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【発明の名称】 土壌表面被覆材
【発明者】 【氏名】大木 敏幸

【要約】 【課題】従来の土壌被覆材では、固定の際に被覆材に穴が開き破れる現象があることや、重りを載せる場合には重り間に隙間が開き、虫の侵入が阻止できないこと、更に、土を載せる場合には時間がかかり、土を載せるスペ−スを必要とすること等の欠点がある。

【解決手段】土壌表面を覆い両縁部を固定してなる長尺の被覆材であって、前記両端部にその長手方向に水密で柔軟なチュ−ブを装着し、内部に流体を注入して被覆材を土壌表面より浮かせないようにしたことを特徴とする土壌表面被覆材。10‥被覆材、10a‥被覆材の縁端、10b‥環状部、20‥畝、30‥チュ−ブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌表面を覆い両縁部を固定してなる長尺の被覆材であって、前記両端部にその長手方向に水密で柔軟なチュ−ブを装着し、内部に流体を注入して被覆材を土壌表面より浮かせないようにしたことを特徴とする土壌表面被覆材。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物を播種した際の土壌表面に、或いは生育中の植物を覆う被覆材にかかるものであり、ここで言う被覆材はベタ掛け、トンネルベタ掛けを含み、更に、被覆材としては樹脂ネット、寒冷紗、長繊維不織布、更にはプラスチックシ−トを含むものである(以下、単に被覆材という)。
【背景技術】
【0002】
農作物特に葉物にあっては、外的な要因で売り物にならないケ−スが多く、鳥や青虫等によって葉が食べられてしまうことがある。このため、半円状の支柱を播種した畝に対して立設し、これに例えばポリプロピレン製のネット材や寒冷紗、更にはフィルムシ−ト等の被覆材を掛けてトンネル状として保護する方法がある。
【0003】
又、播種した畝を直接覆ういわゆるベタ掛けが行われる場合があり、これには例えばポリプロピレン製の不織布からなる被覆材が主として用いられている。更に、土中からの水分の蒸発を防ぎ、雑草の発生をも抑制するためにいわゆるマルチというフィルムシ−ト被覆材にて畝を覆うことも行われている。
【0004】
これら被覆材は畝の長手方向と合致させて配備され、その両幅縁を固定するものであって、両幅縁を固定しない場合や固定が不十分の場合には、風等によって煽られ、被覆材が剥ぎ取られたり、作物と繰り返し接触して売り物にならないケ−スがある。このため、両幅縁の固定手段としては、幅縁部を土中に埋めたり、特別な固定具をもって土中に差し込んで固定する手段が取られていた。
【0005】
固定手段としては、(a)U字状の刺し部材にて被覆材の縁部を貫いて土中に刺し込む方法、(b)被覆材の縁部に重り部材を乗せる方法、(c)被覆材の縁部に土を載せる方法がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の方法の欠点として、(a)方法では被覆材に穴が開き、破れる現象があること、(b)方法では重りを載せるのに時間がかかり、重り間に隙間が開き、虫の侵入が阻止できないこと、(c)方法では土を載せるのに時間がかかり、土を載せるスペ−スを必要とすること、等の欠点があり改良が求められていた。
【0007】
本発明はかかる被覆材の両幅縁の固定にかかる技術であって、簡便でかつ確実な固定手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は、土壌表面を覆い両縁部を固定してなる長尺の被覆材であって、前記両端部にその長手方向に水密で柔軟なチュ−ブを装着し、内部に流体(水)を注入して被覆材を土壌表面より浮かせないようにしたことを特徴とする土壌表面被覆材にかかるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以上の構成を有するものであり、チュ−ブ内に水を充填することによって被覆材の長手方向の縁端の全域に渡って重りが形成されることと同じこととなり、これによって被覆材は土壌表面に密着可能となったものである。被覆材の取扱いは容易であり、チュ−ブ内に水を充填することによって容易に重りとなり、又、これより水を抜くことによって容易に畳み込むことができ、再使用可能となったものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における被覆材としては、前記したように農作物を播種した際に土壌表面を覆う被覆材にかかるものであり、ここで言う被覆材は土壌表面へのベタ掛け材、トンネルベタ掛け材等を含み、更に、被覆材としては樹脂ネット、寒冷紗、長繊維不織布、更にはプラスチックシ−トを含むものである。
【0011】
ここで、播種した畝へ直接或いはトンネル状にしてベタ掛けする樹脂ネット材をもって被覆材を説明すれば、具体的には、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維よりなるトリコット編、好ましくはトリコットハ−フ編の樹脂ネット材である。かかるトリコット編は縦方向に伸びの少なく、幅方向には極めて良く伸びる組織が配置されて編まれている。しかも、トリコットハ−フ編であるため極めて軽くソフトな感触があり、播種した植物の芽が触れても傷になることはなく、更に葉が伸びた場合でも樹脂ネットが幅方向にそのまま伸びるため、掛け直しする必要もなくなるという特徴がある。
【0012】
チュ−ブとしては柔軟で水密な材料で構成されていればよく、特に限定はないが、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ビニ−ル製等の薄い樹脂製のチュ−ブが好ましい。勿論、その他の材料製のものでもよいことは言うまでもない。
【0013】
被覆材の縁端へのチュ−ブの装着・一体化は特に制限はないが、チュ−ブ全体が縁端に備わることがよく、例えば、チュ−ブ縁端を筒状に形成しこの筒状内にチュ−ブを挿入する方法、チュ−ブ縁端に接着材をもって一体化する方法、チュ−ブ縁端に粘着材にて一体化する方法、そして、被覆材とチュ−ブとが同効の素材であれば、熱融着する方法等が例示できる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例の全体図を示す図、図2は被覆材のみを取り出した図、図3はチュ−ブのみを取り出した図である。
【0015】
本発明の被覆材、即ちベタ掛け用樹脂ネット10は、ナイロン製のトリコットハ−フ編製の樹脂ネットである。樹脂ネットを構成するナイロン繊維の太さは17〜78デシテックス(T)であり、この例では17Tのものを用いた。又、編み目の大きさは23±2コ−ス×28Gであった。
【0016】
そして、この被覆材10は長手(縦糸)方向Lには余り伸縮性がなく、ほぼその長さを保っているが、幅方向には伸縮性が大きく大きな伸びがもたらされる。従って、図1に示すように、作物の種が播種された畝20に対して畝の長手方向と被覆材10の長手方向即ち縦糸方向を合致させ、畝20の幅方向に対しては被覆材10の伸びがもたらされる方向が合致するようにトンネルベタ掛けする。
【0017】
被覆材10にあって、縁端10aが折り曲げられ縫製11して環状部10bに形成されている。この環状部10b内にビニ−ル製のチュ−ブ30が挿入され、チュ−ブ30の先端に備えた口金31から水が充填される。
【0018】
従って、チュ−ブ30内に充填された水によって重りが形成され、これによって被覆材10は畝20を囲んでその両縁部10a、10aが押えられ、被覆材10が畝20上を確実に覆うことになる。
【0019】
図4は本発明の第2実施例を示す図であり、被覆材10の縁端10aに両面テ−プを用い、粘着材12にてチュ−ブ30が装着されている例である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は以上の通りであり、土壌表面を被覆材が確実に覆うことができることとなったもので、強風にあってもばたつきもなく、作物の成育が十分となるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の第1実施例の全体図を示す図である。
【図2】図2は被覆材のみを取り出した図である。
【図3】図3はチュ−ブのみを取り出した図である。
【図4】図4は本発明の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
10‥被覆材、
10a‥被覆材の縁端、
10b‥環状部、
11‥縫製、
12‥粘着材、
20‥畝、
30‥チュ−ブ、
31‥口金。

【出願人】 【識別番号】502453333
【氏名又は名称】大木 敏幸
【出願日】 平成16年3月11日(2004.3.11)
【代理人】 【識別番号】100086896
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 悦郎

【公開番号】 特開2005−253358(P2005−253358A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−69014(P2004−69014)