| 【発明の名称】 |
育苗施設 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 正人 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】育苗施設において、作物苗を出荷する場合に、作物苗を出荷用のトラック等に載せる作業が楽に行えるように構成する。
【解決手段】作物苗保持体8を平面状に並べて収容する育苗領域1、作物苗保持体8を上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部15、育苗領域1及び保持体支持部15の下部に亘り作物苗保持体8を移動可能に案内する案内経路5を備える。保持体支持部15に対して育苗領域1とは反対側に作業領域3を備え、作物苗保持体8を保持体支持部15の下部及び作業領域3に亘り移動可能に案内する作業案内経路9を備える。保持体支持部15に作物苗保持体8が上下方向に段状に支持された状態において、作物苗保持体8を保持体支持部15の下部を通して育苗領域1及び作業領域3に亘り移動可能に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作物苗を収納する多数の作物苗保持体を平面状に並べて収容する育苗領域と、複数の作物苗保持体を上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部と、前記育苗領域及び保持体支持部の下部に亘り作物苗保持体を移動可能に案内する案内経路とを備えて、 作物苗保持体を前記育苗領域から保持体支持部の下部に移動させることにより、前記保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して上下方向に段状に保持体支持部に支持可能に構成し、前記保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動することにより、作物苗保持体を前記保持体支持部の下部から育苗領域に移動可能に構成すると共に、 前記保持体支持部に対して育苗領域とは反対側に作業領域を備え、作物苗保持体を前記保持体支持部の下部及び作業領域に亘り移動可能に案内する作業案内経路を備えて、 前記保持体支持部に作物苗保持体が上下方向に段状に支持された状態で、作物苗保持体を前記保持体支持部の下部を通して育苗領域及び作業領域に亘り移動可能に構成してある育苗施設。 【請求項2】 複数の作物苗保持体の各々を所定の上下間隔を開けて支持して昇降駆動可能に、前記保持体支持部を構成してある請求項1に記載の育苗施設。 【請求項3】 作物苗を収納する多数の作物苗保持体を平面状に並べて収容する育苗領域と、複数の作物苗保持体の各々を所定の上下間隔を開けて上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部とを備え、 前記保持体支持部を収容する建屋と、前記建屋の室温を調節する室温調節装置と、前記育苗領域及び保持体支持部の下部に亘り作物苗保持体を移動可能に支持する案内経路とを備えて、 作物苗保持体を前記育苗領域から保持体支持部の下部に移動させることにより、前記保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して上下方向に段状に保持体支持部に支持可能に構成し、前記保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動することにより、作物苗保持体を前記保持体支持部の下部から育苗領域に移動可能に構成してある育苗施設。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、作物苗の育苗施設に関する。 【背景技術】 【0002】 育苗施設として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の構造では、作物苗(特許文献1の図6及び図7中のa)を収納する多数の作物苗保持体(特許文献1の図6及び図7中の2)、多数の作物苗保持体を平面状に並べて収容する育苗領域(特許文献1の図6中のB)、複数の作物苗保持体を上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部(特許文献1の図6及び図7中の6)、育苗領域及び保持体支持部の下部に亘り作物苗保持体を移動可能に案内する案内経路(特許文献1の図6及び図7中の5)が備えられている。 【0003】 これにより特許文献1の構造によると、作物苗保持体を育苗領域から保持体支持部の下部に移動させることにより、保持体支持部の下部に移動された作物苗保持体が上昇駆動されて、保持体支持部に上下方向に段状に支持される。逆に保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動することにより、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させることができる。 【0004】 特許文献1の構造では、保持体支持部の付近を花芽分化促進領域(特許文献1の図6中のC)として設定し、室温を調節する室温調節装置(特許文献1の図6中の4)を備えている。これにより、特許文献1の構造によると、例えば果樹類の作物苗に栄養成長から生殖成長へ転換させる花芽分化を行わせる場合、昼間は作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容しておき、夜間は作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持して、室温調節装置を作動させると言うような作業を行う。 特許文献1の構造によると、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する場合、上下の作物苗保持体の間にスタンド(特許文献1の図6中の2A)を入れることにより、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられている。 【0005】 【特許文献1】特開2003−92931号公報(図6及び図7) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 作物苗の成長は均一ではないことがあり、ある作物苗保持体では作物苗が出荷できる状態に成長しているのに、別の作物苗保持体では作物苗の成長が充分ではないと言うようなことがある。作物苗を出荷する場合、作物苗保持体から作物苗を取り出して出荷するのであり、作物苗保持体は育苗領域に残しておく。 これにより、特許文献1の構造において、例えば育苗領域の中間位置の作物苗保持体から作物苗を出荷する必要が生じた場合、育苗領域の中間位置において、作業者が作物苗を作物苗保持体から取り出し、歩いて育苗領域の外部に運び出し、出荷用のトラック等に載せると言うような作業を行わなければならない。 本発明は育苗施設において、作物苗を出荷する場合に、作物苗を出荷用のトラック等に載せる作業が楽に行えるように構成することを目的としている。 【0007】 特許文献1の構造では、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する場合に、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられるので、特に下部の作物苗保持体に上方の全ての作物苗保持体の重量が掛かることになり、特に重量の重い作物苗を作物苗保持体に収納した際に作物苗保持体の強度の面で不安が生じる。 本発明は育苗施設において、特に重量の重い作物苗を作物苗保持体に収納した場合でも作物苗保持体の強度の面で不安が生じないように構成することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 [I] (構成) 本発明の第1特徴は、育苗施設において次のように構成することにある。 作物苗を収納する多数の作物苗保持体を平面状に並べて収容する育苗領域と、複数の作物苗保持体を上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部と、育苗領域及び保持体支持部の下部に亘り作物苗保持体を移動可能に案内する案内経路とを備える。作物苗保持体を育苗領域から保持体支持部の下部に移動させることにより、保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して上下方向に段状に保持体支持部に支持可能に構成し、保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動することにより、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動可能に構成する。保持体支持部に対して育苗領域とは反対側に作業領域を備え、作物苗保持体を保持体支持部の下部及び作業領域に亘り移動可能に案内する作業案内経路を備える。保持体支持部に作物苗保持体が上下方向に段状に支持された状態で、作物苗保持体を保持体支持部の下部を通して育苗領域及び作業領域に亘り移動可能に構成する。 【0009】 (作用) 本発明の第1特徴によると、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態において、例えば育苗領域の中間位置の作物苗保持体から作物苗を出荷する必要が生じた場合、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を、育苗領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して保持体支持部に上下方向に段状に支持させる。次に、作物苗を出荷する作物苗保持体を育苗領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部を通過させて反対側の作業領域に移動させる。 【0010】 前述のように本発明の第1特徴によると、例えば育苗領域の中間位置の作物苗保持体から作物苗を出荷する必要が生じた場合、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を保持体支持部に一時的に退避させて、作物苗を出荷する作物苗保持体を作業領域に移動させることにより、作業領域において作物苗保持体から出荷用のトラック等に作物苗を楽に載せることができる。 本発明の第1特徴によれば、作業領域において作物苗保持体から出荷用のトラック等に作物苗を載せる作業が終了すると、作物苗保持体を作業領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部を通過させて反対側の育苗領域に移動させる。次に、保持体支持部に上下方向に段状に支持された作物苗保持体を下降駆動して、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させてやれば、容易に元の状態に復帰することができる。 【0011】 前述のように、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を保持体支持部に一時的に退避させる場合、本発明の第1特徴によると、保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して、保持体支持部に上下方向に段状に支持可能に構成している。 これにより、本発明の第1特徴によると、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を保持体支持部に一時的に退避させる場合、保持体支持部の上方の空間を作物苗保持体の支持用に有効に利用しており、保持体支持部から横方向に広がるような空間を使用する必要がない。 【0012】 (発明の効果) 本発明の第1特徴によると、育苗施設において作物苗を出荷する場合、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を保持体支持部に一時的に退避させることにより、作業領域において作物苗保持体から出荷用のトラック等に作物苗を楽に載せることができるようになって、育苗施設の作業能率を向上させることができた。 【0013】 本発明の第1特徴によれば、作業領域において作物苗保持体から出荷用のトラック等に作物苗を載せる作業が終了すると、作物苗保持体を作業領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部を通過させて反対側の育苗領域に移動させ、保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動して、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させてやることにより、容易に元の状態に復帰することができるので、この点においても育苗施設の作業能率を向上させることができた。 【0014】 本発明の第1特徴によると、作物苗を出荷する作物苗保持体と保持体支持部との間の作物苗保持体を保持体支持部に一時的に退避させる場合に、保持体支持部の上方の空間を作物苗保持体の支持用に有効に利用しており、不必要に広いスペースを備える必要がないので、育苗施設の不必要な大型化を抑えると言う面で有利なものとなった。 【0015】 [II] (構成) 本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の育苗施設において次のように構成することにある。 複数の作物苗保持体の各々を所定の上下間隔を開けて支持して昇降駆動可能に、保持体支持部を構成する。 【0016】 (作用) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 本発明の第2特徴によると、保持体支持部において複数の作物苗保持体の各々が上下間隔を開けて支持されるので、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態にならず、下部の作物苗保持体に上方の作物苗保持体の重量が掛かると言う状態は生じない。 【0017】 前項[I]に記載のように、作業領域において作物苗保持体から出荷用のトラック等に作物苗を載せる作業が終了し、作物苗保持体を作業領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部を通過させて反対側の育苗領域に移動させた後において、保持体支持部に上下方向に段状に支持された作物苗保持体を下降駆動し、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させる場合、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態になっていると、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることは、比較的手間の要する作業となる。 これに対し、本発明の第2特徴では保持体支持部において、複数の作物苗保持体の各々が所定の上下間隔を開けて支持されており、作物苗保持体の一つずつを独立して取り扱うことが比較的容易に行えるので、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることが比較的容易に行える。 【0018】 (発明の効果) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第2特徴によると、保持体支持部において複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態にならず、下部の作物苗保持体に上方の作物苗保持体の重量が掛かると言う状態が生じないようにすることができて、特に重量の重い作物苗を作物苗保持体に収納した場合での作物苗保持体の強度の面での不安を解消することができた。 【0019】 本発明の第2特徴によると、保持体支持部に上下方向に段状に支持された作物苗保持体を下降駆動し、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させる場合、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることが比較的容易に行えるようになって、育苗施設の作業能率を向上させることができた。 【0020】 [III] (構成) 本発明の第3特徴は、育苗施設において次のように構成することにある。 作物苗を収納する多数の作物苗保持体を平面状に並べて収容する育苗領域と、複数の作物苗保持体の各々を所定の上下間隔を開けて上下方向に段状に支持して昇降駆動可能な保持体支持部とを備える。保持体支持部を収容する建屋と、建屋の室温を調節する室温調節装置と、育苗領域及び保持体支持部の下部に亘り作物苗保持体を移動可能に支持する案内経路とを備える。作物苗保持体を育苗領域から保持体支持部の下部に移動させることにより、保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して上下方向に段状に保持体支持部に支持可能に構成し、保持体支持部に支持された作物苗保持体を下降駆動することにより、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動可能に構成する。 【0021】 (作用) 本発明の第3特徴によると、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態において、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する場合、作物苗保持体を育苗領域から保持体支持部の下部に移動させ、保持体支持部の下部に移動した作物苗保持体を上昇駆動して保持体支持部に上下方向に段状に支持させる。この場合、本発明の第3特徴によると、保持体支持部において複数の作物苗保持体の各々が上下間隔を開けて支持されるので、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態にならず、下部の作物苗保持体に上方の作物苗保持体の重量が掛かると言う状態は生じない。 【0022】 次に作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持している状態において、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容する場合、保持体支持部に上下方向に段状に支持された作物苗保持体を下降駆動して、作物苗保持体を保持体支持部の下部から育苗領域に移動させる。この場合、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態になっていると、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることは、比較的手間の要する作業となるが、本発明の第3特徴では保持体支持部において複数の作物苗保持体の各々が所定の上下間隔を開けて支持されており、作物苗保持体の一つずつを独立して取り扱うことが比較的容易に行えるので、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることが比較的容易に行える。 【0023】 本発明の第3特徴によると、保持体支持部を収容する建屋及び建屋の室温を調節する室温調節装置を備えている。これにより、本発明の第3特徴によると、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持している状態において、例えば建屋の扉等を閉じたりして建屋を閉じられた空間とすることにより、外気や育苗領域の影響を受けること少なく、室温調節装置による建屋の室温の調節を適切に行うことができる。 【0024】 この場合、複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態になっていると、積み重ねられた作物苗保持体の中央付近の通風が悪くなるので、例えば室温調節装置により建屋の室温を下げた際に、積み重ねられた作物苗保持体の中央付近の温度があまり下がらない状態になることが考えられる(例えば室温調節装置の冷気が積み重ねられた作物苗保持体の中央付近に行き亘り難い状態になることが考えられる)。 本発明の第3特徴では保持体支持部において、複数の作物苗保持体の各々が上下間隔を開けて支持されており、作物苗保持体の中央付近の通風が良い状態になっているので、作物苗保持体の中央付近の温度も適切なものとなる(例えば室温調節装置の冷気が作物苗保持体の中央付近にも充分に行き亘る)。 【0025】 (発明の効果) 本発明の第3特徴によると、育苗施設において、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態から、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する場合、保持体支持部において複数の作物苗保持体が直接に積み重ねられた状態にならず、下部の作物苗保持体に上方の作物苗保持体の重量が掛かると言う状態が生じないようにすることができて、特に重量の重い作物苗を作物苗保持体に収納した場合での作物苗保持体の強度の面での不安を解消することができた。 【0026】 本発明の第3特徴によると、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持している状態から、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容する場合、保持体支持部の下部において作物苗保持体を一つずつ分離して育苗領域に移動させることが比較的容易に行えるようになって、育苗施設の作業能率を向上させることができた。 【0027】 本発明の第3特徴によると、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持している状態において、作物苗保持体の中央付近の通風が良い状態となっているので、室温調節装置による建屋の室温の調節により、作物苗保持体をムラなく適切な温度にすることができるようになって、育苗施設の育苗性能を向上させることができた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0028】 [1] 図1及び図2は、例えばイチゴ苗等の作物苗A(図3参照)の育苗施設の全体を示しており、育苗施設は育苗領域1、花芽分化促進領域2及び作業領域3を備えて構成され、花芽分化促進領域2を間に位置させて、育苗領域1及び作業領域3が互いに反対側に位置している。 【0029】 図1及び図2に示すように、育苗領域1に横長の4棟のビニールハウス4が備えられており、ビニールハウス4の各々の内部に2列の案内レール5(案内経路に相当)が備えられている。図3に示すように、ビニールハウス4の各々の内部において、アーチ状のレール架台7が所定間隔を置いて床部6に取り付けられ、図3,4,5に示すように、レール架台7の上部にV字状の受け部7aが固定されており、丸パイプ状の案内レール5がレール架台7の受け部7aに取り付けられている。この場合、案内レール5はレール架台7の受け部7aから取り外し自在であり、レール架台7も床部6から取り外し自在である。 【0030】 図2及び図3に示すように、作物苗保持体8は長方形状で浅い箱状に構成されて、多数の作物苗Aを収納するように構成されており、図3及び図4に示すように、作物苗保持体8の底部にローラー8aがV字状に配置されて回転自在に支持され、図3及び図5に示すように、作物苗保持体8の底部にローラー8bが横向きに回転自在に支持されている。これにより、作物苗保持体8のローラー8a,8bを案内レール5に載せることにより、作物苗保持体8が案内レール5に平面状に並べて支持されるのであり、案内レール5に沿って作物苗保持体8を移動させることができる。 【0031】 図1及び図2に示すように、作業領域3は特に建屋等が備えられておらず開放された状態となっており、支持台9(作業案内経路に相当)が作業領域3に配置されて、出荷用のトラック10が作業領域3に入り込むことができる。支持台9は6個の作物苗保持体8を平面状に並べて支持することができるように構成され、支持台9の脚部(図示せず)に移動用の車輪(図示せず)が備えられており、作業領域3において支持台9を自由に移動させることができる。 【0032】 [2] 次に、花芽分化促進領域2について説明する。 図1及び図2に示すように、4棟のビニールハウス4に亘る縦長の建屋11が備えられて、建屋11の屋根部にエアコン等の8個の室温調節装置12が備えられている。建屋11のビニールハウス4側の壁部に、案内レール5の各々に対応して8個の扉13が備えられており、扉13は上下にスライドさせて開閉することができる。建屋11の作業領域3側の壁部に、案内レール5の各々に対応して8個の扉14が備えられており、扉14は上下にスライドさせて開閉することができる。 【0033】 図2及び図6に示すように、建屋11の内部において、保持体支持部15が案内レール5(扉13,14)の各々に対応して備えられており、建屋11の内部に合計8個の保持体支持部15が備えられている。図6及び図7に示すように、室温調節装置12の冷却器12aが、正面視(図6参照)で保持体支持部15の中間の上方、並びに側面視(図7参照)で建屋11のビニールハウス4側及び作業領域3側の壁部に備えられており、室温調節装置12の冷却器12aの近傍に、点検口24(開閉自在な蓋部(図示せず)付き)が備えられている。 【0034】 図6及び図7に示すように、支持フレーム16が大きな枠状に構成されて、支持フレーム16の上部に駆動軸17が回転自在に支持され、支持フレーム16の上部に油圧モータ18が固定されており、駆動軸17と油圧モータ18とに亘って伝動チェーン19が巻回されて、油圧モータ18により駆動軸17が回転駆動可能に構成されている。支持フレーム16の下部に従動軸20が回転自在に支持され、従動軸20の両端にスプロケット20aが固定されており、駆動軸17の4箇所にスプロケット17aが固定されている。スプロケット17a,20aに亘りチェーン21が巻回されており、アングル部材状の横長の支持部材22が前後一対のチェーン21に亘って取り付けられている。以上のようにして保持体支持部15が構成されている。 【0035】 図2及び図6に示すように、保持体支持部15の下部に案内レール23が備えられており、案内レール23の間に搬送装置25が備えられている。図8及び図9に示すように、横長の支持ガイド26が脚部27によって支持されており、支持ガイド26の両端の位置に駆動スプロケット28及び従動スプロケット29が回転自在に支持されている。駆動スプロケット28を回転駆動する電動モータ30が備えられて、駆動スプロケット28及び従動スプロケット29に亘ってチェーン31が巻回されており、チェーン31に2個の押し金具32,33が取り付けられている。以上のようにして、搬送装置25が構成されており、案内レール23及び搬送装置25の長さが、6個の作物苗保持体8の長さに相当するように構成されている。 【0036】 [3] イチゴ苗等の作物苗Aでは一般に、昼間は比較的高温の環境で太陽の光を浴びさせ、夜間は比較的低温の環境に置いておくと言うような作業を行って、花芽分化を行わせる。これにより、昼間は図1及び図2に示すように、全ての作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容しておく。 【0037】 次に、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容している状態から、作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持する場合について説明する。 図1及び図2に示すように、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容している状態において、図8,9,10(イ)に示すように扉13を開けて、作物苗保持体8を案内レール5に沿って建屋11の内部に移動させて、案内レール23に支持させるのであり、6個の作物苗保持体8を案内レール23に支持させる。 【0038】 この場合、図8,9,10(イ)に示すように、搬送装置25(押し金具32,33)を図9に示す状態で停止させておくことにより、作物苗保持体8の移動に対し押し金具33が邪魔にならないのであり、押し金具32が作物苗保持体8に対しストッパーとして機能する。保持体支持部15において上端の支持部材22(図6の紙面右側の状態参照)が案内レール23の位置に位置するように、駆動軸17を逆方向に回転駆動して、支持部材22を下降駆動しておく(図6の紙面左側の状態参照)。 【0039】 図8,9,10(イ)に示すようにして6個の作物苗保持体8が案内レール23に支持されると、図8,9,10(ロ)に示すように、保持体支持部15において駆動軸17を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、支持部材22を上昇駆動することにより、支持部材22に6個の作物苗保持体8が支持されて案内レール23から持ち上げられ、次の支持部材22が案内レール23の位置に位置する。 【0040】 次に前述と同様に図8,9,10(イ)に示すように、作物苗保持体8を案内レール5に沿って建屋11の内部に移動させて案内レール23に支持させ、6個の作物苗保持体8を案内レール23に支持させて、保持体支持部15において駆動軸17を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させ、次の支持部材22に6個の作物苗保持体8が支持されて案内レール23から持ち上げられるようにする。以上のような作業を繰り返すことによって、図11(イ)(ロ)に示すように、育苗領域1(1列の案内レール5)の全ての作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持させる(最後の作物苗保持体8を案内レール23に支持させておくこともある)。 【0041】 図11(ロ)に示すように、育苗領域1(1列の案内レール5)の全ての作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持させると、扉13,14を閉じて、室温調節装置12により、建屋11の室温を適切な低温に維持する。 この場合、図8及び図9に示すように、保持体支持部15において作物苗保持体8の各々が上下間隔を開けて支持部材22に支持されるので、下部の作物苗保持体8に上方の作物苗保持体8の重量が掛かると言う状態は生じない。作物苗保持体8の各々においての中央付近の通風が良い状態になっているので、作物苗保持体8の各々がムラなく適切な低温に維持される。 【0042】 [4] 次に、作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持している状態から、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容する場合について説明する。 図11(ロ)に示すように、育苗領域1(1列の案内レール5)の全ての作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持させた状態において、図12(イ)に示すように扉13を開けて、搬送装置25において駆動スプロケット28を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させると、案内レール23に支持された作物苗保持体8が押し金具32によって案内レール5に押し出されるのであり、押し金具33が図12(ロ)に示す位置に位置する。 【0043】 次に図12(ロ)に示すように、保持体支持部15において駆動軸17を逆方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、支持部材22を下降駆動することにより、下端の支持部材22に支持された作物苗保持体8が案内レール23に移される。これにより、前述と同様に(図12(イ)参照)、搬送装置25において駆動スプロケット28を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させると、案内レール23に支持された作物苗保持体8が押し金具33によって案内レール5に押し出されるのであり、押し金具32が図11(イ)(ロ)に示す位置に位置する。 以上のような作業を繰り返しながら、案内レール5に押し出された作物苗保持体8を案内レール5に沿ってビニールハウス4の内部に移動させることにより、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容する状態に戻す。 【0044】 [5] 次に、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容している状態において、例えば育苗領域1の中間位置の作物苗保持体8から作物苗Aを出荷する必要が生じた場合について説明する。 図1及び図2に示すように、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容している状態において、前項[3]の記載と同様に図13(イ)に示すように扉13を開けて、作物苗保持体8を案内レール5に沿って建屋11の内部に移動させて、案内レール23に支持させるのであり、保持体支持部15において駆動軸17を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、支持部材22を上昇駆動することにより、支持部材22に作物苗保持体8を支持させて案内レール23から持ち上げさせる。以上のような作業を繰り返すことにより、図13(ロ)及び図14(イ)に示すように、作物苗Aを出荷する作物苗保持体8(8c)と保持体支持部15との間の作物苗保持体8を、保持体支持部15に上下方向に段状に支持させる。 【0045】 次に図14(イ)(ロ)に示すように、支持台9を扉14の位置に位置させた状態において、作物苗Aを出荷する作物苗保持体8(8c)を案内レール5に沿って建屋11の内部に移動させて案内レール23に支持させ、搬送装置25において駆動スプロケット28を逆方向に所定量だけ回転駆動して停止させる。これにより、作物苗Aを出荷する作物苗保持体8(8c)が、押し金具33によって保持体支持部15の下部を通過して支持台9に押し出されるのであり、作業領域3において作物苗保持体8(8c)から出荷用のトラック10に作物苗Aを楽に載せることができる(図1参照)。 【0046】 作業領域3において作物苗保持体8(8c)から出荷用のトラック10に作物苗Aを載せる作業が終了すると、図14(イ)(ロ)に示す状態とは逆に、空の作物苗保持体8(8c)を支持台9から建屋11の内部に移動させて案内レール23に支持させ、搬送装置25において駆動スプロケット28を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、空の作物苗保持体8(8c)を押し金具33によって保持体支持部15の下部を通過させて案内レール5に押し出す。次に前項[4]、図12(イ)(ロ)に記載の作業を行うことにより、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容する状態に戻す。 【0047】 [6] 次に、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容している状態において、全ての作物苗保持体8の作物苗Aを出荷する必要が生じた場合について説明する。 図1及び図2に示す状態において、扉13,14を開けて、支持台9を扉14の位置に位置させ、作物苗保持体8を案内レール5に沿って建屋11の内部に移動させて、6個の作物苗保持体8を案内レール23に支持させる。搬送装置25において駆動スプロケット28を逆方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、6個の作物苗保持体8を押し金具32(又は押し金具33)によって保持体支持部15の下部を通過させて支持台9に押し出し、作業領域3において6個の作物苗保持体8から出荷用のトラック10に作物苗Aを載せる。 【0048】 作業領域3において6個の作物苗保持体8から出荷用のトラック10に作物苗Aを載せる作業が終了すると、空の6個の作物苗保持体8を支持台9から建屋11の内部に移動させて、6個の作物苗保持体8を案内レール23に支持させ、保持体支持部15において駆動軸17を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、支持部材22を上昇駆動することにより、支持部材22に空の6個の作物苗保持体8を支持させて案内レール23から持ち上げさせる。 以上のような作業を繰り返すことにより、作業領域3において作物苗保持体8から出荷用のトラック10に作物苗Aを載せ、空の作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持させる。 【0049】 [7] 前項[6]に記載のように、空の作物苗保持体8を保持体支持部15に上下方向に段状に支持している状態において、空の作物苗保持体8に新たな作物苗Aを収納して育苗を行う場合について説明する。 図11(ロ)に示す状態において、扉13,14を開け、支持台9を扉14の位置に位置させ、保持体支持部15において駆動軸17を逆方向に所定量だけ回転駆動して停止させて、支持部材22を下降駆動することにより、下端の支持部材22に支持された空の6個の作物苗保持体8を案内レール23に移す。次に搬送装置25において駆動スプロケット28を逆方向に所定量だけ回転駆動して停止させ、空の6個の作物苗保持体8を押し金具32(又は押し金具33)によって支持台9に押し出し、作業領域3において6個の空の作物苗保持体8に新たな作物苗Aを収納する。 【0050】 作業領域3において6個の空の作物苗保持体8に新たな作物苗Aを収納する作業が終了すると、6個の作物苗保持体8を支持台9から建屋11の内部に移動させ、6個の作物苗保持体8を案内レール23に支持させ、搬送装置25において駆動スプロケット28を正方向に所定量だけ回転駆動して停止させ、6個の作物苗保持体8を押し金具32(又は押し金具33)によって保持体支持部15の下部を通過させて案内レール5に押し出す。 以上のような作業を繰り返しながら、案内レール5に押し出された作物苗保持体8を案内レール5に沿ってビニールハウス4の内部に移動させることにより、作物苗保持体8を育苗領域1に平面状に並べて収容する状態にする。 【0051】 [発明の実施の別形態] 前述の[発明を実施するための最良の形態]において、図1及び図2に示す作業領域3を収容する建屋(図示せず)を備えるように構成してもよい。支持台9を移動自在に構成するのではなく、作業領域3における扉14の各々の位置に支持台9を固定するように構成してもよい。室温調節装置12に除湿機能を備えるように構成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0052】 【図1】育苗施設の全体斜視図 【図2】育苗施設の横断平面図 【図3】育苗領域における案内レールの付近の縦断正面図 【図4】作物苗保持体のローラーの付近の正面図 【図5】作物苗保持体のローラーの付近の正面図 【図6】保持体支持部の付近の正面図 【図7】保持体支持部の付近の側面図 【図8】保持体支持部の下部の付近の正面図 【図9】保持体支持部の下部の付近の側面図 【図10】作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態から、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する状態の前半を示す側面図 【図11】作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態から、作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持する状態の後半を示す側面図 【図12】作物苗保持体を保持体支持部に上下方向に段状に支持している状態から、作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容する状態を示す側面図 【図13】作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態において、例えば育苗領域の中間位置の作物苗保持体から作物苗を出荷する必要が生じた場合の前半を示す側面図 【図14】作物苗保持体を育苗領域に平面状に並べて収容している状態において、例えば育苗領域の中間位置の作物苗保持体から作物苗を出荷する必要が生じた場合の後半を示す側面図 【符号の説明】 【0053】 1 育苗領域 3 作業領域 5 案内経路 8 作物苗保持体 9 作業案内経路 11 建屋 12 室温調節装置 15 保持体支持部 A 作物苗
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成15年8月25日(2003.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2005−65593(P2005−65593A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−299930(P2003−299930) |
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