| 【発明の名称】 |
植木鉢 |
| 【発明者】 |
【氏名】熊谷 博文 【住所又は居所】愛知県西春日井郡新川町西堀江2288番地 アイカ工業株式会社内
【氏名】島村 修 【住所又は居所】愛知県高浜市論地町一丁目一番地三 三州フリット株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】植木鉢自体に適度なポーラス性を与えることにより、過剰な水分が外に染み出すようにしてやり、鉢内の水分が過剰な状態とならず、根腐れを起こさなくなることを目的とする。
【解決手段】植木鉢用配合土に熱硬化性樹脂積層板の粉砕物を混練して植木鉢本体を成型した後、焼成する。該粉砕物の最大粒子径が1.5mm以下とし、該植木鉢用配合土に対して1〜20重量%添加する。該熱硬化性樹脂積層板としてメラミン樹脂化粧板を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植木鉢用配合土に熱硬化性樹脂積層板の粉砕物を混練して植木鉢本体を成型した後、焼成してなることを特徴とする植木鉢。 【請求項2】 該粉砕物が、最大粒子径が1.5mm以下で、該植木鉢用配合土に対して1〜20重量%添加されてなることを特徴とする請求項1記載の植木鉢。 【請求項3】 該熱硬化性樹脂積層板がメラミン樹脂化粧板であることを特徴とする請求項1又は2記載の植木鉢。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、植木鉢に関し、より詳しくは植木鉢用配合土に、熱硬化性樹脂積層板の粉砕物を添加した素地を焼成することにより得られる植木鉢に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、植木鉢は観葉植物等の流行から室内及び室外用を問わず、いろいろな形状のものが製造されている。植木鉢の製造方法は、基本的には粘土等の成分を含む配合土を成形してから乾燥後、800〜1200℃で焼成することにより製造されている。従って、従来の植木鉢はかなり密度の高い状態の製品であり、鉢内の水分が鉢の外にでることは少ない。 また、熱硬化性樹脂積層板は、熱硬化性樹脂含浸紙を一種、或いは複数種を積層した後、熱圧成形して得られる。 【0003】 【特許文献1】特開平11−313551 【特許文献2】特開2003−143966 【特許文献3】特開平5−76246 【特許文献4】特開平6−181639 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、鉢植えしたものに水を与えた場合、与えすぎによる根腐れの発生が植物の生育の阻害要因となっていた。本発明は、この点に着目し植木鉢自体に適度なポーラス性を与えることにより、過剰な水分が外に染み出すようにしてやれば、鉢内の水分が過剰な状態とならず、根腐れを起こさなくなることをポイントとするものである。 このポーラス性の付与は、木屑の添加により可能であるが、製品の曲げ強度や衝撃強度の著しい低下の問題があり、なかなか実用化には至らなかった。 その他、籾殻、各種プラスチックの粉末等の添加物が検討されたものの強度的に満足のいくものは得られていない。 【0005】 一方、熱硬化性樹脂樹脂積層板は、最終製品に至る過程において周辺部の切断屑が発生したり、表面に傷や打痕のあるものは製品として出荷されず不良品として焼却されたり、産業廃棄物として埋め立て処理されているのが実情であり、地球環境の保全、又産業廃棄物の処理コストの削減等の観点から、熱硬化性樹脂樹脂積層板を再資源化して他の用途に再利用することが求められている。 【課題を解決するための手段】 【0006】 すなわち、請求項1記載の発明は、植木鉢用配合土に熱硬化性樹脂積層板の粉砕物を混練して植木鉢本体を成型した後、焼成してなることを特徴とする植木鉢である。 また、請求項2記載の発明は、該粉砕物が、最大粒子径が1.5mm以下で、該植木鉢用配合土に対して1〜20重量%添加されてなることを特徴とする請求項1記載の植木鉢である。 更に、請求項3記載の発明は、該熱硬化性樹脂積層板がメラミン樹脂化粧板であることを特徴とする請求項1又は2記載の植木鉢である。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、熱硬化性樹脂積層板の粉砕物を植木鉢用配合土に添加して、焼成させることにより、軽量で、強度があり、ポーラス性を付与でき、植物の根腐れの発生による枯死を防止することができる。 また、焼却処分や産業廃棄物として取り扱われていた熱硬化性樹脂積層板の端材や不良品を利用することにより、処理費用も削減でき、植木鉢の製造コスト、運送費を低減させることができる。 【0008】 更に、植木鉢用配合土の使用量の低減ができ、近年問題となっている配合土の枯渇化を解消するのに寄与し、産業上極めて価値のある発明となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明において用いる熱硬化性樹脂積層板の粉砕物は、メラミン樹脂積層板、フェノール樹脂積層板、メラミン樹脂化粧板、ガラス繊維基材エポキシ樹脂積層板などの熱硬化性樹脂積層板を衝撃式粉砕機、例えばボールミル、パルべライザ等で粉砕したもので、最大粒子径は1.5mm以下が望ましく、上限を超えると圧縮強度が劣り、素地表面が粗く、凹凸が生じ易くなるため好ましくない。 【0010】 前記粉砕物の最大粒子径と製品との関係を詳しく述べると、粒子径が小さい程、強度は強く、また、吸水率は小さく、乾燥収縮率、焼成収縮率は大きく縮みやすい、焼結はよく焼きしまるという傾向がある。一方、粒子径が大きい程、強度は弱く、また、吸水率は大きく、乾燥収縮率、焼成収縮率は小さく縮みにくい、焼結は焼きしまりにくいという傾向がある。 【0011】 本発明の植木鉢は、植木鉢用配合土に添加された熱硬化性樹脂積層板の粉砕物が、500〜1200℃の焼成温度下で、粉砕物中のメラミン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が素地中の粘土、長石、石英、その他の鉱物に作用し、ガラス化やムライト化の生成を促進させるとともに、還元作用も同時に起こり、従来の鉱物のみの素地よりなる植木鉢に比べて高強度で、しかも可燃物である粉砕物が焼成時に燃焼し気孔が生成されるため軽量化が可能となる。更に、気孔が生成される結果、ポーラス性が得られ植物の生育が速く、根腐れするまでの時間を要し長持ちする。 【0012】 熱硬化性樹脂積層板の粉砕物の植木鉢用配合土に対する添加割合は、多くなればなるほど、素地を軽量化できるが、その反面、成形性、乾燥性などの生産性が悪くなるため、添加割合は植木鉢用配合土に対して1〜20重量%とするのが好ましく、この範囲であれば植木鉢として充分機能する。 すなわち、植木鉢用配合土に対する熱硬化性樹脂積層板の粉砕物の添加割合が、1重量%未満では軽量化の効果が満足に得られないし、また20重量%を越えると、軽量化はできても、強度が低下する。植物の生育、植木鉢としての物性を考慮すれば表1、表2からも明らかなように特に好ましい範囲は5〜15重量%である。 【0013】 粉砕物の添加量について詳しく述べると、前記添加量の範囲において、添加量が少ない程、強度は弱く、また、吸水率は小さく、乾燥収縮率、焼成収縮率は大きく縮みやすい、焼結は焼きしまりにくいという傾向がある。一方、添加量が多いと、曲げ強度は強く、また、吸水率は大きく、乾燥収縮率、焼成収縮率は小さく縮みにくい、焼結はよく焼きしまるという傾向がある。 【0014】 本発明で適用する植木鉢用配合土は通常公知の鉱物組成であれば特に制約はなく、産地により組成は異なるが、主な構成鉱物は石英、長石、カオリン鉱物、雲母鉱物などからなり、化学組成は、SiO2を45〜80%、Al2O3を5〜35%、Fe2O3を0〜10%、TiO2を0〜2%、CaOを0〜20%、MgOを0〜10%、K2Oを0〜10%、Na2Oを0〜5%、その他を0〜5%含むものである。 【0015】 (植木鉢の製造方法) 本発明の植木鉢の製造方法は特に限定されるものではなく、通常公知の方法、例えば、水分を含んだ植木鉢用配合土に熱硬化性樹脂成形品の粉砕物を混合し、粘土状にし、攪拌機で混ぜ、植木鉢の石膏型に入れて乾燥し、乾燥した鉢を石膏型の型から取りはずして、本焼成窯で500℃〜1300℃の範囲で焼成することにより得られる。 【実施例】 【0016】 以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明する。 実施例1 植木鉢用配合粘土に最大粒子径が0.3mmのメラミン樹脂化粧板の粉砕物を3.0重量%添加した素地を、底部外径15cm、上部外径25cm、高さ20cmの円錐台形の植木鉢用型に入れ、焼成温度1050℃で焼成し、実施例1の植木鉢を得た。 【0017】 実施例2〜4 実施例1において、メラミン樹脂化粧板の粉砕物を5.0重量%、10.0重量%、15.0重量%とした以外は同様に実施して、実施例2,3,4の植木鉢を得た。 【0018】 比較例1(最大粒子径が2.0mmを超える場合) 実施例1において、最大粒子径が2.0mmのメラミン樹脂化粧板の粉砕物を配合した以外は同様に実施して、比較例1の植木鉢を得た。 【0019】 比較例2(添加量が1重量%未満の場合) 実施例1において、メラミン樹脂化粧板の粉砕物を0.5重量%とした以外は同様に実施して、比較例2の植木鉢を得た。 【0020】 比較例3(添加量が20重量%を超える場合) 実施例1において、メラミン樹脂化粧板の粉砕物を25.0重量%とした以外は同様に実施して、比較例3の植木鉢を得た。 【0021】 比較例4(粉砕物を添加しない場合) 実施例1において、メラミン樹脂化粧板の粉砕物を添加しなかった以外は同様に実施して、比較例4の植木鉢を得た。 【0022】 評価結果を表1に示す。 【表1】
次に試験方法を示す。 【0023】 圧縮強度 製品全形を2枚の板に挟み込み上から荷重をかけ、破損した際の荷重を圧縮強度とした。 【0024】 吸水率:JIS−A−5208 5.5による。 実施例の植木鉢を空気乾燥器に入れ、その温度を約110℃に保ち、24時間以上経過した後取り出して放置し、室温に達したときの質量を乾燥時の質量とする。 次にこれを水温15〜25℃の清水中に入れ、その上面が水面下約10cmになるように全面を浸し、24時間以上経過した後取り出し、手早く湿布で拭き直ちに測定した時の質量を吸水時の質量とする。ただし、吸水時の質量は、1時間煮沸した後取り出し、室温まで冷却したときの質量を用いてもよい。 【数1】
【0025】 衝撃強度 シャルピー衝撃度:JIS K 6911により成形した製品を180℃、8時間加熱エージングした後、シャルピー衝撃試験機にて測定した。 【0026】 表2に植物の生育試験結果を示す。 実施例1〜3、比較例3,4の植木鉢に蘭(オンシジウム、デンドロビウム、カトレヤ)を植え、5〜8月の間、室外で育成し、根腐れの発生状況を確認した。 根腐れが認められたものを×、根腐れが認められなかったものを○とした。
【表2】
【産業上の利用可能性】 【0027】 本発明によれば、植木鉢用配合土に熱硬化性樹脂積層板を混合して焼成することにより、軽量化が図れるとともに、植木鉢自体がポーラス性を有するため鉢内の水分が適度に抜け過剰な水分を排出して根腐れを防ぎ、植物の育成に快適な環境となり、順調にしかも早く生育する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100698 【氏名又は名称】アイカ工業株式会社 【住所又は居所】愛知県西春日井郡新川町西堀江2288番地 【識別番号】302030158 【氏名又は名称】三州フリット株式会社 【住所又は居所】愛知県高浜市論地町一丁目1番地3
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| 【出願日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−130701(P2005−130701A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−366752(P2003−366752) |
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