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【発明の名称】 野菜の脱窒素加工方法
【発明者】 【氏名】池田 明
【住所又は居所】大分県大分市豊海三丁目3番1号 菱東肥料株式会社内

【氏名】河野 映一
【住所又は居所】大分県大分市豊海三丁目3番1号 菱東肥料株式会社内

【要約】 【課題】簡便な方法で野菜中の硝酸態窒素を低減することが出来る野菜の脱窒素加工方法を提供する。

【解決手段】収穫前無施肥状態の少なくとも2週間の夜間および/または収穫後1週間以内の期間に野菜に光を照射して硝酸態窒素を低減させる。また、本発明の好ましい態様においては、収穫前無施肥状態の少なくとも2週間前に還元剤を施用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫前無施肥状態の少なくとも3日間の夜間および/または収穫後1週間以内の期間に野菜に光を照射して硝酸態窒素を低減させることを特徴とする野菜の脱窒素加工方法。
【請求項2】
光が照度が300ルクス以上である請求項1に記載の脱窒素加工方法。
【請求項3】
野菜が根菜類である請求項1又は2に記載の脱窒素加工方法。
【請求項4】
野菜が人参である請求項1〜3の何れかに記載の脱窒素加工方法。
【請求項5】
収穫前無施肥状態の少なくとも2週間前に還元剤を施用する請求項1〜4の何れかに記載の脱窒素加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜の脱窒素加工方法に関し、詳しくは、簡便な方法で野菜中の硝酸態窒素を低減することができる野菜の脱窒素加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康ブームを背景として野菜ジュース粉末が注目されている。斯かる状況の中、有害物質の硝酸態窒素を除去することにより、血管の老化防止などの健康維持に有効な野菜ジュース粉末の製造方法として、野菜を洗浄・凍結乾燥・粉末化する際の洗浄水にイオン交換樹脂により硝酸イオンや亜硝酸イオンを除去した水を使用することを特徴とした野菜ジュース粉末の製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−229858号公報
【0003】
ところで、野菜の生産方法においては、窒素肥料は硝酸態窒素として野菜に吸収されて利用されるため、収穫された野菜に微量ながらも硝酸態窒素が堆積されていることがある。従って、濃縮液であるジュースにする場合のみならず、一般的な食用においても、野菜中の硝酸態窒素の低減化が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、簡便な方法で野菜中の硝酸態窒素を低減することが出来る野菜の脱窒素加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明の要旨は、収穫前無施肥状態の少なくとも3日間の夜間および/または収穫後1週間以内の期間に野菜に光を照射して硝酸態窒素を低減させることを特徴とする野菜の脱窒素加工方法に存する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡便な方法で野菜中の硝酸態窒素を低減することが出来、特に、健康維持に有効な野菜ジュースを生産することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の脱窒素加工方法の対象となる野菜としては、特に制限されず、果菜類、葉茎菜類、根菜類の何れでもよい。
【0008】
果菜類の具体例としては、トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、エンドウ、インゲン、エダマメ、ソラマメ、トウモロコシ、オクラ、イチゴ等が挙げられる。
【0009】
葉茎菜類としては、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、ルッコラ、白菜、チンゲン菜、小松菜、野沢菜、ケール、レタス、サニーレタス、サラダナ、春菊、フキ、チコリ、ヨモギ、サラダ菜、セロリ、セリ、パセリ、アシタバ、三つ葉、マシュルーム、シイタケ、マッタケ、タマネギ、ネギ、ワケギ、ニラ、ニンニク、ラッキョ、エシャ、ロット、アサツキ、アスパラガス、シソ、バジル、ホウレン草、ウド、タラノメ、タケノコ、ゼンマイ、ワラビ、モヤシ、ショウガ等が挙げられる。
【0010】
根菜類としては、ゴボウ、サツマイモ、ユリネ、ジュガイモ、大根、ラディシュ、カブ、ワサビ、人参、ビート、レンコン、ショウガ等が挙げられる。
【0011】
上記の野菜の中では、野菜ジユースに利用する観点から、トマト、キャベツ、白菜、チンゲン菜、小松菜、春菊、ヨモギ、サラダ菜、セロリ、パセリ、三つ葉、アスパラガス、ホウレン草、人参が好適である。
【0012】
ところで、野菜の生産は、播種または移植を行った後に生育させて適当な時期に収穫することにより行われ、肥料としては、天然肥料または化学肥料が元肥、追肥などとして施肥される。斯かる生産方法は、野菜の種類に従って確立された常法により行われる。
【0013】
本発明においては、収穫前無施肥状態の少なくとも3日間の夜間および/または収穫後1週間以内の期間に野菜に光を照射する。収穫前は、無施肥状態であるが野菜が十分な鮮度を保持した状態であり、収穫後は、野菜の鮮度は漸次低下する。収穫前の光照射により野菜中の硝酸態窒素の大部分を除去し、収穫前の光照射により残余の硝酸態窒素を除去する。収穫前の光照射は、好ましくは5日間の夜間であり、通常2週間以内の夜間である。また、収穫前の光照射は、好ましくは1〜3日である。最適な光照射時間(期間)は、脱窒素加工の効果が照射する光の照度によっても異なるため、光の照度と目標とする脱窒素加工の程度を考慮して、適宜決定される。また、例えばホウレン草などの葉茎菜類の場合、収穫後の光照射は、水に根部を浸漬して行うのが好ましい。斯かる態様により、鮮度低下を効果的に抑制することが出来る。
【0014】
本発明において、光照射に使用する光源としては、特に制限されないが、植物工場や野菜工場として知られている人工栽培の分野で使用されている、太陽光(自然光)に近い波長を照射し得る各種の光源を使用することが出来る。その一例としては、白熱電球、蛍光灯、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。また、被照射野菜に対する光の照度は通常300ルクス以上であり、その上限は通常5000ルクスである。
【0015】
また、本発明においては、収穫前無施肥状態の少なくとも2週間前に還元剤を施用することが好ましい。還元剤としてはスクロース(ショ糖)が代表的であるが、これに限定されず、マルトース(麦芽糖)、多糖類であってもよく、また、これらの糖類含有廃液であってもよい。これにより、土壌の還元化が進行して野菜中の硝酸態窒素量の低減化効果が期待される。特に、例えばホウレン草などの葉茎菜類の場合にその効果が期待できる。無施肥状態で行われる還元剤の施用は、通常2ケ月以内になされる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0017】
実施例1:
幅3m、長さ11mのオープン式試験ハウス内に、畝幅0.95m、長さ10mの2本の畔(畔間0.5m)からなる圃場を形成し、上記試験ハウス内の四隅と長手方向の側部中央に合計6個の白熱電球(100w)を高さ1mの位置に設置し、畔長さ1mの範囲に約50本(1畔当たり約500本)の人参を育成し、収穫前無施肥状態の2週間から収穫までの夜間において光を照射した。昼間はハウスの天井部を開放して自然栽培し、また、夜間照射した光の照度は600ルクスであった。
【0018】
収穫後、ランダムに10本の人参について次の要領で硝酸態窒素を測定した。すなわち、ジューサーで人参試料を破砕し、固形分から分離された汁について市販の硝酸態窒素測定キット(関東化学社製「RQフレックスプラス」)で硝酸態窒素を測定をした。10本の人参についての測定値の平均値をもって評価した。その結果、光を照射しなかったブランク値(10本の人参についての測定値の平均値)が320ppmであったのに対し、光を照射した場合は100ppmまで減少していた。
【0019】
実施例2:
水を収容した容器内に収穫直後のホウレン草50本を根が水に漬かる様に入れて一昼夜に亘りホウレン草の上部1mの高さから光を照射した。光の照度は600ルクスであった。光源には実施例1と同じ白熱電球使用した。実施例1と同様の要領でホウレン草の葉部の硝酸態窒素を測定した。測定にはホウレン草50本そのまま使用した。その結果、光を照射しなかったブランク値(10本のホウレン草についての測定値の平均値)が2300ppmであったのに対し、光を照射した場合は600ppmまで減少していた。
【出願人】 【識別番号】502222854
【氏名又は名称】菱東肥料株式会社
【住所又は居所】大分県大分市豊海三丁目3番1号
【出願日】 平成16年3月2日(2004.3.2)
【代理人】 【識別番号】100097928
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 数彦

【公開番号】 特開2005−245243(P2005−245243A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−57505(P2004−57505)