| 【発明の名称】 |
植生基材 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 廉 【住所又は居所】大阪府守口市金田町3丁目1番11号 ロンタイ株式会社内
【氏名】合原 知己 【住所又は居所】大阪府守口市金田町3丁目1番11号 ロンタイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】木材薄片を含む被分解層と窒素を含む分解促進層を植生基材に設け、これにより木材の薄片を早期に分解させることで、擬似的な森林土壌層を人工法面等に再現する。
【解決手段】植生基材10は、筒状の資材収容部30を備えたネット26と、資材収容部に収容された植生材料32とを有する。植生材料は、水分の存在下で加熱処理(蒸気加熱又は沸騰加熱)された木材薄片34を含む被分解層36と、被分解層の近傍に配置された窒素肥料42を含む分解促進層38とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水分の存在下で加熱処理された木材薄片を含む被分解層と、 上記被分解層の近傍に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを備えたことを特徴とする植生基材。 【請求項2】 水分の存在下で加熱処理された木材薄片を積層した被分解層と、 上記被分解層の上方に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを備えたことを特徴とする植生基材。 【請求項3】 筒状の資材収容部を備えたネットと、 上記資材収容部に収容された植生材料とを含み、 上記植生材料は、 水分の存在下で加熱処理された木材薄片を含む被分解層と、 上記被分解層の近傍に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを有することを特徴とする植生基材。 【請求項4】 上記分解促進層が被分解層の上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の植生基材。 【請求項5】 上記分解促進層は、 分解性シートからなる筒体を含み、 上記筒体に窒素肥料が収容されていることを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の植生基材。 【請求項6】 植物種子を含むシートが上記ネットの下に固定されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一に記載の植生基材。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、道路法面の緑化などに利用される植生基材に関する。 【背景技術】 【0002】 人工的に造成された道路法面などの長期的な緑化を図る場合、自然界で見られる森林土壌構造(表層から落葉層、腐葉層、腐植層から構成される土壌構造)を再現することが望ましい。そのため、従来、落葉が通過可能な大きな編目の落葉通過部と落葉が通過不能な小さな編目の落葉阻止部とを形成したネットを法面上に浮かして配置し、落葉通過部を通過した落葉を該落葉通過部の傾斜面下側に配置された落葉阻止部で捕獲するようにした緑化構造が提案されている(例えば、特許文献1)。 【特許文献1】特開2002−30666号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、上述の緑化構造は、傾斜地に落下した落葉を集めて腐葉土を作ることが目的であって、上述のような森林土壌構造を最終的に得るものでない。また、傾斜地に飛散してくる落葉を待つのはあまりにも不確実であるし、その間の浸食防止対策に要する費用と資材は多大なものとなる。 【課題を解決するための手段】 【0004】 そこで、本発明は、木材の薄片を含む被分解層と窒素肥料を含む分解促進層を植生基材に設け、これにより木材の薄片を早期に分解させることで、擬似的な森林土壌層を人工法面等に再現するものである。 【0005】 ところで、天然の木は、90%の主成分と10%の副成分からなり、主成分はセルロース、リグニン、ヘミセルロースで構成される。また、主成分のうちセルロースとリグニンが占める割合が最も高く、例えば針葉樹ではセルロースが約35%、リグニンが約30%含まれ、広葉樹ではセルロースが約40%、リグニンが約25%含まれる。そして、セルロースは樹木繊維の骨格を構成している。これに対し、リグニンはセルロースからなる細胞と細胞との間に存在してセルロースを補強しており、その分子構造は分解され難く、そのために木が腐り難い原因となっている。したがって、木材の薄片だけを植生地盤に適用しても、その分解には長期間を要することから、擬似森林土壌構造を得るためには相当長期間を要する。 【0006】 植物の分解について検討すると、植物の分解には微生物の果たす役割が非常に大きい。例えば、リグニンを分解する微生物には、担子菌、子のう菌、放射菌、緑濃菌がある。一方、植物の分解され易さは、その植物に含まれている炭素と窒素の2つの成分の割合(炭素Cの窒素Nに対する重量比:CN比)に左右され、一般に草本植物に比べてCN比の高い(炭素成分の割合が高い)木本植物は分解され難いことが知られている。 【0007】 一方、天然の木に含まれる副成分のうち、例えば不飽和炭化水素化合物の一つであるテルペンは揮発性であるが空気より重いために地表面の近くに滞留し、植物の生育を阻害することが知られている。実際、蒸気加熱した針葉樹を削って得られた薄片を表面に敷いた処理区と、蒸気加熱しない針葉樹を削って得られた薄片を表面に敷いた対照区で、ホワイトクローバの発芽実験を行ったところ、処理区の発芽率が96%であったのに対して対照区の発芽率は35%であった。また、同様の実験をバーミュダグラスについて行ったところ、処理区の発芽率が92%であったのに対して対照区の発芽率は45%であり、特に試験7日目の処理区発芽率が89%であったのに対して対照区発芽率は僅かに6%であった。 【0008】 本発明は以上の考察に基づいて為されたもので、その植生基材は、水分の存在下で加熱処理された木材薄片を含む被分解層と、上記被分解層の近傍に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを備えていることを特徴とする。 【0009】 このように構成された植生基材では、被分解層を構成する木材薄片は、水分の存在下で加熱処理(例えば、蒸気加熱処理、沸騰加熱処理)が施され、植物の生育を阻害するテルペン等の不飽和炭化水素化合物が除かれている。また、木材薄片を含む被分解層の近傍には窒素肥料を含む分解促進層が配置されているので、この窒素肥料によって微生物の働き(分解作用)が促進され、木材薄片の分解が促される。その結果、短期間で擬似森林土壌を植生地盤に形成することができ、それが植生地盤における植物の繁茂、さらには土壌の安定化を促進する。 【0010】 本発明の他の形態の植生基材は、水分の存在下で加熱処理された木材薄片を積層した被分解層と、上記被分解層の上方に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを備えている。このように、本実施の形態の植生基材では、木材薄片の上に窒素肥料が配置されているため、分解促進層から木材薄片に対して窒素肥料が効果的に供給されて微生物による分解を促進する。 【0011】 本発明の他の形態の植生基材は、筒状の資材収容部を備えたネットと、上記資材収容部に収容された植生材料とを含む。そして、植生材料は、水分の存在下で加熱処理された木材薄片を含む被分解層と、上記被分解層の近傍に配置された窒素肥料を含む分解促進層とを有する。このように、本実施の形態の植生基材によれば、木材薄片を含む被分解層と窒素肥料を含む分解促進層がネットに形成された筒状の資材資材収容部に収められているため、このネットを植生地盤に敷設した状態で植生材料が所定の場所に安定して保持され、植生地盤上に安定した擬似森林土壌構造を再現できる。 【0012】 また、この実施形態の植生基材では、上述と同様の理由から、分解促進層を被分解層の上に配置することが好ましい。 【0013】 さらに、分解促進層を分解性シートからなる筒体を設け、この筒体に窒素肥料を収容することが好ましい。この形態によれは、窒素肥料が長期間に亘って安定的に保持され、木材薄片の分解の過程で安定して窒素肥料が供給され、その結果、木材薄片の分解が促進される。 【0014】 さらにまた、植物種子を含むシートを上記ネットの下に固定することが好ましい。この形態によれば、窒素肥料は木材薄片の分解だけでなく植物の成長にも寄与する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 図1と図2は、本発明に係る植生基材10を示す。これらに図に示すように、植生基材10は、概略、2つの層(上層12と下層14)で構成されている。 【0016】 下層14は、2枚の水分解性シート16、18で構成されている。水分解性シート16,18は、雨水等を含むと分解が促進されるシートが好ましく、例えば、紙、不織布が利用できる。上下の水分解性シート16,18の間には植物種子20が挟持されている。植物種子20の他に、土壌改良材22、肥料24をシート16,18の間に収容してもよい。これら2枚の水分解性シート16、18は公知の糊やヒートシール法を用いて接着される。 【0017】 上層12は、合成樹脂などの繊維からなる糸で編成された2枚のネット26を有する。これらのネット26は重ね合わされ、長手方向(植生基材10を法面に敷設するときに上下方向に配置される方向)に所定の間隔をあけて横方向に伸びる縫い目28によって縫い合わされ、筒状の資材収容部30が形成されており、この資材収容部30に植生材料32が充填されている。なお、図示する実施の形態では隣接する資材収容部30の間に一定の空間をあけているが、これらの資材収容部30は互いに隙間なく隣接するように配置してもよい。 【0018】 植生材料32は、木材を薄く削った細長い帯状の薄片34を詰めた被分解層36を有する。薄片34の幅と厚さは、これを筒状資材収容部30に容易に詰めることができると共に植生地盤に適用したときに容易に分解できる大きさにすることが好ましく、例えば幅は1〜20mm、好ましくは2〜10mm、厚さは1mm以下、好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.1〜0.3mmの範囲とする。 【0019】 薄片用の木材は、この木材に含まれているテルペン等の不飽和炭化水素化合物を除去するために、薄片化する前に水の存在下で加熱処理される。代表的な加熱処理としては、蒸気加熱、沸騰加熱がある。例えば、蒸気加熱する場合、木材を板状に加工した後、この板材を高圧釜に入れて、約110℃の高温下で約1時間加熱する。加熱後、板材を削って薄片に加工する。沸騰加熱の場合、沸騰した水に約2〜3時間浸漬する。このように加熱処理が施された薄片は、テルペン等の不飽和炭化水素化合物が除去されるだけでなく、木材に含まれる有害な成分(有機物、無機物を含む。)が除去され、また繊維組織が軟化されるために後の処理(削り加工)が容易になり、さらに微生物による分解が促進されるという利点がある。 【0020】 植生材料32はまた、薄片34の分解を促進する分解促進層38を有する。本実施の形態では、分解促進層38は筒体40を有し、この筒体40の内部に窒素肥料42が収容されている。筒体40は、雨水によって容易に分解するシート材料又は雨水を受けたときに内部の窒素肥料42が溶出できる材料で形成されている。そのようなシート材料としては、例えば、紙、不織布が挙げられる。筒体40の中には、窒素肥料42の他に、植物の生育に必要とされる他の肥料44、土壌改良材46、吸水材48を収容してもよい。このように構成された筒体40は、両端を閉鎖した状態で、筒状資材収容部30に装入され、両端がステープル(図示せず)でネット26に固定される。このとき、図示するように、植生基材10の上下方向に関して分解促進層38が被分解層36の上に位置するように配置するのが好ましい。これは、分解促進層38から流出した窒素肥料42がその下に位置する被分解層36に均一に供給されるからである。 【0021】 以上のようにして構成された上層12と下層14は重ね合わされて接着剤やステープル(図示せず)などの適当な材料を用いて接着され、植生基材10となる。 【0022】 植生基材10は植生法面50に敷設される。このとき、図2に示すように、分解促進層38が被分解層36の上に位置するように設置するのが好ましい。敷設された植生基材10は、雨水によって筒体40が分解し、内部の窒素肥料42が溶出する。また、筒体40が紙や不織布などの透水材料で形成されている場合、溶解した窒素肥料42が透水材料を介して流出する。流出した窒素肥料42は、筒体40の下に位置する薄片34に直接供給され、この薄片34の分解を促進する。その結果、薄片34に含まれるリグニンはフミン系物質の腐植質となって腐植層に蓄積され、森林土壌構造を形成して植物の繁茂、さらには土壌の安定化を促進する。また、肥料は土壌に浸透し、種子20から発芽した種子の成長に寄与する。 【0023】 なお、以上の説明では植生基材10を法面50に敷設した状態で被分解層36を分解促進層38の下に配置したが、分解促進層38が被分解層36の近傍に有れば該被分解層36の分解が促進されることから、被分解層36が分解促進層38の下に位置することは本発明の必須事項ではない。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】本発明に係る植生基材の分解斜視図。 【図2】図1に示す植生基材の部分断面図。 【符号の説明】 【0025】 10:植生基材 12:上層 14:下層 16,18:水分解性シート 20:植物種子 22:土壌改良材 24:肥料 26:ネット 28:縫い目 30:資材収容部 32:植生材料 34:薄片 36:被分解層 38:分解促進層 40:筒体 42:窒素肥料 44:肥料 46:土壌改良材 48:吸水材 50:法面
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| 【出願人】 |
【識別番号】593029880 【氏名又は名称】ロンタイ株式会社 【住所又は居所】大阪府守口市金田町3丁目1番11号
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| 【出願日】 |
平成15年10月3日(2003.10.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086405 【弁理士】 【氏名又は名称】河宮 治
【識別番号】100101454 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 卓二
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| 【公開番号】 |
特開2005−110521(P2005−110521A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月28日(2005.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願2003−345692(P2003−345692) |
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