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【発明の名称】 植物育成等に有用なシート
【発明者】 【氏名】中村 照彦

【要約】 【課題】生分解可能な植物性繊維製品に新たな用途を提供する。

【解決手段】ポリ乳酸系繊維などの植物性繊維布帛に、マイナスイオン放射性を付与し、生鮮食料品の保存用包装材や植物育成用保護シートとして効果あるものとする。植物性繊維布帛は、マイナスイオン放射性鉱石を水に混入して得た上澄み液(又は濾液)で浸漬処理するのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイナスイオン放射性鉱石で処理した植物性繊維布帛からなるシート。
【請求項2】
前記植物性繊維がポリ乳酸系繊維である請求項1のシート。
【請求項3】
前記布帛が、マイナスイオン放射性鉱石を水に混入して得た上澄み液を付着したものである請求項1又は2のシート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のシートからなる植物育成用シート。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のシートからなる生花包装材。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のシートからなる生鮮食品保存用包装材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性繊維布帛にマイナスイオン化処理したシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生分解性を有する環境に優しい植物性繊維として、ポリ乳酸系繊維が知られている。その代表的なものは、とうもろこし繊維といわれるもので、例えば非特許文献1にも、今後用途開発が望まれるものとして、取り上げられている。
【0003】
一方、繊維のマイナスイオン化処理に関する研究も種々なされているが、従来の方法は、特許文献1〜3に記載されるように、トルマリン等の粉末を繊維表面に塗料で接着というものであり、繊維表面に粒子が付着しており、製品の風合いが悪く、また、耐久性ある効果を得にくく、実用化に問題があった。
【非特許文献1】染色研究 Vol.44 No.4 101-105 (2000)
【特許文献1】特開平11−350342号公報
【特許文献2】特開2003−138479号公報
【特許文献3】特開2001−20177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、植物性繊維製品の新たな用途開発を課題とするものであり、特にマイナスイオン化処理により、生鮮食品保存用包装材などとして従来になく有用なシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシートは、マイナスイオン放射性鉱石で処理した植物性繊維布帛からなるものであり、前記植物性繊維としては、一般に生分解性繊維といわれるものを使用するのが好ましく、例えばトウモロコシや芋などの澱粉類からなる繊維、特にポリ乳酸系繊維を使用するのが好ましい。
【0006】
前記布帛に対するマイナスイオン化処理は、布帛に、マイナスイオン放射性鉱石を水に混入して得た上澄み液を付着させるのが好ましい。
【0007】
マイナスイオン放射性鉱石としては、放射線稀有元素鉱物として知られる例えばサマルスキー石、ゼノタイム、変種ジルコン、トロゴム石、ヘエルゴソン石、モザナイト、バストネサイトなどがいずれも使用できる。
【0008】
これらの鉱石、好ましくは鉱石粉末を、水と混合し、鉱石粉末が沈殿した後、その上澄み液(又は櫨液)を採取し、この中に植物性繊維布帛(不織布、織布その他)又はその加工品等を浸漬して、前記布帛に、マイナスイオン放射性成分を付着させるのがよい。なお、この場合、必要に応じてバインダーを添加してもよい。
【0009】
植物性繊維、例えばポリ乳酸系繊維(カネボウ製のラクトロン、ユニチカ製のテラマック、クラレ製のプラスターチ、三井化学製のレイシアなど)の場合、バインダーを使用しなくても、前記上澄み液に含まれるマイナスイオン放射性成分が、効率よく付着し、持続性よく、所望の効果を得ることが可能となる。
【0010】
処理浴としては、200リットルの水に、1kg以上、好ましく2〜4kgのマイナスイオン放射性鉱石粉末を混合し、その上澄み液を使用するのが好ましく、植物性繊維布帛は、この上澄み液を付着する方法は、普通の染色機等を使用すればよく、200リットルの処理浴で、約500mの布帛が処理できる。浸漬処理後、必要に応じて、絞り、乾燥処理(例えば80〜100℃)すればよい。
【0011】
このようにして得た本発明のシートは、アンデス電気社製の空気イオン・カウンターITC−201Aで、26℃、45%RHで、弱摩擦(シートを軽く手で3〜5回擦る)時のマイナスイオンが1400〜1800個/cc程度、強摩擦(シートを互いに10〜12回擦り合わせる)時のマイナスイオンが2200〜3000個/cc程度となる。
【0012】
かかる本発明のシートは、植物育成用シートとして効率よく使用できる。例えば、リンゴや梨などの果実の袋掛けにこのシートを使用した場合、従来市販の袋を掛けた場合に比較して、果実の生育が格段に促進することがわかっている。また、茄子やトマトなど野菜の覆いとして、使用した場合にも、かかる覆いを使用しない場合に比較して、野菜の発育が促進された。
本発明のシートは、水吸収性及び通気性ある植物性繊維布帛からなるため、屋外における摩擦や雨水等の吸収により、マイナスイオンの発生が促進され、それが植物育成に効果的に作用するものと思われる。
【0013】
また、本発明のシートは、生花の包装材としても効果的に使用でき、このシートで包装した生花は、通常の紙等で包装した場合に比較して、長期間安定に保たれることが分かっている。
【0014】
更に、本発明のシートは、生鮮食品の保存用包装材としても効果的に使用できる。例えば、鮮魚、生肉などを本発明のシートで包み、冷凍又は冷蔵保存した場合、他の包装材で包み、冷凍又は冷蔵保存したものと比して、倍近く長期にわたって、品質を保持した保存が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施例に従って説明する。
まず、マイナスイオン放射性鉱石(キュアパール:貴陽石)の微粉末3kgを水200リットルによく混合し、その上澄み液に、市販のポリ乳酸系繊維からなる不織布(目付20g/m )を浸漬し、絞り、100℃で乾燥した。
【0016】
このようにして得たシートのマイナスイオン発生率を、アンデス電気社製の空気イオン・カウンターITC−201Aで測定した。26℃、45%RHで、弱摩擦(シートを軽く手で3〜5回擦る)時のマイナスイオンは1600個/cc、強摩擦(シートを互いに10〜12回擦り合わせる)時のマイナスイオンは2600個/ccであった。
【0017】
このシートで、水茄子の畑の半分を覆い、残りの半分は、覆いを使用しないで、水茄子の栽培をしたところ、この覆いをした水茄子は、覆いをしなかった水茄子に比して、茄子の発育が早く、倍近くの収穫があった。
【0018】
また、マイナスイオン放射性鉱石(キュアパール:貴陽石)の微粉末4kgを水200リットルによく混合し、その上澄み液に、市販のポリ乳酸系繊維からなる不織布(目付100g/m )を浸漬し、絞り、100℃で乾燥した。
【0019】
このシートで、鮮魚を包み、合成樹脂フィルムで覆い、冷蔵庫に保管したところ、合成樹脂フィルムだけで覆って保管した場合には、3日間で風味が落ちたのに対して、一週間以上、新鮮な風味に保つことができた。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のシートは、摩擦や水分の吸収などによってもマイナスイオンを発揮し易く、屋外における果実や野菜の育成に効果的に使用でき、しかも生花の包装、生鮮食品の包装にも、有用である。
なお、本発明のシートは、ポリ乳酸系繊維などの植物性繊維単独からなる布帛だけでなく、植物性繊維と他の天然繊維や合成繊維との混紡又は交織品などからなるものであってもよい。
【出願人】 【識別番号】397077003
【氏名又は名称】株式会社紅屋
【出願日】 平成15年9月4日(2003.9.4)
【代理人】 【識別番号】100068032
【弁理士】
【氏名又は名称】武石 靖彦

【識別番号】100080333
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 紀子

【公開番号】 特開2005−80504(P2005−80504A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−312592(P2003−312592)