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【発明の名称】 土壌消毒用熱水散布保温装置とその使用方法
【発明者】 【氏名】阿部 幸吉
【住所又は居所】北海道札幌市白石区菊水7条4丁目1番12号 三和サービス株式会社内

【要約】 【課題】熱水土壌消毒は、熱水発生装置と注入機と保温部より構成されており、放熱用温水管を敷設した温湯循環方式による方法、温水管を埋設して熱水を土壌に散水する方法、土壌の幅に合わせた穴の開いたパイプなどより熱水を垂れ流し浸透させる方法が採用されている。しかし、人力によるところが多く作業性が悪く、特に熱水注入のため危険性があり、機具の装着回収に時間と労力を要するなどの問題を有していた。

【解決手段】ビニールハウスの空間に布設したレール移動する噴管吊り台により熱水を土壌に散水し、同時にシートも被覆しようとする装置とその使用方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニールハウス(2)のハウスキールパイプ(2B)と、ハウスキールパイプ(2B)に所定間隔に吊り下げたレールハンガー(3)と、レールハンガー(3)で支持されたレール(4)と、レール(4)に摺動自在に吊下げられた噴管吊り台(5)と、ホース受け滑車(6)と、熱水供給ホース(7)と、シート(8)と、シート保持台部(9)と、シート固定部(10)から構成され、
噴管吊り台(5)は、レールの長手方向と直交方向で昇降自在の状態で支持された支持ブーム(5D)と、支持ブームに取付けられた噴管(5E)及び左右のシート固定部受け(5F、5F)から構成され、
熱水供給ホース(7)は、レールに取付けられたホース受け滑車(6)で支持され、一端はボイラ(7A)に連結され、他端は噴管に連結され、
シート(8)は、処理を所望する地表面(2C)を覆うことのできる寸法で平面方形に構成され、
シート保持台部(9)は、地表面(2C)の後方辺に設置された保持台本体(9A)と、シートが巻付けられたシート巻取りパイプ(9B)から構成され、
シート固定部(10)は、基本枠(10A)と挟持板(10B)から構成され、基本枠と挟持板はシートの先端を挟持固定するよう構成され、シート固定部(10)をシート固定部受け(5F)に取付けるよう構成されていることを特徴とする土壌消毒用熱水散布保温装置。
【請求項2】
請求項1記載の土壌消毒用熱水散布保温装置において、シート固定部受け(5F)は、シート固定部(10)を所望する時、落下させることができるよう構成されていることを特徴とする土壌消毒用熱水散布保温装置。
【請求項3】
請求項1あるいは請求項2記載の土壌消毒用熱水散布保温装置を用いて、下記の各工程から構成されていることを特徴とする土壌消毒用熱水散布保温装置の使用方法。
第1工程
噴管の位置を可能な限り、消毒すべき土壌表面に近付ける。
第2工程
噴管吊り台(5)を消毒すべき土壌のシート保持台部(9)側へ移動し、シート(8)をシート保持台部(9)にセットし、シート(8)の一端をシート固定部(10)に固定する。
第3工程
噴管吊り台(5)を移動させながら、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程
噴管吊り台(5)が予定範囲を走行処理したのち、熱水散布した土壌を被覆し保温状態のまま土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
また、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程
消毒完了後、シート保持台部(9)のシート巻取りパイプを逆転することによりシートを回収する。
【請求項4】
ビニールハウス(2)のハウスキールパイプ(2B)と、ハウスキールパイプ(2B)に所定間隔に吊り下げたレールハンガー(3)と、レールハンガー(3)で支持されたレール(4)と、レール(4)上に摺動自在に吊下げられた第1噴管吊り台(12)と、ホース受け滑車(6)と、熱水供給ホース(7)と、シート(8)と、第1シート保持台部(13)と、第1シート固定部(14)から構成され、
レールハンガー(3)、レール(4)、ホース受け滑車(6)、熱水供給ホース(7)、シート(8)の構成は、請求項1記載の土壌消毒用熱水散布保温装置におけるレールハンガー(3)、レール(4)、ホース受け滑車(6)、熱水供給ホース(7)、シート(8)と同一に構成され、
第1噴管吊り台(12)は、レールの長手方向と直交方向で昇降自在の状態で支持された支持ブーム(12D)と、支持ブームに取付けられた噴管(12E)から構成され、支持ブーム(12D)には、側面略L字状のシート固定受け(12D3)が取付けられ、
第1シート保持台部(13)は、保持台本体(13A)と、シートが巻付けられたシート巻取りパイプ(13B)から構成され、
第1シート固定部(14)は、地表面(2C)の後方辺に左右方向をもって設置された基本枠(14A)と挟持板(14B)から構成され、基本枠と挟持板はシートの後端を挟持固定するよう構成されていることを特徴とする土壌消毒用熱水散布保温装置。
【請求項5】
請求項4記載の土壌消毒用熱水散布保温装置を用いて、下記の各工程から構成されていることを特徴とする土壌消毒用熱水散布保温装置の使用方法。
第1工程
噴管の位置を可能な限り消毒すべき土壌表面に近付ける。
第2工程
第1噴管吊り台(12)を消毒すべき土壌の第1シート固定部(14)側へ移動し、シート(8)を第1シート保持台部(13)にセットし、シート(8)の一端を第1シート固定部(14)に固定する。
第3工程
第1噴管吊り台(12)を移動させながら、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程
第1噴管吊り台(12)が予定範囲を走行処理したのち、熱水散布した土壌を被覆し保温状態のまま土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
また、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程
消毒完了後、第1シート保持台部(13)のシート巻取りパイプを逆転することによりシートを回収する。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な構成を有する土壌消毒用熱水散布保温装置とその使用方法に関するものである。
農業における施設園芸の温室栽培は季節と関係なく、野菜、果物の高品質、高付加値な作物を市場に供給しており、ますます盛んとなり増設されているが、その培地である土壌が連作による障害、病害菌により劣化しており、地力が低下しているため、良い作物を収穫することができなくなる。
この地力の回復を図るため、土壌の消毒を従来の農薬に依存することなく熱水にて消毒を行い、健全な土壌に回復するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱水土壌消毒は、熱水発生装置(ボイラ部)と注入機と保温部より構成されており、
1.放熱用温水管を敷設した温湯循環方式による方法。
2.温水管を埋設して熱水を土壌に散水する方法。
3.土壌の幅に合わせたパイプヘッダーから枝分けした穴の開いたパイプ及びホースより熱水を垂れ流し浸透させる方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。
上記方法によると、人力によるところが多く作業性が悪く、特に熱水注入のため危険性があり、機具の装着回収に時間と労力を要する。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のようなことのできるものを提供しようとするものである。
ビニールハウスの空間に布設したレール上にある噴管吊り台が遠隔操作により自由な速度で移動散水し、散水量も噴霧ノズルにより調整できる。
また、散水と並行して保温用のシートも被覆することができる。
遠隔操作であるため、スピード、水量、散水幅が調整でき均一であり、危険性がない。また、省力化が可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は下記のようになるものである。
すなわち、
請求項1記載の発明は、ビニールハウス2のハウスキールパイプ2Bと、ハウスキールパイプ2Bに所定間隔に吊り下げたレールハンガー3と、レールハンガー3で支持されたレール4と、レール4に摺動自在に吊下げられた噴管吊り台5と、ホース受け滑車6と、熱水供給ホース7と、シート8と、シート保持台部9と、シート固定部10から構成され、
噴管吊り台5は、レールの長手方向と直交方向で昇降自在の状態で支持された支持ブーム5Dと、支持ブームに取付けられた噴管5E及び左右のシート固定部受け5F、5Fから構成され、
熱水供給ホース7は、レールに取付けられたホース受け滑車6で支持され、一端はボイラ7Aに連結され、他端は噴管に連結され、
シート8は、処理を所望する地表面2Cを覆うことのできる寸法で平面方形に構成され、
シート保持台部9は、地表面2Cの後方辺に設置された保持台本体9Aと、シートが巻付けられたシート巻取りパイプ9Bから構成され、
シート固定部10は、基本枠10Aと挟持板10Bから構成され、基本枠と挟持板はシートの先端を挟持固定するよう構成され、シート固定部10をシート固定部受け5Fに取付けるよう構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、シート固定部受け5Fは、シート固定部10を所望する時、落下させることができるよう構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の発明を用いて、下記の各工程から構成されていることを特徴とするものである。
第1工程(散布準備1)
噴管の位置を可能な限り、消毒すべき土壌表面に近付ける。
第2工程(散水準備2)
噴管吊り台5を消毒すべき土壌のシート保持台部9側へ移動し、シート8をシート保持台部9にセットし、シート8の一端をシート固定部10に固定する。
第3工程(散水開始)
噴管吊り台5を移動させながら、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程(散水終了、土壌消毒)
噴管吊り台5が予定範囲を走行処理したのち、熱水散布した土壌を被覆し保温状態のまま土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
また、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程(土壌消毒後の後片付け、他の作業への流用)
消毒完了後、シート保持台部9のシート巻取りパイプを逆転することによりシートを回収する。
【0008】
請求項4記載の発明は、ビニールハウス2のハウスキールパイプ2Bと、ハウスキールパイプ2Bに所定間隔に吊り下げたレールハンガー3と、レールハンガー3で支持されたレール4と、レール4上に摺動自在に吊下げられた第1噴管吊り台12と、ホース受け滑車6と、熱水供給ホース7と、シート8と、第1シート保持台部13と、第1シート固定部14から構成され、
レールハンガー3、レール4、ホース受け滑車6、熱水供給ホース7、シート8の構成は、請求項1記載の発明におけるレールハンガー3、レール4、ホース受け滑車6、熱水供給ホース7、シート8と同一に構成され、
第1噴管吊り台12は、レールの長手方向と直交方向で昇降自在の状態で支持された支持ブーム12Dと、支持ブームに取付けられた噴管12Eから構成され、支持ブーム12Dには、側面略L字状のシート固定受け12D3が取付けられ、
第1シート保持台部13は、保持台本体13Aと、シートが巻付けられたシート巻取りパイプ13Bから構成され、
第1シート固定部14は、地表面2Cの後方辺に左右方向をもって設置された基本枠14Aと挟持板14Bから構成され、基本枠と挟持板はシートの後端を挟持固定するよう構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明を用いて、下記の各工程から構成されていることを特徴とするものである。
第1工程(散布準備1)
噴管の位置を可能な限り消毒すべき土壌表面に近付ける。
第2工程(散水準備2)
第1噴管吊り台12を消毒すべき土壌の第1シート固定部14側へ移動し、シート8を第1シート保持台部13にセットし、シート8の一端を第1シート固定部14に固定する。
第3工程(散水開始)
第1噴管吊り台12を移動させながら、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程(散水終了、土壌消毒)
第1噴管吊り台12が予定範囲を走行処理したのち、熱水散布した土壌を被覆し保温状態のまま土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
また、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程(土壌消毒後の後片付け、他の作業への流用)
消毒完了後、第1シート保持台部13のシート巻取りパイプを逆転することによりシートを回収する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
1は第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置である。
第2発明は第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置1の使用方法である。
11は第3発明の土壌消毒用熱水散布保温装置である。
第4発明は第3発明の土壌消毒用熱水散布保温装置11の使用方法である。
【0011】
2は公知の農業用のビニールハウス(温室)で、前後に配された正面略逆U字状のパイプ2A、2Aと、このパイプの頂部にパイプとは直交方向をもって配設されたハウスキールパイプ2Bからなるハウス用フレームに、透光性を有するシートを張設して構成されている。
2Cは処理を所望する地表面である。
この農業用のビニールハウス2内に、第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置1あるいは第3発明の土壌消毒用熱水散布保温装置11が設置されている。
【0012】
まず、第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置1について説明する。
そこで、この土壌消毒用熱水散布保温装置1は、ビニールハウス2のハウスキールパイプ2Bと、ハウスキールパイプ2Bに所定間隔に吊り下げたレールハンガー3と、レールハンガー3で支持されたレール4と、レール4に摺動自在に吊下げられた噴管吊り台5と、ホース受け滑車6と、熱水供給ホース7と、シート8(保温用)と、シート保持台部9と、シート固定部10から構成されている。
【0013】
A.レールハンガー3は、上方のハウスキールパイプ2Bに対するパイプハンガー体3Aと、パイプハンガー体3Aに対して昇降自在に連結されたネジ棒3Bと、ネジ棒3Bの下端に昇降自在に連結されたレールハンガー体3Cから構成されている。
このパイプハンガー体3Aは、縦長の細巾板の上端にハウスキールパイプ2Bに係脱するフック部3A1を形成し、また、細巾板の下端に水平部3A2が連設されている。
B.レール4は所定長さのパイプで構成され、レールハンガー体3Cにおける水平部3C1の上面に載置し、ボルト4Aで固定されている。
【0014】
C.噴管吊り台5は、縦板状の吊り下げ部5Aと、吊り下げ部の下方に連結されたボックス5Bと、ボックス5Bの下面に連結された支持脚5Cと、支持脚の下端に連結された支持ブーム5Dと、噴管5Eと、左右のシート固定部受け5F、5Fから構成されている。
a.吊り下げ部5Aの上端に断面逆L状の屈曲部5A1、5A1を連設し、屈曲部の下面には、レール4の上面に係止しながら回転する前後のローラー5A2、5A2を設けると共に、当該吊り下げ部の上方における前後のローラー間には落下防止板5A3が設けられている。
b.ボックス5B内にはローラー5A2を正転あるいは逆転させるモーター(図示略)、モーターを作動させる制御盤5B1、スイッチが公知の方法で装着されている。
5A4、5A5は屈曲部5A1の一方端と他方端に突設せしめたエンドリミッターとスタートリミッターで、これらはレール4の一端と他端に配設した当接板2A1、2A2に当接作動する。
c.支持脚5Cは、噴管吊り台5の進行方向と直交する位置をもって左右対称に垂下させた角筒状の脚体5C1、5C1で構成され、脚体5C1の後面には高さ調整用の受穴(図示略)が適数個開設されている。
d.支持ブーム5Dは、支持脚5Cにおける脚体5C1、5C1に昇降調整自在に装着した縦パイプ5D1、5D1と、縦パイプの下端後面に水平に固着された左右方向に長い所定寸法の角パイプでなる基本ブーム体5D2から構成されている。
5D3は支持脚5Cの高さ調整用の受穴と縦パイプ5D1とを連結するピンである。
e.噴管5Eは、左右の噴管体5E1、5E1からなり、支持ブーム5Dの下面に添着支持され、下面には噴霧ノズル5E11、5E11..が設けられている。
f.シート固定部受け5Fは、固定部受け本体5F1とシリンダ5F2から構成され、固定部受け本体5F1は、噴管5Eを下面から当該噴管の長手方向と直交方向をもって遊嵌する湾曲板5F11と、湾曲板の後端に後方に向け連設された固定部受け板5F12と、固定部受け板の後端に上方に向け連設された縦受け5F13と、湾曲板5F11の前方部分を支持ブーム5Dの縦パイプ5D1の側壁に連結さする水平ピン5F14から構成されている。
シリンダ5F2は、湾曲板5F11の先端と支持ブーム5Dの縦パイプ5D1の側壁との間に配設されている。
この結果、シリンダの作用により水平ピンを支点にして固定部受け本体5F1を起伏させることができる。
【0015】
D.ホース受け滑車6は、レール4の前端部分に係止固定した所定長さの細巾板6Aと、この細巾板の下端にレール4の真下に位置する状態で取付けられた滑車6Bで構成されている。
E.熱水供給ホース7は、ホース受け滑車6で支持され、一端はボイラ7Aに連結され、他端は分岐して左右の噴管体5E1、5E1に連結されている。
図中、7Bはポンプ、7Cはモーターのホースリールである。
【0016】
F.シート8は、処理を所望する地表面2Cを覆うことのできる寸法で平面方形に構成されている。
このシート8としては、具体的には下記の素材のものが好適であった。
ポリエチレンフィルム(透明又は黒)又はアルミ蒸着フィルム。
【0017】
G.シート保持台部9は、地表面2Cの後方辺に設置された保持台本体9Aとシート巻取りパイプ9Bから構成され、保持台本体9Aは、左右方向に長いベース板9A1と、左右両端に起立連設された左右壁9A2、9A2と、右壁9A2に内方面に向け正逆回転自在に支持された円錐状の右方駒9A3と、左壁9A2に内方面に向け回転自在の状態で支持された円錐状の左方駒9A4から構成され、右方駒9A3と左方駒9A4は、シート8が巻付けられているシート巻取りパイプ9Bの両端を嵌合支持するよう構成されている。
なお、右方駒9A3には正逆回転可能なモーターMが付設されている。
左方駒9A4には進退棒9A41が付設され、進退棒に巻付けたコイルスプリング9A42によって当該左方駒は内方に作用するよう構成されている。
H.シート固定部10は、基本枠10Aと挟持板10Bから構成され、基本枠10Aは、シート8の幅に相当する角棒10A1と、この角棒に所定間隔をもって前後方向に開設された受け穴10A2、10A2..から構成されている。
挟持板10Bは、基本枠10Aに対応する板10B1と、この板の一方面に基本枠10Aの受け穴10A2に挿入するよう突設されたつめ10B2、10B2..から構成され、基本枠10Aにシート8の始端部分を位置させた後、シート8を挟持板10Bのつめ10B2、10B2..で突き刺して受け穴10A2、10A2..に挿入し、当該シートを固定するよう構成されている。
そして、シート固定部10にシート8を一巻きした後、シート固定部受け5Fにおける固定部受け板5F12上に載せ、シート固定部受け5Fに取付けるよう構成されている。
【0018】
第2発明としての土壌消毒用熱水散布保温装置1の使用方法は、下記の各工程から構成されている。
第1工程(散布準備1)
噴霧ノズル5E11の位置を可能な限り、消毒すべき土壌表面に近付く(10〜20cm)ように、基本ブーム体5D2を支持脚5Cに調整して取付ける。
ボイラ7A、ポンプ7B、ホースリール7Cをホースで連結し、熱水供給ホース7の一端を分岐して左右の噴管体5E1、5E1に連結する。
スタートリミッター5A5及びエンドリミッター5A4用当接板位置を、消毒する土壌範囲に合わせて設定する。
第2工程(散水準備2)
噴管吊り台5を消毒すべき土壌の片側(シート保持台部9側)へ移動する。
(スタートリミッター5A5が当接板2A2に当たるまで走行させる。)
シート8をシート保持台部9にセットし、シート8の一端をシート固定部10に固定する。
噴管吊り台5の走行スピードを散水量が150〜200L/m になるように15〜20cm/分に設定する。
ボイラ7Aの温度を40〜95℃になるように設定する。
ホースリール7Cの巻取りスピード及びシート送りスピードが噴管吊り台5の走行スピードに同期するように設定する。
第3工程(散水開始)
噴管吊り台5がスタートすると同時にポンプ7Bを作動し熱水の送水及びホース巻取り、シート送りを開始して、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程(散水終了、土壌消毒)
噴管吊り台5が予定範囲を走行し、エンドリミッター5A4が当接板2A1に当り終了信号を出し、噴管吊り台5が走行停止すると同時にボイラ7A、ポンプ7Bの停止、ホースリールモーター、シート送りモーターMを停止する。
また、終了信号によりシリンダ5F2を動作させて、シート固定部10を落下させ、熱水散布した土壌を完全に被覆して保温状態にし、土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
なお、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程(土壌消毒後の後片付け、他の作業への流用)
消毒完了後、シート保持台部9のモーターを逆転することによりシート8を効率よく回収でき、さらに他の消毒地で再使用可能となる。
ボイラ7Aに接続したホースを水のタンクあるいは液体肥料のタンクや防除剤のタンクに接続することにより、水の散布、液体肥料の散布、防除剤の噴霧装置として使用することができる。
噴管吊り台5より支持ブーム5Dを外し、籠などを吊り下げることにより収穫した野菜などを運搬するモノレール式運搬装置として使用可能である。
【0019】
ついで、第3発明の土壌消毒用熱水散布保温装置11について説明する。
この土壌消毒用熱水散布保温装置11は、上記ビニールハウス2のハウスキールパイプ2Bと、ハウスキールパイプ2Bに所定間隔に吊り下げたレールハンガー3と、レールハンガー3で支持されたレール4と、レール4上に摺動自在に吊下げられた第1噴管吊り台12と、ホース受け滑車6と、熱水供給ホース7と、シート8(保温用)と、第1シート保持台部13と、第1シート固定部14から構成されている。
【0020】
A.レールハンガー3、レール4、ホース受け滑車6、熱水供給ホース7、シート8の構成は、第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置1におけるレールハンガー3、レール4、ホース受け滑車6、熱水供給ホース7、シート8の構成と同一である。
【0021】
B.第1噴管吊り台12は、縦板状の吊り下げ部12Aと、吊り下げ部の下方に連結されたボックス12Bと、このボックス12Bの下面に連結された支持脚12Cと、支持脚の下端に連結された支持ブーム12Dと、噴管12Eから構成されている。
a.吊り下げ部12Aの上端に断面逆L状の屈曲部12A1、12A1を連設し、屈曲部の下面には、レール4の上面に係止しながら回転する前後のローラー12A2、12A2を設けると共に、当該吊り下げ部の上方における前後のローラー間には落下防止板12A3が設けられている。
b.ボックス12B内にはローラー12A2を正転あるいは逆転させるモーター(図示略)、このモーターを作動させる制御盤12B1、スイッチが公知の方法で装着されている。
12A4、12A5は屈曲部12A1の一方端と他方端に突設せしめたエンドリミッターとスタートリミッターで、これらはレール4の一端と他端に配設した当接板12A6、12A7に当接作動する。
c.支持脚12Cは、第1噴管吊り台12の進行方向と直交する位置をもって左右対称に垂下させた角筒状の脚体12C1、12C1で構成され、脚体12C1の後面には高さ調整用の受穴(図示略)が適数個開設されている。
d.支持ブーム12Dは、支持脚12Cにおける左右の脚体12C1、12C1に昇降自在に装着した縦パイプ12D1、12D1と、縦パイプの下端後面に水平に固着された左右方向に長い所定寸法の角パイプでなる基本ブーム体12D2と、基本ブーム体12D2の背面下辺に所定間隔をもって後方に向け連設された側面略L字状のシート固定受け12D3から構成されている。
12D4は支持脚の高さ調整用の受穴と縦パイプを連結するピンである。
e.噴管12Eは、左右の噴管体12E1、12E1からなり、支持ブーム12Dの下面に添着支持され、下面には噴霧ノズル12E11、12E11..が設けられている。
【0022】
C.第1シート保持台部13は、保持台本体13Aとシート巻取りパイプ13Bから構成され、保持台本体13Aは、支持ブーム12Dにおけるシート固定受け12D3に挿入自在に構成された左右方向に長い横角材13A1と、横角材の両端に後方に向け連設された左右壁13A2、13A2と、右壁13A2に内方面に向け正逆回転自在に支持された円錐状の右方駒13A3と、左壁13A2に内方面に向け回転自在の状態で支持された円錐状の左方駒13A4から構成され、右方駒13A3と左方駒13A4は、シート8が巻付けられているシート巻取りパイプ13Bの両端を嵌合支持するよう構成されている。
なお、右方駒13A3には正逆回転可能なモーターMが付設されている。
左方駒13A4には進退棒13A41が付設され、進退棒に巻付けたコイルスプリング13A42によって当該左方駒は内方に作用するよう構成されている。
【0023】
D.第1シート固定部14は、地表面2Cの後方辺に左右方向をもって設置された基本枠14Aと挟持板14Bから構成され、基本枠14Aは、シート8の幅に相当する角棒14A1と、角棒に所定間隔をもって上下方向に開設された受け穴14A2、14A2..から構成されている。
挟持板14Bは、基本枠14Aに対応する板14B1と、板の一方面に基本枠14Aの受け穴14A2、14A2..に挿入するよう突設されたつめ14B2、14B2..から構成され、基本枠14Aにシート8の始端部分を位置させた後、シート8を挟持板14Bのつめ14B2、14B2..で突き刺して受け穴14A2、14A2..に挿入し、当該シートを固定するよう構成されている。
【0024】
第4発明としての土壌消毒用熱水散布保温装置11の使用方法は、下記の各工程から構成されている。
第1工程(散布準備1)
噴霧ノズル12E11の位置を可能な限り消毒すべき土壌表面に近付く(10〜20cm)ように、基本ブーム体12D2を支持脚12Cに調整して取付ける。
ボイラ7A、ポンプ7B、ホースリール7Cをホースで連結し、熱水供給ホース7の一端を分岐して左右の噴管体12E1、12E1に連結する。
スタートリミッター12A5及びエンドリミッター12A4用当接板位置を消毒する土壌範囲に合わせて設定する。
第2工程(散水準備2)
第1噴管吊り台12を消毒すべき土壌の片側(第1シート固定部14側)へ移動する。
(スタートミッター12A5が当接板12A7に当たるまで走行させる。)
シート8を第1シート保持台部13にセットし、シート8の一端を第1シート固定部14に固定する。
第1噴管吊り台12の走行スピードを散水量が150〜200L/m になるように15〜20cm/分に設定する。
ボイラの7Aの温度を40〜95℃になるように設定する。
ホースリール7Cの巻取りスピード及びシート送りスピードが第1噴管吊り台12の走行スピードに同期するように設定する。
第3工程(散水開始)
第1噴管吊り台12がスタートすると同時にポンプ7Bを作動し、熱水の送水及びホース巻取り、シート送りを開始して、40〜95℃の熱水を散布すると同時にシートで被覆する。
第4工程(散水終了、土壌消毒)
第1噴管吊り台12が予定範囲を走行し、エンドリミッター12A4が当接板12A6に当り終了信号を出し、第1噴管吊り台12が走行停止すると同時に、ボイラ7A、ポンプ7Bの停止及びホースリールモーターを停止する。
また、終了信号によりシート送りモーターMを数回転動作させシート8をたるませ、熱水散布した土壌を完全に被覆して保温状態にし、土壌を50〜60℃に数時間保つことにより土壌消毒を行う。
なお、太陽熱を併用する場合は、土壌を30〜40℃に数日間保つことにより土壌消毒を行う。
第5工程(土壌消毒後の後片付け、他の作業への流用)
消毒完了後、第1シート保持台部13のモーターを逆転することによりシート8を効率よく回収でき、さらに他の消毒地で再使用可能となる。
ボイラ7Aに接続したホースを水のタンクあるいは液体肥料のタンクや防除剤のタンクに接続することにより、水の散布、液体肥料の散布、防除剤の噴霧装置として使用することができる。
第1噴管吊り台12より支持ブーム12Dを外し、籠などを吊り下げることにより収穫した野菜などを運搬するモノレール式運搬装置として使用可能である。
【0025】
【実施例】
さらに、以下のような条件で実験した結果、極めて良好な結果が得られた。
散水温度〜85℃
散水量〜200L/m
保温時間〜地温50℃で3時間保温
【0026】
【発明の効果】
本発明は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
1.第1発明、第2発明の効果
従来の技術では人力による作業(放熱用温水管の埋設・回収、シートの土壌への被覆・回収、パイプヘッダーの設置・回収など)が多く作業性が悪いと共に、熱水注入のため危険性があり、機具の装着回収に時間と労力を要した。
すなわち、
A.ビニールハウスの空間に布設したレール上にある噴管吊り台を利用することにより、遠隔操作で移動散水し、散水量も噴霧ノズルにより調整できるため危険性が無く安全である。
また、機具の装着回収なども少なく省力化できる。
B.熱水を散水すると同時にシートを自動的に土壌に被覆するため、作業が簡略化され省力できる。また、土壌消毒完了後、シートを自動的に巻取るためさらに省力できる。
C.土壌消毒のための熱水散水だけでなく、通常のビニールハウスの空間に布設したレール上の散水装置として利用することができるため、育苗のための水の散布、液体肥料の散布、防除剤の噴霧、農業資材・収穫物の運搬装置などの多目的装置として提供できるため経済的効果がある。
さらに、既設の散水装置のホースを熱水用ホースに交換する程度で使用可能なため経済的である。
【0027】
2.第3発明、第4発明の効果
従来の技術では人力による作業(放熱用温水管の埋設・回収、シートの土壌への被覆・回収、パイプヘッダーの設置・回収など)が多く作業性が悪いと共に、熱水注入のため危険性があり、機具の装着回収に時間と労力を要した。
すなわち、
A.ビニールハウスの空間に布設したレール上にある第1噴管吊り台を利用することにより、遠隔操作で移動散水し、散水量も噴霧ノズルにより調整できるため危険性が無く安全である。
また、機具の装着回収なども少なく省力化できる。
B.熱水を散水すると同時に、シートを自動的に土壌に被覆するため、作業が簡略化され省力できる。また、土壌消毒完了後、シートを自動的に巻取るためさらに省力できる。
C.第1発明、第2発明の場合は、シートを引きずりながら走行するため、シートと土壌表面の抵抗が大きくなり走行距離が制限される場合があるが、第3発明、第4発明の場合は、シートと土壌表面の抵抗は発生しないため、ビニールハウスの長さが100mと長い場合でも有効である。
D.土壌消毒のための熱水散水だけでなく、通常のビニールハウスの空間に布設したレール上の散水装置として利用することができるため、育苗のための水の散布、液体肥料の散布、防除剤の噴霧、農業資材・収穫物の運搬装置などの多目的装置として提供できるため経済的効果がある。
さらに、既設の散水装置のホースを熱水用ホースに交換する程度で使用可能なため経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の全体の略図的斜視図である。
【図2】レールハンガーの要部拡大側面図である。
【図3】A−A線断面図である。
【図4】噴管吊り台の要部拡大側面図である。
【図5】B−B線断面図である。
【図6】ホース受け滑車を説明する縦断面図である。
【図7】噴管吊り台における支持ブームなどを中心に見た分解斜視図である。
【図8】同上における要部拡大図である。
【図9】シート保持台部の一部を切欠いた拡大背面図である。
【図10】シート固定部の分分解斜視図である。
【図11】シート固定部の使用状態を示す分分解斜視図である。
【図12】シート固定部の支持状態を説明する右側面図である。
【図13】シート固定部の作用を説明する右側面図である。
【図14】第1発明の使用状態を示す略図的側面図である。
【図15】第3発明の全体の略図的斜視図である。
【図16】レールハンガーの要部拡大側面図である。
【図17】C−C線断面図である。
【図18】第1噴管吊り台の要部拡大側面図である。
【図19】D−D線断面図である。
【図20】ホース受け滑車を説明する縦断面図である。
【図21】第1噴管吊り台における支持ブームなどを中心に見た分解斜視図である。
【図22】第1シート保持台部の支持状態を示す右側面図である。
【図23】第1シート保持台部の支持状態を中心に見た分分解斜視図である。
【図24】第1シート保持台部における一部を切欠いた拡大背面図である。
【図25】第1シート固定部の使用状態を示す分分解斜視図である。
【図26】第3発明の使用状態を示す略図的側面図である。
【符号の説明】
1 第1発明の土壌消毒用熱水散布保温装置
2 ビニールハウス
2B ハウスキールパイプ
3 レールハンガー
4 レール
5 噴管吊り台
6 ホース受け滑車
7 熱水供給ホース
8 シート
9 シート保持台部
10 シート固定部
11 第3発明の土壌消毒用熱水散布保温装置
12 第1噴管吊り台
13 第1シート保持台部
14 第1シート固定部
【出願人】 【識別番号】591197943
【氏名又は名称】三和サービス株式会社
【住所又は居所】北海道札幌市白石区菊水7条4丁目1番12号
【出願日】 平成15年6月13日(2003.6.13)
【代理人】 【識別番号】100069176
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 靖夫

【公開番号】 特開2005−102(P2005−102A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−168737(P2003−168737)