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【発明の名称】 藻場造成方法及び藻場造成用冶具
【発明者】 【氏名】岩田 秀樹
【住所又は居所】新潟県新潟市西湊町通三ノ町3300番地3 株式会社本間組内

【氏名】小柳 哲威
【住所又は居所】新潟県新潟市小新1丁目5番2号 本間コンクリート工業株式会社内

【要約】 【課題】簡易な構成で母藻を容易に取り付けることができる藻場造成方法及び藻場造成用冶具を提供する。

【解決手段】母藻を繊維層に固定するための藻場造成用冶具1であって、棒状部3と、該棒状部3の末端に形成された取手部5と、該棒状部3の先端に形成され、耐海水性を有するテープ状部材を把持する把持部7とを備え、該把持部7は、棒状部3の先端において屈曲して形成され、把持部7の先端に楕円状の貫通孔11を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針金を樹脂コーティングし、略平面状に形成された幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが取り付けられている被取付体とを用い、前記被覆針金により前記母藻を取付固定することを特徴とする藻場造成方法。
【請求項2】
母藻を繊維層に取り付けるための藻場造成用冶具であって、棒状部と、該棒状部の末端に形成された取手部と、該棒状部の先端に形成され、耐海水性を有するテープ状部材を把持する把持部とを備え、該把持部は、前記棒状部の先端において屈曲して形成され、該把持部の先端に貫通孔を有することを特徴とする藻場造成用冶具。
【請求項3】
前記把持部と前記棒状部との前記屈曲の角度は、略60〜120度であることを特徴とする請求項2記載の藻場造成用冶具。
【請求項4】
前記テープ状部材は、針金を樹脂コーティングして、略平面状に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の藻場造成用冶具。
【請求項5】
請求項2または3記載の藻場造成用冶具と、針金を樹脂コーティングし、略平面状に形成された幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが取り付けられているコンクリートブロックとを用い、前記被覆針金を前記藻場造成用冶具の前記貫通孔に挿通し、前記耐海水性繊維マットの一側面から、前記藻場造成用冶具の前記把持部の先端を、前記耐海水性繊維マットの表面と略垂直に、繊維層内に挿入し、前記藻場造成用冶具を前記耐海水性繊維マットの前記一側面と反対側の側面に向かって回転させることにより前記被覆針金を前記繊維層内に挿通させて、前記被覆針金の先端部を前記耐海水性繊維マットの表面から表出させ、前記藻場造成用冶具を繊維層内に挿通させた前記被覆針金から抜き取り、表出させた前記被覆針金の前記先端部と前記被覆針金とを撚り合わせることにより、前記母藻を取付固定することを特徴とする藻場造成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、藻場造成方法及び藻場造成用冶具に関し、特に、中間育成した大型褐藻類の母藻を繊維層に取り付けるための藻場造成方法及びこれに用いる藻場造成用冶具に関する。
【0002】
【従来の技術】
港湾整備、海岸整備において築造される防波堤や消波堤などに代表される人口構造物は、海岸侵食対策や港湾環境整備策としての位置付けがあるが、反面、建設地における自然を破壊し、その場所に生育する生物や植物の住みかを破壊してしまうなど、環境負荷への懸念があった。
【0003】
このような環境負荷への懸念から、海中植物を人工的に造成する試みが従来からあったが、防波堤や消波堤の周辺における藻場造成においては設置水深が深くなるケースが多く、植物の生育に必要な光合成ができず、良好な生育条件を確保できないといった問題を生じていた。また、種苗や母藻を人口基盤や自然石に設置する際に、接着剤に頼るケースが多かったため、特に水中施工の際に、施工性の点で問題を生じていた。
【0004】
そこで、このような問題を克服するために、コンクリートブロックに繊維層を有する耐海水性マットを取り付け、こうした耐海水性マットの繊維層に母藻を付着させることにより藻場を造成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−136852号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された発明においては、藻場造成用の繊維層に母藻を取付固定する際の作業性が悪く、依然として施工が困難であるという問題を生じていた。
【0007】
また、母藻を繊維層に取付固定する際の固定部材の海水による腐食により、一旦、取り付けた母藻が離脱するといった問題を生じていた。さらには、母藻を糸等により繊維層に取付固定する際には、母藻を傷める虞も生じていた。
【0008】
そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、簡易な構成で母藻を容易に取り付けることができる藻場造成用冶具及びこれを用いた藻場造成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る藻場造成方法は、針金を樹脂コーティングし、略平面状に形成された幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが取り付けられている被取付体とを用い、前記被覆針金により前記母藻を取付固定するから、被覆針金はさび難く、母藻の根を痛め難く、母藻を確実に取付固定することができ、これにより、藻場造成作業の効率化・簡易化が図れる。
【0010】
また、本発明の藻場造成用冶具は、母藻を繊維層に取り付けるための藻場造成用冶具であって、棒状部と、該棒状部の末端に形成された取手部と、該棒状部の先端に形成され、耐海水性を有するテープ状部材を把持する把持部とを備え、該把持部は、前記棒状部の先端において屈曲して形成され、該把持部の先端に貫通孔を有することを特徴とする。
【0011】
このように構成した本発明に係る藻場造成用冶具によれば、棒状部の末端に取手部と先端に耐海水性を有するテープ状部材を把持する把持部を有し、この把持部は、棒状部の先端において屈曲して形成され、把持部の先端に楕円状の貫通孔を有するので、耐海水性のテープ状部材を藻場造成用冶具の楕円状の貫通孔に挿通把持して、簡易に藻場造成用の繊維層内を挿通させることができ、これにより、耐海水性のテープ状部材を用いて、母藻を傷めることなくソフトに簡易に母藻を繊維層に取付固定することができる。
【0012】
ここで、前記把持部と前記棒状部との前記屈曲の角度は、60〜120度であってもよい。
【0013】
この場合は、把持部と棒状部との屈曲の角度が、60〜120度であるので、耐海水性のテープ状部材を挿通把持している把持部を簡単・確実に藻場造成用の繊維層内に挿入することができ、これにより母藻の取付固定作業の一層の簡易化が図れる。
【0014】
また、前記テープ状部材は、針金を樹脂コーティングして、略平面状に形成されていてもよい。
【0015】
この場合は、母藻固定用のテープ状部材として、針金を樹脂コーティングして、略平面状に形成されている被覆針金を用いるので耐海水性(耐食性)が高く、芯材に針金を用いているので安価に構成できると共に、母藻を容易に取付固定することができる。さらに、この被覆針金は、幅広のテープ状に形成されているので、取付固定の際に接触面積が大きく取れ、母藻を傷めることがない。
【0016】
また、本発明の藻場造成方法は、上記藻場造成用冶具と、針金を樹脂コーティングし、略平面状に形成された幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが取り付けられているコンクリートブロックとを用い、前記被覆針金を前記藻場造成用冶具の前記貫通孔に挿通し、前記耐海水性繊維マットの一側面から、前記藻場造成用冶具の前記把持部の先端を、前記耐海水性繊維マットの表面と略垂直に、繊維層内に挿入し、前記藻場造成用冶具を前記耐海水性繊維マットの前記一側面と反対側の側面に向かって回転させることにより前記被覆針金を前記繊維層内に挿通させて、前記被覆針金の先端部を前記耐海水性繊維マットの表面から表出させ、前記藻場造成用冶具を繊維層内に挿通させた前記被覆針金から抜き取り、表出させた前記被覆針金の前記先端部と前記被覆針金とを撚り合わせることにより、前記母藻を取付固定することを特徴とする。
【0017】
この藻場造成方法によれば、上記藻場造成用冶具と、樹脂材料でコーティングした幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが表面に取り付けられているコンクリートブロックとを用い、まず、被覆針金を藻場造成用冶具の貫通孔に挿通し、次に、耐海水性繊維マットの一側面から、藻場造成用冶具の把持部の先端を、耐海水性繊維マットの表面と略垂直に、繊維層内に挿入し、藻場造成用冶具を耐海水性繊維マットの前記一側面と反対側の側面に向かって回転させることにより被覆針金を前記繊維層内に挿通させて、被覆針金の先端部を耐海水性繊維マットの表面から表出させ、藻場造成用冶具を繊維層内に挿通させた被覆針金から抜き取り、表出させた被覆針金の先端部と被覆針金とを撚り合わせることにより、母藻を取付固定することができるので、簡易な用具及び操作により、母藻を確実に取付固定することができ、これにより、藻場造成作業の効率化・簡易化が図れる。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
まず、本発明に係る藻場造成用冶具について、図1及び図2を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る藻場造成用冶具を模式的に示す図であり、(a)は藻場造成用冶具の構成を示す図であり、(b)は先端の把持部の構成を示す図である。また、図2は、耐海水性の被覆したテープ状部材を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【0021】
図1(a)に模式的に示されるように、棒状部材で形成されている本発明に係る藻場造成用冶具1は、40cm〜60cmの長さを有する棒状部3の末端に取手部5を有し、先端に後述する耐海水性を有するテープ状部材9を把持する把持部7を有している。そして、この把持部7は、5cm〜10cmの長さを有し、図1(b)に模式的に示されるように、棒状部3の先端において、棒状部3と60〜120度、好ましくは略90度(85〜95度)の角度を有するように屈曲して形成され、把持部7の先端には楕円状の貫通孔11を有している。ここで、藻場造成用冶具1を構成している棒状部材としては、通常の鋼棒等を適宜折り曲げて用いることができる。
【0022】
また、母藻を藻場造成用の繊維層に取付固定するための固定部材であるテープ状部材9は、図2(a)、(b)に示されるように、針金部13を樹脂15等でコーティングし、耐海水性を有するように形成したものであり、略平面形状の幅広な被覆針金9となっている。
【0023】
次に、藻場造成用のコンクリ−トブロックについて、図3を参照して説明する。図3は、本発明に係る藻場造成用冶具が適用される藻場造成用のコンクリ−トブロックを示す斜視図である。
【0024】
図3に示されるように、被取付体たるコンクリ−トブロック20には、水平断面が十字状である基台部21の表面に、藻場造成用の5〜10cmの厚さの繊維層を有する方形の耐海水性繊維マット23が取り付けられている。また、コンクリ−トブロック20の基台部21の側面にも、同様に三角形状の耐海水性繊維マット24が取り付けられている。ここで、耐海水性繊維マット23、24は、例えば、麻、ヤシなどのような天然繊維又はポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂などのような合成樹脂繊維を用いて、海水によって崩壊されることがなく且つ海藻が着生するのに適当な繊維間隙を有するような構造(例えば、織布、編布、不織布、フエルトなどの形態)に形成されている。
【0025】
このような耐海水性繊維マット23、24をコンクリートブロック20の基台部21の表面及び側面に、例えばボルトナット手段で取付けて、海中の所定場所に設置することによって、海中で耐海水性繊維マット23、24の上に海藻を育成させるための藻場を造成することができる。
【0026】
また、水平断面が十字状であるコンクリートブロック20の基台部21は、耐海水性繊維マット23、24の有効設置面積が大きいため、安定した藻場が造成でき、コンクリートブロック20の使用個数も少なくてすむ。さらに、コンクリートブロック20は、複雑な断面形状を有するので、海流がコンクリートブロック20近辺で複雑に変化し、漂流する藻類が付着しやすく、さらには、あわび、うに、さざえ等の生息場にも適し、海藻と海中生物との共存が可能となるといった効果も得られる。
【0027】
なお、耐海水性繊維マット23、24は、上述のようにコンクリートブロック20に取り付けてもよいし、適当な岩石に取り付けてから海中の所定場所に設定しても良いし、海中の岩石に直接取付けてもよい。
【0028】
このように構成した本発明に係る藻場造成用冶具1によれば、棒状部3の末端に取手部5と先端に耐海水性を有するテープ状部材9を把持する把持部7を有し、この把持部7は、棒状部3の先端において屈曲して形成され、把持部7の先端に楕円状の貫通孔11を有するので、耐海水性のテープ状部材9を藻場造成用冶具1の楕円状の貫通孔11に挿通把持したまま、耐海水性繊維マット23、24の繊維層内を挿通させることができ、これにより、耐海水性のテープ状部材を用いて、母藻を傷めることなくソフトに簡易に母藻を取付固定することができる。また、把持部7と棒状部3との屈曲の角度が、60〜120度であるので、耐海水性のテープ状部材9を挿通把持している把持部7を簡単・確実に繊維層内に挿入することができ、母藻の取付固定作業の一層の簡易化を実現することができる。さらに、母藻固定用のテープ状部材9として、針金13を樹脂15でコーティングして、略平面状に形成されている被覆針金9を用いるので耐海水性(耐食性)が高く、芯材に針金13を用いているので安価に構成できると共に、母藻を容易に取り付けることができる。さらに、この被覆針金9は、幅広のテープ状に形成されているので、固定の際に接触面積が大きく取れ、母藻を傷めることがない。
【0029】
ここで、本発明に係る藻場造成用冶具1が適用される母藻は、ある程度人工的に中間育成した、例えば、つるあらめ、あらめ、かじめ、さがらめといった大型褐藻類の母藻に好適である。このように中間育成した大型褐藻類の母藻に適用することにより、一般に、光合成が困難な深い水深においても褐藻類の藻場造成が可能となる。
【0030】
次に、本発明に係る藻場造成用冶具1を用いた藻場造成方法について、図4を参照して説明する。図4は、本発明に係る藻場造成用冶具1を用いた藻場造成方法の手順を模式的に示す図である。
【0031】
まず、図4(a)に示されるように、上述の耐海水性被覆針金9を藻場造成用冶具1の棒状部3から屈曲して形成された把持部7の楕円状の貫通孔11に挿通する。
【0032】
次に、図4(b)に示されるように、コンクリートブロック20の基台部21に取り付けられた耐海水性繊維マット23または24の一側面から、藻場造成用冶具1の把持部7の先端を、耐海水性繊維マット23または24の表面と略垂直に、繊維層内に挿入する。
【0033】
そして、図4(c)、(d)に示されるように、藻場造成用冶具1を耐海水性繊維マット23または24の上述の一側面と反対側の側面に向かって、図中矢印のように回転させることにより被覆針金9を耐海水性繊維マット23または24の繊維層内に挿通させて、被覆針金9の先端部を耐海水性繊維マット23または24の表面から表出させる。
【0034】
その後、図4(e)に示されるように、藻場造成用冶具1を耐海水性繊維マット23または24の繊維層内に挿通させた被覆針金9から抜き取る。
【0035】
そして、図4(f)に示されるように、表出させた被覆針金9の先端部と被覆針金9とを撚り合わせることにより、母藻を取付固定する。
【0036】
このように、本発明に係る藻場造成方法によれば、被覆針金たるテープ状部材9により母藻を取付固定するから、テープ状部材9はさび難く、母藻の根を痛め難く、母藻を確実に取付固定することができ、これにより、藻場造成作業の効率化・簡易化を図ることができる。また、上述の簡易な冶具用い、これを耐海水性繊維マット23または24の繊維層内に挿入し、回転させるだけで、母藻を取付固定するための耐海水性被覆針金9を繊維層内に挿通させて、耐海水性被覆針金9の先端を繊維層の表面から表出させることができる。そして、表出させた被覆針金9の先端部と被覆針金9とを撚り合わせることにより、母藻を取付固定することができるので、これにより、簡易な操作により、母藻を確実に取り付けすることができ、藻場造成作業の効率化・簡易化が図ることができる。
【0037】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、藻場造成用冶具1は、耐海水性繊維マット23または24の大きさ及び繊維層の厚さに応じて、適宜、棒状部3及び把持部7の長さや屈曲角度を変更してもよい。また、コンクリートブロック20は水平断面が十字状である必要はなく、耐海水性繊維マット23、24の有効設置面積が大きくなる他の多角形状とすることができる。また、コンクリートブロック20を用いずに、被取付体として防波堤などの構造物やケーソン,防波堤に設置されるブロック(被覆ブロックなど)等に、耐海水性繊維マット23、24を取り付けても良く、被取付体に各種のものを用いることができ、特に、コンクリート製のものに対して有用である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の請求項1に記載の藻場造成方法によれば、針金を樹脂コーティングし、略平面状に形成された幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが取り付けられている被取付体とを用い、前記被覆針金により前記母藻を取付固定するから、被覆針金はさび難く、母藻の根を痛め難く、母藻を確実に取付固定することができ、これにより、藻場造成作業の効率化・簡易化が図れる。
【0039】
本発明の請求項2に記載の藻場造成用冶具によれば、棒状部の末端に取手部と先端に耐海水性を有するテープ状部材を把持する把持部を有し、この把持部は、棒状部の先端において屈曲して形成され、把持部の先端に楕円状の貫通孔を有するので、耐海水性のテープ状部材を藻場造成用冶具の楕円状の貫通孔に挿通把持して、簡易に藻場造成用の繊維層内を挿通させることができ、これにより、耐海水性のテープ状部材を用いて、母藻を傷めることなくソフトに簡易に母藻を取付固定することができる。
【0040】
また、請求項3に記載の藻場造成用冶具によれば、請求項2において、把持部と棒状部との屈曲の角度が、60〜120度であるので、耐海水性のテープ状部材を挿通把持している把持部を簡単・確実に藻場造成用の繊維層内に挿入することができ、これにより母藻の取付固定作業の一層の簡易化を実現することができる。
【0041】
また、請求項4に記載の藻場造成用冶具によれば、請求項2または3において、母藻取り付け用のテープ状部材として、針金を樹脂コーティングして、略平面状に形成されている被覆針金を用いるので耐海水性(耐食性)が高く、芯材に針金を用いているので安価に構成できると共に、母藻を容易に取付固定することができる。さらに、この被覆針金は、幅広のテープ状に形成されているので、固定の際に接触面積が大きく取れ、母藻を傷めることがない。
【0042】
また、請求項5に記載の藻場造成方法によれば、上記藻場造成用冶具と、樹脂材料でコーティングした幅広な被覆針金と、母藻が植えられる耐海水性繊維マットと、該耐海水性繊維マットが表面に取り付けられているコンクリートブロックとを用い、まず、被覆針金を藻場造成用冶具の貫通孔に挿通し、次に、耐海水性繊維マットの一側面から、藻場造成用冶具の把持部の先端を、耐海水性繊維マットの表面と略垂直に、繊維層内に挿入し、藻場造成用冶具を耐海水性繊維マットの前記一側面と反対側の側面に向かって回転させることにより被覆針金を前記繊維層内に挿通させて、被覆針金の先端部を耐海水性繊維マットの表面から表出させ、藻場造成用冶具を繊維層内に挿通させた被覆針金から抜き取り、表出させた被覆針金の先端部と被覆針金とを撚り合わせることにより、母藻を取付固定することができるので、簡易な用具及び操作により、母藻を確実に取付固定することができ、これにより、藻場造成作業の効率化・簡易化が図れる。また、貫通孔11は楕円状に限らず、被覆針金を挿通把持できえば、長穴状などの各種形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る藻場造成用冶具を模式的に示す図であり、(a)は藻場造成用冶具の構成を示す斜視図であり、(b)は先端の把持部の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る耐海水性の被覆したテープ状部材を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明に係る藻場造成用冶具が適用される藻場造成用のコンクリ−トブロックを示す斜視図である。
【図4】本発明に係る藻場造成用冶具を用いた藻場造成方法の手順を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 藻場造成用冶具
3 棒状部
5 取手部
7 把持部
9 テープ状部材(被覆針金)
11 貫通孔
13 針金
15 樹脂
20 コンクリートブロック(被取付体)
21 基台部
23 耐海水性繊維マット
24 耐海水性繊維マット
【出願人】 【識別番号】000155034
【氏名又は名称】株式会社本間組
【住所又は居所】新潟県新潟市西湊町通三ノ町3300番地3
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】 【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護

【識別番号】100127018
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 哲志

【識別番号】100119312
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 栄松

【公開番号】 特開2005−13162(P2005−13162A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−185761(P2003−185761)