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【発明の名称】 樹木の移植方法及び移植装置
【発明者】 【氏名】藤原 隆典

【氏名】宮城 哲典

【氏名】関 豊彦

【氏名】石塚 俊臣

【要約】 【課題】効率よく樹木を支えながら掬い上げることのできる樹木の移植方法と移植装置を提供する。

【解決手段】走行装置2に樹木44を土壌ごと掬い上げるためのバケット装置3を昇降自在に設ける一方、樹木44の両側に溝46を掘り、これら溝46内から樹木44の下方にバケット装置3のバケット部9を差し入れ、バケット装置3を上昇させて樹木44を掬い上げる樹木44の移植方法において、バケット装置3に、樹木44を支持するための支持装置4を設け、支持装置4で樹木44の幹を支持しながらバケット部9を樹木44の下方に差し入れ、樹木44を掬い上げるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置に樹木を土壌ごと掬い上げるためのバケット装置を昇降自在に設ける一方、樹木の両側に溝を掘り、これら溝内から上記樹木の下方に上記バケット装置のバケット部を差し入れ、上記バケット装置を上昇させて樹木を掬い上げる樹木の移植方法において、上記バケット装置に、上記樹木を支持するための支持装置を設け、該支持装置で上記樹木の幹を支持しながら上記バケット部を上記樹木の下方に差し入れ、上記樹木を掬い上げることを特徴とする樹木の移植方法。
【請求項2】
上記バケット装置に、上記樹木の幹を押すプッシャを設けて上記支持装置を構成することを特徴とする請求項1記載の樹木の移植方法。
【請求項3】
上記バケット装置に、複数のシリンダを並行にかつ両側に離間して設け、これらシリンダのピストンロッド間に樹木に当てるためのベルトを掛け渡して上記プッシャを構成することを特徴とする請求項2記載の樹木の移植方法。
【請求項4】
上記シリンダをそれぞれ伸長させて上記樹木に上記ベルトを当てたのち、上記シリンダを左右交互に伸縮させて上記樹木の根切りを行うことを特徴とする請求項3記載の樹木の移植方法。
【請求項5】
上記バケット装置に、縦軸回り旋回自在な複数のシリンダを並行にかつ両側に離間して設け、これらシリンダのピストンロッド間に樹木に当てるためのベルトを掛け渡して上記プッシャを構成することを特徴とする請求項2記載の樹木の移植方法。
【請求項6】
上記シリンダをそれぞれ伸長させて上記樹木に上記ベルトを当てたのち、上記樹木に上記ベルトを巻き掛けるように上記シリンダを旋回させ、これらシリンダを左右交互に伸縮させて上記樹木の根切りを行うことを特徴とする請求項5記載の樹木の移植方法。
【請求項7】
走行装置に樹木を土壌ごと掬い上げるためのバケット装置を昇降自在に設け、該バケット装置に、上記樹木を支持するための支持装置を設けたことを特徴とする移植装置。
【請求項8】
上記支持装置は上記樹木の幹を押すプッシャからなる請求項7記載の移植装置。
【請求項9】
上記プッシャは、上記バケット装置の両側に離間して並行に設けられた複数のシリンダと、これらシリンダのピストンロッド間に掛け渡して設けられ樹木に当てるためのベルトとを備えて構成された請求項8記載の移植装置。
【請求項10】
上記シリンダは上記バケット装置に縦軸回り旋回自在に設けられた請求項9記載の移植装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植生する樹木を移植する方法及び移植装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場や公園の建設、或いは山林開発等にて大量の樹木を移植する場合、一般に移植装置を用いる。移植装置としては、本出願人が開発した特許文献1記載のものが知られている。
【0003】
図7に示すように、この移植装置40は、クローラで走行する走行装置(図示せず)と、走行装置にアーム42を介して昇降自在に設けられたバケット装置43とを備えて構成されている。バケット装置43は、樹木44を土壌ごと掬い上げるためのものであり、開閉自在な左右一対のバケット部45を有する。
【0004】
この移植装置40を用いて樹木44を移植する場合、樹木44の両側に溝46を掘り、それぞれの溝46内にバケット部45を入れる。そして、樹木44の下方にバケット部45をそれぞれ差し入れ、バケット装置43を上昇させることで容易に樹木44を掬い上げることができる。
【0005】
ところで、傾斜地に生えている樹木44や地面に対して斜めに生えている樹木44を移植する場合、樹木44を倒さないように支えながら掬い上げる必要がある。そして、樹木44を支える場合、樹木44に複数本のロープ47を縛り付け、これらロープ47を複数の方向から引っ張って樹木44を支えていた。
【0006】
【特許文献1】特開平8−289676号公報
【特許文献2】特公平7−89801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、樹木44を支えるためには移植装置40を操作する人員の他にロープ47を引っ張る複数の人員が必要となってしまい、効率が悪いという課題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、効率よく樹木を支えながら掬い上げることのできる樹木の移植方法と移植装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、走行装置に樹木を土壌ごと掬い上げるためのバケット装置を昇降自在に設ける一方、樹木の両側に溝を掘り、これら溝内から上記樹木の下方に上記バケット装置のバケット部を差し入れ、上記バケット装置を上昇させて樹木を掬い上げる樹木の移植方法において、上記バケット装置に、上記樹木を支持するための支持装置を設け、該支持装置で上記樹木の幹を支持しながら上記バケット部を上記樹木の下方に差し入れ、上記樹木を掬い上げるものである。
【0010】
また、上記バケット装置に、上記樹木の幹を押すプッシャを設けて上記支持装置を構成するとよい。
【0011】
そして、上記バケット装置に、複数のシリンダを並行にかつ両側に離間して設け、これらシリンダのピストンロッド間に樹木に当てるためのベルトを掛け渡して上記プッシャを構成するとよい。
【0012】
そしてさらに、上記シリンダをそれぞれ伸長させて上記樹木に上記ベルトを当てたのち、上記シリンダを左右交互に伸縮させて上記樹木の根切りを行うとよい。
【0013】
また、上記バケット装置に、縦軸回り旋回自在な複数のシリンダを並行にかつ両側に離間して設け、これらシリンダのピストンロッド間に樹木に当てるためのベルトを掛け渡して上記プッシャを構成するとよい。
【0014】
そして、上記シリンダをそれぞれ伸長させて上記樹木に上記ベルトを当てたのち、上記樹木に上記ベルトを巻き掛けるように上記シリンダを旋回させ、これらシリンダを左右交互に伸縮させて上記樹木の根切りを行うとよい。
【0015】
また、走行装置に樹木を土壌ごと掬い上げるためのバケット装置を昇降自在に設け、該バケット装置に、上記樹木を支持するための支持装置を設けて移植装置を構成するとよい。
【0016】
上記支持装置は上記樹木の幹を押すプッシャからなるとよい。
【0017】
そして、上記プッシャは、上記バケット装置の両側に離間して並行に設けられた複数のシリンダと、これらシリンダのピストンロッド間に掛け渡して設けられ樹木に当てるためのベルトとを備えて構成されるとよい。
【0018】
上記シリンダは上記バケット装置に縦軸回り旋回自在に設けられるとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、効率よく樹木を支えながら掬い上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】
図1は移植装置の要部側面を示すものであり、図2は移植装置の要部正面を示すものである。図3は移植装置の要部を上方から見た状態を示すものである。
【0022】
図1に示すように、樹木44の移植に用いる移植装置1は、走行装置2にバケット装置3を昇降自在に設け、このバケット装置3に樹木44を支持するための支持装置4を設けて構成されている。走行装置2は、クローラ(図示せず)で走行するようになっており、前部にバケット装置3を昇降自在に支持するための昇降アーム5と、バケット装置3を傾動自在に支持するためのティルトアーム6とを有する。ティルトアーム6は、油圧シリンダからなり、伸縮することでバケット装置3を傾動させるようになっている。
【0023】
図1及び図2に示すように、バケット装置3は、昇降アーム5に回動自在に連結されると共にティルトアーム6に回動自在に連結されるフレーム7と、フレーム7にリンク機構8を介して回動可能に連結された一対のバケット部9とを備えて構成されている。
【0024】
図1及び図3に示すように、フレーム7は、昇降アーム5に枢支されて機幅方向に延びる軸部10と、軸部10に起立して設けられ上部をティルトアーム6に回動自在に連結される起立部11と、軸部10の両端から走行方向前方へ延びる前延部12と、前延部12に起立して設けられたポスト部13と、ポスト部13と起立部11との間にX字状に掛け渡して設けられた補強部14とからなる。
【0025】
前延部12は、それぞれバケット部9を支持するためのものであり、リンク機構8を介して左右のバケット部9を互いに近接離間可能に支持するようになっている。
【0026】
図2に示すように、バケット部9は、それぞれポット状の容器を左右二つ割りにした形状に形成されており、互いに近接されることでポット状に合体されるようになっている。また、それぞれのバケット部9は、バケット駆動用シリンダ15を介してポスト部13に連結されており、バケット駆動用シリンダ15を伸縮させることでリンク機構8にガイドされながら上下左右に揺動されるようになっている。
【0027】
リンク機構8は、両端を前延部12とバケット部9に連結された第1リンク16と、第1リンク16の機幅方向外側に離間して両端を前延部12とバケット部9に連結された第2リンク17と、前延部12に形成され機幅方向に延びる固定リンク18と、バケット部9に形成される第3リンク19とからなる四節回転連鎖を構成している。また、リンク機構8は、バケット駆動用シリンダ15を伸長させることでバケット部9を降下させたのち機幅方向中央へ寄せるようにそれぞれのリンク16、17、18、19の長さの比を設定されている。
【0028】
図1及び図3に示すように、支持装置4は、樹木44の幹を押すプッシャ20にて構成されている。プッシャ20は、バケット装置3に複数の支持用シリンダ21を並行にかつ両側に離間して設け、これら支持用シリンダ21のピストンロッド22間に樹木44に当てるためのベルト23を掛け渡して構成されている。
【0029】
支持用シリンダ21は、油圧シリンダからなり、フレーム7のそれぞれの起立部11に横軸回り回動自在に設けられている。また、支持用シリンダ21のピストンロッド22には、支持用シリンダ21の伸縮に応じて支持用シリンダ21を俯仰させるためのガイド板24がそれぞれ連結されている。ガイド板24は、それぞれポスト部13の下端に横軸25回り回動自在に設けられると共に、ピストンロッド22に横軸25と平行な軸回り回動自在に設けられている。
【0030】
ベルト23は、皮革にてピストンロッド22間の間隔よりも若干長い帯状に形成されており、その両端をそれぞれのピストンロッド22の先端に取り付けられている。そして、ベルト23は、樹木44の幹を受けるように後方へ撓んで配置されている。
【0031】
このような移植装置1を用いて樹木44を移植する場合、まず樹木44の両側に溝46を掘る。溝46は、樹木44の根(図示せず)に掛からないように樹木44から適宜離して平行に、かつ、根の深さよりも深く掘る。そして、特に傾斜地にあっては溝46を傾斜方向に延ばし、樹木44が傾倒されている場合にあっては樹木44の傾倒方向に向けて溝46を延ばす。
【0032】
そして、バケット駆動用シリンダ15を縮退させてバケット部9同士を機幅方向に離間させたのち、バケット部9をそれぞれの溝46上に移動させる。このとき、傾斜地にあっては走行装置2を斜面下側に位置させ、樹木44が傾倒されている場合にあっては樹木44が傾倒している側に走行装置2を位置させる。そしてさらに、両側のポスト部13と樹木44の根本とが一直線上に並ぶように位置を合わせる。このようにして位置合わせが終わったら、昇降アーム5を俯仰させて溝46の底からバケット部9までの高さを所定の高さに合わせる。
【0033】
この後、バケット駆動用シリンダ15を伸長させてそれぞれのバケット部9を溝46内に入れる。このとき、バケット部9はリンク機構8により移動経路をガイドされているため、地面に対して略垂直に降下する。そしてさらにバケット駆動用シリンダ15を伸長させると、バケット部9はそれぞれ溝46の底付近に到達し、機幅方向中央へ向けて水平移動を始める。これにより樹木44の下方にバケット部9を差し入れることができる。
【0034】
また、バケット部9が溝46の底付近に到達したとき、バケット装置3に並行して支持装置4を駆動させ始める。具体的には、それぞれの支持用シリンダ21を左右同時に伸長させ始める。
【0035】
支持用シリンダ21は、ガイド板24との連結点26をガイド板24にガイドされ、ピストンロッド22を上方へ向けるように回動される。
【0036】
樹木44が傾倒している場合にあっては、樹木44の傾倒方向側から支持用シリンダ21を伸長させるため、連結点26がポスト部13を越える前にベルト23が樹木44に当たり、樹木44を下から押し上げるように押す。このとき、支持用シリンダ21の伸縮を止めることで樹木44を下方から支えることができる。
【0037】
一方、樹木44が傾斜地に生えている場合にあっては、斜面下側から支持用シリンダ21を伸長させるため、傾斜に逆らって上方へ延びようとする樹木44にベルト23が当たるのは連結点26がポスト部13を越えた後である。
【0038】
いずれの場合にあっても、ポスト部13の下端は樹木44の根本近傍に位置されており、このポスト部13の下端を中心としてベルト23は回動するため、樹木44を根本を中心として起こすように支えることができ、樹木44の表皮を軸方向に擦って傷めるのを防ぐことができる。
【0039】
そして、バケット部9が樹木44の下方に差し入れられ、根の周囲の土壌が緩んだら、左右の支持用シリンダ21を交互に伸縮させ、ベルト23上で樹木44を緩やかに往復回動させて樹木44の根切りを行う。
【0040】
バケット部9同士がポット状に合体されたら昇降アーム5を上昇させてバケット装置3を上昇させ、樹木44を掬い上げる。このとき、樹木44は支持装置4に支持されているため倒れることはなく、安定して掬い上げることができる。
【0041】
このように、バケット装置3に、樹木44を支持するための支持装置4を設けたため、バケット部9で樹木44を掬い上げるとき支持装置4で樹木44の幹を支持することができ、樹木44を安定して掬い上げることができる。そして、支持装置4で樹木44の幹を支持しながらバケット部9を樹木44の下方に差し入れ、樹木44を掬い上げるため、傾斜地に生えている樹木44や斜めに生えている樹木44を移植する場合であっても、移植装置1の操作のみで樹木44を倒すことなく掬い上げることができ、効率よく樹木44を支えながら掬い上げることができる。
【0042】
また、バケット装置3に、樹木44の幹を押すプッシャ20を設けて支持装置4を構成するため、支持装置4を簡単な構造にでき、樹木44の移植を安価に行うことができる。
【0043】
そして、バケット装置3に、複数の支持用シリンダ21を並行にかつ両側に離間して設け、これら支持用シリンダ21のピストンロッド22間に樹木44に当てるためのベルト23を掛け渡してプッシャ20を構成したため、プッシャ20を簡単な構造にでき、樹木44の移植を安価に行うことができる。特にベルト23を左右に張って樹木44に当てるため、樹木44を柔らかく包みながら押すことができ、樹木44が傷つくのを防ぐことができる。
【0044】
また、支持用シリンダ21をそれぞれ伸長させて樹木44にベルト23を当てたのち、支持用シリンダ21を左右交互に伸縮させて樹木44の根切りを行うため、根切りを容易に効率よく行うことができる。
【0045】
そして、バケット装置3の固定系たるフレーム7に支持用シリンダ21を俯仰自在に設け、支持用シリンダ21のピストンロッド22を、樹木44の根本近傍を中心とする弧上で往復動するようにガイドしたため、樹木44を根本を中心として起こすように支えることができ、樹木44の表皮を軸方向に擦って傷めるのを防ぐことができる。
【0046】
なお、支持用シリンダ21のピストンロッド22を、ポスト部13の下端に枢支されたガイド板24でガイドするものとしたがこれに限るものではない。例えばポスト部13にピストンロッド22をガイドするためのレール(図示せず)を設けてもよい。
【0047】
また、ベルト23は皮革にて形成するものとしたが、樹木44を支えられる程度の強度を有し、かつ、当接される樹木44を傷めない程度の柔らかさを有する材料であれば、木綿及び麻等の天然繊維や樹脂等で形成してもよい。
【0048】
そして、支持用シリンダ21は油圧シリンダからなるものとしたが、伸縮自在であればネジ式のジャッキ等であってもよい。
【0049】
また、支持用シリンダ21は起立部11に設けるものとしたがフレーム7の他の部分に設けてもよい。ただし、樹木44は適度な高さ位置で支持することで安定的に支持できるため、支持用シリンダ21を前延部12よりも上方に配置することが好ましい。
【0050】
そして、支持用シリンダ21は、移植する樹木44の大きさに応じて支持位置を調節できるように昇降自在に設けてもよい。
【0051】
次にプッシャ20に変更を加えた他の移植装置を用いる実施の形態について述べる。上述と同様の構成については説明を省き、同符号を付す。
【0052】
図4に示すように、プッシャ30は、支持用シリンダ31と、ベルト32とを備えて構成されている。
【0053】
支持用シリンダ31は、それぞれ油圧シリンダからなり、フレーム7のそれぞれの起立部11に縦軸回り回動自在に設けられている。また、支持用シリンダ31には、支持用シリンダ31を縦軸回り回動させるための回動用シリンダ33が設けられている。回動用シリンダ33は、一端を支持用シリンダ31のシリンダ部34に縦軸回り回動自在に連結されると共に、他端を起立部11に縦軸回り回動自在に連結されており、伸長することで支持用シリンダ31のピストンロッド35を機幅方向中央へ向けて回動させるようになっている。
【0054】
それぞれのピストンロッド35は、先端部36を機幅方向中央側へ屈曲されており、ピストンロッド35の先端間にはベルト32が掛け渡されている。
【0055】
ベルト32は、移植対象となる樹木44の外周長さよりも長い帯状に形成されており、樹木44の幹を受けるように後方へ撓んで配置されている。
【0056】
樹木44を移植する場合、上述の実施の形態と同様に樹木44の両側に溝46を掘り、これら溝46上にそれぞれのバケット部9を移動させる。そして、昇降アーム5を俯仰させて溝46の底からバケット部9までの高さを所定の高さに合わせる。この後、バケット駆動用シリンダ15を伸長させてそれぞれのバケット部9を溝46内に入れる。さらにバケット駆動用シリンダ15を伸長させると、バケット部9はそれぞれ溝46の底付近に到達し、機幅方向中央へ向けて水平移動を始める。
【0057】
また、バケット部9が溝46の底付近に到達したとき、バケット装置3に並行して支持用シリンダ31を左右同時に伸長させ始める。そして、ベルト32の中央が樹木44に当たったら、支持用シリンダ31の伸長力を十分緩める。具体的にはベルト32を張れる程度の弱い伸長力に設定する。この後、回動用シリンダ33をそれぞれ伸長させて支持用シリンダ31を回動させ、ピストンロッド35の先端を互いに近接させる。支持用シリンダ31はベルト32が緩んだ分だけ伸長し、支持用シリンダ31が回動した分だけベルト32が樹木44の幹に巻き掛かる。
【0058】
図5に示すように、ピストンロッド35の先端が突き合わされたら支持用シリンダ31と回動用シリンダ33の伸縮を止める。これにより、樹木44は支持される。
【0059】
そして、バケット部9が樹木44の下方に差し入れられ、根の周囲の土壌が緩んだら、図6に示すように左右の支持用シリンダ31を交互に伸縮させ、ベルト32上で樹木44を緩やかに往復回動させて樹木44の根切りを行う。ベルト32は樹木44の幹に少なくとも半周以上巻かれているため、樹木44を安定して回動させることができる。
【0060】
バケット部9同士がポット状に合体されたら昇降アーム5を上昇させてバケット装置3を上昇させ、樹木44を掬い上げる。このとき、樹木44はプッシャ30に支持されているため倒れることはなく、安定して掬い上げることができる。
【0061】
このように、バケット装置3に、縦軸回り旋回自在な複数の支持用シリンダ31を並行にかつ両側に離間して設け、支持用シリンダ31のピストンロッド35間に樹木44に当てるためのベルト32を掛け渡してプッシャ30を構成したため、樹木44の幹にベルト32を容易に巻き掛けることができ、樹木44を安定して支持できる。
【0062】
また、支持用シリンダ31をそれぞれ伸長させて樹木44にベルト32を当てたのち、樹木44にベルト32を巻き掛けるように支持用シリンダ31を旋回させ、支持用シリンダ31を左右交互に伸縮させて樹木44の根切りを行うため、樹木44を良好に回動させることができ、根切りを安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す移植装置の要部側面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の要部平面図である。
【図4】他の実施の形態を示す移植装置の要部平面図である。
【図5】図4の移植装置を作動させた要部平面図である。
【図6】図4の移植装置を作動させた要部平面図である。
【図7】従来の移植作業を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
2 走行装置
3 バケット装置
4 支持装置
9 バケット部
20 プッシャ
21 支持用シリンダ(シリンダ)
22 ピストンロッド
23 ベルト
30 プッシャ
31 支持用シリンダ(シリンダ)
32 ベルト
35 ピストンロッド
44 樹木
46 溝
【出願人】 【識別番号】000147752
【氏名又は名称】株式会社石勝エクステリア
【出願日】 平成15年9月5日(2003.9.5)
【代理人】 【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄

【公開番号】 特開2005−80526(P2005−80526A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−313612(P2003−313612)