| 【発明の名称】 |
温室 |
| 【発明者】 |
【氏名】新田 和雄
|
| 【要約】 |
【課題】従来の温室と異なり、その構造の強度を強化し、さらに大型化が可能であり、しかも、作業性および生産性を向上させる画期的な温室を提供する。
【解決手段】両端に設置されたボックスカルバート(21)と、ボックスカルバート(21)に支持されたワイヤロープ支持体(24)と、ワイヤロープ支持体(24)間に張り渡された複数本のワイヤロープ(3)と、複数本のワイヤロープ(3)の外側を被ってワイヤロープ支持体(24)間に敷設されたビニールシート(4)と、により構成されていることを特徴とする温室。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端に設置されたボックスカルバートと、各該ボックスカルバートに支持されたワイヤロープ支持体と、該ワイヤロープ支持体間に張り渡された複数本のワイヤロープと、複数本の該ワイヤロープの外側を被って前記ワイヤロープ支持体間に敷設されたビニールシートと、により構成されていることを特徴とする温室。 【請求項2】 一部の前記ワイヤロープにリフトが懸架されていることを特徴とする請求項1に記載の温室。 【請求項3】 前記リフトが走行装置および/または昇降装置を装備されていることを特徴とする請求項2に記載の温室。 【請求項4】 前記ワイヤロープ支持体に巻取り装置が設けられ、該巻取り装置が前記ビニールシートに締結されたロープを巻き取り可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の温室。 【請求項5】 少なくとも一端の前記ボックスカルバートが建屋として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の温室。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、野菜、花あるいは果実等の栽培用、スッポン、うなぎ等の養魚用の温室に関し、詳細には温室の構造に関する。 【背景技術】 【0002】 野菜、花あるいは果実、スッポン、うなぎ等は、栽培技術あるいは養殖技術の進歩により、現在では季節を問わず生産されるようになった。これらの技術は、生産品の品種の改良改善とともに、日本の風土の特徴である季節による気候、その中でも特に気温の変化を克服し、一年を通して栽培あるいは養殖に適した気候条件を実現することにより達成されている。このような気候条件を実現するために、従来より、ビニールハウスと通称される温室が簡便に設置されて数多く使用され、その中で栽培あるいは養殖が行われている。 【0003】 前記ビニールハウスは、細い鉄製パイプを半円形あるいは半楕円形に成形し、半円形あるいは半楕円形を立てた状態で所定間隔に横方向へ多数並べて配置し、それぞれの両端を軽便なブロックに差込んで固定することによりパイプフレームを形成し、該パイプフレームの外周を被ってビニールシートを敷設し、蒲鉾形状に構成されている。また、以上のような構成上、主として平地あるいは矩形平面の人工プールに設置されている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 従来のビニールハウスによる温室は以上のように構成されていたため、つぎのような課題が存在していた。すなわち、ビニールハウスは強度が低く、ビニールハウス内の作業性が劣り、生産性が低い。ビニールハウスは、主要な構成材料が細い鉄製パイプとビニールシートという強度的に強い材料ではなく、特に強風に弱く、台風の来襲のたびに多くが損壊し多額の損害が発生している。従って、直径すなわち幅の大きな半円形あるいは半楕円形のビニールハウスを設置することはできず、せいぜい5〜6m幅の細長い形状となり、生産性が低い。 【0005】 また、ビニールハウスが強度的に強くないことからパイプフレームに作業具等を負荷することができず、地面からの作業のみとなる。生産性の観点から地面に装置を走行させるような充分な作業スペースを確保することはできず、地面から手の届かない作物の高所作業は脚立等を使用する必要があり、生産性が劣る困難で危険な作業となる。その結果、生産品は地面から手の届く範囲で作業可能な産物に限定され、半円形の背の高い温室空間を活用されていない。さらには、作業スペースが狭いことから生産物、肥料等の資材の運搬は人力に頼っている。 【0006】 本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、強度を強化し、大型化が可能であり、作業性および生産性を向上させる温室を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明による温室は、両端に設置されたボックスカルバートと、各該ボックスカルバートに支持されたワイヤロープ支持体と、該ワイヤロープ支持体間に張り渡された複数本のワイヤロープと、複数本の該ワイヤロープの外側を被って前記ワイヤロープ支持体間に敷設されたビニールシートと、により構成されていることを特徴とする。 【0008】 詳細には、一部の前記ワイヤロープにリフトが懸架されていることを特徴とする。 【0009】 さらに詳細には、前記リフトが走行装置および/または昇降装置を装備されていることを特徴とする。 【0010】 さらに詳細には、前記ワイヤロープ支持体に巻取り装置が設けられ、該巻取り装置が前記ビニールシートに締結されたロープを巻き取り可能に構成されていることを特徴とする。 【0011】 さらに詳細には、少なくとも一端の前記ボックスカルバートが建屋として構成されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明による温室は以上のように構成されていることにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)温室が、両端に設置されたボックスカルバートと、各ボックスカルバートに支持されたワイヤロープ支持体と、ワイヤロープ支持体間に張り渡された複数本のワイヤロープと、複数本のワイヤロープの外側を被ってワイヤロープ支持体間に敷設されたビニールシートとにより構成されていることにより、基礎工事を必要とせず低原価かつ比較的短期間で、強度が高く大規模な温室を建設することが可能になり生産性が向上した。また、種々の地形にも合せて温室を建設することが可能になった。 (2)ワイヤロープにリフトが懸架されていることにより、リフト上から容易かつ安全に高所作業を実施可能になることから温室空間を三次元的に活用して生産できるようになり、生産性が向上した。また、生産物、肥料等の資材がリフトで運搬されることから、通路を必要最少幅として生産可能面積が拡大し生産性が向上した。 (3)リフトが走行装置および/または昇降装置を装備されていることにより、リフトによる作業および運搬が容易かつ迅速に行われるようになり、作業性および生産性が改善され向上した。 (4)温室を構成するワイヤロープ支持体に巻取り装置が設けられ、巻取り装置がビニールシートに締結されたロープを巻き取り可能に構成されていることにより、ビニールシートの敷設作業ならびに気温・天候・気候・生育状況等に応じて行われる開放および閉鎖の作業が容易に実施されるようになり、作業性が改善された。 (5)少なくとも一端のボックスカルバートが建屋として構成されていることにより、温室内の生産に関わる各種の付随作業、装置・機器・器具の保管さらには居住が温室に隣接して可能になり、温室内の作業が時間的に無駄なくスムーズに実施され、生産性が向上した。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、図面とともに本発明による温室の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明による温室の第1実施例を示す構成図であり、図2は、図1における矢視b−b拡大側面図、図3は図1における矢視II−II側面図、図4は図3における矢視III −III 正面図、図5は第2実施例を示す正面図、図6は第3実施例を示す正面図、図7は第4実施例を示す平面図である。 【0014】 図1において、符号1で示すものは平らな耕作地に構築された温室であり、該温室1は図の左右両端に設置されたワイヤロープ支持構造物2、該ワイヤロープ支持構造物2間に張り渡された複数本のワイヤロープ3および該ワイヤロープ3の外側を被って前記ワイヤロープ支持構造物2間に敷設されたビニールシート4により構成され、該ビニールシート4の内部空間が温室を形成している。 【0015】 図1ないし図3において、両端の前記ワイヤロープ支持構造物2は、それぞれ簡単に整地された整地地盤Aに設置された4函のボックスカルバート21および該ボックスカルバート21の上部に固定支持されたワイヤロープ支持体24により構成されている。本実施例ではワイヤロープ支持構造物2に4函のボックスカルバート21が使用されているが、4函に限定されるものではなく、小型の温室1を設置する場合は1函、2函でもよい。前記ボックスカルバート21は外周が略4Mx2Mの矩形、1M長、0.3M厚および重量約8トンのコンクリート製矩形筒状構造物である。なお、これらのボックスカルバート21の仕様は一事例であり、これらの数値に限定されるものではない。 【0016】 前記ワイヤロープ支持構造物2において、4函の前記ボックスカルバート21は筒の軸方向を図1における前記温室1の左右方向に合せるとともに矩形を構成するように前後左右に所定間隔を設けて設置され、前後方向の両外側寸法すなわち図1(b)左右外側寸法が温室1の幅寸法となる。また、4函の該ボックスカルバート21は下面部および上面部がそれぞれコンクリート製の底板22および床板23により連結され、強固な箱型一体構造物として構成されている。また、図1(b)左右外側壁内側には第2ウインチ29が設置されている。 【0017】 前記床板23の上面には、正面左右方向の両端に、図2に示される三角山形形状鋼製フレームの前記ワイヤロープ支持体24が固定支持され、複数本の梁25により相互に連結されて一体化され、前記ワイヤロープ支持構造物2の強固な一体構造物として構成されている。温室側の前記ワイヤロープ支持体24の山形を構成する部材には前記ワイヤロープ3を通す複数の孔が所定間隔で形成され、その内側には、各ワイヤロープ3の端部を保持するスライディングフレーム26、シーブ27および第1ウインチ28が設置され、スライディングフレーム26はワイヤロープ3を緊張するように往復移動可能に構成され、シーブ27を介して第1ウインチ28に連結されている。なお、前記ワイヤロープ支持構造物2の側部開放面は壁板で被われ、扉あるいは窓等が設けられている。 【0018】 前記温室1の左右両端の前記ワイヤロープ支持構造物2間には、複数本の前記ワイヤロープ3が張り渡されている。すなわち、前記ワイヤロープ支持体24の山形の辺に沿って所定間隔で張り渡されているビニールシート保持ワイヤロープ3a、前記ボックスカルバート21の外側面に沿って所定間隔で張り渡されているビニールシート張込下地ワイヤロープ3bおよびワイヤロープ支持体24の山形の辺に沿って所々に張り渡されているリフト走行ワイヤロープ3cである。該ビニールシート保持ワイヤロープ3aおよび該リフト走行ワイヤロープ3cは前記ワイヤロープ支持体24に形成されたそれぞれの孔を通って前記スライディングフレーム26に締結され、該ビニールシート張込下地ワイヤロープ3bは前記ボックスカルバート21の外側壁内側に設置された前記第2ウインチ29により巻き取り可能に構成されている。各前記リフト走行ワイヤロープ3cにはリフト31が懸架されている。該リフト31は必要に応じて走行装置および/または昇降装置が装備されている。 【0019】 複数本の前記ワイヤロープ3には、その外側を被って幅方向両端が地表面に達するとともに前記温室1の両端の前記ワイヤロープ支持構造物2間を被う前記ビニールシート4が敷設されている。該ビニールシート4には前記ワイヤロープ3方向に適宜の間隔をおいて複数台の換気装置41が設けられている。また、該ビニールシート4は、必要に応じて前記ワイヤロープ支持構造物2に巻取り装置を設け、ビニールシート4の適宜の位置に締結された開閉用ロープを巻取り可能に構成されている。前記巻取り装置は逆転可能に構成されているか、あるいは両端の前記ワイヤロープ支持構造物2に対向して設けられている。なお、前記ビニールシート4には必要に応じて前記ビニールシート保持ワイヤロープ3aおよびビニールシート張込下地ワイヤロープ3bに沿って所定間隔で案内環を設けられ、該案内環にビニールシート保持ワイヤロープ3aおよびビニールシート張込下地ワイヤロープ3bを通されている。 【0020】 なお、図1において前記温室1が左右に長くなる場合は、必要に応じて中間部に、前記ワイヤロープ3を支持するワイヤロープ支持構造物2aを設置してもよい。また、前記ワイヤロープ支持構造物2を一部として利用する建屋5を建設してもよい。 【0021】 以上のように構成された温室1は、以下のように作用する。すなわち、ボックスカルバート21は単純形状の矩形筒状構造物であり、製造工場で製造して運び込まれ、平面状の筒外面を直接設置される。すなわち、ボックスカルバート21は重量が大きくても設置面圧が小さくなるので大掛りな基礎工事を必要とせず、設置場所に準備された簡単な整地地盤A上に設置される。しかし、このような簡単な設置状態でも、4函のボックスカルバート21により箱型一体構造物に構成されたワイヤロープ支持構造物2の大きな重量は、本発明の温室1を構成する複数本のワイヤロープ3に必要な張力を付加するに充分な投錨効果を発揮することが可能である。 【0022】 温室1の両端に設置されたワイヤロープ支持構造物2間に張り渡されたビニールシート保持ワイヤロープ3aおよびリフト走行ワイヤロープ3cはスライディングフレーム26およびシーブ27を介して第1ウインチ28により、ビニールシート張込下地ワイヤロープ3bは第2ウインチ29によりそれぞれ巻き取られて必要な張力を与えられている。必要な張力で張り渡されたワイヤロープ3の外側を被うビニールシート4は、ワイヤロープ3に沿って一方のワイヤロープ支持構造物2から他方のワイヤロープ支持構造物2へ人力あるいは巻取り装置により順次送り出され、他方のワイヤロープ支持構造物2へ到達した時点で、両端のワイヤロープ支持構造物2間にビニールシート4で囲われた空間すなわち温室が形成される。気温、天候あるいは気候の状態に応じて、必要な場合は換気装置41を作動させて温室1内の空気を換気し、人力あるいは巻き取り装置によりビニールシート4を引戻して温室1を開放する。ビニールシート4に設けられた案内環により、ビニールシート4は偏ることなくスムースに開閉される。 【0023】 リフト走行ワイヤロープ3cに懸架されたリフト31はリフト走行ワイヤロープ3cに沿って走行し、任意の位置で昇降することにより、作業者、訪問者(観光客)あるいは生産物および資材を温室1内空間の任意の位置に運搬し、その位置における作業を可能にする。 【0024】 4函のボックスカルバート21を組合せて構成されるワイヤロープ支持構造物2の側部開放面を壁板で被い、扉あるいは窓等を設けることにより、作業用装置・器具・道具の保管修理場所、種子・肥料・農薬の保管場所、収穫物の一時的保管場所、休憩施設等として利用される。また、ワイヤロープ支持構造物2をその一部として建屋5を建設することにより、生産物の選果・選別・梱包作業場、育苗場あるいは宿泊所として利用される。 【0025】 以上説明した温室1は1施設を単独で設置される場合に限定されるものではなく、並列に複数施設を隣接して設置し大型施設とすることは、以上説明した構成から何等問題なく可能であることが明らかである。図5ないし図7に示すものは本発明による温室1の応用実施例であり、図5に示すものは島しょ部あるいは山間部の斜面に沿って設置される温室11の実施例、図6に示すものはうなぎ、スッポン等を養殖する池あるいは沼Bを渡って設置される温室12の実施例、図7に示すものは矩形ではない変形敷地に設置される複数の温室1による施設13の実施例である。 【図面の簡単な説明】 【0026】 【図1】本発明による温室の第一実施例を示す一部欠截正面図である。 【図2】図1のb−bの拡大断面図であり、本発明による温室の第一実施例を示す側面図である。 【図3】本発明による温室の第1実施例を示す図1における矢視II−II断面図である。 【図4】本発明による温室の第1実施例を示す図3における矢視III−III正面図である。 【図5】本発明による温室の第2実施例を示す正面図である。 【図6】本発明による温室の第3実施例を示す正面図である。 【図7】本発明による温室の第4実施例を示す平面図である。 【符号の説明】 【0027】 1 温室 2 ワイヤロープ支持構造物 2a ワイヤロープ支持構造物 3 ワイヤロープ 3a ビニールシート保持ワイヤロープ 3b ビニールシート張込下地ワイヤロープ 3c リフト走行ワイヤロープ 4 ビニールシート 5 建屋 11 温室 12 温室 13 施設 21 ボックスカルバート 22 底板 23 床板 24 ワイヤロープ支持体 25 梁 26 スライディングフレーム 27 シーブ 28 第1ウインチ 29 第2ウインチ 31 リフト 41 換気装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】599106994 【氏名又は名称】新田 和雄
|
| 【出願日】 |
平成15年7月10日(2003.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074055 【弁理士】 【氏名又は名称】三原 靖雄
|
| 【公開番号】 |
特開2005−27606(P2005−27606A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月3日(2005.2.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−272925(P2003−272925) |
|