| 【発明の名称】 |
植物体の遮光装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長坂 進
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| 【要約】 |
【課題】栽培の場所を選ばずそれほどの熟練がなくとも軟白な茎葉を得ることができる植物体の遮光装置を提供すること。
【解決手段】貫通孔2aが形成された筒体2をホルダー4で支持する。筒体2はリング部10と連結枠11によって保持されている。筒体2はその下部側開口部13を若干土中に埋設させた2本の脚12によって立設状態に支持される。筒体2の上部側開口部14にはキャップ3が被せられる。このような構成によって土中から萌芽するアスパラガスの茎葉を同筒体2及びキャップ3によって遮光された空間内で軟白に育成することができ、キャップ3の動きで茎葉が育ったことを目視することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも貫通孔が形成されるとともに同貫通孔の前後の開口部を除いて遮光された筒体と、同筒体の貫通孔の一方の開口部を土壌表面に当接あるいは若干土中に埋設させた状態で同筒体を立設状態に支持する支持部材と、立設された同筒体の上部側に位置する他方の開口部に被せる遮光されたキャップとを備え、土中から萌芽する植物体の茎葉を同筒体及びキャップによって遮光された空間内で育成できるようにしたことを特徴とする植物体の遮光装置。 【請求項2】 前記筒体の外周には萌芽した茎葉に押動され上動する前記キャップの移動の有無を目視するためのキャップ移動検出部が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の植物体の遮光装置。 【請求項3】 前記キャップは萌芽後伸長した茎葉の先端が同キャップの裏側に当接して同キャップを押動しても同茎葉が傷害又は変形されない程度に十分軽量に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物体の遮光装置。 【請求項4】 前記支持部材は前記筒体とは別体で構成され、同支持部材は少なくとも同筒体を立設させた状態で支え得る支持部と土壌に突き立てられる棒状部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物体の遮光装置。 【請求項5】 前記支持部は前記筒体の外周を包囲する包囲部とされ、前記筒体に対して同包囲部は同筒体の軸方向にスライド移動可能とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植物体の遮光装置。 【請求項6】 前記キャップ又は/及び筒体の外周には光を反射する鏡面又は金属光沢面が配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植物体の遮光装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は特にホワイトアスパラガスや独活のような食用となる植物体を遮光して軟白な茎葉を得るための植物体の遮光装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ホワイトアスパラガスや独活のように遮光して軟白な茎葉とした野菜は食味がよいため市場で高値で取り引きされている。高値で取り引きされるのはさらにこのような軟白な茎葉は特殊な育成方法が必要であり栽培に手間がかかることも理由の1つである。例えば従来からホワイトアスパラガスでは土を高く盛って伸長する茎葉に日光が当たらないように土で遮光した状態で育成している。また、一部独活のような植物体では条件が整えば洞窟を利用してその内部で光を当てずに育成することも行われている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかし、現状ではいくつかの課題が生じている。 1)土を高く盛るのは面倒であり、この手間を省けばかなりのコストダウンが見込まれる。更に、アスパラガスでは日光に当てて光合成をさせる栄養葉も必要であり、単に土を盛ればよいわけではなく栽培に熟練が必要である。 2)土中で軟白化を図る場合では僅かでも茎葉が表面に露出してしまうとその部分が緑化してしまい商品価値が著しく下がってしまう。といってどの程度育っているかを掘り返して確認することはできない。一旦掘り起こしてしまったものは光が当たってしまうため再度埋め戻しても食味が劣ってしまうからである。そのため掘り返しによる確認はできず熟練者のいわゆるカンで収穫せざるを得ない。そのため十分伸びきっていない段階で掘り起こしてしまう可能性もあって大きさの揃わない、あるいは十分育っていないホワイトアスパラガスを収穫することとなっていた。 3)洞窟利用は洞窟がない地域では栽培できず、大規模な栽培にも適していない。また、洞窟内の土を入れ替えたり収穫物を搬出する手間等がかかるためコストは必ずしも低いわけではない。 本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、栽培の場所を選ばずそれほどの熟練がなくとも軟白な茎葉を得ることができる植物体の遮光装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、少なくとも貫通孔が形成されるとともに同貫通孔の前後の開口部を除いて遮光された筒体と、同筒体の貫通孔の一方の開口部を土壌表面に当接あるいは若干土中に埋設させた状態で同筒体を立設状態に支持する支持部材と、立設された同筒体の上部側に位置する他方の開口部に被せる遮光されたキャップとを備え、土中から萌芽する植物体の茎葉を同筒体及びキャップによって遮光された空間内で育成できるようにしたことをその要旨とする。 また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記筒体の外周に萌芽した茎葉に押動され上動する前記キャップの移動の有無を目視するためのキャップ移動検出部を配設したことをその要旨とする。 【0005】 また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記キャップは萌芽後伸長した茎葉の先端が同キャップの裏側に当接して同キャップを押動しても同茎葉が傷害又は変形されない程度に十分軽量に構成されていることをその要旨とする。また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記支持部材は前記筒体とは別体で構成され、同支持部材は少なくとも同筒体を立設させた状態で支え得る支持部と土壌に突き立てられる棒状部を備えるようにしたことをその要旨とする。 また、請求項5の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記支持部は前記筒体の外周を包囲する包囲部とされ、前記筒体に対して同包囲部は同筒体の軸方向にスライド移動可能とされていることをその要旨とする。 また、請求項6の発明では請求項1〜5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記キャップ又は/及び筒体の外周には光を反射する鏡面又は金属光沢面が配設されていることをその要旨とする。 【0006】 このような構成では、土中の植物体は筒体の一方の開口部位置から萌芽して遮光された筒体と遮光されたキャップとによって遮光された空間を貫通孔に沿って成長していく。筒体は支持部材によって立設状態で支持されている。キャップは伸長した茎葉に押動され上動することとなるためこれを目視して収穫時期を判断できる。 遮光された筒体とは筒体に遮光体を配設する場合や筒体自体が遮光体である場合をいう。筒体は円筒形状である必要はない。要は前後(上下)に貫通する貫通孔が形成されていることである。遮光されたキャップとはキャップに遮光体を配設する場合やキャップ自体が遮光体である場合をいう。 ここに前記筒体の外周にはキャップの移動の有無を目視するためのキャップ移動検出部が配設されていることが好ましい。キャップ移動検出部を目視するによってキャップが萌芽した茎葉に押動されたことが容易に検出できるため、キャップが茎葉に押動されていることが見逃し難くなる。 ここに、キャップは萌芽後伸長した茎葉の先端がキャップの裏側に当接して同キャップを押動しても同茎葉が傷害又は変形されない程度に十分軽量に構成されていることが好ましい。植物の萌芽の力はかなり強いためキャップが多少重くとも持ち上げられることとなるが、茎葉先端がこすれて変色したり屈曲してしまうと商品価値が下がってしまう。そのため、経験的に茎葉が傷害又は変形されない程度に十分軽量な素材を選択することができる。 【0007】 また、支持部材は筒体と一体的に製造しても別体で構成しても構わない。別体で構成する場合には支持部材は少なくとも同筒体を立設させた状態で支え得る支持部と土壌に突き立てられる棒状部を備えるような構成であることが好ましい。棒状部は先端が尖っていてもそうでなくとも構わない。棒状部の本数は1本以上複数本あることは構わない。但し多数の棒状部を土壌に突き立てることは植物体の根を傷めるケースがあるので経験的にその数を選択することが好ましい。 筒体を立設させた状態で支え得る支持部は筒体の外周を包囲する包囲部であることが好ましく、更に筒体に対して同包囲部が同筒体の軸方向にスライド移動可能とされていることが好ましい。これによって棒状部の土中への進出量が調整できる。包囲部は必ずしも筒体の全周囲を包囲することを意味しない。 キャップ又は/及び筒体の外周には光を反射する鏡面又は金属光沢面が配設されることが好まし。もちろんキャップ又は/及び筒体の全周面に及ぶことも構わない。鏡面又は金属光沢面とは要は光を反射する面であればよい。 【発明の効果】 【0008】 上記各請求項の発明では、筒体と遮光されたキャップとによって遮光された空間作ることができ、必ずしも土を盛る必要がなくなるため農作業が非常に楽になる。また、萌芽した茎葉は筒体内を上方に成長していきキャップが茎葉に押動され上動することとなるためこれを目視して収穫時期を判断でき大きさが揃い十分成長した軟白化した茎葉を容易に収穫することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、本発明の植物体の遮光装置を具体化した実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。 図1及び図2に示すように、本実施の形態の植物体の遮光装置(以下遮光装置とする)1は筒体2とキャップ3及び支持部材としてのホルダー4とから構成されている。筒体2は不透明なプラスチック製(例えばポリエチレン製)の円筒であって、上下に貫通する貫通孔2aが形成されている。筒体2は下端から上端まで同径の筒体とされている。筒体2の上部寄り外周には油性顔料によって着色されたキャップ移動検出部としてのリング部5が塗装によって形成されている。キャップ3は不透明なプラスチック製(例えばポリエチレン製)とされている。キャップ3は筒体2の外径よりも若干大径の内周面を有する円形の周壁6と周壁6端部に一体成形されている円形の天井板7から構成されている。天井板7の中央は円錐形状に隆起した突出部7aとされている。キャップ3の外周面(つまり周壁6と天井板7の外周面)は蒸着処理によって光を反射する鏡面加工されている。キャップ3はごく薄肉に形成され非常に軽量に構成されている。 【0010】 ホルダー4はプラスチック製(例えばポリプロピレン製)とされている。ホルダー4は所定間隔で配置された支持部としての2つの円形のリング部10を有している。両リング部10の内径は筒体2の外径よりもごく僅かに大径とされている。両リング部10は180度対向する位置に配置された連結枠11によって保持されている。図1に示すように、連結枠11はその中央寄りが内側に撓んだ弧状に形成されている。連結枠11の先端側は更にリング部10の外方に延出され棒状部としての2本の脚12とされている。脚12の先端は先細りとされている。 【0011】 次に、このように構成される遮光装置1の作用について説明する。 ホルダー4のリング部10に筒体2を挿通させる際に連結枠11が筒体2によって押し広げられるため連結枠11に一種の板バネのような付勢力が発生する。連結枠11の付勢力によって筒体2を前後(周囲)から若干押さえ付けることとなるため筒体2に対してホルダー4は適度な保持力を有する。この時、アスパラガスの根の位置や深さに合わせてホルダー4を筒体2の軸方向にスライドさせ進出量を調整する。例えばアスパラガスの根が浅ければ脚12の進出量を少なくする。 このようにホルダー4を取り付けた筒体2にキャップ3を被せる。図3(a)に示すように、筒体2の上部側開口部14位置に被せられたキャップ3の周壁6の下端面は筒体2の外周に形成されたリング部5のちょうど下部境界線位置に配置される。図2に示すように、ホルダー4に支持させた筒体2を畑のアスパラガスの株の上であって軟白化させる茎葉Aの位置に配置する。遮光装置1を配置した状態で筒体2の下部側開口部13は土壌に若干埋設される。 このようにセットされた遮光装置1において周知の栽培方法に従って育成していく。すると、筒体2とキャップ3によって遮光された内部空間内で軟白化したアスパラガスの茎葉Aが次第に伸長してついにキャップ3の天井板7位置に達する。図3(b)に示すように、アスパラガスの茎葉Aはキャップ3を押動するためキャップ3は上方に徐々に持ち上がっていく。この際にアスパラガスの茎葉Aは突出部7aの中央の窪み位置を上動させることとなるためキャップ3の周壁6と筒体2の外周との接触抵抗が生じにくくキャップ3が傾くことなくスムーズに略鉛直方向に持ち上げられることとなる。すると、いままで隠れていたリング部5が目視できるようになる。この時がホワイトアスパラガスの収穫タイミングとなる。 収穫が終わった遮光装置1は回収し保管等して次の使用に備える。 【0012】 このように構成することにより本実施の形態の遮光装置1は次のような効果を奏する。 (1)従来の栽培方法のように土を大きく盛らなくてもよく、作業が大幅に軽減されることとなる。また、遮光装置1を個々のアスパラガスの茎葉A毎に取り付けることとなるため、同じ株で遮光装置1を取り付けない茎葉について同時にグリーンアスパラガスとして収穫することも可能となる。 (2)アスパラガスの茎葉Aが伸長すると自然にキャップ3が持ち上がるので収穫時期を正確に判断できる。特にリング部5が形成されているためより分かりやすい。 (3)キャップ3が軽いのでアスパラガスの茎葉Aの先端が傷ついたり変形したりすることがない。 (4)セットする際にホルダー4の位置を調整できるため、株の状態によって脚12の長さを調整して土に突き立てることができ株を痛めることがない。 (5)アスパラガスの茎葉Aは筒体2に包囲されてるため、途中で折れ曲がることがなくきれいに伸長するため真っ直ぐで姿のよい製品を得ることができる。 (6)キャップ3が鏡面加工されているためアリマキ(アブラムシ)が近寄らない。 (7)伸長するアスパラガスの茎葉Aは突出部7aの中央の窪み位置を上動させることとなるためキャップ3の周壁6と筒体2の外周との接触抵抗が生じにくくキャップ3を傾くことなくスムーズに略鉛直方向に持ち上げることができる。 【0013】 尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。 ・リング部5はなくともよい。キャップ3が押動されて上方に持ち上がっていることを目視することだけでもホワイトアスパラガスの収穫タイミングと理解できるからである。 ・キャップ移動検出部としてはリング部5以外の形態(目盛り等)であってもよい。リング部5を目視するためにキャップ3の周壁6に窓を設けるようにしてもよい。 ・キャップ3形状は上記に限定されない。 ・キャップ3に施された鏡面加工は一部だけでもよい。また、蒸着ではなく他の手段、例えばアルミ箔の貼着等で実現してもよい。また、このような加工は筒体2の外周に施すことも可能である。 ・筒体2やキャップ3は上記以外の素材で構成してもよい。 ・ホルダー4の形状は上記に限定されない。例えば上記ではリング部10が2つあったがその数は限定されない。脚12の数も同様である。また、素材はステンレス製であってもよい。 ・支持部材としてのホルダー4を別体としなくともよい。例えば図4に示すように筒体2の下端から棒状部としての脚17を延出させるように一体成形してもよい。 ・遮光装置が利用される植物体としてはアスパラガス、独活、ニラ等が例として挙げられるが、その他軟白化させる目的で広く植物体に応用することは食用以外の植物体を含め可能である。 ・ホルダー4に対する筒体2はスライド移動させる際に連結枠11の付勢力によって所定位置に保持されることとなっていたが、このようなバネの力を利用する以外に例えば凹凸関係等でホルダー4に対する筒体2の位置決めをしてもよい。 ・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】本発明の実施の形態の遮光装置の分解斜視図。 【図2】実施の形態の遮光装置を畑に設置した状態を説明する断面図を含んだ説明図。 【図3】キャップの状態を説明する説明図であって(a)はアスパラガスの茎葉が当接する前、(b)は当接後。 【図4】他の実施の形態の遮光装置の側面図。 【符号の説明】 【0015】 1…遮光装置、2…筒体、2a…貫通孔、3…キャップ、4…支持部材としてのホルダー。
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| 【出願人】 |
【識別番号】504089806 【氏名又は名称】長坂 進
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| 【出願日】 |
平成16年3月8日(2004.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099047 【弁理士】 【氏名又は名称】柴田 淳一
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| 【公開番号】 |
特開2005−245376(P2005−245376A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−63473(P2004−63473) |
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