| 【発明の名称】 |
メシマコブの培養法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大竹 哲夫 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号株式会社ナリス化粧品内
【氏名】田中 弘 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号株式会社ナリス化粧品内
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| 【要約】 |
【課題】メシマコブの培養方法は種々検討されていた。しかしながら、美白効果を向上させうる培養法はいまだ、見いだされていなかった。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キコブタケ(Phellinus)属のキノコの美白効果を向上させる培養方法において、桑オガクズ及び米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを配合した菌床を用いることを特徴とした菌床培養方法。 【請求項2】 菌床に配合する桑オガクズに用いる桑が、クワ属のヤマクワ(Morus bombycis Koidz)及び/又はハチジョウグワ(Morus kagayamae Koidz)及び/又はノグワ(Morus tiliaefolia Makino)及び/又はシマグワ(Morus australis)であり、米ぬかを菌床全体の3〜12重量%及び小麦デンプンを1〜10重量%及びトウモロコシデンプンを1〜10重量%配合することを特徴とする請求項1記載の菌床培養方法。 【請求項3】 キコブタケ(Phellinus)属のキノコが、メシマコブ(P.yucatensis(Murr.)Imaz.)であることを特徴とする請求項1乃至請求項2記載のキノコの菌床培養方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、美白効果を向上させるキノコの菌床培養方法に関するものであり、更に詳しくは、キコブタケ(Phellinus)属のメシマコブ(P.yucatensis(Murr.)Imaz.)の美白効果を向上させるための菌床培養方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】メシマコブは抗腫瘍作用を持つことから、従来から健康食品または漢方薬として利用されている。しかし、その供給源としての天然の子実体は入手が難しく、また入手した後も、子実体の個体差による有用性の変動や量産化等実用面での問題点が多い。これらの問題点を回避する方法として、メシマコブの菌糸を液体培養し、その培養液及び培養菌糸が入浴剤、頭髪料及び皮膚外用剤に利用されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照。) 【0003】 一方近年になって、メシマコブの栽培方法が検討され、一定の条件下で子実体が得られるようになってきた。これにより、天然の子実体において問題点として上がっていた個体差による有用性の変動が回避され、大量供給源の確保を可能にした。(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照。) 【0004】 担子菌類は、胞子が発芽した後、菌糸が成長し、ある特定条件下で子実体が形成される。一般には、この菌糸から分化した子実体が「キノコ」と呼ばれ、市場に出回っているのは菌糸から子実体への栽培が確立したものである。スーパー等で販売されているマイタケ等が一般に良く知られている。また、担子菌類は、菌糸や子実体自体に含まれる成分や代謝物は、摂取する有機物の種類により、分化の段階によってもその種類や量が変動することが知られており、培養、栽培した場合は、培地組成によって大きく左右される。そして、キノコ愛好家の中では、「天然物のマイタケは栽培物より香りが強く、味も良いため、一度食べたら忘れられない。」と言われている。これは、人工の栽培物が天然に生息・発生した子実体とは成分的にも大きく異なることに起因していると考えられている。 【0005】 上述したように、菌糸は子実体とは形態的にも成分的にも大きく異なっている。更に本発明で言う菌床は、オガクズ培地に菌糸を接種し、培養後オガクズ培地中に菌糸が蔓延した状態のものを指している。これは一般的に、子実体栽培用として調製されたものであって、菌糸の増殖・増産を目的として行われている液体培養物とは明らかに成分的に異なったものである。 【0006】 以上のように、液体培養により得られた菌糸と、子実体の構成組織として存在する菌糸、また菌床培養により得られた菌糸では各々含有する成分が大きく異なっていると考えられ、また、同じ菌床培養物においても、菌床に添加する組成物により、培養菌糸の成分は、大きく異なってくると考えられている。また、キコブタケ(Phellinus)属のメシマコブには、美白効果を有することが知られている。(例えば、特許文献6参照)しかし、従来の液体培養等の方法では、その美白効果が十分ではなく、高い美白効果が得られる培養方法の確立が望まれていた。 【0007】 【特許文献1】 特開昭61−129113号公報 【特許文献2】 特開平07−316026号公報 【特許文献3】 特開平07−316035号公報 【特許文献4】 特開平11−262329号公報 【特許文献5】 特開2000−236745号公報 【特許文献6】 特開2003−73225号公報 【0008】 【問題を解決する手段】本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、キコブタケ(Phellinus)属のメシマコブ(P.yucatensis(Murr.)Imaz.)の菌床培養方法として、桑オガクズにその添加剤として、米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンからなる組成分による培養抽出物を用いることで、高い美白効果が得られることを見いだした。また、特定の培養組成条件で培養することにより、美白効果が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0009】 一般的に菌床に用いられる組成物は、オガクズと、栄養分として、米ぬか(生ぬかまたは脱脂ぬか)、トウモロコシぬか、フスマ等が用いられてきた。しかし、本発明者等は種々の栄養物を検討する過程において、栄養物の多い菌床組成物は、培養された菌床培養物の抽出物の美白効果が弱く、栄養分の種類と量を特定することにより、飛躍的に美白効果が向上することをも見いだし、本発明を完成するに至った。 【0010】本発明で使用するメシマコブ菌床は、特定の配合量の米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンと水を添加した桑オガクズの培地より調製する。この桑オガクズ培地を栽培容器へ詰め込み、殺菌・冷却後、上記天然の子実体から公知の方法により分離した菌糸体を接種し、20〜30℃で 3〜6ヶ月間培養後、オガクズ培地に菌糸が蔓延したものを用いる。 【0011】本発明で使用する菌床に用いる米ぬかは、米ぬかであれば特に限定はなく、実施例では、太邦株式会社製の市販品を用いた。また、配合量についても有効量配合されていれば特に限定はないが、好ましくは菌床組成物中0.1〜20重量%、更に好ましくは3.0〜12重量%である。 【0012】本発明で使用する菌床に用いるトウモロコシデンプンは、トウモロコシデンプンであれば特に限定はなく、実施例では、三和澱粉株式会社製の市販品を用いた。また配合量ついても有効量配合されていれば特に限定はないが、好ましくは菌床組成物中0.1〜20重量%、更に好ましくは1.0〜10重量%である。 【0013】本発明で使用する菌床に用いる小麦デンプンは、小麦デンプンであれば特に限定はなく、実施例では、三和澱粉株式会社製の市販品を用いた。また配合量ついても有効量配合されていれば特に限定はないが、好ましくは菌床組成物中0.1〜20重量%、更に好ましくは1.0〜10重量%である。 【0014】本発明に用いる桑オガクズは、クワ属のクワであれば特に限定はないが、ヤマクワ(Morus bombycis Koidz)、ハチジョウグワ(Morus kagayamae Koidz)、ノグワ(Morus tiliaefolia Makino)、シマグワ(Morus australis)等が利用できる。 【0015】本発明に用いるメシマコブ菌床の抽出物の調製法は、特に限定されないが、例えば種々の適当な有機溶媒を用いて低温下から加温下で抽出することができる。抽出溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチルなどのアルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等の1種または2種以上を用いることが出来る。そのうち、水、エチルアルコール、1、3−ブチレングリコールの1種または2種以上の混合溶媒が特に好適である。 【0016】メシマコブ菌床の抽出は、菌床をそのままあるいは乾燥したものを重量比で1〜1000倍量、特に10〜100倍量の溶媒を用いることが出来る。常温抽出の場合には、0℃以上、特に20℃〜40℃で1時間以上、特に3〜7日間行うのが好ましい。また、60〜100℃で0.5〜24時間、加熱抽出しても良い。 【0017】以上のような条件で得られるメシマコブ菌床の抽出物は、ろ過等の処理をして、溶液のまま用いても良いが、更に必要により、濃縮、粉末化したものを適宜使い分けて用いることが出来る。 【0018】 【発明の実態】以下、本発明によるキコブタケ(Phellinus)属のメシマコブ〔P.yucatensis(Murr.)Imaz.〕菌床の抽出物のチロシナーゼ活性抑制効果、メラニン産生抑制効果、にかかわる実施例について説明するが、本発明は、ここに記載された実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の数字は、特に断りのない限り重量%を示す。 【0019】 <実施例1>チロシナーゼ活性抑制効果の測定 皮膚の黒化には色素のメラニンが深く関与していると考えられる。すなわち、メラニンが紫外線などの外的刺激を受けて肌の皮膚組織で生産され、その結果、肌の黒化が促進され、シミ・ソバカス・色黒等の症状が引き起こされると考えられている。よって、肌の美白作用の確認法としメラニンの生成に関与するチロシナーゼ(酵素)の活性化を抑制することに着目し、今回、チロシナーゼ(シグマ社製)によるチロシナーゼ活性抑制試験を行った。以下、メシマコブ菌床の美白効果に関するチロシナーゼ活性抑制試験について説明する。 【0020】 <菌床培養の組成例1> 本発明に係る菌床を表1に示した組成にて作製した。米ぬか、フスマは太邦株式会社のものを使用した。小麦デンプン、トウモロコシデンプンは三和澱粉工業株式会社のものを使用した。酵母エキスはアサヒビール株式会社のスーパーミーストパウダーA001を使用した。 【0021】 【表1】
【0022】 <菌床の作製法>前記組成物に水を加え均一に混合し、オートクレーブにて滅菌する。滅菌後冷却した組成物に長崎県男女群島女島より採取した天然のメシマコブ子実体から無菌的に切片を切除した切片をPotato−Dextrose Broth(Difco社製)2.4%と寒天1.5%より調製したポテト・デキストロース寒天培地上に置き、24℃で4週間培養後、菌糸を得た。得られた菌糸を表1に示した各菌床組成物に接種後24℃で3ヶ月間培養し、培地中に菌糸が蔓延した状態の菌床を得た。 【0023】 (a)試料の調製:メシマコブ菌床抽出物は、培養したメシマコブ菌床を50%エタノール水溶液で常温にて72時間抽出した。陽性対照として用いたアルブチンは、市販の試薬を用いてPBS(−)溶液に溶解した。試料は全て、0.2μmメンブレンフィルターで除菌ろ過を行った。メシマコブ菌床抽出物の濃度は1.0%濃度に調整した。 (b)測定方法:試験管にそれぞれL−チロシン溶液(濃度:0.3mg/mL)1mLと、マッキルベイン緩衝液(McIlvine Buffer Solution)(pH6.8)1mLとを入れておき、これらの各試験管に前記(a)で調製した各供試料の測定用溶液および対照液をそれぞれ0.9mL加え、これを37℃の恒温水槽中で10分間インキュベートする。前記インキュベートしたものにチロシナーゼ溶液(濃度:1mg/mL・マッキルベイン緩衝液)を0.1mL加えて、直ちに475nmにおける吸光度を経時的に測定する。(各測定時点での吸光度値として、チロシナーゼ溶液添加直後の吸光度に対しては添字0を、添加後X分インキュベート経過後の吸光度値に対しては添字xをそれぞれ付して示す)各吸光度値を数1に代入してチロシナーゼ活性抑制率を算出する。なお、この発明におけるのチロシナーゼ活性抑制率の算出には、反応液投入後10分後の吸光度を使用する。なお、この吸光度値はドーパクロム(メラニンの前駆物質)の生成量により測定されるものである。また、この値が高くなるに従って、チロシナーゼ活性の抑制が高くなっていることを示している。 【0024】 【数1】 チロシナーゼ活性抑制率(%)=((Bx−B0)−(Ax−A0))×100/(Bx−B0) B0 :対照溶液の添加直後における吸光度値、B10:対照溶液の10分後における吸光度値 A0 :試験溶液の添加直後における吸光度値、A10:試験溶液の10分後における吸光度値 【0025】 表1に示した菌床組成物のチロシナーゼ活性抑制効果試験の測定結果を表2に示す。表2からも明確なように、桑オガクズ及び米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンをすべて添加した実施例1が、これらの添加物を2種組み合わせた比較例1、比較例2、比較例3と比較して、また、1種組み合わせた比較例4、比較例5、比較例6、桑オガクズだけからなる比較例7とそれぞれ比較して、最も効果が高いことが確認できた。即ち、上記の桑オガクスと添加物3種類をすべて添加した実施例1のチロシナーゼ活性抑制率は67.8%であり、比較例1〜比較例7の組成物中、最も高いチロシナーゼ活性抑制率を示した。これに対して、桑オガクズと添加物を2種類組み合せた比較例1は、49.7%、比較例2は、51.2%、比較例3は、44.6%であった。また、桑オガクズと添加物を1種組み合わせた比較例4は、47.3%、比較例5は、40.6%、比較例6は、42.3%であった。さらに桑オガクズだけからなる比較例7は、37.2%であった。以上の結果は、桑オガクズに米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを添加して培養することにより、チロシナーゼ活性抑制率が向上することを示すものである。 【0026】 【表2】
【0027】 <実施例2>メラニン産生抑制効果の測定 皮膚の黒化には色素のメラニンが深く関与していると考えられる。即ち、メラニンが紫外線などの外的刺激を受けて肌の皮膚組織で生産され、その結果、肌の黒化が促進され、シミ・ソバカス・色黒等の症状が引き起こされると考えられている。よって、肌の美白作用の確認法としメラニン産生抑制効果に着目し、マウスメラノーマ細胞によるメラニン産生抑制試験を行った。以下、メシマコブ菌床の美白効果に関するメラニン産生抑制試験について説明する。 【0028】 <菌床培養の組成例2> <菌床の作製法>組成物に水を加え均一に混合し、オートクレーブにて滅菌する。滅菌後冷却した組成物に長崎県男女群島女島より採取した天然のメシマコブ子実体から無菌的に切片を切除した切片をPotato−Dextrose Broth(Difco社製)2.4%と寒天1.5%より調製したポテト・デキストロース寒天培地上に置き、24℃で4週間培養後、菌糸を得た。得られた菌糸を表4、表6、表8、表10、表12に示した実施例及び比較例組成物に接種後24℃で3ヶ月間培養し、培地中に菌糸が蔓延した状態の菌床を得た。 【0029】 <試料の調製> 実施例1:メシマコブ菌床抽出物は、メシマコブ菌床を50%エタノール水溶液で常温にて72時間抽出した。溶媒を留去し、5%濃度になるように50%エタノール水溶液に溶解した。陽性対照として用いたアルブチンは、市販の試薬を用いてPBS(−)溶液に溶解した。試料は全て、0.2μmメンブレンフィルターで除菌ろ過を行った。 【0030】 比較例31(天然子実体の調整):メシマコブ子実体の天然物は、長崎県男女群島女島より採取した物を用いた。このメシマコブ天然子実体を50%エタノール水溶液で常温にて72時間抽出した。その後、溶媒を留去し、5%濃度になるように50%エタノール水溶液に溶解、調整した。 【0031】 比較例32(培養菌糸抽出液の調整):培養菌糸は、天然の子実体から、上記比較例31と同方法にて分離した菌糸をチャペック培地にポリペプトン0.2%、酵母エキス0.1%を添加した培地で、24℃で2週間通気培養し、培養して得られた菌糸を50%エタノール水溶液で常温にて72時間抽出した。その後、溶媒を留去し、5%濃度になるように50%エタノール水溶液に溶解、調整した。 【0032】 比較例33(菌糸培養液の調整):菌糸培養液は、天然の子実体から、上記比較例31と同方法にて分離した菌糸をチャペック培地にポリペプトン0.2%、酵母エキス0.1%を添加した培地で、24℃で2週間通気培養し、培養物から得られた菌糸を除去した培養液を用いた。 【0033】 <細胞培養> 培養液は、牛胎児血清5.0%を加えたダルベッコMEM(D−MEM)培地を用いた。細胞は、マウスメラノーマB−16 F−10を8cmφのシャーレに植え付けた。植え付け量は4×103/cm2とした。植え付けの翌日、実施例2で調製した抽出物試料を乾燥物濃度にして100ppmの濃度になるよう添加を行い、添加後3日後に試験を終了した。 【0034】 <評価方法> 直径8cmシャーレに増殖した細胞をセルスクレーパーで集め、透明な遠心チューブに入れ3、000rpm、10分遠心し細胞を集めた。集まった細胞ペレットを2N−NaOH溶液に溶解し、405nmの吸光度を測定した。それぞれ吸光度をコントロールと比較することにより、8段階表示をした。 【0035】 <判定基準> 表3に結果の判定基準を示す。メラニン量はコントロールと比較した吸光度値の割合で示した。なおアルブチンは、メラニン産生抑制の陽性対照物質として示している。 【0036】 【表3】
【0037】 本発明に係る菌床を表4に示した組成にて作製し、試料を調製した。 表4に示した菌床組成物及び天然の子実体、培養菌糸抽出液、菌糸培養液を用い場合のメラニン産生抑制効果試験の測定結果を表5に示す。表5より明らかなように、本発明に係わる桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを添加した実施例1はメラニン産生抑制の判定が1であり、最も高いメラニン産生抑制効果が認められ、天然のメシマコブ子実体を用いた比較例31は、メラニン産生抑制の判定が2であり、高いメラニン産生抑制効果が認められた。このメラニン産生抑制効果は、メラニン産生抑制効果の高いことで知られているアルブチンの効果(判定3)を上回る高い値である。また、メシマコブ培養菌糸抽出液を用いた比較例32及びメシマコブ菌糸培養液を用いた比較例33は、メラニン産生抑制の判定がともに6であり、メラニン産生抑制効果はほとんど認められなかった。同様に桑オガクズの代わりに広葉樹オガクズを添加した比較例8もメラニン産生抑制の判定が8であり、メラニン産生抑制する作用が認められなかった。 【0038】 この様に、本発明の菌床組成物である桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを添加した実施例1のメラニン産生抑制効果は、高いメラニン産生抑制効果があるとされているアルブチン及び天然のメシマコブ子実体と比較しても高い効果を示している。そして、桑オガクズを添加して培養した菌床の抽出物には広葉樹を添加して培養した菌床の抽出物には見られない高いメラニン産生抑制効果を認めた。 【0039】 【表4】
【0040】 【表5】
【0041】 発明に係る菌床を表6に示した組成にて作製し、試料を調製した。表6に示した菌床組成物のメラニン産生抑制効果試験の測定結果を表7に示す。表7に示されているように、桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを全て添加した実施例2は、桑オガクズに添加物を2種組み合わせた比較例11、比較例12と、桑オガクズに添加物を1種組み合わせた比較例15、桑オガクズだけからなる比較例7と比較して、最も効果が高いことが確認できた。すなわち上記桑オガクズと3種類の添加物を全て添加した実施例2は、メラニン産生抑制の判定が1であった。 【0042】 これに対し、桑オガクズに添加物を2種組み合わせた比較例11、比較例12は、メラニン産生抑制の判定が2、比較例9は、メラニン産生抑制の判定が2であった。桑オガクズに添加物を1種組み合わせた比較例15は、メラニン産生抑制の判定が4であった。桑オガクズだけからなる比較例7は、メラニン産生抑制の判定が5であった。実施例2の桑オガクズに添加した添加物3種の内、小麦デンプンの代わりにフスマを同量添加した比較例10は、メラニン産生抑制の判定が3であり、小麦デンプン添加のものより低かった。比較例12の桑オガクズに添加した添加物2種の内、小麦デンプンの代わりにフスマを同量添加した比較例13は、メラニン産生抑制の判定が4であり、小麦デンプン添加のものより低かった。以上の結果は、フスマを添加して培養することでは、メラニン産生抑制効果が向上しないことを示している。実施例2の桑オガクズに添加した添加物3種の内、小麦デンプンの代わりに酵母エキスを添加した比較例9は、メラニン産生抑制の判定が2であり、小麦デンプン添加のものより低かった。比較例11の桑オガクズに添加した添加物2種の内、トウモロコシデンプンの代わりに酵母エキスを添加した比較例14は、メラニン産生抑制の判定が4であり、トウモロコシデンプン添加のものより低かった。比較例15の桑オガクズに添加した添加物2種の内、米ぬかの代わりに酵母エキスを添加した比較例16は、メラニン産生抑制の判定が5であり、米ぬか添加のものより低かった。以上の結果は、酵母エキスを添加して培養することでは、メラニン産生抑制効果が向上しないことを示している。以上の結果は、桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンを添加して培養することが、他の添加物を用いて培養したものに比較してメラニン産生抑制効果が明らかに向上することを示している。 【0043】 【表6】
【0044】 【表7】
【0045】 次に、米ぬかの最適添加量を決定する為に、桑オガクズと米ぬかからなる菌床を調製した。即ち、桑オガクズの量は同じで、米ぬかの添加量を変えた表8の組成物を調製した。表8に示した菌床組成物のメラニン産生抑制効果試験の測定結果を表9に示す。表9に示したように、米ぬかが無配合の比較例7は、メラニン産生抑制の判定が5であった。一方、米ぬかの添加量が1%の比較例17は、メラニン産生抑制の判定が5であり、米ぬか無添加のものと変わらなかった。一方、米ぬか添加量が、3%の比較例18、6%の比較例19、12%の比較例20のメラニン産生抑制の判定はいずれも4であり、米ぬか無添加の組成物と比較して、メラニン産生抑制効果が高いことがわかった。さらに米ぬか添加量24%の比較例21のメラニン産生抑制の判定は5であり、米ぬか無添加のものと同等であった。以上の結果は、米ぬかの添加量は、3〜12%がメラニン産生抑制効果が高いことを示している。 【0046】 【表8】
【0047】 【表9】
【0048】 次に、小麦デンプンの最適添加量を決定する為に、桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプンからなる菌床を調製した。即ち、桑オガクズと米ぬかの量は同じで、小麦デンプンの添加量を変えた表10の組成物を調製した。表10に示した菌床組成物のメラニン産生抑制効果試験の測定結果を表11に示す。表11に示したように、小麦デンプンが無配合の比較例15は、メラニン産生抑制の判定が5であった。一方、小麦デンプンの添加量が1%の比較例22は、メラニン産生抑制の判定が3であり、小麦デンプン無添加の比較例と比較して、メラニン産生抑制効果が高いことがわかった。また、小麦デンプン添加量が、4%の比較例23、10%の比較例24のメラニン産生抑制の判定はいずれも2であり、小麦デンプン無添加の組成物と比較して、メラニン産生抑制効果が高いことがわかった。さらに小麦デンプン添加量12%の比較例25のメラニン産生抑制の判定は5であり、小麦デンプン無添加のものと同等であった。以上の結果は、小麦デンプンの添加量は、1〜10%がメラニン産生抑制効果が高いことを示している。 【0049】 【表10】
【0050】 【表11】
【0051】 次に、トウモロコシの最適添加量を決定する為に、桑オガクズと米ぬか及びトウモロコシデンプンからなる菌床を調製した。即ち、桑オガクズと米ぬかの量は同じで、トウモロコシデンプンの添加量を変えた表12の組成物を調製した。表12に示した菌床組成物のメラニン産生抑制効果試験の測定結果を表13に示す。表13に示したように、トウモロコシデンプンが無配合の比較例15は、メラニン産生抑制の判定が5であった。一方、トウモロコシデンプンの添加量が1%の比較例26は、メラニン産生抑制の判定が4であり、2%の比較例27は、メラニン産生抑制の判定が2であり、4%の組成物28は、メラニン産生抑制の判定が3であり、10%の比較例29は、メラニン産生抑制の判定が4であり、トウモロコシデンプン無添加の組成物と比較して、メラニン産生抑制効果が高いことがわかった。さらにトウモロコシデンプン添加量12%の比較例30のメラニン産生抑制の判定は5であり、トウモロコシデンプン無添加のものと同等であった。以上の結果は、トウモロコシデンプンの添加量は、1〜10%がメラニン産生抑制効果が高いことを示している。 【0052】 【表12】
【0053】 【表13】
【0054】 【発明の効果】 桑オガクズと米ぬか及び小麦デンプン及びトウモロコシデンプンからなる組成物にキコブタケ(Phellinus)属のメシマコブ(P.yucatensis(Murr.)Imaz.)を培養することにより、天然の子実体及び公知であるアルブチンと比較して、高い美白効果有する培養物を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品 【住所又は居所】大阪府大阪市福島区海老江1丁目11番17号
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| 【出願日】 |
平成15年7月7日(2003.7.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−27511(P2005−27511A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月3日(2005.2.3) |
| 【出願番号】 |
特願2003−193127(P2003−193127) |
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