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【発明の名称】 植物の栽培装置
【発明者】 【氏名】遠藤 智子
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機 株式会社内

【要約】 【課題】長期にわたり土壌の含水率を正確に検出することができる植物の栽培装置を提供することを課題とする。

【解決手段】土壌2の含水率を検出する含水率センサ4を備えた植物1の栽培装置において、前記含水率センサ4を、感知部が土壌2と非接触な状態で含水率を検出することができる光学式の含水率センサ4で構成する。また、光学式の含水率センサ4は、土壌2に向けて光を出射するタングステンランプ9と、タングステンランプ9から出射された光が土壌2により反射する光を検出するシリコンフォトダイオード10及び焦電素子11と、タングステンランプ9、シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11を覆うセンサケース12とから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌の含水率を検出する含水率センサを備えた植物の栽培装置において、前記含水率センサを、感知部が土壌と非接触な状態で含水率を検出することができる光学式の含水率センサで構成したことを特徴とする植物の栽培装置。
【請求項2】
前記光学式の含水率センサは、土壌に向けて光を出射するタングステンランプと、タングステンランプから出射された光が土壌により反射する光を検出するシリコンフォトダイオード及び焦電素子と、タングステンランプ、シリコンフォトダイオード及び焦電素子を覆うセンサケースとから構成されていることを特徴とする請求項1記載の植物の栽培装置。
【請求項3】
前記センサケースは、シリコンフォトダイオード及び焦電素子に、外乱光が入射しないように遮光処理が施されていることを特徴とする請求項2記載の植物の栽培装置。
【請求項4】
前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果を表示する表示部を設けたことを特徴とする請求項1記載の植物の栽培装置。
【請求項5】
前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果に基づいて、土壌への給水が必要な場合には報知を行うことを特徴とする請求項1記載の植物の栽培装置。
【請求項6】
前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果に基づいて土壌の水分量を調整する水分量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の植物の栽培装置。
【請求項7】
前記水分量調整手段は、土壌に給水する給水口を有する水供給路と、水供給路を開閉する開閉手段とから構成されていることを特徴とする請求項6記載の植物の栽培装置。
【請求項8】
前記給水口は、土壌の上方に開口していることを特徴とする請求項7記載の植物の栽培装置。
【請求項9】
前記水分量調整手段は、貯水タンクに貯めた水を水供給路を介して土壌へ給水する構成とし、土壌への給水を開始しても土壌の含水率が変化していないことを前記光学式の含水率センサが検出した場合には、報知を行うことを特徴とする請求項6記載の植物の栽培装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物を効率よく栽培することができる植物の栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の植物の栽培装置としては、土壌水分センサを土壌中に設置し、土壌水分センサによる土壌の含水率検出結果に基づいて灌水量を調整するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−121699号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の土壌水分センサの感知部は直接土壌に接触するため、土壌水分センサが土壌の塩分やpHの影響により劣化し、使用に伴い土壌の含水率を正確に測定することができなくなってしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、長期にわたり土壌の含水率を正確に検出することができる植物の栽培装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、土壌の含水率を検出する含水率センサを備えた植物の栽培装置において、前記含水率センサを、感知部が土壌と非接触な状態で含水率を検出することができる光学式の含水率センサで構成したことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記光学式の含水率センサは、土壌に向けて光を出射するタングステンランプと、タングステンランプから出射された光が土壌により反射する光を検出するシリコンフォトダイオード及び焦電素子と、タングステンランプ、シリコンフォトダイオード及び焦電素子を覆うセンサケースとから構成されていることが好ましい。
【0008】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記センサケースは、シリコンフォトダイオード及び焦電素子に、外乱光が入射しないように遮光処理が施されていることが好ましい。
【0009】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果を表示する表示部を設けるようにしてもよい。
【0010】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果に基づいて、土壌への給水が必要な場合には報知を行うようにしてもよい。
【0011】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記光学式の含水率センサによる土壌の含水率の検出結果に基づいて土壌の水分量を調整する水分量調整手段を設けるようにしてもよい。
【0012】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記水分量調整手段は、土壌に給水する給水口を有する水供給路と、水供給路を開閉する開閉手段とから構成されていることが好ましい。
【0013】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記給水口は、土壌の上方に開口していることが好ましい。
【0014】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記水分量調整手段は、貯水タンクに貯めた水を水供給路を介して土壌へ給水する構成とし、土壌への給水を開始しても土壌の含水率が変化していないことを前記光学式の含水率センサが検出した場合には、報知を行うようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明に係る植物の栽培装置の第1実施形態を図1または図2に基づいて説明する。
第1実施形態の植物の栽培装置は、植物1や土壌2の上方を覆う屋根3と、土壌2の含水率を光学式に検出する含水率センサ4と、土壌2中に配設され、土壌2に恒久的に給水される水供給路5と、水供給路5を開閉するバルブ等からなる開閉手段6と、含水率センサ4の出力に基づいて開閉手段6の開閉を制御する制御部7と、含水率センサ4の出力を表示する表示部8とから構成されている。
【0016】
図2に示すように含水率センサ4は、土壌2に対応する位置に配設され、土壌2に向けて光を出射するタングステンランプ9と、タングステンランプ9からの光が土壌2により反射した光の量を検出するシリコンフォトダイオード10及び焦電素子11と、タングステンランプ9、シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11を覆うセンサケース12とから構成されている。この結果、シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11等の感知部がセンサケース12で覆われることにより含水率センサ4の感知部が土壌2と直接接触しないようになっている。
【0017】
また、センサケース12は、土壌2に埋設され、可視光領域及び近赤外光領域を含む広帯域の波長の光が透過可能な材料で形成された第1センサケース12aと、第1センサケース12aの上方から土壌2上に位置し、光を透過させない材料で形成された第2センサケース12bとから構成されている。また、タングステンランプ9とシリコンフォトダイオード10及び焦電素子11間には遮光板15が配置されており、タングステンランプ9から出射された光が直接シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11に入射されないようになっている。
【0018】
タングステンランプ9は、可視光領域及び近赤外光領域を含む広帯域の波長の光を出射する。シリコンフォトダイオード10は0.5μm〜1.0μmの比較的狭い波長域(可視光領域)に感度特性を有し、焦電素子11は1.0μmを超える広い波長域(近赤外光領域)に感度特性を有する。
【0019】
可視光領域の光は水に吸収され難いため(水の透過率は略1)、土壌2の含水率が変化してもシリコンフォトダイオード10が検出する光検出量には殆ど変化は見られない。また、近赤外光領域の光は水に吸収され易いため、土壌2の含水率が変化すると焦電素子11が検出する光検出量は変化し、土壌2の含水率が高くなればなる程、焦電素子11が検出する光検出量は少なくなる。
【0020】
従って、タングステンランプ9から土壌2に向けて出射された光が、土壌2で反射してシリコンフォトダイオード10に入射した光量に対する焦電素子11に入射した光量の割合を含水率センサ4の検出値から算出することにより、土壌2の含水率を検出することができる。
【0021】
また、シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11を覆う土壌2から露出している第2センサケース12bは、遮光性を有するため、シリコンフォトダイオード10及び焦電素子11には、外乱光が入射することはない。この結果、含水率センサ4の誤検出を防止することができる。
【0022】
このように構成された第1実施形態では、土壌2の含水率が下限値以下に低下すると、この状態を含水率センサ4が検出し、制御部7は開閉手段6を開放させて水供給路5を介して土壌2へ水を供給する。そして、土壌2の含水率が上限値まで上昇すると、この状態を含水率センサ4が検出し、制御部7は開閉手段6を閉じて土壌2への水の供給を停止させる。このようにして土壌2の含水率を所定状態に保って植物1の栽培を効率よく行うことができる。
【0023】
この時、土壌2の含水率検出手段を、光学式の含水率センサ4により構成しているため、含水率センサ4の感知部は、土壌2と非接触の状態で土壌2の含水率を検出することができ、土壌2による含水率センサ4の劣化を防いで、長期にわたり土壌2の含水率を正確に検出することができる。
【0024】
また、含水率センサ4はタングステンランプ9をON・OFFさせるだけの光学式であるため、短時間で含水率を検出することができると共に、繰り返し連続して含水率を検出することができる。この結果、土壌2の含水率が下限値以下に低下した状態を迅速に検出して、土壌2への水補給を迅速に行うことができると共に、土壌2への水補給により土壌2の含水率が上限値まで上昇した際には、迅速に水の補給を停止させることができる。このように土壌2の含水率を所定範囲内に正確に維持させることができる。
【0025】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態を示している。尚、第1実施形態と同一部品については同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
第1実施形態では、植物1及び土壌2を屋根3で覆っていたが、第2実施形態では、植物1及び土壌2の上方は開放している。また、第1実施形態では、土壌2への給水は土壌2中から行っていたが、第2実施形態では、土壌2への給水は土壌2の上方に開口する給水口13から行っている。また、第1実施形態では、土壌2への給水は恒久的に行えるようにしたが、第2実施形態では、土壌2への給水は貯水タンク14から行うようにしている。
【0027】
第2実施形態はこのように構成しているため、第1実施形態と同様に、土壌2と非接触の状態で土壌2の含水率を検出することができ、土壌2による含水率センサ4の感知部の劣化を防いで、長期にわたり土壌2の含水率を正確に検出することができる。
【0028】
また、含水率センサ4はタングステンランプ9をON・OFFさせるだけの光学式であるため、短時間で含水率を検出することができると共に、繰り返し連続して含水率を検出することができる。この結果、土壌2の含水率が下限値以下に低下した状態を迅速に検出して、土壌2への水補給を迅速に行うことができると共に、土壌2への水補給により土壌2の含水率が上限値まで上昇した際には、迅速に水の補給を停止させることができる。このように土壌2の含水率を所定範囲内に正確に維持させることができる。
【0029】
また、植物1及び土壌2の上方は開放しているため、例えば、雷等により急激に雨が降った時でも、雨による土壌2の急激な含水率変化も光学式の含水率センサ4により迅速に検出することができる。この結果、土壌2への給水作業中に急激な雨が降った場合でも、迅速に給水作業を停止させることができ、無駄に土壌2に給水することを防止できる。
【0030】
また、貯水タンク14に水が貯えられていない場合には、土壌2への給水作業を行っても土壌2の含水率が変化しない。この状態は、土壌2の含水率を検出する光学式の含水率センサ4により迅速に検出することができるため、貯水タンク14に水が貯えられていないことを迅速に検出することができる。
【0031】
また、ブザー等の報知手段を設けた場合には、この状態を使用者に迅速に報知することができる。
【0032】
また、水供給路5の土壌2への給水口13は土壌2の上方に設けて、土壌2の上方から土壌2へ給水するようにしているため、給水口13が土壌2により目詰まりするようなことはない。
【0033】
なお、第1実施形態及び第2実施形態においては、含水率センサ4の出力に基づいて土壌2へ給水するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、水供給路5を廃止し、含水率センサ4の出力を表示する表示部8を見た使用者が表示部8に表示されている内容に基づいて対応するように構成してもよい。
【0034】
また、含水率センサ4の出力に基づいて土壌2へ給水する必要が生じた時には、ブザー等により使用者に報知するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によれば、土壌の含水率を光学式の含水率センサにより検出することができ、土壌の含水率を迅速に検出することができると共に、含水率センサの感知部を土壌と非接触にすることができ、土壌の含水率を長期にわたり正確に検出することができる等の効果を奏する。
【0036】
本発明の請求項2の構成によれば、光学式の含水率センサを簡単な構成により実現することができる等の効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項3の構成によれば、光学式の含水率センサの、外乱光による誤検出を防止することができる等の効果を奏する。
【0038】
本発明の請求項4の構成によれば、土壌への給水の必要性を表示部により確認することができる等の効果を奏する。
【0039】
本発明の請求項5の構成によれば、土壌への給水の必要性を報知手段により認識することができる等の効果を奏する。
【0040】
本発明の請求項6の構成によれば、土壌の含水率を光学式の含水率センサにより迅速に検出することができると共に、土壌の水分量を迅速に調整することができる等の効果を奏する。
【0041】
本発明の請求項7の構成によれば、開閉手段を開閉するという簡単な構成により、土壌の水分量を調整することができる等の効果を奏する。
【0042】
本発明の請求項8の構成によれば、水供給路の土壌への給水口は、土壌の上方に開口しているため、給水口が土壌により目詰まりすることを防止することができる等の効果を奏する。
【0043】
本発明の請求項9の構成によれば、貯水タンク内に水が貯えられていないことを迅速に検出することができると共に、その旨も迅速に報知することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の植物の栽培装置を側方から見た断面図である。
【図2】同含水率センサの拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の植物の栽培装置を側方から見た断面図である。
【符号の説明】
1 植物
2 土壌
4 含水率センサ
5 水供給路
6 開閉手段
8 表示部
14 貯水タンク
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅

【公開番号】 特開2005−13121(P2005−13121A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−183640(P2003−183640)