| 【発明の名称】 |
野菜栽培用容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】深沢 幸雄
【氏名】相良 京助
【氏名】横山 勇一郎
【氏名】吉田 政和
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| 【要約】 |
【課題】従来の発泡ポリスチレン製野菜栽培用容器では、野菜が生育したときの栽培根の侵入し易いことに鑑み、発泡成形体を被覆する或いは他の材質の容器を併用するといった複数の樹脂を組み合わせることなく、発泡成形体単独でも根の侵入がほとんど発生せず、かつ繰り返し使用に耐えうる容器を提供すること。
【解決手段】ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の野菜栽培用容器であって、野菜栽培室の少なくとも底面における金型の蒸気投入孔の開口面積が底面の全面積の3%以上とし、コアベントであれば、スリット幅や、ベントホールの直径を大きくすること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる野菜栽培用容器において、野菜栽培室の少なくとも底面を形成する金型の蒸気投入孔の開口面積比率が3%以上である金型によって発泡成形されたことを特徴とする発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培容器。 【請求項2】 前記金型の蒸気投入孔が、スリット幅が0.4mm以上であるスリットタイプ及び/又は、ベントホールの直径が1.0mmφ以上であるレンコンタイプの直径4mm〜20mmコアベントであることを特徴とする請求項1に記載の発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培容器。 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜2何れか一項に記載の発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培用容器。 【請求項4】 前記ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度が0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることを特徴とする請求項3記載の発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培用容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、発泡ポリオレフィン系発泡体からなる野菜栽培容器に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、カイワレ、大豆もやし、あずきもやし、そばもやしなどの栽培用容器に合成樹脂または発泡スチレン製の容器を使用し、該容器を野菜が販売される単位の栽培室となるように区画し、該栽培室の底に軟質発泡ウレタンマットなどを敷き、水または液肥を浸潤させて播種し、育苗することが行われて来た。 【0003】 該栽培容器で広く使用されている材質は、ビーズ法型内成形によって得られる発泡ポリスチレンである。しかし、これまで長年使われて来た発泡ポリスチレン製の栽培用容器は、繰り返し使用しているうちに、成長した野菜の根、即ち、栽培根が栽培用容器内へ侵入すると言う大きな問題があった。栽培根の栽培用容器内への侵入は、根切りによる商品価値の低下ばかりか、切れて栽培用容器中に残った根が雑菌の繁殖により腐敗し、連作障害を起こす、またこのために塩素などの薬液処理や蒸気室で63℃以下にして数時間の殺菌を必要とする、さらに液肥が根で破壊された発泡体中の微細セル内に侵入し洗浄されずに残存し、次回に播種した野菜の育苗に悪影響を及ぼすなどの問題を発生させていた。 【0004】 そこで、栽培根が発泡体に侵入することを防ぐために種々の手段が考案されている。 【0005】 例えば、発泡ポリスチレン製容器の栽培室の表面をあとから塗材で被覆する方法が挙げられる(例えば特許文献1、2参照)。これらはそれぞれ発泡ポリスチレン製容器の表面をポリ塩化ビニリデンラテックスを塗布したり、ウレタンエラストマースプレー法によってウレタン被膜の形成させるものである。しかしながら、これらの方法においては、表面の被覆材の亀裂・剥離等が起こる、また、製造工程においては、硬化乾燥工程が増える為、工程が煩雑となる、更には、材料増・工程増に伴いコストが上昇する、という問題がある。 【0006】 ビーズ法型内成形法で発泡ポリスチレン製容器を製造する際に、金型中に予め成形された薄膜成形体を挿入し密着させておき、ここに発泡ポリスチレンの原料となる発泡粒子を充填して、加熱発泡させて該薄膜成形体が発泡ポリスチレン製容器の栽培室に一体的に融着して形成された栽培用容器が提案されている(特許文献3)。この方法においては、薄膜成形体の作製費用、薄膜成形体を金型に挿入密着させる場合の手段が人の手によるのであれば発泡成形時に金型に挟まれる危険があることと成形サイクルが極端に低下すること、自動挿入装置によれば大型投資となり償却回収が厳しくなる課題がある。 【0007】 発泡ポリスチレン製容器の栽培室または容器の全栽培室を連結した形状と同型のもの、あるいは区画された単独の栽培用容器を、薄肉の合成樹脂で真空成形させ、これを、発泡ポリスチレン製容器に落とし込む方法等も提案されている(特許文献4、5、6,7)。これらの方法については、発泡ポリスチレン製容器以外に薄肉合成樹脂の真空成形品が必要になること、発泡体容器と真空成形品とが挿入密着させてあっても僅かな隙間があり、洗浄してもここに液肥や野菜の根切れが残り雑菌が発生する原因となり、連作障害となる可能性がある。また、収穫後、真空成形品を発泡体容器から外して2つとも洗浄し再度挿入密着することは可能であるが、二度手間であり、真空成形品が割れる頻度も高まる。さらに、真空成形品を栽培兼出荷容器として使用する方法は栽培時の液肥の残滓や植物の排泄カスなどの汚れを落とすことが難しく、洗浄不充分となり消費者に好まれない。 【0008】 発泡ポリスチレンあるいは発泡塩化ビニリデンなどの非晶性樹脂による発泡体による栽培容器の表面が撥水性物質で被覆する手段とビーズ法型内成形における金型に付いた無数の蒸気投入孔(コアベント)の配置間隔を狭くする手段とを組み合わせることで、栽培容器内への水または液肥の侵入を制限し、かつ栽培根の発泡粒子間への侵入を阻止する方法がある(特許文献8)。 【0009】 特許文献8は栽培根が栽培用容器体内に侵入する理由の1つとして、栽培用容器は無数の発泡粒子が相互に熱融着して形成されており、発泡粒子間の微細な隙間が吸水してここに根が侵入することを挙げ、その対策として撥水性物質を発泡前の発泡性熱可塑性樹脂粒子または予備発泡粒子の表面に被覆し、結果として成形体スキン面と水との接触角が75゜〜90゜となるように表面を改質することを提案している。さらに、発泡粒子間の微細な隙間をより小さくするために、型内発泡成形法における金型表面に付いた加熱水蒸気導入口(蒸気投入孔またはコアベント)の中心間距離をコアベント外径の1.5〜4倍とすることを提案しており、これと前記撥水性物質の被覆を必須としてその付帯条件として採用している。その他、発泡体がスチレン系樹脂や塩化ビニリデン系の樹脂などの非晶性樹脂の型内発泡成形品からなることが、成形加熱温度と時間の適正領域が広く安定して発泡粒子間の隙間が微細なものが得られるとして、非晶性樹脂を最も好ましい樹脂としている。実施例においても、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレンなどの多元共重合体樹脂を採用している。本技術は、発泡粒子間への栽培根の侵入に対してはある程度効果を発揮しているが、実際には、繰り返し使用して行くうちに、発泡粒子の表面膜に傷が入り、そこからも栽培根の侵入し、発泡粒子内にある無数の発泡セルの膜を貫通して侵入していることが分かった。また、撥水性物質の効果が長期に渡って持続出来るのかも疑問がある。従って、発泡ポリスチレン製栽培用容器の表面に撥水性物質を被覆し、かつ熱融着を向上させただけでは長期に渡って根が侵入しないとは言い難い。また、発泡体粒子間の微細な隙間をより小さくするために、型内発泡成形法における金型表面に付いた加熱水蒸気導入口(蒸気投入孔またはコアベント)の中心間距離をコアベントの外径の1.5〜4倍とすることを提案している。コアベントの中心間距離をコアベントの外径の1.5倍とすることは、金型表面が強度の弱いコアベントで多数開口されて、強度上の課題が発生して来るので、出来れば避けたいものである。 【0010】 また、上述の栽培用容器への栽培根の侵入以外に、本質的に、発泡ポレスチレンは、傷付き易いこと、一度凹むと戻らないこと、衝撃に弱く割れ易いこと、洗浄・播種・収穫の工程を何度も繰り返すので、耐久性にも課題がある。 【特許文献1】実開平06−41455号公報 【特許文献2】特開平05−98052号公報 【特許文献3】特開平06−292466号公報 【特許文献4】特開平05−84026号公報 【特許文献5】実開平07−7398号公報 【特許文献6】特開平08−98631号公報 【特許文献7】特開平08−187181号公報 【特許文献8】特開平10−56895号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明は、従来の発泡ポリスチレン製野菜栽培用容器では、野菜が生育したときの栽培根の侵入し易いことに鑑み、発泡成形体を被覆する或いは他の材質の容器を併用するといった複数の樹脂を組み合わせることなく、発泡成形体単独でも根の侵入がほとんど発生せず、かつ繰り返し使用に耐えうる容器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0012】 以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意検討の結果、野菜栽培用容器を構成する樹脂発泡体としてビーズ法型内成形法によって成形するポリオレフィン系樹脂系発泡体を採用し、かつ、野菜栽培用容器の野菜栽培室の少なくとも底面における金型の蒸気投入孔の開口面積比率が底面の排水穴を除く面積との面積比で3%以上である金型によって発泡成形すれば野菜の栽培根の侵入が大幅に減少することを見出した。 【0013】 即ち本発明の第1は、ビーズ法型内成形法によって得られるポリオレフィン系樹脂発泡体からなる野菜栽培用容器において、野菜栽培室の少なくとも底面を形成する金型の蒸気投入孔の開口面積比率が3%以上である金型によって発泡成形されたことを特徴とする発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培容器に関する。 【0014】 好ましい実施態様としては、 (1)前記金型の蒸気投入孔がスリット幅が0.4mm以上であるスリットタイプ及び/又は、ベントホールの直径が1.0mmφ以上であるレンコンタイプの直径4mm〜20mmコアベントであることを特徴とする、 (2)ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂であり、好ましくは密度が0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることを特徴とする、 前記記載の発泡ポリオレフィン系樹脂製野菜栽培用容器に関する。 【発明の効果】 【0015】 発泡加熱条件を上げなくても、単独で使用しても栽培根の侵入をほとんど発生させない野菜栽培用容器を得ることが出来た。そのため、従来から使用されている発泡ポリスチレン製の野菜栽培用容器よりも繰り返し使用の回数を大幅に向上させることが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明の野菜栽培用容器は、培地が土壌から人工土壌あるいは水耕であっても使用でき、野菜の種類を限定するものではないが、市場の動向を鑑みると、水耕栽培用容器に適すると思われる。栽培に適した野菜は特に限定はないが、大豆、小豆、マッぺ 、エンドウ(いわゆる、もやし、豆苗)、大根(貝割れ大根)、ラディッシュ、ブロッコリー、マスタード、ランドクレス、レッドキャベツ、アルファルファ、レッドクローバー、紅タデ、コメ、ソバ等の野菜の新芽、所謂スプラウトを栽培するために好適である。 【0017】 即ち、栽培根を栽培用容器内に侵入させない為には、(1)発泡粒子間の隙間をなくす、(2)栽培用容器を構成する発泡成形体の表面のスキン層にも栽培根が侵入しないようにする、ことが重要である。 【0018】 発泡粒子間の隙間をなくすために、本発明においては、野菜栽培室の少なくとも底面を形成する金型の蒸気投入孔の開口面積比率が3%以上であることが必要であり、好ましくは5%以上、更に好ましくは8%以上である。開口面積比率の上限については、金型の強度上の問題を踏まえたスリットの打設個数及びコアベント自体の開口面積比率に基づき、且つその時の成形品の加熱による変形程度に従って決められる。 【0019】 また、金型の蒸気投入孔の開口面積比率を3%以上とする手段として、種々の手法をとりうるが、開孔率の大きいコアベントを使用することが好ましい。コアベントは、一般的には、真鍮製の丸くて空洞のあるキャップ状の部品であり、直径が4mm以上20mm以下であることが好ましい。 【0020】 コアベントには大きく分けて、スリットタイプとレンコンタイプが挙げられる。図3に示すようなスリットタイプのコアベントを使用した場合、スリット幅を好ましくは0.4mm以上とし、更に好ましくは0.5mmであり。図4に示すようなレンコンタイプのコアベントを使用する場合、ベントホール穴の直径が好ましくは1.0mm以上であることが好ましい。これらのコアベントは単独で使用することも出来るが、コアベントの径、孔の形状が異なるものを併用してもよい。中でもスリットタイプのコアベントを使用することがより大きな開口面積比率を得ることが出来るため好ましい。 【0021】 本発明においては、発泡ポリオレフィン系樹脂を採用するため、コアベントを多く設けずとも、大きな開孔を有するコアベントを採用することが可能となった。発泡ポリスチレンは含有する揮発性成分による2時発泡力が大きいためにスリット間隔を極度に狭めなくとも表面は良好に伸びる。一方は発泡ポリオレフィンは、空気による2次発泡力によるため弱く、より蒸気量を多くしないと良好な表面性が得られない。 【0022】 次に栽培用容器を構成する発泡成形体の表面のスキン層にも栽培根が侵入しないようにする為の基本的手段として、発泡粒子表面が傷つき難い性質をもつ素材樹脂による発泡体を選定した。 【0023】 本発明においては粘りがある樹脂によるポリオレフィン系樹脂発泡体を選択した。栽培根の侵入は最終的には、硬さよりも粘りの方が重視されると思われる。 【0024】 本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、エチレン,プロピレン,ペンテン,へプテン,オクテンなどの炭素数2〜8のαオレフィンモノマーやノルボルネン系などの環状オレフィンモノマーを単独または2種以上を重合した樹脂かこれを主成分として含有する樹脂を指すが、本発明のように、ビーズ法型内成形法を用いて発泡成形される野菜栽培用容器とすれば、すでに汎用化した樹脂である、ポりエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン改質ポリオレフィン樹脂などの予備発泡粒子による発泡体が好適に使用できる。 【0025】 スチレン改質ポリオレフィン樹脂は、オレフィン含量が30%以上であるものが好ましく更に好ましくは50%以上である。当該範囲の組成を有すスチレン改質ポリオレフィン樹脂は粘り強さが発揮する傾向にある。 【0026】 ポリプロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ブテン−プロピレンのランダムまたはブロック共重合体、ブテン−エチレン−プロピレンのランダムまたはブロック共重合体などがあるがこれらの架橋樹脂でも良い。中でも、エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂が性能、コストにおいて好ましい。さらには、エチレンのプロピレンに対する含有量が1〜5重量%のポリプロピレン系樹脂が硬質で粘り強い性能が見込まれ、予備発泡性、成形性の点で好適である。 【0027】 上記ポリオレフィン系樹脂の内、樹脂の粘り、剛性、また、廃棄処分の観点から、好ましい樹脂は、ポリプロピレン系樹脂である。ポリプロピレン系樹脂発泡体の密度は0.018g/cm3以上0.3g/cm3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.025g/cm3以上0.06g/cm3以下がである。当該範囲内であると性能・経済性から良く、0.018g/cm3以上であれば、発泡体表面のスキン層の剛性が向上する傾向にある。また、0.3g/cm3以下であると、成形が容易で、安価な野菜栽培用容器が得られる傾向にある。 【0028】 本発明におけるビーズ法型内成型法とは、予備発泡粒子(発泡ビーズ)を所望の形状を有した金型内に充填し、蒸気で加熱し、2次発泡させて粒子間の空隙を埋め、粒子を相互に融着させた後、冷却して成形する方法のことである。ここで言う原料となる予備発泡粒子は、例えば、ポリオレフィン系樹脂の場合はラージペレットを押出機のスクリュウで加熱混練しながら糸状に押出し、これをカットしてスモールペレットを得、次に、密閉耐圧容器内で水系媒体に分散剤により分散させ、揮発性発泡剤を加え、ペレットの軟化温度以上の発泡温度にまで加熱し、前記密閉耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気下に放出して得ることができる。 【0029】 また、スチレン改質ポリオレフィン樹脂であれば、含有するポリスチレンにブタンなどの発泡性揮発剤を相溶させ、かつ残存させることが可能で、ビーズ法発泡スチレン(EPS)と同じく予備発泡機内で、原料粒子に蒸気を通ずるだけで予備発泡粒子を得ることが出来る。 【実施例】 【0030】 以下に実施例を挙げて本発明の態様をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。 (金型の作製)本発明の効果を確認するために作製した金型 図1は本発明におけるカイワレ栽培根の侵入状況を確認するために作製した金型により成形された野菜栽培用容器の斜視図である。野菜栽培用容器の形状は、入手した従来の発泡ポリスチレン製の区画された多数の栽培室を持つ野菜栽培用容器の栽培室部分だけを残し、容器上層部は削除した形状とした。各栽培室底面の実寸法は65×65mm2である。5つの排水穴を除く底面積は3680mm2であった。図2は平面図と側面図である。 (カイワレ栽培テスト) 比較例1および実施例1〜7の野菜栽培用容器を用いて、カイワレの栽培テストを実施した。カイワレの種を3日間水に浸し、1中夜ザルで水切りして発芽させ、野菜栽培テスト容器の栽培室の底に65×65×5mmの軟質ウレタンマットを吸水させて敷き、この上に発芽したカイワレの種を一様に1層となるよう播種して、暗室に設置し、朝と夜の2回/日、水と液肥の撒布を行って栽培し、播種から5日後で約7cm程度に生育するが、双葉を緑化させるため2日間日光に曝して後、収穫して根の発泡体内への侵入を評価した。この栽培工程を1サイクルとして、根の侵入の確認しながら、多いもので50回繰り返した。 (ポリプロピレン系発泡体の準備) 発泡成形に供する本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体として、エチレン分3.2wt%含有のエチレン−プロピレンランダムコポリマーによる発泡体を採用した。まず該ランダムコポリマーのラージペレットを押出機のスクリュウで加熱混練しながら糸状に押出し、これをカットしてスモールペレットを得、次に、密閉耐圧容器内で水系媒体に分散剤により分散させ、揮発性発泡剤を加え、ペレットの軟化温度以上の発泡温度にまで加熱し、前記密閉耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気下に放出して発泡倍率30倍予備発泡粒子を得た。 【0031】 予備発泡粒子に発泡成形機の金型内での二次発泡力を確保するために、上述の30倍予備発泡粒子を空気加圧タンクに投入し、8kg/cm2の空気圧力で1.0Hr空気含浸処理した。次に、無数のセル内に空気が含浸された予備発泡粒子を、開閉可能な野菜栽培用容器の金型内で発泡成形する。以下の比較例1と実施例1〜4は、同時に成形されるが、まず金型を閉じ、該金型の空間部に該予備発泡粒子を充填し、金型周囲に設置された蒸気室から金型表面に配置されたコアベントから蒸気を金型内に投入し、発泡させて充填粒子間にあった空隙部を埋め粒子どうしを溶融固着させ、冷却後金型を開として、離型工程で金型から取り出し、その後乾燥室で養生させて、野菜栽培用容器を得た。この野菜栽培用容器の発泡体の密度は0.030g/cm3で、発泡倍率は30倍であった。 (比較例1) 野菜栽培用テスト容器の4栽培室を比較例1とするため、表1のコアベント選択リストのスリットタイプの中から、No.3のコアベント(10mm径、スリット幅0.3mm)4個とNo.1のコアベント(6mm径、スリット幅0.3mm)2ケを選択して、図5のように栽培室底面に相応する金型面上に配置した。 【0032】 蒸気投入孔の開口面積比率は、 (14.4mm2×4ケ+8.64mm2×2ケ)/3680mm2=2.03% である。 【0033】 【表1】
(実施例1) 比較例1の隣の4栽培室の底面に相応する金型面上に、比較例と同じ配置(図5)で、表1のスリットタイプの中から、No.6のコアベント(10mm径、スリット幅0.5mm)4個とNo.4(6mm径、スリット幅0.5mm)2個を選択した。 【0034】 蒸気投入孔の開口面積比率は、 (24.0mm2×4ケ+12.0mm2×2ケ)/3680mm2=3.26% である。
(実施例2) 実施例1の隣の4栽培室の底面に相応する金型面上に、図6の配置で、表1のスリットタイプの中から、No.6のコアベント(10mm径、スリット幅0.5mm)8個を選択した。 【0035】 蒸気投入孔の開口面積比率は、 24.0mm2×8ケ/3680mm2=5.22% である (実施例3) 実施例2の隣の4栽培室の底面に相応する金型面上に、図7の配置で、表1のスリットタイプの中から、No.6のコアベント(10mm径、スリット幅0.5mm)8個とNo.5のコアベント(6mm径、スリット幅0.5mm)8個を選択した。 【0036】 蒸気投入孔の開口面積比率は、 24.0mm2×8ケ+12.0mm2×8ケ/3680mm2=7.82% である。 (実施例4) 実施例1のスリットタイプのコアベント配置で、野菜栽培室の内面における底面に、予備発泡粒子の短径(平均4.5mm)よりも小さいメッシュの網目模様(線径1mm、目開き2×2mm)を鋳物で形成された金型内に加熱蒸気を導入し、該網目状の模様を転写成形した。 (実施例5) ポリエチレン系樹脂発泡体として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂発泡体を使用して、上述の野菜栽培用容器金型で成形し、栽培室側面の蒸気通気量と表面発泡粒子間の融着およびカイワレ栽培における栽培根の侵入程度を評価したが、後述のポリプロピレン系発泡体の栽培結果と同様な結果を得た。 (実施例6) ブテン含有ポリプロピレン系発泡体として、エチレン分1.0wt%含有、ブテン分5.0wt%含有のエチレン−プロピレン−ブテン3元ランダムコポリマーを使用して、上述の野菜栽培用容器金型で成形し、栽培室側面の蒸気通気量と表面発泡粒子間の融着およびカイワレ栽培における栽培根の侵入程度を評価したが、後述のポリプロピレン系発泡体の栽培結果と同様な結果を得た。 (実施例7) スチレン改質ポリエチレン発泡体として、樹脂をエチレン分25wt%含有のスチレン改質ポリエチレン樹脂を使用して、上述の野菜栽培用容器金型で成形し、栽培室側面の蒸気通気量と表面発泡粒子間の融着およびカイワレ栽培における栽培根の侵入程度を評価したが、後述のポリプロピレン系発泡体の栽培結果と同様な結果を得た。 (実施例8) 図6の配置で、No.9のレンコンタイプのコアベント(10mm径、ベントホール径1.0mmφ)を8個使用すると約3%の開口比率を得ることが出来る。 (実施例9) No.12のコアベントとNo.11のコアベントを使用して図7の配置とすると、開口面積比率は4.61%となる。更に開孔面積比率を確保するために補助手段として1.2mmφの錐穴を設けることが出来る 【0037】 【表2】
表2にカイワレの栽培結果をまとめた。比較例1のでは、当初から粒子間間隙があり、初回の栽培から根が7〜8ケ/栽培室当たり侵入するので実用化は困難であるが、実施例1〜7は殆ど根が侵入しないので実用化できることが分かった。蒸気投入孔の開口面積比率が約8%とした実施例3は、栽培50サイクルにおいてもカイワレの栽培根は侵入しなかった。心配された底面の過熱オーバーによる収縮もなかった。発明者らは、蒸気投入孔の開口面積比率約8%は、一般的なビーズ発泡成形では全く必要のない異例なここと受けとめている。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】野菜栽培用容器斜視図 【図2】野菜栽培用容器正面図と側面図 【図3】スリットタイプのコアベント 【図4】レンコンタイプのコアベント 【図5】比較例1と実施例1のコアベントの配置 【図6】実施例2のコアベントの配置 【図7】実施例3のコアベントの配置 【図8】実施例4のコアベントの配置と転写メッシュ 【符号の説明】 【0039】 1 野菜栽培用容器 2 野菜栽培室 3 野菜栽培室底面 4 排水穴 5 コアベント 6 スリットタイプ 7 スリット 8 レンコンタイプ 9 ベントホール 10 10mm径のスリットタイプのコアベント 11 6mm径のスリットタイプのコアベント 12 転写メッシュ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000941 【氏名又は名称】株式会社カネカ
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| 【出願日】 |
平成16年3月23日(2004.3.23) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−269911(P2005−269911A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−83943(P2004−83943) |
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