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【発明の名称】 接木装置
【発明者】 【氏名】花村 健

【氏名】花村 順也

【要約】 【課題】種々の品種の接木苗を、高い接木成功率でもって、比較的小規模で、迅速、能率的かつ安価に製造することができる接木装置を提供する。

【解決手段】接木装置1には、回転テーブル3とチャック開閉カム4とチャック昇降カム5とを備えたインデックステーブル2が設けられている。インデックステーブル2のまわりには、ワークセットステーション11と、ワークカットステーション12と、接着剤塗布ステーション13と、硬化剤塗布ステーション14と、接着剤硬化ステーション15と、ワーク取出しステーション16とが設けられている。台木7及び穂木9が、人手を介して、連続的にワークセットステーション11に投入される。この後、台木7及び穂木9は、回転テーブル3の間欠的な回転に伴って、順次、各ステーション12〜15を経て、自動的に接合されて接木苗となり、ワーク取出しステーション16から取り出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台木と穂木を、略同軸状に互いに接合して接木苗を製造する接木装置であって、
開閉により台木を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができる台木チャックと、開閉により穂木を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができかつ上下方向に変位することができる穂木チャックとを有するチャックセットが、互いに一定の中心角を隔てて円周方向に複数配置され、上記中心角と同一の回転角で間欠的に回転する回転テーブルと、
各チャックセットと係合して、その台木チャック及び穂木チャックを開状態にする大径カム面と、閉状態にする小径カム面とを有するチャック開閉カムと、
穂木チャックと係合して、該穂木チャックを上側位置に位置決めする上位カム面と、下側位置に位置決めする下位カム面とを有するチャック昇降カムとを備えているインデックステーブルが設けられていて、
回転テーブル停止時において各チャックセットと係合する位置に、回転テーブル回転方向にみて、順に、台木及び穂木をそれぞれ台木チャック及び穂木チャックにセットするワークセット装置と、台木上端部と穂木下端部の間隔が一定となるように台木及び穂木をカットするワークカット装置と、台木上端部と穂木下端部を接合するワーク接合装置と、台木と穂木が接合されてなる接木苗をチャックセットから取り出すワーク取出し装置とが設けられ、回転テーブル停止時にワークセット装置とワークカット装置とワーク接合装置とワーク取出し装置が、それぞれ対応する台木、穂木又は接木苗に対する動作を行い、
チャック開閉カムが、回転テーブル回転方向にみて前側位置と後側位置との間で回動することができるようになっていて、大径カム面が、前側位置においてはワークセット装置に対応するチャックセットのみと係合し、後側位置においてはワーク取出し装置に対応するチャックセットのみと係合するように形成され、
チャック昇降カムが、回転テーブル円周方向にみて、ワークセット装置に対応する部位からワークカット装置に対応する部位にかけて上位カム面を備えるように形成されていることを特徴とする接木装置。
【請求項2】
ワークセット装置が、台木を台木チャックにセットする台木セット部と、穂木を穂木チャックにセットする穂木セット部と、台木及び/又は穂木の不要部を切除するカット刃とを有することを特徴とする請求項1に記載の接木装置。
【請求項3】
ワークカット装置が、台木上端部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木下端部をV字形にカットすることを特徴とする請求項1又は2に記載の接木装置。
【請求項4】
ワーク接合装置が、台木と穂木を、接着剤を塗布することにより互いに接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の接木装置。
【請求項5】
回転テーブル回転方向にみて、ワーク接合装置より前側でありワーク取出し装置より後側において、回転テーブル停止時にチャックセットと係合する位置に、ワーク接合装置によって塗布された接着剤を硬化させる硬化剤を塗布する硬化剤塗布装置が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の接木装置。
【請求項6】
回転テーブル回転方向にみて、硬化剤塗布装置とワーク取出し装置とが、回転テーブル停止時に両者間に少なくとも1つのチャックセットが位置するように離間して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の接木装置。
【請求項7】
ワークカット装置が、台木の各子葉の分岐部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木の下端部をV字形にカットし、
ワーク接合装置が、子葉を伴った台木に穂木を接合することを特徴とする請求項1に記載の接木装置。
【請求項8】
ワークカット装置が、台木の子葉の根元部で軸部を斜めにカットする一方、穂木の下端部を斜めにカットし、
ワーク接合装置が、子葉を伴った台木に穂木を接合することを特徴とする請求項1に記載の接木装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、台木と穂木を、略同軸状に互いに接合して接木苗を製造する接木装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、果物、野菜等の植物の栽培においては、台木と穂木を略同軸状に互いに接合してなる接木苗が広く用いられている。かかる接木苗を製造する場合、台木の茎と穂木の茎を略同軸状に互いに接合するといった接合作業を多数回繰り返して行うことが必要であるが、このような作業を手作業で行ったのでは多大な労力を要し、接木苗の製造コストが大幅に上昇する。そこで、台木の茎と穂木の茎を自動的に互いに接合させるようにした自動接木装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来の自動接木装置では、まず搬入用ハンドにより台木及び穂木を接合ステーションに搬入し、該接合ステーション内で台木と穂木を互いに接合して接木苗をつくり、この後排出用ハンドにより接木苗を接合ステーションから排出するといった一連の工程で1つの接木苗を完成するようにしているので、接合作業を迅速ないしは能率的に行うのが困難であるといった問題がある。そこで、接木苗を完全に自動化した完全自動式接木装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特公平6-48940号公報(第4〜第6頁、第1図)
【特許文献2】特開平8-243859号公報(段落[0019]〜[0025]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献2に開示された完全自動式接木装置は、非常に大規模であり、かつ構造が極めて複雑であり、その製作コストが非常に高くなる。したがって、この全自動式接木装置は、種々の品種の接木苗を比較的小規模で製造するのには適していないといった問題がある。また、一般に、台木及び穂木には、低品質ないしは不完全なものが存在するので、接木の成功率が低くなるといった問題もある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、高い接木成功率でもって、種々の品種の接木苗を比較的小規模で、迅速かつ能率的に製造することができる接木装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる、台木と穂木を、略同軸状に互いに接合して接木苗を製造する接木装置には、回転テーブルと、チャック開閉カムと、チャック昇降カムとを有するインデックステーブルが設けられている。回転テーブルには、複数(例えば、6〜8組)のチャックセットが、一定の中心角を隔てて円周方向に配置されている。各チャックセットは、開閉により台木を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができる台木チャックと、開閉により穂木を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができかつ上下方向に変位することができる穂木チャックとを有している。回転テーブルは、上記中心角と同一の回転角で間欠的に回転する。チャック開閉カムは、各チャックセットと係合してその台木チャック及び穂木チャックを開状態にする大径カム面と、閉状態にする小径カム面とを有している。チャック昇降カムは、穂木チャックと係合して該穂木チャックを上側位置に位置決めする上位カム面と、下側位置に位置決めする下位カム面とを有している。
【0007】
この接木装置には、回転テーブル停止時において各チャックセットと係合する位置に、回転テーブル回転方向にみて、順に、台木及び穂木をそれぞれ台木チャック及び穂木チャックにセットするワークセット装置と、台木上端部と穂木下端部の間隔が一定となるように台木及び穂木をカットするワークカット装置と、台木上端部と穂木下端部を互いに接合するワーク接合装置と、台木と穂木が接合されてなる接木苗をチャックセットから取り出すワーク取出し装置とが設けられている。そして、回転テーブル停止時に、ワークセット装置とワークカット装置とワーク接合装置とワーク取出し装置が、それぞれ対応する台木、穂木又は接木苗に対する動作を行う。
【0008】
ここで、チャック開閉カムは、回転テーブル回転方向にみて前側位置と後側位置との間で回動することができるようになっている。大径カム面は、前側位置においてはワークセット装置に対応するチャックセットのみと係合し、後側位置においてはワーク取出し装置に対応するチャックセットのみと係合するように形成されている。チャック昇降カムは、回転テーブル円周方向にみて、ワークセット装置に対応する部位からワークカット装置に対応する部位にかけて上位カム面を備えるように形成されている。
【0009】
この接木装置においては、ワークセット装置は、台木を台木チャックにセットする台木セット部と、穂木を穂木チャックにセットする穂木セット部と、台木及び/又は穂木の不要部(例えば、台木の上部及び/又は穂木の下部)を切除するカット刃とを有するのが好ましい。
ワークカット装置は、台木上端部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木下端部をV字形にカットするようになっていてもよい。
【0010】
ワーク接合装置は、台木と穂木を、接着剤を塗布することにより互いに接合するようになっているのが好ましい。ここで、回転テーブル回転方向にみて、ワーク接合装置より前側でありワーク取出し装置より後側において、回転テーブル停止時にチャックセットと係合する位置に、ワーク接合装置によって塗布された接着剤を硬化させる硬化剤を塗布する硬化剤塗布装置が設けられているのがより好ましい。この場合、硬化剤塗布装置とワーク取出し装置とが、回転テーブル回転方向にみて、回転テーブル停止時に両者間に少なくとも1つのチャックセットが位置するように配置されているのが好ましい。
【0011】
この接木装置においては、ワークカット装置が、台木の各子葉の分岐部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木の下端部をV字形にカットし、ワーク接合装置が、複数の子葉を伴った台木に穂木を接合するようになっていてもよい。また、台木の子葉の根元部で軸部を斜めにカットする一方、穂木の下端部を斜めにカットし、ワーク接合装置が、1つの子葉を伴った台木に穂木を接合するようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる接木装置によれば、高い接木成功率でもって、種々の品種の接木苗を比較的小規模で、迅速かつ能率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を具体的に説明する。まず、本発明にかかる、台木と穂木とを略同軸状に互いに接合して接木苗を製造する接木装置の概略的な構造及び機能を説明する。
図1〜図3に示すように、本発明にかかる接木装置1には、インデックステーブル2が設けられている。インデックステーブル2は、それぞれ、平面視で略円形の回転テーブル3とチャック開閉カム4とチャック昇降カム5とを有している。回転テーブル3には、複数(6組)のチャックセット6が、その円周方向に互いに中心角で一定角度(60°)ずつ隔てて配置されている。各チャックセット6は、開閉により台木7を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができる台木チャック8と、開閉により穂木9を非クランプ状態又はクランプ状態とすることができる穂木チャック10とを有している。穂木チャック10は上下方向に変位することができるようになっている。
【0014】
回転テーブル3は、矢印A1で示す方向(上側からみて反時計回り)に、一定時間毎に一定角度(60°)ずつ間欠的に回転する。チャック開閉カム4は、各チャックセット6と係合して台木チャック8及び穂木チャック10を開状態にする大径カム面4aと、閉状態にする小径カム面4bとを有している。チャック昇降カム5は、穂木チャック10と係合して該穂木チャック10を上側位置に位置決めする上位カム面5aと、下側位置に位置決めする下位カム面5bとを有している(図6参照)。
【0015】
インデックステーブル2の周囲には、回転テーブル回転方向にみて、順に、中心角で一定角度(60°)ずつ隔てて、ワークセットステーション11と、ワークカットステーション12と、接着剤塗布ステーション13と、硬化剤塗布ステーション14と、接着剤硬化ステーション15と、ワーク取出しステーション16とが設けられている。これらの各ステーション11〜16は、いずれも、回転テーブル停止時においていずれかのチャックセット6と係合する位置に配置されている。
【0016】
ワークセットステーション11では、台木7及び穂木9が、それぞれ台木チャック8及び穂木チャック10にセットされる。ワークカットステーション12では、台木上端部と穂木下端部との間隔が一定となるように、台木7及び穂木9がカットされる。接着剤塗布ステーション13では、台木7と穂木9の当接部に接着剤が塗布される。硬化剤塗布ステーション14では、台木7と穂木9の当接部に塗布された接着剤の硬化を促進する硬化剤が塗布される。接着剤硬化ステーション15では、格別の処理は施されず、時間の経過により接着剤が硬化し、台木7と穂木9が互いに接合されて接合苗となる。ワーク取出しステーション16では、接合苗が取り出される。なお、各ステーション11〜14、16では、回転テーブル停止時に、台木、穂木又は接木苗に対する上記各処理がほぼ同時に行われる。
【0017】
以下、接木装置1の具体的な構造及び機能を説明する。
まず、インデックステーブル2の構造及び機能を説明する。インデックステーブル2を構成する略円板形の回転テーブル3には、台木チャック8と穂木チャック10とを有するチャックセット6が、回転テーブル円周方向に、中心角で60°ずつ隔てた部位に6組配置されている。ここで、台木チャック8は下側に配置され、穂木チャック10は上側に配置されているが、平面視では、両者はほぼ重なる位置に配置されている。各台木チャック8の下方には、ぞれぞれ、台木7から脱落する土を受けるための受皿18が設けられている。
【0018】
回転テーブル3は、図示していない制御装置によって制御され、一定の短い時間毎に、60°づつ、図1中の矢印A1方向(反時計回り)に間欠的に回転する。なお、チャックセット6の数は6組に限定されるわけではなく、7組以上であってもよい(例えば、8組)ただし、チャックセット6の数が7組以上である場合は、上記中心角及び回転角度は60°ではなく、360°をチャックセット数で除算した値となる(例えば、8個の場合は45°)。
【0019】
ここで、回転テーブル3の回転位相は、回転テーブル停止時にはいずれかのチャックセット6が正面Fに位置するように制御されている。したがって、回転テーブル停止時には回転テーブル円周方向にみて、正面Fから中心角で60°ずつ隔てた位置に、それぞれ、いずれかのチャックセット6が位置する。なお、以下では、正面Fを第1停止位置といい、回転テーブル円周方向にみて正面F(第1停止位置)から反時計回りに60°ずつ隔てた位置を、順に、第2停止位置、第3停止位置……第6停止位置という。
【0020】
そして、この接木装置1では、第1〜第6停止位置に対応する部位に、それぞれ、ワークセットステーション11と、ワークカットステーション12と、接着剤塗布ステーション13と、硬化剤塗布ステーション14と、接着剤硬化ステーション15と、ワーク取出しステーション16とが配置されている。
【0021】
穂木チャック10は、チャック開閉カム4のカム面と当接するカムフォロア10aと、1対のギヤセット10bと、1対のアームセット10cとを備えている。そして、チャック開閉カム4には、大径カム面4aと小径カム面4bとが形成され、大径カム面4aと小径カム面4bとの接続部には、両カム面4a、4bを円滑に接続するための過渡カム面4cが形成されている。ここで、チャック開閉カム4は、大径カム面4aがカムフォロア10aと当接するときにはアームセット10cを開かせる一方(非クランプ状態)、小径カム面4bがカムフォロア10aと当接するときにはアームセット10c閉じさせるようになっている(クランプ状態)。
なお、台木チャック8の開閉メカニズムは、穂木チャック10と同様であるので、その説明を省略する。
【0022】
さらに、穂木チャック10は、チャック昇降カム5のカム面と当接するカムフォロア10dを備えている。図6に示すように、チャック昇降カム5には、底面からの高さが高い上位カム面5aと、高さが低い下位カム面5bとが形成され、上位カム面5aと下位カム面5bとの接続部には、両カム面5a、5bを円滑に接続するための過渡カム面5cが形成されている。ここで、チャック昇降カム5は、上位カム面5aがカムフォロア10dと当接するときには穂木チャック10を上側位置に位置させる一方、(台木7と穂木9とが離間する)、下位カム面5bがカムフォロア10dと当接するときには穂木チャック10を下側位置に位置させる(台木7と穂木9とが当接する)。
【0023】
以下、チャックセット6(台木チャック8及び穂木チャック10)の動作を制御するチャック開閉カム4及びチャック昇降カム5の構造及び動作を説明する。
図4及び図5に示すように、チャック開閉カム4は、回転はしないが、回転テーブル回転方向にみて、回転テーブル中心回りに、前側位置と後側位置との間で回動することができるようになっている。なお、チャック開閉カム4は、図4では後側位置に位置し、図5では前側位置に位置している。図4から明らかなとおり、チャック開閉カム4が後側位置に位置しているときには、ワーク取出しステーション16に位置しているチャックセット6のみが開状態となり、その他のチャックセット6は閉状態となる。また、図5から明らかなとおり、チャック開閉カム4が前側位置に位置しているときには、ワークセットステーション11に位置しているチャックセット6のみが開状態となり、その他のチャックセット6は閉状態となる。
【0024】
図6に示すように、チャック昇降カム5は、回転せずかつ回動しない固定カムである。このチャック昇降カム5は、回転テーブル円周方向にみて、ワークセットステーション11に対応する部位のやや後側位置からワークカットステーション12に対応する部位のやや前側位置にかけて上位カム面5aを備えるように形成されている。したがって、チャック昇降カム5は、ワークセットステーション11及びワークカットステーション12では、穂木チャック10を上側位置に配置し、その他のステーション13〜16では、穂木チャック10を下側位置に配置する。
【0025】
以下、各ステーション11〜16の構成及び機能を説明する。
再び、図1に示すように、ワークセットステーション11には、台木7を台木チャック8にセットする台木セット部21と、穂木9を穂木チャック10にセットする穂木セット部22と、台木7及び穂木9の不要部、すなわち台木7の上部及び穂木9の下部を切除するカット刃23(円形1枚刃)とが設けられている。
【0026】
台木セット部21は、矢印A2方向に往復移動することができる台木投入チャック24を備えている。そして、台木7を台木チャック8にセットする際には、手前位置(台木チャック8と反対側)において、まず人手で、押しボタンスイッチ、エアセンサ、光電センサなどを用いて、台木7を台木投入チャック24にチャックさせる。台木7は、台木供給コンベア25により台木セット部21に搬入される。なお、台木供給コンベア25は省いてもよい。
【0027】
この後、台木投入チャック24は、台木チャック8に向かって移動する。その途中で、台木7の上部(不要部)はカット刃23によって切除される。なお、子葉を残す場合(図13、図14参照)は、台木7は切除されない。そして、台木投入チャック24は、開状態にある台木チャック8に台木7をセット(非クランプ状態)する。次に、チャック開閉カム4の回動により、台木チャック8が閉状態となり、台木7は台木チャック8によってクランプされる。この後、台木投入チャック24は、台木7をアンチャックし、元の位置に復帰する。かくして、台木7が、台木チャック8にクランプ(セット)される。
【0028】
穂木セット部22は、矢印A3方向に往復移動することができる穂木投入チャック26を備えている。そして、穂木9を穂木チャック10にセットする際には、手前位置(穂木木チャック10と反対側)において、まず人手で、押しボタンスイッチ、エアセンサ、光電センサなどを用いて、穂木9を穂木投入チャック26にチャックさせる。穂木9は、穂木供給コンベア27により穂木セット部22に搬入される。なお、穂木供給コンベア27は省いてもよい。
【0029】
この後、穂木投入チャック26は、穂木チャック10に向かって移動する。その途中で、穂木7の下部(不要部)はカット刃23によって切除される。そして、穂木投入チャック26は、開状態にある穂木チャック10に穂木9をセット(非クランプ状態)する。次に、チャック開閉カム4の回動により、穂木チャック10が閉状態となり、穂木9は穂木チャック10によってクランプされる。この後、穂木投入チャック26は、穂木9をアンチャックし、元の位置に復帰する。かくして、穂木9が、穂木チャック10にクランプ(セット)される。
【0030】
このインデックステーブル2では、1つのチャック開閉カム4によって、台木チャック8及び穂木チャック10が同時に開閉されるので、台木7のセット及び穂木9のセットは、ほぼ同一タイミングで行われる。しかし、台木チャック8と穂木チャック10とに対して個別にチャック開閉カムを設け、台木7のセット及び穂木9のセットを、異なるタイミングで行うようにしてもよい。
【0031】
図7(a)、(b)及び図8に示すように、穂木チャック10は、第1爪部30aと第2爪部30bと第3爪部30cとで、第2爪部30bのV字状の切欠部30d内に配置された穂木9をクランプする。他方、台木チャック8は、第1爪部31aと第2爪部31bと第3爪部31cとで、第2爪部31bのV字状の切欠部31d内に配置された台木7をクランプする。このように、穂木9を3つの爪部30a、30b、30cでクランプし、また台木7を3つの爪部31a、31b、31cでクランプするのは、穂木9及び台木7を、その軸線が鉛直方向に正しく向くようにするためである。この場合、穂木9及び台木7は、それぞれ、第1爪部30a、31aと第2爪部30b、31bとにより平面的に位置決め(位置出し)され、第3爪部30c、31cにより鉛直性が確保される。
【0032】
図9に示すように、ワークカットステーション12には、台木7の上端部と穂木9の下端部の間隔dが一定となるように、台木7及び穂木9をカットするワークカット装置32が設けられている。この間隔dは、穂木チャック10の上側位置と下側位置との間の高低差に対応している(同一である)。このワークカット装置32は、軸32a回りに回転する2枚のカット刃32b、32cで、台木7及び穂木9をカットする。なお、カット刃32b、32cは、矢印A4方向に往復移動することができる。なお、子葉を残す場合(図13、図14参照)は、1枚のカット刃を備えたワークカット装置を用いて、穂木9のみをカットし、台木7はカットしない。
【0033】
接着剤塗布ステーション13には、台木7と穂木9の当接部に接着剤を塗布する接着剤塗布装置33が設けられている。チャックセット6がワークカットステーション12から接着剤塗布ステーション13に移動する際に、チャック昇降カム5によって穂木チャック10が上側位置から下側位置に変位させられる。このため、図10に示すように、間隔dで離間していた台木7と穂木9とが当接する。そして、接着剤塗布装置33は、図11に示すように、台木7と穂木9の当接部に、1〜2か所、接着剤34を塗布する。なお、接着剤塗布装置33は、矢印A5方向に往復移動することができる。
【0034】
硬化剤塗布ステーション14には、接着剤塗布ステーション13で接着剤塗布装置33によって塗布された接着剤を硬化させるための硬化剤を塗布する硬化剤塗布装置35が設けられている。硬化剤塗布装置35は、接着剤の硬化を促進する硬化剤を、エアー等でミスト状にして、台木7と穂木9の接合部に塗布された接着剤に噴霧(噴射)する。
【0035】
接着剤硬化ステーション15には、格別の装置は設けられていない。すなわち、チャックセット6は、この接着剤硬化ステーション15に対応する第5停止位置で、一時停止するだけである。したがって、台木7及び穂木9には格別の処理は施されないが、時間の経過に伴って接着剤が硬化し、台木7と穂木9が互いに接合されて接木苗となる。
【0036】
ワーク取出しステーション16には、台木7と穂木9とが接合されてなる接木苗をチャックセット6から取り出すワーク取出し装置36が設けられている。ワーク取出し装置36は、まず台木チャック8及び穂木チャック10によってクランプされている接木苗を、取出しチャック37でチャックする。
【0037】
この後、チャック開閉カム4の回動により、台木チャック8及び穂木チャック10が開状態となり、接木苗はチャックセット6によるクランプ状態が解除され、取出しチャック37のみによってチャックされた状態となる。この後、取出しチャック37は矢印A6方向に回動し、接木苗を取出しコンベア38(ベルトコンベア又はチェーンコンベア)の上に移動させ、チャックを解除する。かくして、接木苗は接木装置1から搬出される。搬出された接木苗は、所定の場所にストックされる。なお、搬出した接木苗を、直接育苗トレイに戻すようにしてもよい。
【0038】
このように、この接木装置1では、まず、台木7及び穂木9が、人手を介して次々連続的に、インデックステーブル2のワークセットステーション11に投入される。この後、台木7及び穂木9は、回転テーブル3の間欠的な回転に伴って、順次、ワークカットステーション12と、接着剤塗布ステーション13と、硬化剤塗布ステーション14と、接着剤硬化ステーション15とを経て、自動的に接合されて接木苗となり、ワーク取出しステーション16から取り出される。つまり、この接木装置1は、半自動式接木装置である。
【0039】
この接木装置1によれば、台木7及び穂木9が人手を介してインデックステーブル2に投入されるので、台木7又は穂木8に低品質ないしは不完全なものがあった場合、オペレータの判断によりこれらを排除し、良質の台木7及び穂木9のみを用いることができる。このため、接木の成功率が大幅に高くなる。例えば、特許文献2に開示されている従来の完全自動式接木装置では、接木の成功率は80〜85%であると予測されるが、本発明にかかるこの接木装置1では、接木の成功率は95%以上となる。
【0040】
また、この接木装置1は、コンパクトで簡素なものであるので、その製作コスト、ひいては接木苗の製造コストを低減することができる。例えば、特許文献2に開示されている従来の完全自動式接木装置の製作コストは2000万〜2500万円であると予測されるが、本発明にかかるこの接木装置1の製作コストは600万〜1200万円である。また、この接木装置1によれば、種々の品種の接木苗を比較的小規模で、迅速かつ能率的に製造することができる。
【0041】
なお、この接木装置1では、ワークカットステーション12で、台木7及び穂木9を横断的にカットしている。しかし、図12に示すように、台木7の上端部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木9の下端部をV字形にカットした上で、台木7と穂木9とを接合するようにしてもよい。
【0042】
また、図13に示すように、台木7の各子葉7aの分岐部をV字形又はY字形にカットする一方、穂木9の下端部をV字形にカットした上で、複数(2枚)の子葉7aを伴った台木7に穂木9を接合するようにしてもよい。
さらに、図14に示すように、台木の2枚の子葉のうちの1枚をカットした上で、残った子葉の根元部で軸部を斜めにカットする一方、穂木9の下端部を斜めにカットし、例えばPで示す部分に接着剤を塗布して、1枚の子葉7aを伴った台木7に穂木9を接合するようにしてもよい。
【0043】
なお、図13、図14に示すように、台木7に子葉を残す場合は、ワークセットステーション11では、台木7の上部は切除しない。この場合、台木7は、直接インデックステーブル2の台木チャック8に、直接、人手でセットすることができる。
また、上記実施の形態では、台木7の下部に根部(根鉢部)が付いているが、根部が切除された台木7を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明にかかる接木装置の模式的な平面図である。
【図2】インデックステーブルの模式的な平面図である。
【図3】図2に示すインデックステーブルの模式的な立面断面図である。
【図4】チャックセットを備えた回転テーブル及び後側位置にあるチャック開閉カムの模式的な平面図である。
【図5】チャックセットを備えた回転テーブル及び前側位置にあるチャック開閉カムの模式的な平面図である。
【図6】チャック昇降カムの斜視図である。
【図7】(a)は穂木チャックの爪部の平面図であり、(b)は台木チャックの爪部の平面図である。
【図8】台木及び穂木をクランプした爪部の立面断面図である。
【図9】ワークカット装置の模式的な立面図である。
【図10】台木と穂木の接合動作を示す図である。
【図11】接着剤が塗布された台木及び穂木の立面図である。
【図12】台木と穂木の接合手順を示す図である。
【図13】もう1つの台木と穂木の接合手順を示す図である。
【図14】さらなる台木と穂木の接合手順を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 接木装置、 2 インデックステーブル、 3 回転テーブル、 4 チャック開閉カム、 4a 大径カム面、 4b 小径カム面、 4c 過渡カム面、 5 チャック昇降カム、 5a 上位カム面、 5b 下位カム面、 5c 過渡カム面、 6 チャックセット、 7 台木、 8 台木チャック、 9 穂木、 10 穂木チャック、 11 ワークセットステーション、 12 ワークカットステーション、 13 接着剤塗布ステーション、 14 硬化剤塗布ステーション、 15 接着剤硬化ステーション、 16 ワーク取出しステーション、 18 受皿、 21 台木セット部、 22 穂木セット部、 23 カット刃、 24 台木投入チャック、 25 台木供給コンベア、 26 穂木投入チャック、 27 穂木供給コンベア、 30a 第1爪部、 30b 第2爪部、 30c 第3爪部、 30d 切欠部、 31a 第1爪部、 31b 第2爪部、 31c 第3爪部、 31d 切欠部、 32 ワークカット装置、 33 接着剤塗布装置、 34 接着剤、 35 硬化剤塗布装置、 36 ワーク取出し装置、 37 取り出しチャック、 38 取出しコンベア。
【出願人】 【識別番号】599042647
【氏名又は名称】メカテック有限会社
【出願日】 平成16年2月2日(2004.2.2)
【代理人】 【識別番号】100086405
【弁理士】
【氏名又は名称】河宮 治

【識別番号】100098280
【弁理士】
【氏名又は名称】石野 正弘

【公開番号】 特開2005−211046(P2005−211046A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−25810(P2004−25810)