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【発明の名称】 廃棄物を原料とした緑化資材組成物及びこれを用いた緑化資材
【発明者】 【氏名】多喜川 昇
【住所又は居所】東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎重工業株式会社東京設計事務所内

【氏名】柴田 泰典
【住所又は居所】兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会社明石工場内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、及び換算CO3含有量が0.5〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られる緑化資材組成物。
【請求項2】
廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、アルカリ金属水酸化物及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、及びアルカリ総量R2O含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られる緑化資材組成物。
【請求項3】
廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩材料及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、及び換算SO4含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られる緑化資材組成物。
【請求項4】
廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩材料、アルカリ金属水酸化物及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、換算SO4含有量が1〜10重量%及びアルカリ総量R2O含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られる緑化資材組成物。
【請求項5】
前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項2又は4記載の緑化資材組成物。
【請求項6】
前記硫酸塩材料は、石こう、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸鉄及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項3又は4記載の緑化資材組成物。
【請求項7】
前記ケーキ100重量部に対して、前記乾粉が1〜30重量部で加えられる請求項1乃至6の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項8】
前記ケーキに対して、更にベントナイトを加えることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項9】
前記ケーキ100重量部に対して、前記ベントナイトが1〜20重量部で加えられる請求項8記載の緑化資材組成物。
【請求項10】
前記ケーキに対して、更に粘結剤を加えることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項11】
前記ケーキ100重量部に対して、前記粘結剤が0.1〜10重量部で加えられる請求項10記載の緑化資材組成物。
【請求項12】
前記粘結材は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸Na、リグニンスルホン酸Na及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項10又は11記載の緑化資材組成物。
【請求項13】
前記水熱処理は、60〜250℃で1〜24時間行われる請求項1乃至12の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項14】
前記廃棄物は、平均径が30μm以下となるように粉砕したものである請求項1乃至13の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項15】
前記廃棄物は、焼却灰、ダスト、汚泥、廃コンクリート及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項1乃至14の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項16】
前記焼却灰は、石炭灰、製紙スラッジ灰、下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、バイオマス燃焼灰、下水汚泥焼却灰、家畜糞尿焼却灰及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項15記載の緑化資材組成物。
【請求項17】
前記汚泥は、建設汚泥、上水汚泥、砕石スラッジ及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項15記載の緑化資材組成物。
【請求項18】
前記石灰源材料は、CaOを70重量%以上含有している請求項1乃至17の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項19】
前記石灰源材料は、生石灰、消石灰、貝殻焼成品及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項18記載の緑化資材組成物。
【請求項20】
前記苦土源材料は、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項1乃至19の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項21】
前記炭酸源材料は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、石灰石粉末、ドロマイト粉末、貝殻粉末及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものである請求項1乃至20の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項22】
前記乾粉は、請求項1乃至21の何れかに記載の緑化資材組成物の造粒時に発生する微粉、前記造粒後の篩を通過する微粉、前記造粒後の5mm以上の粒子を粉砕することにより得られる微粉、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される微粉である請求項1乃至21の何れかに記載の緑化資材組成物。
【請求項23】
請求項1乃至22記載の緑化資材組成物を含有する緑化資材であって、前記組成物の調製に際して造粒を行うことにより得られる粒状の緑化資材。
【請求項24】
前記緑化資材の粒径が0.1〜5mmである請求項23記載の緑化資材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、SiO2の含有料の多い廃棄物を原料とし、肥料、土壌改良材、人工培土などの緑化資材に適用することができる緑化資材組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、焼却灰、ダスト、汚泥、廃コンクリート等の廃棄物は、種々の処理を施すことにより、緑化資材として利用されている。緑化資材を製造する技術として、例えば、(1)珪石、珪藻土、高炉スラグの珪酸質原料、石灰、金属Al粉末等を混合した後、水を加えてスラリとして型枠に入れ、180℃で数時間水熱処理を行って固化させ、これを破砕する技術(特許文献1)、(2)鉄鋼スラグ粉末にパルプ廃液、廃糖蜜、ベントナイト、硫酸マグネシウム水溶液等を添加して転動造粒し、乾燥を行う技術(特許文献2及び3)、(3)水滓に珪酸質原料(けい砂)を添加し、Ca/Si比を0.6〜1.2とした後、6〜15kg/cm2の加圧水蒸気(160〜200℃)で水熱合成処理を行い、2mm以下に粉砕又は造粒を行うことにより、珪酸カルシウム肥料を製造する技術(特許文献4)、(4)除草原材、ベントナイト、塩化カルシウムを水で混練後、押し出し造粒し、乾燥にて除草剤を製造する技術(特許文献5)、(5)廃棄物に石灰源材を加え、撹拌造粒後、水熱処理を行い、多孔質な粒状体を製造する技術(特許文献6)等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の従来技術による緑化資材は、肥料性能及び土壌改良性能の点で十分ではなく、また、廃棄物を原料として使用した場合に溶出金属などの問題を生じる恐れがあり、安全性の点で問題がある。
【特許文献1】特開昭61−44712号公報
【特許文献2】特開昭55−20247号公報
【特許文献3】特開昭60−145982号公報
【特許文献4】特開平1−226785号公報
【特許文献5】特開平3−106802号公報
【特許文献6】特開2003−235343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、肥料性能及び土壌改良性能の点で優れ、しかも安全性の点で問題のない緑化資材組成物及びこれを用いた緑化資材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
肥料性能を向上させるために、本発明の緑化資材は、可溶性けい酸の量を向上させるとともに水中崩壊する粒状体として調製される。
【0006】
可溶性けい酸の量の向上は、本発明に於いては、SiO2、CaO、MgO、P25等の肥料成分の可溶性及びく溶性成分の量を増加させるように廃棄物の組成の調整を行い、次いで水熱処理を行うことにより達成される。特に、SiO2等の結晶化度(全SiO2等における結晶性SiO2等の割合)によらず、肥料成分の可溶性、く溶性を向上させるように組成の調整が行われる。また、本発明に於いては、水中崩壊する粒状体として調製することにより、ハンドリングは容易でありながら水中では容易に崩壊し、これにより肥料性能を向上させることができる。
【0007】
また、土壌改良性能を向上させるために、本発明の緑化資材は、保水性及び保肥性を向上させるとともに水中崩壊しない粒状体として調製される。
【0008】
保水性の向上は、本発明の緑化資材に於いては、ハンドリング時、水中に投入しても崩壊せず、高い吸水率を有する粒状体とすることにより達成される。水中崩壊しない粒状体とすることにより、透水性も良好となる。また、保肥性の向上は、水に溶出した肥料成分を一時的に保持できるように、大きい陽イオン交換容量を有する粒状体とすることにより達成される。
【0009】
また、緑化資材は、溶出する水溶液のpHが高くないことが必要であるが、本発明に於いては、廃棄物の組成の調整を行うとともに水熱処理することにより、溶出液のpHを10.5未満としている。
【0010】
更に、安全性を向上させるために、本発明の緑化資材は、廃棄物の組成の調整を行うとともに水熱処理することにより、As、Se、B、Cr6+、Cd、Pbなどの有害重金属等を難溶化し、粒状体の有害重金属等の溶出量を土壌環境基準以下としている。
【0011】
本発明に於いては、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に添加材料を加えて、換算CaO含有量、換算MgO含有量、換算CO3含有量、アルカリ総量R2O含有量、及び換算SO4含有量の調整が行われる。ここで、換算CaO含有量とは、CaOの重量とこれ以外のCa(OH)2等の化合物を等モルのCaOに換算して求めた重量との合計値から求めた含有量をいう。また、換算MgO含有量とは、MgOの重量とこれ以外のMg(OH)2等の化合物を等モルのMgOに換算して求めた重量との合計値から求めた含有量をいう。換算CO3含有量とは、MgCO3等の化合物のCO3含有量の合計をいう。R2O含有量はアルカリ金属の総量を表し、Na及びKを含む化合物をNa2Oに換算した重量に基づいて求めた含有量である。換算SO4含有量とは、FeSO4等の化合物のSO4含有量の合計をいう。
【0012】
本発明に於いては、上記のように添加材料を加えて組成物の成分の調整を行った後、スラリ化、水熱処理、固液分離、及び乾粉添加により緑化資材組成物が得られる。
【0013】
具体的には、本発明の緑化資材組成物は、廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、及び換算CO3含有量が0.5〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の実施形態に係る緑化資材組成物は、廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、アルカリ金属水酸化物及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、及びアルカリ総量R2O含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明の更に他の実施形態に係る緑化資材組成物は、廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩材料及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、及び換算SO4含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の更なる他の実施形態に係る緑化資材組成物は、廃棄物を用いた緑化資材組成物であって、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩材料、アルカリ金属水酸化物及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される添加材料を加えて、換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、換算SO4含有量が1〜10重量%及びアルカリ総量R2O含有量が1〜10重量%となるように組成を調整した混合材料と、該混合材料をスラリ化するための水とを含有するスラリに対して水熱処理を行い、更に固液分離を行うことにより得られる湿潤状態のケーキに、前記緑化資材組成物と同じ組成の乾粉を加えて乾燥させることにより得られることを特徴とする。
【0017】
ここで、石灰源材料は、主としてC−S−H(カルシウム−シリケート−ハイドレート)などの生成により、有害重金属等を固定しながら、肥料成分の可溶性及びく溶性を促進する機能を果たす。
【0018】
苦土源材料は、肥料成分であるMgOの補充を主な目的とする。
【0019】
炭酸源材料は、水熱処理により、ハイドロタルサイト系化合物を多く生成するため、より多くの有害重金属を固定することができるので、廃棄物の有害重金属等の含有量が多い場合にはより有効である。
【0020】
アルカリ金属水酸化物は、結晶質のSiO2などの反応を促進し、可溶性、く溶性を向上させる機能を主として果たす。
【0021】
硫酸塩材料の添加は水和反応の促進効果があるとともに、有害重金属等の固定を促進する効果がある。ただし、添加量が多くなると、粒状体の水中崩壊性を阻害するとともに、溶出液pHが5未満となり、緑化資材として適切ではなくなる。
【0022】
上記の添加材料が適正に添加されないと、換算CaO含有量、換算MgO含有量、換算CO3含有量、R2O含有量、及び換算SO4含有量の調整が上記数値範囲に入らず、従って各肥料成分の可溶性、く溶性の量が適正値とならず、肥料効果が低下する一方、溶出液pHが10.5を超え、作物の生育に障害をもたらすこととなる。
【0023】
本発明に於いては、水熱処理後に固液分離したケーキに乾粉が加えられる。ここで、本発明に於ける乾粉とは、最終的に得ようとする緑化資材組成物とほぼ同じ組成を有し、その緑化資材組成物又はそれを用いた緑化資材の製造に際して得られる粉状物をリサイクルさせて使用するものをいう。
【0024】
また、本発明の緑化資材組成物に於いては、固液分離後の湿潤状態のケーキに対して、乾粉とともに更にベントナイトを加えてもよい。ベントナイトを加えることにより、ハンドリングでは壊れない強度を有し、しかも水中では容易に崩壊する粒状体の緑化資材を調製することが可能となる。
【0025】
更に、本発明の緑化資材組成物に於いては、固液分離後の湿潤状態のケーキに対して、乾粉とともに更に粘結剤を加えてもよい。上記のベントナイトを加えた場合とは異なり、粘結剤を加えることにより、水中崩壊しないより高強度の粒状体の緑化資材を調製することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、(1)安全性に問題のある廃棄物に対して石灰源材料等を添加して組成調製を行った後に水熱処理を行うので、肥料性能及び土壌改良性能に優れ、しかも安全性を満たした緑化資材組成物及び緑化資材を得ることができる。
【0027】
また、(2)乾粉とベントナイトを加えて造粒し、乾燥する構成では、ハンドリング時に必要な強度を有し、容易に水中崩壊する粒状体とすることができるので、肥料として利用した場合には、即効性が期待できる。
【0028】
更に、(3)SiO2等の結晶化度が高い場合には、アルカリ金属水酸化物が添加されるので、緑化資材組成物を調製するための反応が促進される。
【0029】
また、(4)有害重金属含有量が多い廃棄物を使用する場合も、炭酸源材の添加により、安全性が向上する。
【0030】
加えて、(5)乾粉と粘結材を加えながら混練し、乾燥することにより、保水性、保肥性が良好で、水中投入にて崩壊しない高強度の緑化資材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に於いて使用される廃棄物は、その粒度が小さいほど水熱処理による反応が促進されるので、平均径が30μm以下に粉砕して使用することが好ましく、更に20μm以下となるように粉砕して使用することが好ましい。使用し得る廃棄物として、焼却灰、ダスト、汚泥及び廃コンクリートを挙げることができ、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。焼却灰としては、石炭灰、製紙スラッジ灰、下水汚泥焼却灰、ごみ焼却灰、バイオマス燃焼灰、下水汚泥焼却灰、家畜糞尿焼却灰等を例示することができる。また、汚泥としては、建設汚泥、上水汚泥、砕石スラッジ等を例示することができる。
【0032】
本発明に於いて使用される石灰源材料として、CaOを70重量%以上含有しているものをいい、具体的には、生石灰、消石灰、貝殻焼成品等を例示することができ、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。
【0033】
また、本発明に於いて使用される苦土源材料としては、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等を例示することができ、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。
【0034】
本発明に於いて使用される炭酸源材料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、石灰石粉末、ドロマイト粉末、貝殻粉末等を例示することができ、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。
【0035】
本発明に於けるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムを例示することができ、これらの任意の組み合わせも使用することができる。
【0036】
また、本発明に於ける硫酸塩材料として、石こう、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸鉄を例示することができ、これらの任意の組み合わせも使用することができる。
【0037】
本発明に於いては、上記成分組成の調整を行った後、水を加えてスラリとして水熱処理が行われる。ここで、本発明に於ける水熱処理とは、水の存在下、密閉状態で加熱することをいい、その温度は60〜250℃、好ましくは80〜200℃であり、加熱時間は1〜24時間、好ましくは3〜15時間である。処理温度が低いか又は加熱時間が短いと、水和反応が不十分となり、肥料成分の可溶性、く溶性の量が低くなる一方、溶出液pHが10.5を超えてしまうので好ましくない。また、処理温度が高いか又は処理時間が長いと、水和反応物の分解又は結晶化が促進され、肥料成分の可溶性、く溶性の量が低くなってしまうので好ましくない。
【0038】
本発明に於いて固液分離したケーキに加えられる乾粉として、緑化資材組成物の造粒時に発生する微粉、前記造粒後の篩を通過する微粉、前記造粒後の5mm以上の粒子を粉砕することにより得られる微粉、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものを使用することができる。
【0039】
ここで、乾粉は、固液分離後のケーキ100重量部に対して、1〜30重量部で加えることが好ましい。乾粉の添加量が1重量部未満、又は30重量部より多いと、造粒物として緑化資材を調製することができないので好ましくない。なお、乾粉の粒度としては、0.1mm以下の大きさが、造粒効果の観点から好適である。
【0040】
また、本発明に於いて乾粉とともにベントナイトを添加する場合、固液分離後のケーキ100重量部に対して、ベントナイトを1〜20重量部で加えることが好ましい。ベントナイトが1重量部未満の場合、粒状体が水中崩壊せず、20重量部より多い場合は、肥料成分の含有量が低下する。なお、ベントナイトとして、Na系のものよりもCa系のものの方が容易に水中崩壊するので好ましい。
【0041】
更に、本発明に於いて乾粉とともに粘結剤を添加する場合、固液分離後のケーキ100重量部に対して、粘結剤を0.1〜10重量部で加えることが好ましい。粘結剤が0.1重量部より少ないと、得られる造粒物が水中崩壊しないという効果が現れず、また、10重量部より多いと、得られる造粒物強度が高くなりすぎるので好ましくない。本発明に於いて使用し得る粘結材として、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸Na、リグニンスルホン酸Na等を例示することができ、これらを任意に組み合わせて使用することもできる。
【0042】
本発明の緑化資材は、上記の緑化資材組成物を含有する緑化資材であって、前記緑化資材組成物の調製に際して造粒を行うことにより得られる粒状物である。
【0043】
図1は、ベントナイト及び粘結材を使用しない緑化資材の製造方法の一例を示す概念図である。同図に示すように、30〜80重量%のSiO2を含有する廃棄物1に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩、アルカリ金属水酸化物から選択される添加材料が必要に応じて加えられる。添加材料の種類及び添加量は、それぞれ換算CaO含有量が5〜50重量%、換算MgO含有量が1〜10重量%、換算CO3含有量が0.5〜10重量%、換算SO4含有量が1〜10重量%、アルカリ総量R2O含有量が1〜10重量%となるように決められる。このようにして添加材料の添加により組成を調整した混合材料に、水を加えてスラリ化が行われる。得られたスラリは、図1に示す水熱処理工程2に供される。水熱処理工程2で使用される水熱処理機は、撹拌機を有したもの、チューブ型で撹拌機を有しないもの何れでもよい。
【0044】
水熱処理工程2で水熱処理を終えたスラリは、次の固液分離工程3で固液分離される。この工程で使用される固液分離機は、遠心式、フィルタープレス式、ドラム式など何れでもよい。固液分離工程3で得られた湿潤状態のケーキには、後述する分級工程6で得られる乾粉が加えられ、次の造粒工程4で造粒される。この工程で使用される造粒機としては撹拌式のものが望ましく、撹拌軸が水平でも、垂直でもよい。造粒工程4で得られた造粒体は、乾燥工程5で乾燥されて、最終的に緑化資材が得られる。この工程で使用される乾燥機は、バンド式、ドラム式、流動層式など何れでもよい。
【0045】
この実施形態では、乾燥機で得られた緑化資材のうち、粒径が0.1〜5mmの範囲のものだけを分別するための分級工程6が設けられている。分級工程6で使用される分級機は、フルイ式であることが望ましい。なお、乾燥工程5で振動流動乾燥機を用い、下部網の目開きを0.1〜0.5mm程度とすれば、分級工程6を設けることなく上記範囲の緑化資材を得ることが可能である。分級工程6に於いて得られる上記範囲未満の粒径の微粉は、前述の乾粉として、また、上記範囲を超える粒径の粒子は粉砕して、前述のように固液分離工程3を出た湿潤状態のケーキに加えて使用されることとなる。
【0046】
図2は、ベントナイト及び粘結材を使用した緑化資材の製造方法の一例を示す概念図である。本実施形態では、廃棄物1は、添加材料の添加に先立って、粉砕工程7に於いて粉砕される。粉砕機としては、振動ミル、ジェットミル、撹拌ミル、ローラミルなど何れも使用し得るが、振動ミルが好適である。粉砕工程7で廃棄物1を粉砕することにより、後の水熱処理工程2での水熱処理による反応が促進される。このように粉砕した廃棄物1に、石灰源材料、苦土源材料、炭酸源材料、硫酸塩、アルカリ金属水酸化物から選択される添加材料が必要に応じて加えられる。添加材料の種類及び添加量は、前述の図1の実施形態と同様してに決められる。得られた混合材料には、水が加えられ、スラリ化されて水熱処理工程2に供される。水熱処理工程2で水熱処理を終えたスラリは、次の固液分離工程3で固液分離される。固液分離工程3で得られた湿潤状態のケーキには、分級工程6で得られる乾粉に加えて、ベントナイト又は粘結剤が目的に応じて加えられ、次の造粒工程4で造粒される。造粒工程4で得られた造粒体は、乾燥工程5で乾燥されて、最終的に緑化資材となる。本実施形態では分級工程6は設けていないが、得られる緑化資材の性状に応じて、更に分級工程6を設けてもよい。
【0047】
なお、前述の図1の実施形態では、廃棄物を粉砕するための粉砕工程7を設けていないが、廃棄物の性状によっては、粉砕工程7を設けてもよい。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
表1に示す組成の平均径が20μmの石炭灰aに、消石灰及び炭酸マグネシウムを添加して、換算CaO含有量が17.6重量%、換算MgO含有量が2.4重量%、換算CO3含有量が3.2重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で3時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉15重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.5〜5mmの造粒体とした。次に、得られた造粒体をドラム式乾燥機で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この緑化資材の吸水率は85重量%、陽イオン交換容量は32meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は15重量%、く溶性苦土量は1.7重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%であり、水中に投入しても崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは9.8であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0049】
【表1】


【0050】
(実施例2)
表1に示す組成の平均径が20μmの石炭灰aに、消石灰及び炭酸マグネシウムを添加して、換算CaO含有量が24.4重量%、換算MgO含有量が3.2重量%、換算CO3含有量が4.5重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で6時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉15重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.5〜5mmの造粒体とした。次に、得られた造粒体をドラム式乾燥機で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は125重量%、陽イオン交換容量は61meq/100g、圧壊強度は2kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は24重量%、く溶性苦土量は2.4重量%、く溶性リン酸量は0.2重量%であり、水中に投入しても崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは10.2であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0051】
(実施例3)
表1に示す組成の平均径が24μmの石炭灰bに、消石灰、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び水酸化カリウムを添加し、換算CaO含有量が19.9重量%、換算MgO含有量が2.6重量%、換算CO3含有量が4.1重量%、アルカリ総量R2O含有量が2.1重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で6時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉10重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.5〜5mmの造粒体とした。次に、得られた造粒体をドラム式乾燥機で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は95重量%、陽イオン交換容量は39meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は19重量%、く溶性苦土量は1.9重量%、く溶性リン酸量は0.2重量%であり、水中に投入しても崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは10.2であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0052】
(実施例4)
表1に示す組成の平均径が90μmの製紙スラッジ灰に、炭酸カルシウム及び硫酸第一鉄を添加し、換算CaO含有量が27.7重量%、換算MgO含有量が2.75重量%、換算CO3含有量が2.66重量%、換算SO4含有量が4.9重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で6時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉15重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.1〜5mmの造粒体とした。次に、得られた造粒体を振動流動層で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は75重量%、陽イオン交換容量は29meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)で、可溶性けい酸量は18重量%、く溶性苦土量は2.0重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%であり、水中に投入しても崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは8.1であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0053】
(実施例5)
表1に示す組成の平均径が28μmの下水汚泥焼却灰に、生石灰、炭酸マグネシウム、水酸化カリウム、硫酸第一鉄を添加し、換算CaO含有量が22.1重量%、換算MgO含有量が3.7重量%、換算CO3含有量が2.7重量%、換算SO4含有量が2.0重量%、アルカリ総量R2O含有量が2.5重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、200℃で3時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉10重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.2〜5mmの造粒体とした。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は79重量%、陽イオン交換容量は24meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)で、可溶性けい酸量は11重量%、く溶性苦土量は1.9重量%、く溶性リン酸量は13.2重量%であり、水中に投入しても崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは9.6であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
(実施例6)
実施例1に於ける固液分離後の湿潤状態のケーキ100重量部に、Ca系ベントナイト8重量部を混練しながら添加した後、更に乾粉20重量部を加え、造粒機を用いて0.5〜5mmの造粒体を得た。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の可溶性けい酸量は18重量%、く溶性苦土量は1.5重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%、圧壊強度は3kg(2mm粒子)であり、水中に投入すると速やかに崩壊した。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは9.7であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0054】
(実施例7)
実施例2に於ける固液分離後の湿潤状態のケーキ100重量部に、ポリビニルアルコール粉末0.5を混練しながら添加した後、更に乾粉10重量部を加え、造粒機を用いて0.2〜5mmの造粒体を得た。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の可溶性けい酸量は25重量%、く溶性苦土量は2.2重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%、圧壊強度は5kg(2mm粒子)であり、水中投入により、崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のPHは10.1であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0055】
(実施例8)
表1に示す組成の平均径が90μmの製紙スラッジ灰を振動ミルで粉砕して平均径を20μmとした。粉砕後の製紙スラッジ灰に、消石灰、炭酸カルシウム及び石こうを添加し、換算CaO含有量が35.3重量%、換算MgO含有量が2.8重量%、換算CO3含有量が2.7重量%、換算SO4含有量が3.0重量%となるように組成を調整した混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で6時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉15重量部を加えて水分を含んだ状態の緑化資材組成物を得た。この緑化資材組成物を造粒機を用いて0.1〜5mmの造粒体を得た。次に、得られた造粒体を振動流動層で乾燥させて、本実施例の粒状体の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は85重量%、陽イオン交換容量は34meq/100g、圧壊強度は2kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は21重量%、く溶性苦土量は2.3重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%であり、水中投入により、崩壊しなかった。また、本実施例の粒状体緑化資材の溶出液のpHは10.2であり、有害重金属等の溶出量は土壌環境基準以下であった。
【0056】
(比較例1)
表1に示す組成の平均径が24μmの石炭灰b100重量部に、消石灰を添加し、換算CaO含有量が29.7重量%、換算MgO含有量が1.6重量%、換算CO3含有量が0.1重量%未満の混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、50℃で15時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、Na系ベントナイト7重量部を混練しながら添加した後、乾粉23重量部を加え、0.2〜5mmの造粒体を得た。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本比較例の緑化資材を得た。この粒状体の可溶性けい酸量は13重量%、く溶性苦土量は0.6重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%で、圧壊強度は2kg(2mm粒子)、水中投入により、速やかに崩壊した。また、本比較例の緑化資材粒状体の溶出液のpHは12.1、溶出液中の有害重金属等の溶出量は、Asが0.024mg/L、Seが0.038mg/Lであり、土壌環境基準値(何れも0.01mg/L)を超えた。
【0057】
(比較例2)
表1に示す組成の平均径が90μmの製紙スラッジ灰に、石こうを添加し、換算CaO含有量が31.0重量%、換算MgO含有量が2.4重量%、換算CO3含有量が0.14重量%、換算SO4含有量が16.5重量%の混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、180℃で6時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉15重量部を加え、0.1〜5mmの造粒体を得た。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本比較例の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は65重量%、陽イオン交換容量は14meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は14重量%、く溶性苦土量は1.5重量%、く溶性リン酸量は0.1重量%で、あり水中投入により、崩壊しなかった。また、本比較例の緑化資材粒状体の溶出液のpHは9.7、溶出液中の有害重金属等の溶出量は、Fが0.93mg/Lであり、土壌環境基準(0.8mg/L)を超えた。
【0058】
(比較例3)
表1に示す組成の平均径が28μmの下水汚泥焼却灰に、消石灰を添加し、換算CaO含有量が39.5重量%、換算MgO含有量が1.3重量%、換算CO3含有量が0.06重量%、換算SO4含有量が0.56重量%、アルカリ総量R2O含有量が0.48重量%の混合材料を得、これに水を加えてスラリとした。次に、200℃で2時間水熱処理を行い、固液分離を行って湿潤状態のケーキを得た。この湿潤状態のケーキ100重量部に対し、乾粉10重量部を加え、0.2〜5mmの造粒体を得た。この造粒体を振動流動層で乾燥させて、本比較例の緑化資材を得た。この粒状体の吸水率は83重量%、陽イオン交換容量は15meq/100g、圧壊強度は1kg(2mm粒子)、可溶性けい酸量は8重量%、く溶性苦土量は0.8重量%、く溶性リン酸量は6.2重量%で、水中投入により、崩壊しなかった。また、本比較例の緑化資材粒状体の溶出液のpHは10.3で、溶出液中の有害重金属等の溶出量は、Asが0.012mg/L、Seが0.028mg/Lと土壌環境基準値を超えた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の組成物は、肥料性能及び土壌改良性能に優れているので、緑化資材組成物及び緑化資材の分野で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】ベントナイト及び粘結材を使用しない場合の緑化資材の製造方法の一例を示す概念図である。
【図2】ベントナイト及び粘結材を使用する場合の緑化資材の製造方法の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0061】
1 廃棄物
2 水熱処理工程
3 固液分離工程
4 造粒工程
5 乾燥工程
6 分級工程
7 粉砕工程
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号
【出願日】 平成16年3月9日(2004.3.9)
【代理人】 【識別番号】100065868
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 嘉宏

【識別番号】100106242
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 安航

【識別番号】100110951
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 俊男

【識別番号】100114834
【弁理士】
【氏名又は名称】幅 慶司

【識別番号】100122264
【弁理士】
【氏名又は名称】内山 泉

【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介

【公開番号】 特開2005−253313(P2005−253313A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−65466(P2004−65466)