保できない場所、特にメンテナンスが困難な場所での略垂直な壁面に設置することにより、壁面の緑化を行っている。なお、上記のマット状無土壌培地は、基盤となる支持基盤層と、植物の生育をコントロールする生育コントロール層とから構成されている。さらに、生育コントロール層は、不織布をフエルト間に挟み込んだ構成となっている。
【特許文献1】特開平8−311878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した緑化用パネル内のマット状無土壌培地では、以下の問題点があった。すなわち、マット状無土壌培地を作製するのに必要な部材の数が多いこと、及びマット状無土壌培地の構造が複雑であることから、マット状無土壌培地の作製効率が悪いという問題点があった。また、このマット状無土壌培地は、雨水を吸収して貯留することが難しく、保水性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、作製の効率化、及び保水性の向上を図ることが可能な緑化用マット、該緑化用マットを備えた緑化用資材、及び該緑化用資材を備えた緑化用パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る緑化用マットは、ロックウールを主材とする細長のランダムウェブを複数積層して5cm〜15cmの積層厚に形成されており、該ランダムウェブの積層方向に略平行な一対の主面を有するロックウールマットと、ロックウールマットの積層方向にある一対の端面の一方に貼付された不透水性シートと、を備え、ロックウールマットの一対の主面の一方を、植物の生育が行われる植生面とすることを特徴とする。
【0006】
この緑化用マットは、植物の培地となるロックウールマットと、保水性を向上させるための不透水性シートとを備えて構成されているため、部材の数を少なくすることができ、作製の効率化が図られる。また、不透水性シートの側を下にして壁面や傾斜面等に使用することにより、ロックウールマット内の水分が抜けにくくなり、保水性が向上する。また、ロックウールマットの積層厚を5cm〜15cmとすることにより、水分をロックウールマット内部のほぼ全域に行き渡らせることができる。これにより、雨水を十分に利用して、給水設備なしで或いは簡単な給水設備で緑化が可能となる。さらに、植生面がランダムウェブの積層方向に略平行であるため、植物の根がランダムウェブの層と層の間に奥まで入り込みやすく根つきが良くなる。この結果、植物がロックウールマットにしっかりと固定される。
【0007】
本発明に係る緑化用資材は、上記した複数の緑化用マットと、複数の緑化用マットを一体化するための一体化シートと、を備え、複数の緑化用マットのうち隣接する一の緑化用マットと他の緑化用マットとは、該一の緑化用マットの不透水性シートが該他の緑化用マットの不透水性シートが設けられていない方の端面に接するように積層されており、複数の緑化用マットは、一対の主面のうち他方の主面が一体化シートに貼付されて一体化されていることを特徴とする。
【0008】
この緑化用資材では、一体化シートにより複数の緑化用マットが一体化されるため、取り扱い性が向上する。また、隣接する一の緑化用マットと他の緑化用マットとを、一の緑化用マットの不透水性シートが他の緑化用マットの不透水性シートが設けられていない方の端面に接するように積層することで、各緑化用マットについて保水性が確保される。
【0009】
本発明に係る緑化用パネルは、上記の緑化用資材と、緑化用資材を格納する穴の開いた箱体と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この緑化用パネルでは、上記の緑化用資材を箱体に格納してパネル化することで、取り扱い性及び施工性の向上が図られる。尚、箱体は、例えば上端が開口された箱体本体部と、該箱体本体部の上端をふさぐ金網等の網体とで構成すると好ましい。箱体本体部は、例えばパンチングメタルから構成すると好ましい。このように箱体が穴を有することで、この穴を通して雨水等の水分を緑化用マットに給水することができる。この緑化用パネルによれば、建物の外壁や高速道路の遮音壁等を緑化する場合に、このパネルを敷き詰めるだけでよく、垂直な壁面や傾斜面に対しての緑化が容易になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作製の効率化、及び保水性の向上を図ることが可能な緑化用マット、該緑化用マットを備えた緑化用資材、及び該緑化用資材を備えた緑化用パネルが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る緑化用マット、緑化用資材、及び緑化用パネルの好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る緑化用パネルを示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る緑化用パネルの構成を示す分解斜視図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、緑化用パネル1は、緑化用資材12と、緑化用資材12を格納する箱体5,52と、を備えている。
【0015】
緑化用資材12は、図3に示すように、複数の緑化用マット13と、複数の緑化用マット13を一体化するための一体化シート4と、を備えている。
【0016】
各緑化用マット13は、図4に示すように、ロックウールマット2と、不透水性シート3とを備えて構成されている。
【0017】
ロックウールマット2は、ロックウールを主材とする細長のランダムウェブを複数積層して5cm〜15cmの積層厚Tに形成されている。このロックウールマット2は、ランダムウェブの積層方向に略平行な一対の主面21,22と、ロックウールマット2の積層方向にある一対の端面23,24とを有している。
【0018】
このロックウールマット2の密度は、30kg/m〜200kg/mであると好ましい。密度が30kg/mより低いと、マットが柔らかくなって形を保つことが難しくなり、一方、200kg/mより高いと、マットが硬くなって植物の根が内部に入りにくくなるためである。
【0019】
ここで、本実施形態では、ロックウールマット2の一対の主面21,22の一方21が、植物の生育が行われる植生面とされる。植生面は、ランダムウェブの積層方向に略平行であるため、すなわち、細長のランダムウェブの側縁が積み重なって植生面が形成されているため、植物の根がランダムウェブの層と層の間に奥まで入り込みやすく根つきが良くなる。その結果、植物をロックウールマット2にしっかりと固定することが可能となる。なお、植生面に生育させる植物としては、乾燥に強い植物であればよく、一年を通して枯れない植物が好ましい。特に、コケ類やセダム類が好ましい。コケ類としては、例えば、スナゴケまたはハイゴケが好ましい。
【0020】
また、ロックウールマット2は、水分との親和性を高める親水化剤を用いて親水化されているのが好ましい。親水化剤としては、高級アルコール系、アルキロールアミド系、脂肪酸エステル系、ポリアルキレングリコール系等が挙げられる。このようにロックウールマット2が親水化されていることで、ロックウールマット2の表面に付着した雨水が、内部の奥まで拡散されて保持されることとなる。
【0021】
このロックウールマット2は、例えば次のようにして作製することができる。まず、図5(a)に示すように、ロックウールを主材とするランダムウェブ2Aを用意する。次に、図5(b)に示すように、用意したランダムウェブ2Aを多層に折り畳んで積層させ、ランダムウェブ積層体2Bを得る。次に、図5(c)に示すように、得られたランダムウェブ積層体2Bを矢印の方向に圧縮し、ランダムウェブ圧縮体2Cを得る。最後に、図5(d)に示すように、得られたランダムウェブ圧縮体2Cを、積層厚Tが5cm〜15cmになるように、所定の寸法に切削加工する。
【0022】
不透水性シート3は、図4に示すように、ロックウールマット2の一対の端面23,24の一方24に貼付されている。この不透水性シート3は、水分を透過しないシートであれば特に限定されず、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリルなどが用いられる。不透水性シート3の厚さは、15μm〜200μmであると好ましい。
【0023】
緑化用資材12は、図3に示すように、上記した緑化用マット13を複数積層して構成されている。このとき、複数の緑化用マット13のうち隣接する一の緑化用マット13と他の緑化用マット13とは、該一の緑化用マット13の不透水性シート3が、他の緑化用マット13の一対の端面のうち不透水性シート3が設けられていない方の端面23に接するように積層されている。本実施形態では、このようにして4つの緑化用マット13が積層されている。積層された複数の緑化用マット13は、それぞれ植生面となる主面21と対向する他方の主面22が一体化シート4に貼付されて、一体化されている。この一体化シート4は、透水性のシートでも不透水性のシートでもよく、不織布、合成樹脂製シート、フィルムなどが用いられる。このように一体化された状態で、緑化用資材12全体として、植生面は略正方形状をなす。
【0024】
このように構成された緑化用資材12が、図1及び図2に示すように、箱体5,52内に格納され、パネル化されている。箱体5,52は、上端が開口された箱体本体部5と、箱体本体部5の上端をふさぐ金網等の網体52とを有している。箱体本体部5は、緑化用資材12と略同一の外形を有している。この箱体本体部5を形成する材料としては、例えばステンレス製のパンチングメタルを用いるのが好ましい。このように、箱体5,52が穴を有することで、この穴を通して雨水等の水分を、緑化用資材12に給水することができる。
【0025】
次に、本実施形態に係る緑化用パネル1、緑化用資材12、及び緑化用マット13の作用及び効果について説明する。
【0026】
本実施形態に係る緑化用パネル1は、図1及び図2に示すように、不透水性シート3の側が下になるようにして、壁面や傾斜面等に敷き詰めて使用される。このとき、不透水性シート3が下方への水分の抜けを防止するため、保水性が向上する。また、ロックウールマット2の積層厚Tは5cm〜15cmであるため、不透水性シート3により下方への抜けが防止されてロックウールマット2内に溜まった水分を、ロックウールマット2内部のほぼ全域に行き渡らせることができる。その結果、雨水を十分に利用することができ、給水設備を設置せず或いは簡単な給水設備を設置するだけで緑化することが可能となる。なお、積層厚Tが15cmより厚いと、ロックウールマット2の上部にまで水分を行き渡らせることが難しくなり、不透水性シート3が設けられていない方の端面23近傍部分の水分率が低下してしまう。一方、積層厚Tが5cmより薄いと、水分率の均一化及び保水性の向上がなくなってしまう。
【0027】
特に、緑化用資材12において、図3に示すように、隣接する一の緑化用マット13と他の緑化用マット13とは、一の緑化用マット13の不透水性シート3が、他の緑化用マット13の不透水性シート3が設けられていない方の端面23に接するように積層されているため、複数の緑化用マット13を積層した場合であっても、各緑化用マット13内における保水性が確保される。
【0028】
また、本実施形態に係る緑化用マット13では、複数の緑化用マット13は、植生面となる主面21と対向する他方の主面22に一体化シート4が貼付されて一体化されている。これにより、取り扱い性の向上が図られる。
【0029】
また、箱体5,52内に緑化用資材12を格納してパネル化することで、取り扱い性及び施工性を向上させることができる。これにより、建物の外壁や高速道路の遮音壁等を緑化する場合に、この緑化用パネル1を敷き詰めるだけでよくなり、垂直な壁面や傾斜面に対しての緑化が容易になる。
【0030】
また、本実施形態に係る緑化用マット13は、ロックウールマット2と、保水性を向上させるための不透水性シート3とを備えて構成されるため、緑化用マット13を作製するために用意すべき部材の数を少なくすることができ、作製の効率化が図られる。さらに、植生面がランダムウェブの積層方向に略平行であるため、植物の根がランダムウェブの層と層の間に奥まで入り込みやすく根つきが良くなる。この結果、植物がロックウールマットにしっかりと固定される。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、緑化用資材12が備える緑化用マット13の数については、上記した実施形態では4つとしたが、任意の数を選択して良い。
【0032】
また、上記した緑化用資材12はそれ単体で使用することができ、また緑化用マット13もそれ単体で使用することができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
まず、ロックウールを主材とするランダムウェブを複数積層して、密度が80kg/mのロックウールマット2を得た。次に、ロックウールマット2を、積層厚15cm、長さ60cm、幅5cmに切削加工した。そして、ロックウールマット2の積層方向にある一対の端面23,24の一方24に、厚さ15μmのポリエチレン製シート3(不透水性シート)を貼付して、緑化用マット13を得た。
【0035】
上記のようにして得られた緑化用マット13を、4つ用意した。次に、これら4つの緑化用マット13を、一の緑化用マット13の不透水性シート3が、他の緑化用マット13の不透水性シート3が設けられていない方の端面23に接するように積層した。次に、一対の主面21,22のうち植生面としない方の主面22に、不織布4(一体化シート)を貼付することにより一体化して、積層厚60cm、長さ60cm、幅5cmの緑化用資材12を得た。
【0036】
さらに、このようにして得られた緑化用資材12の不織布4(一体化シート)を貼付した主面22の反対側の主面21(植生面)に、コケの種を蒔いて、コケを生育させ密生させた。次に、これをステンレス製のパンチングメタルで作られた穴の空いた容器5(箱体本体部)に入れ、メッシュの網目が20mm×20mmの金網製の蓋52(網体)により蓋をして、緑化用パネル1を得た。
【0037】
この緑化用パネル1を、略垂直な壁面に敷き詰めて並べることにより、緑化を容易に実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る緑化用パネルを示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る緑化用パネルの構成を示す分解斜視図である。
【図3】本実施形態に係る緑化用資材の構成を示す分解斜視図である。
【図4】本実施形態に係る緑化用マットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】緑化用マットが有するロックウールマットの作製方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1…緑化用パネル、12…緑化用資材、13…緑化用マット、2…ロックウールマット、2A…ランダムウェブ、2B…ランダムウェブ積層体、2C…ランダムウェブ圧縮体、21,22…主面、23,24…端面、3…不透水性シート、4…一体化シート、5…箱体本体部、52…網体。
【出願人】 【識別番号】000003975
【氏名又は名称】日東紡績株式会社
【住所又は居所】福島県福島市郷野目字東1番地
【識別番号】391039302
【氏名又は名称】株式会社昭和コーポレーション
【住所又は居所】東京都板橋区富士見町5番4号
【識別番号】591134122
【氏名又は名称】JFE商事株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2−7−1
【出願日】 平成16年3月25日(2004.3.25)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆

【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹

【公開番号】 特開2005−270020(P2005−270020A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−89849(P2004−89849)