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【発明の名称】 抗菌性ロックウール培地の製造方法
【発明者】 【氏名】加藤 吉成

【氏名】亀嶋 哲

【氏名】永井 正幸

【要約】 【課題】立ち枯れ病、根腐れ病等の原因となる病原菌に対し除菌効果のある抗菌性ロックウール培地の製造方法を提供する。

【解決手段】抗菌性ロックウール培地を、ロックウールを繊維化する工程中若しくは繊維化直後に、銀系若しくは銅系の無機系抗菌剤及びバインダーを吹き付けて製造する。繊維化したロックウールの表面に対してムラなく均一に抗菌剤及びバインダーを付着させることができる。付着した抗菌剤はバインダーにより強固にロックウールの表面に固着される。抗菌剤が存在するロックウールの表面積は高くなり、病原菌と抗菌剤との接触率が高まり抗菌効果が向上する。抗菌剤がバインダーによりロックウール表面に強固に固着され、水流によって剥落することが回避され植物に与える悪影響も無く、養液廃棄の際の環境汚染も無くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックウールを繊維化する工程中若しくは繊維化直後に、銀系若しくは銅系の無機系抗菌剤及びバインダーを吹き付けて製造することを特徴とする抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項2】
前記抗菌剤及びバインダーは処理液に溶かした状態で吹き付けることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項3】
前記抗菌剤及び/又はバインダーを溶かした処理液中に、前記ロックウール100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項2に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項4】
前記抗菌剤は、粒径0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1又は請求項3の何れかに記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項5】
前記抗菌剤は、前記ロックウール100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項6】
前記処理液100重量%に対して、前記抗菌剤が0.1〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れかに記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。
【請求項7】
前記抗菌剤及びバインダーの吹き付け処理後、ロックウールを集綿して加熱成形することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は稲、花き、果物、等の作物栽培中に発生する立ち枯れ病、根腐れ病等の原因となる病原菌に対し除菌効果のある抗菌性ロックウール培地の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロックウール培地の基材となるロックウールは、岩石を融かすため1300〜1500℃の熱処理を行うとともに、最終工程で150〜250℃の温度で焼結させて製造していることから、ロックウール自体は製品になった時点では無菌状態である。また、ロックウール培地は栽培中は培地自体余り変化せず、水耕栽培の養液に含まれる栄養分で作物を成長させる培地である。養液中の病原菌を除去する技術としては加熱殺菌、オゾンによる殺菌、溶出銅イオンによる抗菌(特開平11−000065号公報参照)、次亜塩素酸混入による殺菌等が行われている。
【0003】
しかしながら、ロックウール培地は非常に緻密な構造であるため、細菌の絶好の繁殖場所となる。このため、特に連作する際は、ロックウール培地をよく洗浄し、殺菌消毒を行ってから再使用しているが、完全消毒はできず、少なからず細菌を持ち越してしまう問題点がある。
【特許文献1】特開平11−000065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点を解決するために、ロックウールに抗菌剤を添加して抗菌性を付与させるという点に本発明者等が始めて着目してなされたもので、稲、花き、果物、等の作物栽培中に発生する立ち枯れ病、根腐れ病等の原因となる病原菌に対し除菌効果のある抗菌性ロックウール培地の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために請求項1に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、ロックウールを繊維化する工程中若しくは繊維化直後に、銀系若しくは銅系の無機系抗菌剤(以下、単に抗菌剤という)及びバインダーを吹き付けて製造することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項1に記載の構成において、前記抗菌剤及びバインダーは処理液に溶かした状態で吹き付けることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項2に記載の構成において、前記抗菌剤及び/又はバインダーを溶かした処理液中に、前記ロックウール100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の界面活性剤を添加したことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項1又は請求項3に記載の構成において、前記抗菌剤は、粒径0.1〜1.0μmであることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の構成において、前記抗菌剤は、前記ロックウール100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項2乃至請求項5の何れかに記載の構成において、前記処理液100重量%に対して、前記抗菌剤が0.1〜10重量%含まれていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載された抗菌性ロックウール培地の製造方法は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の構成において、前記抗菌剤及びバインダーの吹き付け処理後、ロックウールを集綿して加熱成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、ロックウールを繊維化する工程中若しくは繊維化直後に、抗菌剤及びバインダーが吹き付けられるので、繊維化して無菌状態のロックウールの表面に対してムラなく均一に抗菌剤及びバインダーを付着させることができる。そして、付着した抗菌剤は同じく付着したバインダーにより強固にロックウールの表面に固着される。
【0013】
上記製造方法による抗菌性ロックウール培地は、ロックウール表面にムラなく均一に抗菌剤が付着しているので、抗菌剤が存在するロックウールの表面積は高くなる。このため、病原菌と抗菌剤との接触率が高くなり、抗菌効果が向上する。さらに、抗菌剤がバインダーによりロックウール表面に強固に固着されているので、水流によって抗菌剤が欠け落ちることが回避され植物に与える悪影響も無いとともに、養液廃棄の際の環境汚染も無くなることが期待される。
【0014】
請求項2に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、抗菌剤及びバインダーを溶かした処理液の状態で吹き付けるものであるから、予め処理液を混合することにより抗菌剤の表面にバインダーを付着させることができる。このため、ロックウールに処理液を吹き付けることにより、抗菌剤はバインダーとともにロックウール表面に付着して、バインダーによって確実にロックウール表面に固着される。
【0015】
請求項3に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、抗菌剤及び/又はバインダーを溶かした処理液中に、ロックウール100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の界面活性剤を添加したから、添加量が0.01重量部未満のもののように、使用時に界面活性剤が殆ど揮発してしまい、水の浸透性が悪化して栽培に適さないこともなく、また、0.5重量部を超えるもののように、界面活性剤自体が植物に害を及ぼして生育を阻害してしまうこともない。
【0016】
請求項4に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、抗菌剤は、粒径0.1〜1.0μmであるから、粒径が0.1μm未満のもののようにバインダーに埋もれてロックウールの表面に露出する割合が減少して抗菌効果が十分発揮できないこともなく、また、粒径が1.0μmを超えるものように、水流に当たる面積が大きくなって、固着されたロックウールの表面から欠け落ちる可能性も少なくなる。
【0017】
請求項5に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、抗菌剤は、ロックウール100重量部に対して0.01〜1.0重量部であるから、0.1重量部未満のもののように抗菌剤の割合が少なすぎて十分な抗菌効果を期待できないこともなく、また、1.0重量部を超えるもののように、ロックウール表面に幾重にも積層することがなく、抗菌剤が欠け落ちる可能性も少なくなる。
【0018】
請求項6に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、処理液100重量%に対して、抗菌剤が0.1〜10重量%含まれているから、0.1重量%未満のもののように抗菌剤の割合が少なすぎることもなく、10重量%を超えるもののように処理液の粘度が高くなり吹き付けが不可能となることもない。
【0019】
請求項7に記載の抗菌性ロックウール培地の製造方法によれば、前記抗菌剤及びバインダーの吹き付け処理後、ロックウールを集綿して加熱成形するから、吹き付けたバインダーを硬化させることで所望の形状の抗菌性ロックウール培地を得ることができるとともに、抗菌剤が硬化したバインダーによりロックウール表面に確実に固着される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明において、上述した抗菌剤やバインダーを水に溶かして処理液を得、該処理液を繊維化して無菌状態のロックウールに吹き付ければよい。この場合、抗菌剤及びバインダーはそれぞれ別々の処理液としてロックウールに吹き付けてもよいが、抗菌剤及びバインダーを混合して同一の処理液としてロックウールに吹き付けることが効率的で好ましい。
【0021】
上記抗菌剤及び/又はバインダーを溶かした処理液中に添加する界面活性剤は、ロックウール100重量部に対して、0.01〜0.5重量部であるが、0.2〜0.3重量部であることが好ましい。
【0022】
上記抗菌剤の粒径は0.1〜1.0μmであるが、粒径0.1〜0.8μmが好ましい。また、ロックウール100重量部に対して0.01〜1.0重量部であるが、0.1〜1.0重量部が好ましい。さらに、上記抗菌剤は処理液100重量%に対して0.1〜10重量%であるが、2.0〜6.0重量%であることが好ましい。
【0023】
上記バインダーの添加量は、ロックウール100重量部に対して1.0〜5.0重量部が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0重量部である。バインダーの比率が1.0重量部未満では、ロックウール繊維の表面に抗菌剤を固着させるためには不十分で、抗菌性ロックウール培地の使用時に抗菌剤が水流により欠け落ちてしまう恐れがあり、バインダーが5.0重量部を超えてしまうと、バインダーの量が多すぎて抗菌剤の表面を覆ってしまい、抗菌作用が得られなくなってしまう恐れがあるからである。
【0024】
そして、上記バインダーは、上記処理液100重量%に対して5〜30重量%であるのが好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満では硬化しない恐れがあり、30重量%を超えてしまうと処理液の粘度が高くなってしまい吹き付けることができなくなってしまうからである。そして、このバインダーはフェノール樹脂系、尿素樹脂系、アクリル樹脂系といった有機バインダーが使用できるが、特に耐候性・耐熱性に優れるフェノール樹脂系のバインダーが好ましい。
【実施例】
【0025】
先ず、銀系抗菌剤に対して、水、バインダー、界面活性剤を混合して表1に示す処理液1〜7を用意した。
【0026】
【表1】


【0027】
ここで、バインダーとしてフェノール樹脂を、界面活性剤として非イオン活性剤を使用した。そして、それぞれ繊維化したロックウールに上記処理液の吹き付け処理を施し、後述する実施品1〜3、参考品1〜4及び比較品1〜2の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0028】
(実施品1)
銑鉄鉱滓、玄武岩、ドロマイトからなる原料混合物をキューポラで熔解し繊維化すると同時に、処理液1と処理液6を繊維化されたロックウール100重量部に対して、それぞれ10.0重量部、2.0重量部吹き付けて原料となる綿(以下原綿という)を得た。その後、該原綿を所定量集綿して幅200cm、厚さ7.5cmのスラブ形状に成型し、これを150℃〜250℃で15分加熱処理し、バインダーを熱硬化させて実施品1の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0029】
(実施品2)
銑鉄鉱滓、玄武岩、ドロマイトからなる原料混合物をキューポラで熔解し繊維化すると同時に、処理液2と処理液6を繊維化されたロックウール100重量部に対して、それぞれ10.0重量部、2.0重量部吹き付けて原綿を得た。その後、該原綿を所定量集綿して幅200cm、厚さ7.5cmのスラブ形状に成型し、これを150℃〜250℃で15分加熱処理して、バインダーを熱硬化させて実施品2の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0030】
(実施品3)
銑鉄鉱滓、玄武岩、ドロマイトからなる原料混合物をキューポラで熔解し繊維化すると同時に、処理液3と処理液6を繊維化されたロックウール100重量部に対して、それぞれ10.0重量部、2.0重量部吹き付けて原綿を得た。その後、該原綿を所定量集綿して幅200cm、厚さ7.5cmのスラブ形状に成型し、これを150℃〜250℃で15分加熱処理して、バインダーを熱硬化させて実施品3の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0031】
(参考品1)
参考品1は、上記実施品1に吹き付けた10.0重量部の処理液1の代わりに同量の処理液4を吹き付けたもので、その他は実施品1に施したと同様の処理により参考品1の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0032】
(参考例2)
参考品2は、上記実施品1に吹き付けた10.0重量部の処理液1の代わりに同量の処理液5を吹き付けたもので、その他は実施品1に施したと同様の処理により参考品2の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0033】
(参考品3)
参考品3は、上記実施品1に吹き付けた10.0重量部の処理液1の代わりに4.0重量部の処理液1を吹き付けたもので、その他は実施品1に施したと同様の処理により参考品3の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0034】
(参考品4)
参考品4は、上記実施品1に吹き付けた10.0重量部の処理液1の代わりに30.0重量部の処理液1を吹き付けたもので、その他は実施品1に施したと同様の処理により参考品4の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0035】
(比較品1)
銑鉄鉱滓、玄武岩、ドロマイトからなる原料混合物をキューポラで熔解し繊維化すると同時に、処理液7と処理液6を繊維化されたロックウール100重量部に対して、それぞれ10.0重量部、2.0重量部吹き付けて原綿を得た。その後、該原綿を所定量集綿して幅200cm、厚さ7.5cmのスラブ形状に成型し、これを150℃〜250℃で15分加熱処理してバインダーを熱硬化させ、さらに一定の大きさに切りだし、処理液1に含浸した後、自然乾燥させて比較品1の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0036】
(比較品2)
銑鉄鉱滓、玄武岩、ドロマイトからなる原料混合物を、キューポラで熔解し繊維化して原綿を得た。その後、該原綿を所定量集綿して処理液1と処理液6をロックウール100重量部に対して、それぞれ10.0重量部、2.0重量部吹き付けて、幅200cm、厚さ7.5cmのスラブ形状に成型し、これを150℃〜250℃で15分加熱処理し、バインダーを熱硬化させて比較品2の抗菌性ロックウール培地の成型品を得た。
【0037】
表2は、実施品1〜3、参考品1〜4及び比較品1〜2における処理液1〜7の処理量(ロックウール100重量部に対する重量部)と、処理液の処理のタイミングを纏めたものである。
【0038】
【表2】


【0039】
また、表3は、実施品1〜3、参考品1〜4及び比較品1〜2における抗菌剤、バインダー、界面活性剤の添加量(ロックウール100重量部に対する重量部)を示したものである。
【0040】
【表3】


【0041】
上記実施品1〜3、参考品1〜4及び比較品1〜2のロックウール培地の成型品を、30mm×30mm×10mmの大きさに切り出し、それぞれに対してP.helicoides遊走子20個/mlに調整した菌液1mlをその培地に滴下した。そして、28℃の無菌状態で30分放置した後、その菌液を10mlの滅菌水で洗い出し、出てきた液1mlをPDA寒天培地で培養し生菌数を測定する評価試験を行った。
【0042】
また、実施品1〜3、参考品1〜4及び比較品1〜2のロックウール培地の成型品を、300mm×300mm×75mmの形状に切り出し、それぞれ5株のミニバラ2を定植して20日間簡易水耕栽培装置3により栽培した。図1に示すように簡易水耕栽培装置3は、貯水タンク4に溜めた水耕栽培用養液5を循環配管6により、ロックウール培地1をセットした栽培用ベット7に循環させる。その後、循環する水耕栽培用養液5に、養液にP.helicoides遊走子を定期的に接種して、病気の発生状況を観察する評価試験を行った。上記各評価試験の結果を表4に示す。
【0043】
【表4】


【0044】
表4に示すように実施品1、2、3は、病気を抑制する効果もあり、生育順調であった。これに対して、参考品1は抗菌剤が少ないため病気が発生した。参考品2は、抗菌効果は認められたが一部根に変色が認められた。また、参考品3は抗菌効果が認められなかった。参考品4は抗菌効果が認められたが、生育が抑制された。比較品1は抗菌効果は認められなかった。比較品2は、抗菌効果は認められたものの充分でなかった。
【0045】
そして、30分後の生菌数(個/ml)及び発病株数が0であったのは、実施品1、2、3と参考品2及び参考品4であった。但し参考品2及び参考品4は草丈が実施品1、2、3に比べて低かった。
【0046】
参考品2は、ロックウール100重量部に対して抗菌剤を1.0重量部吹き付けたもの(表3参照)で、抗菌剤の配合比率が1.0重量部より高いと、ロックウール繊維表面に抗菌剤が幾重にも重なり欠け落ち易く、欠け落ちた抗菌剤による根の阻害があったものと思われる。参考品4は、ロックウール100重量部に対してバインダー6.0重量部を吹き付けたもの(表3参照)で、根の色は悪くないのに生育が抑制されていることから、バインダーの比率が5重量部より高い比率では成型時に硬くなり過ぎて、植物の生育に好ましくない影響を与えたものと評価できる。
【0047】
比較品2は30分後の生菌数(個/ml)が5個であり、参考品1及び参考品3は、30分後の生菌数(個/ml)が10個であり、比較品1は20個であった。参考品1は、ロックウール100重量部に対する抗菌剤の配合比率が0.006重量部吹き付けたのもの(表3参照)で、ロックウール繊維全面に接着するだけの抗菌剤の量が確保できなかったためと思われる。
【0048】
参考品3は、ロックウール100重量部に対してバインダーが0.8重量部、抗菌剤が0.08重量部の割合で吹き付けられたもの(表3参照)で、バインダーの配合比率が1重量部未満であってロックウール繊維どうしの接着も不十分で、十分な強度が保てない状態であることと、抗菌剤が充分に接着しなかったことが相俟って抗菌効果が発揮できなかった。比較品1では、成形後のロックウールをバインダーと抗菌剤が添加された処理液に含浸させただけのもので、抗菌効果がなく5株とも発病した。比較品2ではやや抗菌効果が見られたものの充分でなく発病する株があった。これは抗菌剤を後から撒布したため抗菌剤が均一に分布していないためと思われる。
【0049】
これに対して、上記実施品のロックウール培地は、緻密なロックウール層全体に均一に抗菌剤を固着させて、繊維一本一本に抗菌剤が均一に存在させることにより、ロックウール内の全ての場所で抗菌効果を得ることができ、水耕栽培の養液中に存在する病原菌の繁殖を抑制すると同時に、たとえロックウール中で病原菌が存在しても病原菌を循環養液中へ放出することはなく、瞬時に死滅させることができる。また、長期に渡り根腐れ病原菌に対して抑制効果を持続するため連作が可能であると考えられ、安心して栽培できる抗菌性ロックウール培地を提供することができる。
【0050】
尚、粒径0.1〜1.0μmの銅系の無機系抗菌剤をロックウール100重量部に対して0.01〜1.0重量部吹き付けた抗菌性ロックウール培地においても、抗菌剤とロックウールが強固に付着して、水流による抗菌剤の欠け落ちも無くなり、上記実施品に準じた抗菌効果を充分発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】簡易水耕栽培装置の模式図である。
【符号の説明】
【0052】
1...ロックウール培地
3...簡易水耕栽培装置
【出願人】 【識別番号】000244176
【氏名又は名称】明智セラミックス株式会社
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
【出願日】 平成16年3月3日(2004.3.3)
【代理人】 【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始

【公開番号】 特開2005−245282(P2005−245282A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−59261(P2004−59261)