| 【発明の名称】 |
栽培用支持具および水耕栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 広志
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| 【要約】 |
【課題】散布した水が不必要に残り難く、良好な発芽や生育の確保が容易な野菜栽培用支持具を提供する。
【解決手段】栽培用支持具47は、細長い長尺状の支持具本体49を主体として形成する。支持具本体49は凹状の収納溝51を有し、この収納溝51を形成する底片53cには、種付きテープ部材37に配列した種35の配置間隔に合わせた複数の貫通孔57を設ける。収納溝51の底部には、当該収納溝51に沿って窪み水を集める集水部55を形成する。栽培用支持具47には、種35と収納溝57が揃うように種付きテープ部材37を収納し、水を栽培用支持具47に散布してチンゲン菜41を発芽させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺状の支持具本体であって、栽培する種を細長いテープに所定の間隔で配列した種付きテープ部材が収納される凹状の収納溝をその長手方向に沿って有する支持具本体と、 この支持具本体にあって、前記種付きテープ部材の前記種の配列間隔に対応した間隔で前記収納溝の底部に貫通形成された複数の貫通孔と、 前記収納溝の底部に当該収納溝に沿って形成され、散水された水を集める集水部と、 を具備することを特徴とする栽培用支持具。 【請求項2】 前記集水部は、横断面V字形の底面で形成されてなる請求項1記載の栽培用支持具。 【請求項3】 前記支持具本体は、前記収納溝における長手方向の少なくとも片側端部に、前記種付きテープ部材を係止する係止部を設けてなる請求項1又は2項記載の栽培用支持具。 【請求項4】 前記支持具本体は、前記収納溝を形成する対向片内側に前記種付きテープ部材の浮きを抑える突部を突設させてなる請求項1〜3項のいずれか1項記載の栽培用支持具。 【請求項5】 前記支持具本体は、前記底部が横断面V字形に形成されるとともに、前記底部下面にて前記集水部を間に置いた位置関係でその両側に突出する脚部が前記長手方向に形成されてなる請求項1〜4項のいずれか1項記載の栽培用支持具。 【請求項6】 長尺状の支持具本体に凹状の収納溝をその長手方向に沿って設けるとともに、前記収納溝の底部に所定の間隔で貫通形成された複数の貫通孔を有する栽培用支持具であって、細長いテープに種を前記所定間隔で配列した種付きテープ部材が当該種を前記貫通孔に揃えるようにして前記収納溝に収納された前記栽培用支持具を用意する工程と、 保持板上に前記収納溝を上にして複数の前記栽培用支持具を平行に保持させる工程と、 水を前記栽培用支持具における前記種付きテープ部材にしみ込ませて発芽させる工程と、 前記保持板と同じ空の保持板をその近傍に並べる工程と、 発芽した前記栽培用支持具を所定数毎に空の前記保持板に移し替えて平行に支持させる工程と、 を具備することを特徴とする水耕栽培方法。 【請求項7】 前記栽培用支持具を空の前記保持板に支持させる工程は、前記栽培用支持具を1個置きに移し替えるものである請求項6記載の水耕栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は栽培用支持具および水耕栽培方法に係り、例えば、「チンゲン菜」や「サラダ菜」などのように1個の種から1株が発芽生育する野菜などの水耕栽培に好適する栽培用支持具および水耕栽培方法に関する。 【背景技術】 【0002】 水耕栽培は、植物の根を直接水溶液中に浸して栽培する手法であり、水さえあれば農耕に不適当な地域でも栽培が可能であるし、連作も容易である。 【0003】 従来、この種の水耕栽培は次のような手法によって行われていた。 すなわち、図16に示すように、スポンジ板1に数cmの間隔で「+」状の切れ目3を縦横碁盤の目のように入れてブロック状の培地5を連結形成し、それら各培地5の上表面側に窪み7を設けるとともに窪み7から下側まで切れ込み9を設け、それら各窪み7に例えばチンゲン菜の種11を置く。 【0004】 そして、図17(一部断面省略。)に示すように、肥料を溶かした水溶液(培養液)13の溜められた貯水槽15にそのスポンジ板1を浮かせ、培地5の窪み7に置かれた種11から切れ込み9に沿って根21aを発芽させ、水溶液13中に延ばす。 【0005】 その後、スポンジ板1から個々の培地5を切り離し、図18に示すように、発泡スチロール樹脂製の支持板17に所定の間隔で貫通形成された貫通孔19にそれら培地5をはめ込み、上述した貯水槽15又は水耕栽培用の適当な貯水槽にその支持板17を浮かべるか、又は根21aを水溶液13に浸漬した状態で適当に支持させ、例えばビニールハウス内で所定期間栽培する。 【0006】 そして、チンゲン菜21が食用に適した状態に生育したとき、支持板17からスポンジの培地5を抜き取るとともに培地5に絡まった根21aを根元で切断し、出荷する訳である。 【0007】 ところが、上述した水耕栽培手法では、予め、スポンジ板1に形成された培地5にチンゲン菜の種11を置いて発芽させてから個々の培地5を切り離し、これらを支持板17の貫通孔19に1個ずつはめ込んでいたから、スポンジ板1から培地5を分離する作業や、発芽したチンゲン菜21の付いた個々の培地5を支持板17の貫通孔19に1個ずつはめ込む作業が極めて煩雑かつ面倒で、作業性が向上しなかった。 【0008】 さらに、生育したチンゲン菜21を出荷する場合も、支持板17から一々培地5を抜き取るとともに、培地5に絡み付いた根21aを1個ずつチンゲン菜21から切断する煩雑かつ面倒な作業があるので、やはり作業性が向上しなかった。 【0009】 そこで、本発明者は、図19から図21に示すような栽培用支持具23を提案した(特許文献1)。 【0010】 この栽培用支持具23は、この主体をなす長尺状の支持具本体25を例えば合成樹脂材料から外形凹状に成形し、長手方向に沿った凹状の収納溝27を有するものである。 【0011】 支持具本体25の収納溝27は、対向する対向片29a、29bと、これを連結する底片29cから形成されており、収納溝27の底片29cには大径の貫通孔31がその長手方向に沿って複数の貫通形成されている。 【0012】 このような栽培用支持具23は、公知の不織布テープ33にチンゲン菜の種35を一定の間隔で配置した種付きテープ部材37を、その種35が貫通孔31にほぼ揃うように収納溝27に収納して使用され(図20、図21参照)、図22に示すように、貯水槽15中に配置した複数のパイプ39間に載置させ、水をそれら栽培用支持具23に定期的に散水や散霧したり、種付きテープ部材37を貯水槽15中の水溶液13中に垂らしてしみ込ませ、種付きテープ部材37から種35を発芽させた後、生育するものである。 【0013】 チンゲン菜41が適当に生育したら、図23に示すように、栽培用支持具23からチンゲン菜41を根元で切り取って製品として出荷する。図23中の符号43、45はチンゲン菜41の葉と根である。 【0014】 なお、栽培用支持具23に散水することによって収納溝27には貫通孔31への水流が生じ、発芽した種35からの根45がその水流によって貫通孔31内へ自動的に導かれ、根45が貫通孔31を介して栽培用支持具23の下方へ延びてチンゲン菜41が生育する。 【特許文献1】特願2003−1902号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0015】 しかしながら、上述した栽培用支持具23は、支持具本体25の収納溝27に収納した種付きテープ部材37に対し、定期的に散水して種35を発芽・生育させるものであり、凹状の収納溝27の内底面が平らに形成されていることから、散水された水が収納溝27底面に不必要に残り易い。 【0016】 そのため、その水が必要ではあるものの、水で濡れた収納溝27の内底面や種付きテープ部材37に昆虫が産卵し易くなり、その幼虫によって野菜の発芽や生育に悪影響を与える心配がある。 【0017】 さらに、上述した栽培用支持具23は、長尺状の支持具本体25からなるから、互いに当接するように配置して発芽や生育をさせれば、生産性を向上させることが可能のように考えられるが、発芽後に生育した葉が大きき多数繁るので、実際には互いに当接するように寄せて配置し難く、限られた面積において生産性を向上させるには更なる工夫が求められていた。 【0018】 本発明はそのような状況の下になされたもので、栽培用の水が不必要に残り難く、良好な発芽や生育の確保が容易な栽培用支持具、および発芽効率や生育効率の良好な水耕栽培方法を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0019】 このような課題を解決するために本発明に係る栽培用支持具は、長尺状の支持具本体であって、栽培する種を細長いテープに所定の間隔で配列した種付きテープ部材が収納される凹状の収納溝をその長手方向に沿って有する支持具本体と、その収納溝の底部に種付きテープ部材のその種の配列間隔に対応した間隔で貫通形成された複数の貫通孔と、その収納溝の底部に当該収納溝に沿って形成され散水された水を集める集水部とを具備している。 【0020】 また、本発明の栽培用支持具では、上記集水部を横断面V字形の底面で形成することが可能である。 【0021】 さらに、本発明の栽培用支持具では、上記支持具本体において、その収納溝における長手方向の少なくとも片側端部に、その種付きテープ部材を係止する係止部を設ける構成が可能であるし、上記収納溝を形成する対向側にその種付きテープ部材の浮きを抑える突部を突設させる構成も可能である。 【0022】 さらにまた、本発明の栽培用支持具では、上記支持具本体において、その底部が横断面V字形に形成されるとともに、底部下面にてその集水部を間に置いた位置関係でその両側に突出する脚部を長手方向に形成すると良い。 【0023】 そして、本発明に係る水耕栽培方法は、長尺状の支持具本体に凹状の収納溝をその長手方向に沿って設けるとともに、その収納溝の底部に所定の間隔で貫通形成された複数の貫通孔を有する栽培用支持具であって、細長いテープに種をその所定間隔で配列した種付きテープ部材が当該種をその貫通孔に揃えるようにしてその収納溝に収納された栽培用支持具を用意する工程と、保持板上にその収納溝を上にして複数のそれら栽培用支持具を平行に保持させる工程と、水をそれら栽培用支持具におけるその種付きテープ部材にしみ込ませて発芽させる工程と、その保持板と同じ空の保持板をその近傍に並べる工程と、発芽したそれら栽培用支持具を所定数毎に空の保持板に移し替えて平行に支持させる工程とを具備するものである。 【0024】 また、本発明の水耕栽培方法において、上記栽培用支持具を引き出して空の保持板に支持させる工程は、その栽培用支持具を1個置きに移し替えるものとすることが可能である。 【発明の効果】 【0025】 本発明に係る栽培用支持具は、種付きテープ部材が収納される収納溝をその長手方向に沿って有する支持具本体とを有し、その収納溝の底部には、種付きテープ部材の種の配列間隔に対応した間隔で貫通形成された複数の貫通孔と、その収納溝に沿って形成され散水された水を集める集水部とを備えたから、散水された水がその収納溝の底部に不必要に残り難く、その収納溝底部の乾燥が早まり、良好な発芽や生育の確保が容易で、発芽効率や生育効率が向上する。 【0026】 また、上記集水部を横断面V字形の底面で形成する構成では、集水部の形成が容易であるし、構成が簡単で集水も確実である。 【0027】 さらに、上記支持具本体において、その収納溝における長手方向の少なくとも片側端部にその種付きテープ部材を係止する係止部を設ける構成や、上記収納溝を形成する対向片内側にその種付きテープ部材の浮きを抑える突部を突設させる構成では、種付きテープ部材の位置決めや載置が容易で、発芽効率や生育効率がより向上する。 【0028】 さらにまた、上記支持具本体において、底部下面にてその集水部を間に置いて突出する脚部を長手方向に形成する構成では、支持具本体を安定して置ける利点がある。 【0029】 そして、本発明に係る水耕栽培方法は、収納溝とその収納溝の底部に所定の間隔で貫通形成された複数の貫通孔とを有する栽培用支持具においてその貫通孔に種付きテープ部材を収納し、保持板上にその収納溝を上にしてそれら栽培用支持具を平行に保持させ、水をそれら栽培用支持具に種付きテープ部材にしみ込ませて発芽させ、その保持板と同じ空の保持板をその近傍に並べ、その種の発芽した栽培用支持具を所定数毎に空の保持板に移し替える工程とを具備するから、発芽効率および生育効率が向上する。 【0030】 また、上記栽培用支持具を1個置きに移し替えるものとすれば、発芽効率および生育効率が一層向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。従来例と共通する部分には同一の符号を付す。 【0032】 図1、図2および図3は、本発明に係る栽培用支持具の実施の形態を示す斜視図、縦断面図および横断面図である。 【0033】 図1〜図3において、栽培用支持具47の主体をなす細長い長尺状の支持具本体49は、耐水性が良好で水に浮き易い例えば合成樹脂材料から外形凹状又はさや状に成形されてなり、長手方向に沿って凹状に類似した収納溝51を有し、例えば水耕栽培用に用いられる。 【0034】 すなわち、支持具本体49の収納溝51は、対向する対向片53a、53bとこれを連結する底片53cとから形成されている。対向片53a、53bは、対向面が途中から底片53cに向けて互いに間隔を狭めるように僅かに屈曲されて斜面となっており、底片53cは、横断面V字形に屈曲形成されて内底面が支持具本体49の長手方向に沿って両端部間に延びるV字溝となって窪み、後述する集水部55となっている。 【0035】 支持具本体49には、収納溝51の底片53cにおいて、内外を貫通する大径の貫通孔57がその長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに、底片53cの両側には、これを間に置いて対向片53a、53bが下方に突出形成されて、支持具本体25の長手方向に沿って延びる脚部59a、59bが底片53cと同じか又はより突出して一体的に形成され、本発明に係る栽培用支持具47が構成されている。 【0036】 支持具本体49に形成された貫通孔57は、図4Aの縦断面図および同図Bの斜視図に示すように、公知の目の粗い不織布テープ33a、33bを互いに重ねて止着するとともに、それら不織布テープ33a、33bの間に野菜例えばチンゲン菜の種35を一定の等間隔又はこれに近い間隔で挟むようにして配置されてなる種付きテープ部材37に対し、その種35の配置間隔にほぼ揃えて形成されている。 【0037】 貫通孔57は、底片53cの幅より少し幅が狭く、種35に対して極めて大径に形成され、後述するように、底片53に種付きテープ部材37を置いたときに、貫通孔57内領域に種35が簡単に位置するようになっている。 【0038】 なお、上述した集水部55は、隣合う貫通孔57間や貫通孔57と支持具本体49の端部間に形成された状態となっている。 【0039】 支持具本体49の収納溝51の内幅Tは、種付きテープ部材37の幅tより幅広に形成され、収納溝51の長手方向に沿って種付きテープ部材37が収納溝51内に楽に収まって重なるようになっている。 【0040】 次に、このように構成された本発明に係る栽培用支持具の使用例を説明する。 【0041】 まず、図4に示すように、不織布テープ33a、33bの間に一定間隔で例えばチンゲン菜の種35を挟むように保持した種付きテープ部材37を用意し、これを支持具本体49より長く切り、図2および図3に示すように、支持具本体49の収納溝51内に収納する。 【0042】 その際、種付きテープ部材37は、種35が収納溝51にある程度揃うようにして収納し、その両端37aを支持具本体49の両端から垂らす。 【0043】 そして、図5に示すように、複数のパイプ39を置くとともに公知の水耕栽培用肥料が溶けた水溶液13をパイプ39が隠れない程度に溜めた貯水槽15に対し、栽培用支持具47をパイプ39に載置し、種付きテープ部材37の両端37aのみを水溶液13に浸けるとともに、所定の間隔で定期的に上から水を散水する。散水する水はその水溶液13であってもよい。 【0044】 実際には、多数の栽培用支持具47をパイプ39上に平行に置いて量産性を確保することが可能である。 【0045】 この状態で放置すると、栽培用支持具47の収納溝51内における種付きテープ部材37にしみ込んで種35が発芽する。 【0046】 しかも、散水によって支持具本体49に掛けられた水のうち各収納溝51に流れ込んだ水は、各収納溝51内にて支持具本体49の貫通孔57へ流れ込むが、その流れ込む過程で、図6に示すように、根45がその水流によって各貫通孔57へ自動的に導かれて貫通孔57中へ垂れ下がり、その後は貯水槽15からの水溶液13の養分によって延び、チンゲン菜41を生育することが可能となる。 【0047】 散水は、種35を発芽させたり根45を各貫通孔57に入れば良いから、水量にもよるが短時間、例えば10〜30秒程度、数回で良い。 【0048】 また、支持具本体49の収納溝51の底片53cは、横断面V字形に屈曲形成され、その内底面が支持具本体49の長手方向に沿ったV字溝となって窪む集水部55となっているから、散水された水が集水部55に集まり易くなって例えば貫通孔57から流れ落ち、底片53c全体に不用意に水が溜まったり残り難い。 【0049】 そして、図6に示すように、チンゲン菜41が適当に生育したら、栽培用支持具47からチンゲン菜41を根元で切り取れば、製品として出荷できる。 【0050】 チンゲン菜41を切断した後の種付きテープ部材37は、これが自然の紙繊維や腐食し易い繊維質で形成されていれば、生ゴミとしてそのまま処分可能である。 【0051】 なお、発芽して根の延びた栽培用支持具47は、通常の土の上に直接置いて土耕に供することも可能である。 【0052】 このように本発明の野菜栽培用支持具47は、細長い長尺状の支持具本体49に、その長手方向に沿って凹状の収納溝51を設け、この収納溝51を形成する底片53cには種付きテープ部材37に配列された種35の配置間隔に合わせてその貫通孔27を配置するとともに水の集水される集水部55を形成してなるから、種付きテープ部材37を支持具本体49の収納溝51内に、種35と収納溝51に揃うようにして収納し、水を種付きテープ部材37にしみ込ませれば、種35が発芽して例えばチンゲン菜41を生育させることができる。 【0053】 しかも、支持具本体49に、散水してもその水が集水部55に集水されて底片53c全体に不用意に溜まり難くなり、底片53cの内底面において対向片53a、53b両側から早く乾燥され、底片53cの内底面や種付きテープ部材37の乾燥が早まり、発芽後に散水を停止すると、底片53cや種付きテープ部材37が早く乾燥されて昆虫が産卵し難くなり、その幼虫による野菜の発芽や生育に悪影響を与える心配がない。 【0054】 そして、支持具本体49の収納溝51内に種付きテープ部材37を上から嵌めて収納し、単に、種35と収納溝51を合わせれば良いから、種付きテープ部材37の収納作業が簡単で、作業性が良好である。 【0055】 さらに、生育した複数のチンゲン菜41を栽培用支持具47から一度に切り取り易く、収納作業が簡単であり、この点からも作業性が良好である。 【0056】 また、その底片53cが横断面V字形に形成されるとともに、底片53c下面にてその集水部55部分を間に置いた位置関係でその両側に底片53cより突出する脚部59a、59bを有するから、底片53cが横断面V字形に形成されていても、栽培用支持具47を転倒させずに安定して置ける利点がある。 【0057】 ところで、種付きテープ部材37は、腰のない柔らかいものであるから、支持具本体49の収納溝51内に収納しても、種付きテープ部材37がずれたり動き易きくなって種35と収納溝51の位置がずれる心配があるし、図7の一点鎖線で示すように、斜めに収納されたり暴れた状態となるおそれもある。特に、種付きテープ部材37がひも状に細い場合には顕著である。 【0058】 そこで、図8に示すように、支持具本体49の収納溝51において、その長手方向の両端部に、底片53cの下面からピン61を収納溝51内にて集水部5近傍へ突出させると、種付きテープ部材37をピン61に係止させて仮固定することが可能となり、種付きテープ部材37がずれや動きを抑え、種付きテープ部材37の収納作業が簡単で、作業性がより良好となる。 【0059】 また、支持具本体49に形成した集水部55は、上述した横断面V字溝に限定されない。図示はしないが、例えば細いすじ溝であったり、貫通孔57より小径で底片53cを貫通する複数の水抜孔でも良く、散水された水を部分的に集める領域に形成すれば良いし、V字溝やすじ溝は支持具本体49の貫通孔57や支持具本体49の開放端へ流せるように傾斜形成されていると良い。 【0060】 上述したピン61はこれに限定されず、支持具本体49の収納溝51内に突出させる支持具本体49とは別個又は一体的な係止部材などの動き抑え部であれば本発明の目的達成が可能であるし、その収納溝51の開放端の両側に限らず、少なくとも片端部に設ければ良い。 【0061】 さらに、図7および図8に示すように、栽培用支持具47の収納溝51を形成する対向片53a、53bの内側に、突条63を収納溝51の長手方向に沿って突設させれば、種付きテープ部材37が浮き上がったり暴れ難くなり、種付きテープ部材37の収納作業が簡単で、更に、作業性が良好となる。 【0062】 この突条63もこの形状に限らず、種付きテープ部材37の浮きを抑える複数のボス(突起)その他の突部などの動き抑え部を突設させれば、本発明の目的達成が可能であるし、少なくとも対向片53a、53bの片側に設けても良い。 【0063】 また、上述した種付きテープ部材37は、糸(ひも)状の細い長尺体も含むものである。 【0064】 そして、栽培する野菜などとしては、上述したものの他「赤かぶ」や「ハーブ野菜」などのように枝分かれする野菜にも好適する。 【0065】 このような本発明の栽培用支持具47でチンゲン菜41などの生育が可能であるが、多数の支持具本体49を使用してより効率の良い生産性を確保するために、以下に本発明の応用例を説明する。 【0066】 図9は、上述した本発明の栽培用支持具47を保持するための保持板65を示す平面図(図9A)、断面図(図9B)および斜視図である。 【0067】 図9において、保持板65は、耐水性が良好で水に浮き易い例えば発泡スチロール樹脂から扁平な箱形に成形されてなり、複数の栽培用支持具47を平行かつ浮かせた状態で支持する支持部材67を有している。符号69は保持板65の周囲に設けた4辺の側壁であるが、図9では便宜上、保持された栽培用支持具47の長手方向に沿って延びる対向2辺のみ示す。 【0068】 支持部材67は、保持板65における一方の主面側(本発明では上表面側とする。)のほぼ全面に重ねるように配置された基板71と、保持される栽培用支持具47の長手方向に沿って延びるとともに栽培用支持具47の横断面方向の外形寸法に相当する間隔を置いて基板71から平行かつ一体的に複数突設された支持片73を有して形成されている。 【0069】 各支持片73は、隣合う用支持片73間で栽培用支持具47の外形形状、すなわち基板71方向に先細りとなった対向斜面を有し、隣合う用支持片73間に栽培用支持具47をはめると、栽培用支持具47の外底面が基板71に当接しないよう浮かせた状態で保持されるようになっている。 【0070】 保持板65および基板71は、保持された栽培用支持具47の貫通孔57に揃う位置に同様な径の貫通孔75、77が複数貫通形成されており、栽培用支持具47、保持板65、支持部材67の貫通孔57、75、77が揃うような位置関係で保持され、後述するように貯水槽15の水溶液13が貫通孔75、77を自由に流下できるようになっている。 【0071】 このような、支持具本体49と保持板65を用いた水耕栽培方法では、上述した種付きテープ部材37を収納した支持具本体49を、図10に示すように、貫通孔57、75、77が揃うような位置関係で互いに接近させて並行に保持させる。なお、図10は便宜上、発芽した状態で図示されており、貫通孔57、75、77は必ずしも正確に揃う必要はない。 【0072】 そして、図11(一部側面で示す。)に示すように、上述した水溶液13をはった貯水槽15に保持板65をこの下表面を浸けるように浮かせるか、又はその貯水槽15の段部(図示せず。)に支持させ、その後適宜散水装置(図示せず。)によって保持板65の上表面側から水を散水すると、図10のように種35が発芽する。 【0073】 すると、この散水によって支持具本体49および保持板65に掛けられた水のうち各収納溝51に流れ込んだ水は、各収納溝51内にて支持具本体49の貫通孔57へ流れ込むから、図12に示すように、根45がその水流によって各貫通孔57へ自動的に導かれて貫通孔57へ垂れ下がる一方、生育とともに延びた根45が保持板65、支持部材67の貫通孔75、77へ垂れ下がり、その後は貯水槽15のからの水養分によって延びるとともにチンゲン菜41を大きく生育させることができる。 【0074】 その後、チンゲン菜41が製品化に適した状態に生育したら、保持板65から支持具本体49を外し、上述したように支持具本体49からチンゲン菜41を一度に切り取れば製品化される。 【0075】 保持板65や支持部材67の貫通孔75、77は、根45よりはるかに大径で遊びをもってはまっているから、支持具本体49を持ち上げるだけで、チンゲン菜41や根45を付けたまま簡単に取り外せる。 【0076】 上述した保持板65に設けた支持部材67は、複数の栽培用支持具47を平行に支持できるものであれば良く、形状や栽培用支持具47の配列ピッチは上述した構成に限定されない。 【0077】 例えば、上述した図9の基板71を省略し、支持片73を短い長さで切断したブロック状の複数の支持片(図示せず。)を保持板65から複数立設するよう保持板65に別個又は一体的に形成する構成も可能である。 【0078】 しかも、隣合って支持される栽培用支持具47方向における支持片73の厚みを選択すれば、保持された水耕栽培支持具47間の間隔も可変でき、栽培する野菜などの寸法に応じて選択すれば良い。 【0079】 ところで、上述した栽培用支持具47を複数用いて水耕栽培する場合、図5又は図10に示したように、栽培用支持具47を密接するように平行配置すれば、生育密度が向上して生育効率が向上するものの、例えばチンゲン菜41が発芽して葉43を大きく生育させるには、隣合う栽培用支持具47の間隔を広くする必要がある。 【0080】 しかしながら、生育させる野菜などにおいて、必ずしも大きく生育させる必要のない場合も多く、上述した栽培用支持具47を用いれば、発芽の面積密度を高める一方、発芽後の生育密度を低下させ難い水耕栽培方法のあることが分かった。 【0081】 次に、本発明に係るその水耕栽培方法について図13〜図15を用いて説明する。 【0082】 まず、上述した栽培用支持具47や種付きテープ部材37を用意し、種付きテープ部材37を栽培用支持具47の収納溝51内に収納する。 【0083】 ついで、図10に示したように、保持板65に栽培用支持具47を近接するように平行支持させる。なお、保持板65は、栽培用支持具47の長手方向端部側に位置する側壁69の少なくとも一辺を除去しておく。 【0084】 その後、水溶液13をはった貯水槽15に保持板65をこの下面を浸けるように浮かせるか、又はその貯水槽15の段部(図示せず。)に支持させるとともに、水を散水しチンゲン菜41を発芽させる。 【0085】 発芽後に、図13に示すように、その保持板65と同じ空の保持板79を、除去された側壁部分を近づけ、対向するように並べる。 【0086】 そして、図14に示すように、発芽した栽培用支持具47を所定数毎、例えば1本毎に一度に引き出し、図15に示すように、引き出した栽培用支持具47を空の保持板71に移し替えて支持させ、その後は双方の保持板65、79を例えば図11に示すように貯水槽15で生育させる。 【0087】 栽培用支持具47の引き出しは、栽培用支持具47に設けた端の貫通孔57やピン61を図示しないジグで引っ掛けて容易に実施可能である。 【0088】 このように、種付きテープ部材37を収納した複数の栽培用支持具47を近接するように保持させてチンゲン菜41を発芽させた後、栽培用支持具47を所定数毎に空の保持板79に移し替える生育方法によれば、発芽工程では栽培用支持具47を可能な限り近接配置して発芽密度を維持向上させ、栽培用支持具47を所定数毎に単に空の保持板79に移し替えるだけで、双方の保持板65、79における生育密度を高く維持できる。 【0089】 すなわち、発芽密度と生育密度の双方を高く維持できるとともに、発芽させた保持板65と栽培用支持具47を移し替えた保持板79との双方においても生育密度を高く維持できる。 【0090】 このような本発明の水耕栽培方法においては、栽培用支持具47を1本毎に引き抜きとる手法に限らず、任意の本数毎に保持板65から同じ空の保持板79へ移し替えることが可能である。 【0091】 もっとも、必ずしも大きく生育させる必要のない場合、例えば10〜15cm程度の高さに生育させる場合には、発芽密度とその後の生育密度の双方を確保できる観点から、栽培用支持具47を1本毎に引き抜いて移し替える手法が好ましいであろう。 【図面の簡単な説明】 【0092】 【図1】本発明に係る栽培用支持具の実施の形態を示す斜視図である。 【図2】図1の栽培用支持具の縦断面図(図1中のII−II間断面)である。 【図3】図1の栽培用支持具の横面図(図2中のIII−III間断面)である。 【図4】本発明に係る栽培用支持具や方法で用いる種付きテープ部材を示す縦断面図Aおよび斜視図Bである。 【図5】本発明に係る栽培用支持具の使用方法を説明する図である。 【図6】本発明に係る栽培用支持具の使用方法を説明する図である。 【図7】本発明に係る栽培用支持具の他の構成を示す横断面図である。 【図8】本発明に係る栽培用支持具の他の構成を示す縦断面図である。 【図9】本発明に係る栽培用支持具の使用に用いる保持板を示す平面図(A)および断面図(図9A中のB−B間断面)である。 【図10】本発明に係る栽培用支持具を用いた栽培方法を説明する斜視図である。 【図11】本発明に係る栽培用支持具を用いた栽培方法を説明する斜視図である。 【図12】本発明に係る栽培用支持具を用いた栽培方法を説明する斜視図である。 【図13】本発明に係る水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図14】本発明に係る水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図15】本発明に係る水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図16】従来の水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図17】従来の水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図18】従来の水耕栽培方法を説明する工程図である。 【図19】本発明の参考となる栽培用支持具を示す斜視図である。 【図20】図19の栽培用支持具を示す縦断面図(図19中のXX−XX間断面)である。 【図21】図19の栽培用支持具を示す横断面図(図20中のXXI−XXI間断面)である。 【図22】図19の栽培用支持具の使用例を示す側面図である。 【図23】従来および本発明に係る栽培用支持具の使用例を示す側面図である。 【符号の説明】 【0093】 1 スポンジ板 3 切れ目 5 培地 7 窪み 9 切れ込み 11、35 種 13 水溶液 15 貯水槽 17 支持板 19、27、31、57、75、77 貫通孔 21、41 チンゲン菜(野菜、植物) 21a、45 根 23、47 栽培用支持具 25、49 支持具本体 27、51 収納溝 29a、29b、53a、53b 対向片 29c、53c 底片 33、33a、33b 不織布テープ 37 種付きテープ部材 39 パイプ 43 葉 55 集水部 59a、59b 脚部 61 ピン(係止部、動き抑え部)) 63 突条(突部) 65 保持板 67 支持部材 69 側壁 71 基板 73 支持片 79 空の保持板
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| 【出願人】 |
【識別番号】596031066 【氏名又は名称】後藤 広志
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| 【出願日】 |
平成15年9月24日(2003.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085578 【弁理士】 【氏名又は名称】斎藤 美晴
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| 【公開番号】 |
特開2005−95035(P2005−95035A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−331233(P2003−331233) |
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