| 【発明の名称】 |
樹脂フィルム被覆建造物 |
| 【発明者】 |
【氏名】石▲崎▼ 良明 【住所又は居所】東京都千代田区飯田橋二丁目11番10号 旭硝子グリーンテック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】保温効果を損なうことなく、フィルム内面に生じる結露水を外部に放出することができるようにした樹脂フィルム被覆建造物を提供する。
【解決手段】建造物の骨格を構成するフレーム11に、透明樹脂フィルム20を張設して屋根及び/又は壁を形成した透明樹脂フィルム被覆建造物10において、前記透明樹脂フィルムの下縁部を前記フレームに固定する押え部30に、透水性シート40を、その上端部は前記透明樹脂フィルムの内面側に位置し、下端部は前記建造物の外側に位置するように挿入する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建造物の骨格を構成するフレームに、樹脂フィルムを張設して屋根及び/又は壁を形成した樹脂フィルム被覆建造物において、前記樹脂フィルムの下縁部を前記フレームに固定する押え部に、透水性シートを、その上端部は前記樹脂フィルムの内面側に位置し、下端部は前記建造物の外側に位置するように挿入したことを特徴とする樹脂フィルム被覆建造物。 【請求項2】 樹脂フィルムが透明樹脂フィルムである請求項1に記載の樹脂フィルム被覆建造物。 【請求項3】 前記押え部は、前記樹脂フィルムの上下に重なる部分に設けられており、上方に配置された樹脂フィルムの下縁部は、下方に配置された樹脂フィルムの上縁部の外側に配置されて重なっており、前記透水性シートは、その上端部が前記上方に配置された樹脂フィルムの内面側に位置し、その下端部が前記下方に配置された樹脂フィルムの外側面に位置するように、両樹脂フィルムの間に挟まれて挿入されている請求項1又は2に記載の樹脂フィルム被覆建造物。 【請求項4】 前記樹脂フィルムは、内部が袋状となった二重フィルムで形成され、この二重フィルムの内部に空気を流通させる構造をなしており、前記押え部は、前記二重フィルムの下縁部を押える部分に設けられ、前記透水性シートは、その上端部が前記二重フィルムの内部に位置し、下端部が前記建造物の外側に位置するように、前記二重フィルムの間に挟まれて挿入されている請求項1又は2に記載の樹脂フィルム被覆建造物。 【請求項5】 前記透水性シートは、より線でできたメッシュ状のシートからなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の樹脂フィルム被覆建造物。 【請求項6】 メッシュ状シートのメッシュの目明き寸法が1〜50mmである請求項5に記載の樹脂フィルム被覆建造物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば農業用ハウス等に好適な樹脂フィルム被覆建造物に関し、特に樹脂フィルムの内面に結露した水分を効果的に建造物の外側に排出できるようにしたものに関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、施設園芸等の農業用ハウスとして、金属のパイプ、アングル材などを連結してフレームを作り、このフレームに樹脂フィルムを張設した建造物が知られている。この農業用ハウスにおいては、外気に触れて温度低下した樹脂フィルムの内面に、ハウス内部の暖気が接触して結露し、その水分がフィルム内面を伝って落下し、落下した水分が再び空中に蒸散するため、ハウス内を多湿にする傾向があった。このようにハウス内が多湿となると、病原菌が蔓延しやすい環境が形成されるため、結露水をハウスの外部に流出させることが望まれている。 【0003】 このような目的から、ハウスのフィルムの内面に接触して水平方向に伸びる樋状の水受けを設け、結露して落下する水をこの水受けに受けて、水受けの端部等に連結された排水管を通してハウス外部に流出させるようにした露取り装置が知られている。 【0004】 また、下記特許文献1には、 農業用ビニ−ルフィルムに、直径2mm以上5mm以下の水抜き兼通気孔を一種単孔又は平均直径3mm以上として複数種孔を適宜の間隔をもって開孔すると共に、当該フィルムの縦又は横の長手方向両サイドに作業縁を構成してカ−テンフィルムとしたものが開示されている。 【0005】 更に、下記特許文献2には、施設園芸用ハウスの被覆資材(資材)が2枚以上、内側と外側とに重ね合わされている資材の継目部分(部分A)において、少なくとも前記部分Aのハウス内側の資材の上端部が、外側の資材と完全に密着することなく一定の間隔部分(部分B)を設定するように資材を被覆したことを特徴とする流滴水排水機構を具備したハウスが開示されている。 【特許文献1】特開平11−42023号公報 【特許文献2】特開平6−205613号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、ハウスのフィルムの内面に接触して樋状の水受けを設けた露取り装置では、構造が大掛かりとなり、コスト高になるという問題点があった。 【0007】 また、上記特許文献1に記載されたようなフィルムに孔を開ける構成では、この孔を通してハウス内外の空気が流通するため、ハウスによる保温効果等が減少してしまうという問題点があった。 【0008】 更に、フレームに二重フィルムを張設してフィルム間に袋状の空間を形成し、この袋状の空間にハウス内の空気を吹き込んで保温効果を高めるようにしたハウスにおいては、上記のような孔を形成すると、空気が孔から抜けてしまうため、フィルムを緊張した状態に保持することができないという問題点があった。 【0009】 一方、上記特許文献2に記載されたハウスにおいては、ハウス内側の資材の上端部が、外側の資材と完全に密着することなく一定の間隔部分を設定するように資材を被覆するため、上記間隔部分から通気がなされて保温効果が弱められてしまうと共に、二重フィルムを張設してフィルム間に袋状の空間を形成する場合には、袋状の空間内の空気が上記間隔部分から抜けてしまうため、フィルムを緊張した状態に保持することができないという問題点があった。 【0010】 また、ハウス内側の被覆資材と外側の被覆資材とが、一定の間隔部分を設定するように重ね合わされているため、当該部分でフレームに固定した場合、固定部分の保持強度が小さくなり、建造物の耐風強度が小さくなるという問題があった。 【0011】 したがって、本発明の目的は、保温効果を損なうことなく、フィルム内面に生じる結露水を外部に放出することができるようにした樹脂フィルム被覆建造物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0012】 上記目的を達成するため、本発明は、建造物の骨格を構成するフレームに、樹脂フィルムを張設して屋根及び/又は壁を形成した樹脂フィルム被覆建造物において、前記樹脂フィルムの下縁部を前記フレームに固定する押え部に、透水性シートを、その上端部は前記樹脂フィルムの内面側に位置し、下端部は前記建造物の外側に位置するように挿入したことを特徴とする樹脂フィルム被覆建造物を提供するものである。 【0013】 上記発明によれば、フィルム内面で結露した水分は、フィルム内面を伝わって下方に流れ、その下縁部に達すると、上記透水性シートに含浸される。透水性シートは、押え部によってフィルムと一緒に押えられているので、上記吸収した水分を毛細管現象によって建造物の内部から外側へ移動させ、建造物の外側に排出させることができる。 【0014】 本発明の好ましい態様によれば、前記押え部は、前記樹脂フィルムの上下に重なる部分に設けられており、上方に配置された樹脂フィルムの下縁部は、下方に配置された樹脂フィルムの上縁部の外側に配置されて重なっており、前記透水性シートは、その上端部が前記上方に配置された樹脂フィルムの内面側に位置し、その下端部が前記下方に配置された樹脂フィルムの外側面に位置するように、両樹脂フィルムの間に挟まれて挿入されている。 【0015】 上記態様によれば、上方に配置された樹脂フィルムの内面で結露した水分が落下してくると、上記透水性シートの上端部に含浸され、毛細管現象によって透水性シートの下端部に移行し、下方に配置された樹脂フィルムの外側面に流下するので、結露した水分を効果的に建造物の外側に排出させることができる。 【0016】 本発明の更に好ましい態様によれば、前記樹脂フィルムは、内部が袋状となった二重フィルムで形成され、この二重フィルムの内部に空気を流通させる構造をなしており、前記押え部は、前記二重フィルムの下縁部を押える部分に設けられ、前記透水性シートは、その上端部が前記二重フィルムの内部に位置し、下端部が前記建造物の外側に位置するように、前記二重フィルムの間に挟まれて挿入されている。 【0017】 上記態様によれば、二重フィルムに流通される空気によって二重フィルムが緊張状態となり、建造物の保温性を高めることができる。また、二重フィルムの内面に結露して落下する水分は、二重フィルムの下縁部において、上記透水性シートの上端部に含浸され、毛細管現象によって透水性シートの下端部に移行し、二重フィルムの外側に流出させることができる。 【0018】 本発明の更に好ましい態様によれば、前記透水性シートは、より線でできたメッシュ状のシートからなる。 【0019】 上記態様によれば、透水性シートを樹脂フィルムと一緒に押え部材によって押えたとき、より線が潰れずに微細な隙間を形成するので、毛細管現象を良好に生じさせることができ、樹脂フィルムの内面を流下してくる水分を効果的に建造物の外側に流出させることができる。 【0020】 本発明の更に好ましい態様によれば、メッシュ状シートのメッシュの目明き寸法が1〜50mmである。 【0021】 上記態様によれば、透水性シートが、押え部材によって強く挟まれても、線材どうしの間隙が潰れず、毛細管現象を良好に生じさせて水分を透過することができる。 【0022】 本発明の好ましい態様によれば、樹脂フィルムは、透明樹脂フィルムからなる。 【0023】 上記態様によれば、樹脂フィルムの光の透過が必要な用途において、光の透過性を良好に持続できる。 【発明の効果】 【0024】 本発明によれば、樹脂フィルム被覆建造物のフィルム内面で結露した水分が、フィルム内面を伝わって下方に流れ、その下縁部に達すると、上記透水性シートに含浸され、毛細管現象によって透水性シートの下端部に達し、建造物の内部から外側へ移動して排出させることができるので、簡単な構造で、保温効果を損なうことなく、フィルム内面に生じる結露水を効果的に外部に放出することができる。また、透水性シートによって水分を排出させるようにしたので、上下に重なり合うフィルムどうしの間に排水のための間隔を設ける必要がなく、フィルム下縁部をフレームに圧接させて固定できるため、前記固定部におけるフィルムの保持強度と良好な水の排出性を両立できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 図1〜7には、本発明による樹脂フィルム被覆建造物の一実施形態である農業用ハウス(温室)が示されている。 【0026】 図1〜3に示すように、このハウス10は、金属パイプ、金属のアングル材等で形成されたフレーム11を有している。フレーム11は、棟木11a、軒桁11b、垂木11c等で構成される屋根部分と、柱11d、間柱11e、胴縁11f、根太11g等で構成された壁部分とを有している。そして、このフレーム11の外周に、透明樹脂フィルム20が張設されてハウス10が構成されている。また、図1に示すような連棟式の場合には、屋根12と屋根12との間に谷部13が形成されている。屋根12の下方は壁14をなしている。なお、フレーム11としては、上記のような切妻式の屋根を有するものに限定されることはなく、例えば公知のアーチ型の屋根を有するものであってもよい。 【0027】 樹脂フィルムとしては、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、含フッ素樹脂系フィルム及びPVAc(ポリ酢酸ビニル)フィルム等であり、中でも、PVCフィルム、PETフィルム及び含フッ素樹脂系フィルムが好ましく、特に含フッ素樹脂系フィルムが好ましい。 【0028】 ここで「含フッ素樹脂」とは、フッ素を含むオレフィンの重合によって得られる合成樹脂を総称するものであり、本発明では一般にフッ素含有量が45質量%以上、特に50質量%以上のものが好適に使用される。そのようなフッ素樹脂としては、例えばエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等が挙げられ、本発明では、これらのいずれでも使用可能であるが、中でも、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体が好適である。 【0029】 エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体は、エチレン及びテトラフルオロエチレンを主体とし(エチレン/テトラフルオロエチレンのモル比は一般に40/60〜60/40にある)、そして必要により、これに少量(通常10モル%以下)の第3のコモノマー成分を共重合させたものであり、本発明では殊に、エチレン/テトラフルオロエチレンの含有モル比が40/60〜60/40、好ましくは45/55〜55/45の範囲内にあり、且つ式CH2=CH−CnF2n+1(ここで、nは2〜10の整数である)で示されるパーフルオロアルキルビニルモノマー単位(例えば、CH2=CH−C4H9またはCH2=CH−C6H13から誘導される単位)の含有量が0.1〜10モル%、好ましくは0.3〜5モル%の範囲内にあるエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体が好適に使用される。 【0030】 このエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体はそれ自体既知のものであり、例えば特公昭59−50163号公報に記載の方法で製造することができ、また、市販品として旭硝子(株)より「アフロンCOP」なる商品名で市販されているものを使用することもできる。以上に述べたフッ素樹脂からのフィルムの成形はそれ自体公知の方法に従い、例えば押出成形法、インフレーション成形法等により行なうことができる。 【0031】 樹脂フィルムの厚さは、10〜700μmが好ましく、20〜500μmがより好ましく、40〜300μmが更に好ましい。 【0032】 透明樹脂フィルム20は、例えば屋根12から壁14に移る軒桁11b等で、上下のフィルム20a、20bの継ぎ目が押え部材30によって固定されている。また、壁14の下端の根太11g等において、下方のフィルム20bの下端縁が同じく押え部材30によって固定されている。 【0033】 軒桁11bで上下のフィルム20a、20bを押える部分について説明すると、図4,5に示すように、この押え部材30は、軒桁11b等に固定される固定板31と、この固定板31に嵌め付けられる押え板32とで構成されている。固定板31は、細長い板状をなす基板部31aと、コ字状に折曲された両側部31bと、その両側部31bどうしの端部を更に内側に屈曲させた端部31cとで構成されている。押え板32は、細長い板状をなす基板部32aと、丸め状に縁加工された一側辺部32bと、L字状に折曲加工された他側辺部32cとを有している。他側辺部32cは、基板部32aの一方の面側に鋭角状に折曲された後、基板部32aと平行に外側に向けて再度折曲された形状をなし、その先端は、上記面とは反対側に突出するように丸め状に縁加工されている。 【0034】 そして、上方のフィルム20aの下縁部と、下方のフィルム20bの上縁部との間に、透水性シート40を挟み、これら3枚のシートを上記固定板31と押え板32とで挟んで固定する。この場合、上方のフィルム20aの下縁部が最も外側に位置し、その内側に透水性シート40が位置し、更にその内側に下方のフィルム20bの上縁部が位置するように配置する。また、透水性シート40は、その上端部が上方のフィルム20aの内面側に位置し、下端部が下方のフィルム20bの外面側に位置する。 【0035】 押え板32は、上記一側辺32bを上記固定板31の一側辺部31bの折曲部内側に当接させ、他側辺31cの上記折曲部の裏面側に、上記固定板31の他方の側辺部31bを当接させて、押え板32を押し込むことにより、固定板31に嵌合させることができる。 このとき、固定板31と押え板32との間に、上記上下のフィルム20a、20bと、透水性シート40とが挟まれて固定される。 【0036】 図5に示すように、透水性シート40は、その上端が上方のフィルム20aの内側、すなわち、ハウス10の室内側に位置し、その下端が下方のフィルム20bの外側、すなわち、ハウス10の室外側に位置している。その結果、上方のフィルム20aの内面で結露して落下する水分Wは、透水性シート40の上端部から吸水されて、毛細管現象によって浸透し、透水性シート40の下端部から落下する。透水性シート40の下端は、上記のようにハウス10の室外側に位置しているので、上記結露した水分を室外に放出することができる。なお、この実施形態の場合、上記透水性シート40は、押え部材30の全長に渡って帯状に配置されていることが好ましい。 【0037】 透水性シート40としては、押え部材30によって押えられた状態で、水分を浸透させて室外に放出できる機能を有するものであればよく、特には限定されないが、合成樹脂線材(たとえば、ポリエチレン樹脂線材。)、ガラス繊維、カーボン繊維等で形成された織布、不織布等が好ましく採用でき、合成樹脂線材のより線で形成された網状シートが特に好ましく採用される。このようなシートとしては、農業用の防風網、例えば「モリカ防風網」(商品名、森下株式会社製)などを使用することができる。 【0038】 この透水性シート40は、図6に示すように、太さ0.05〜0.7程度の合成樹脂線材41をよって形成したより線42を、目明き寸法(隣り合う、より線同士の間隔)1〜50mm程度でラッセル編み(絡み編み)したメッシュ状シートである。このようなより線42からなる透水性シート40は、押え部材30によって強く挟まれても、線材41どうしの間隙が潰れず、毛細管現象を良好に生じさせて水分を透過することができる。より好ましい目明き寸法は、1〜25mmである。 【0039】 図7には、屋根12に張設された透明樹脂フィルム20の下縁部を、屋根12と屋根12との間に形成された谷部13において、押え部材30で固定した構造を示している。この場合、谷部13には、樋15が配置されている。そして、屋根12を覆う透明樹脂フィルム20の下縁部は、この樋15の両側に配置された押え部材30によって固定されている。このとき、上記透水性シート40がフィルム20の内側に配置され、透水性シート40の上端は、押え部材30の上方に突出して室内側に配置され、下端は、押え部材30の下方に突出して樋15上に配置されている。 【0040】 したがって、図7の態様では、屋根12に張られたフィルム20の内面に結露して落下する水分が、押え部材30の上方にて透水性シート40に吸水され、透水性シート40内を毛細管現象によって浸透し、透水性シート40の下端から樋15上に放出される。その結果、ハウス10の屋根12のフィルム20内面で結露した水分を、室外側に移動させて樋15上に放出させることができる。なお、樋15に集められた水分は、樋15に沿っていずれかの方向に移動し、樋15の端部に配置された排水管を通して放出される。 【0041】 なお、透水性シート40は、根太11gに沿って配置された押え部材30の部分にも挿入されており、壁14に張られた透明樹脂フィルム20の内面で結露して落下する水分を、根太11gに沿って配置された押え部材に挿入した透水性シート40を通して、室外に放出できるようになっている。 【0042】 図8〜11には、本発明を、二重フィルムで被覆された農業用ハウスに適用した他の実施形態が示されている。 【0043】 この農業用ハウス10aでは、フレーム11の外側に、二重フィルム21,22が張設されている。二重フィルム21、22は、それらの端縁を押え部材30で押えられて、それらの間が袋状の空間23となっている。 【0044】 図11に示すように、ハウス10a内には、ブロア50が設置され、このブロア50は、ホース51を介して配管52に連結されている。そして、配管52にところどころに複数の空気供給管53が連結され、この空気供給管53の先端が室内側のフィルム22を通して袋状の空間23に挿入されている。なお、図8に示すように、室内側のフィルム22には、供給された空気を室内側に排出する排気管54が接続されている。 【0045】 したがって、ブロア50によって送風されたハウス10a内の空気(暖気)は、ホース51、配管52、空気供給管53を通して、二重フィルム21,22間の袋状の空間23内に吹き込まれ、二重フィルム21,22を緊張状態に膨らませた後、排気管54を通してハウス10a内に戻されるようになっている。このような二重フィルム21,22を張設することにより、ハウス10a内の保温効果を更に高めることができる。 【0046】 しかしながら、このようなハウス10aにおいては、特に外側の二重フィルム21の内面で結露が生じ、その水分が二重フィルム21,22の下縁部に溜まるという問題があった。更に、この溜まった水によってフィルム内で藻が発生し、二重フィルム21、22が透明樹脂フィルムである場合、光の透過が妨げられる可能性もあった。 【0047】 そこで、本発明では、二重フィルム21,22の下縁部に、短冊状の透水性シート40を所定間隔で挟んでいる。すなわち、図9に示すように、例えば軒桁11bに部分においては、上方の二重フィルム21a、22aと、下方の二重フィルム21b、22bとを、押え部材30によって押えて固定している。このとき、上方の二重フィルム21a、22aの下縁部が、下方の二重フィルム21b、22bの上縁部よりも外側に位置するように重ね合わせ、かつ、上方の二重フィルム21a、22aの間隙に、透水性シート40を挟み込んで、それらを押え部材30の固定板31と押え板32とで挟んで固定する。その結果、透水性シート40の上端部は、上方の二重フィルム21a、22aの間に配置され、下端部は、上方の二重フィルム21a、22aから抜け出て、下方の二重フィルム21b、22bの外側に位置している。 【0048】 したがって、上方の二重フィルム21a、22aの内部、特にフィルム21aの内面で結露して落下する水分が、二重フィルム21a、22aの下端部に達すると、透水性シート40の上端部に吸水され、毛細管現象によって透水性シート40内を浸透して、透水性シート40の下端部からハウス10aの室外に放出される。この場合、結露した水分が二重フィルム21a、22aの下端部にある程度溜まると横方向に広がるため、上記透水性シート40は、押え部材30の全長に渡って配置される必要はなく、この実施形態で示すように、短冊状にしたものを所定間隔で配置するだけでよい。 【0049】 なお、上記透水性シート40は、根太11gの部分に配置された押え部材30にも配置されている。そして、壁13の二重フィルム21b、22b内に結露した水分を、それらの下端部から放出できるようにしている。 【実施例】 【0050】 実施例1 図8〜11に示した二重フィルム21,22を有する農業用ハウス10aにおいて、軒桁11b及び根太11gに配置された押え部材30に、30cm角の透水性シート40を200cm間隔で挟み込んだ。 【0051】 使用した透水性シートは、「モリカ防風網」(商品名、森下株式会社製)であり、太さ330dtx(300デニール)のポリエチレン製の糸を用い、縦糸2本、横糸3本とし、打ち込み(縦糸)17コース/インチ(目明き寸法:1.5mm)で、ラッセル編(からみ編)したメッシュシートである。 【0052】 上記ハウス10aのある区画の二重フィルム21,22内に、1リットルの水を流し込んだところ、それらの下端部に配置された上記透水性シート40を通して、水が室外に流出し、わずか10秒間で排水することができた。 【0053】 比較例1 上記と同じ農業用ハウス10aであって、上記透水性シート40を配置しないものを使用し、ハウス10a内でしだ類を栽培する。その結果、二重フィルム21,22内で結露した水分が下端部に溜まり、高さ5〜10cm程度になる。そこから藻や、カビ類が発生し、徐々に太陽光線が遮断され、栽培に支障を来たし、しだ類の品質が低下して減収する。 【0054】 比較例2 比較例1と同様に、上記と同じ農業用ハウス10aであって、上記透水性シート40を配置しないものを使用し、ハウス10a内でイチゴを栽培する。その結果、比較例1と同様に、二重フィルム21,22内で結露した水分が下端部に溜まり、そこから藻や、カビ類が発生して、徐々に太陽光線が遮断され、イチゴの品質が低下して減収する。 【産業上の利用可能性】 【0055】 本発明は、例えば農業用ハウス、展示場用ハウスなどの樹脂フィルムで被覆した建造物に適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明を農業用ハウスに適用した一実施形態を示す斜視図である。 【図2】同農業用ハウスの正面図である。 【図3】同農業用ハウスの側面図である。 【図4】同農業用ハウスにおける押え部材によるフィルム押え構造を示す斜視図である。 【図5】同フィルム押え構造の断面図である。 【図6】同押え部材においてフィルム間に挟まれる透水性シートの一例を示す説明図である。 【図7】同農業用ハウスにおける谷部の構造を示す斜視図である。 【図8】本発明を農業用ハウスに適用した他の実施形態を示す正面図である。 【図9】同農業用ハウスにおける押え部材によるフィルム押え構造を示す断面図である。 【図10】同農業用ハウスの側面図である。 【図11】同農業用ハウスの二重フィルム内への空気吹込み装置を示す説明図である。 【符号の説明】 【0057】 10、10a 農業用ハウス 11 フレーム 20、20a、20b、21a、21b、22a、22b 透明樹脂フィルム 30 押え部材 31 固定板 32 押え板 40 透水性シート 41 糸 42 より線
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| 【出願人】 |
【識別番号】399122147 【氏名又は名称】旭硝子グリーンテック株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区飯田橋二丁目11番10号
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| 【出願日】 |
平成16年12月6日(2004.12.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086689 【弁理士】 【氏名又は名称】松井 茂
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| 【公開番号】 |
特開2005−204650(P2005−204650A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月4日(2005.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願2004−352244(P2004−352244) |
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