| 【発明の名称】 |
暖房機用温風ダクトの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 昌人 【住所又は居所】愛知県豊川市東豊町5丁目50番地 有限会社 井上商店内
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| 【要約】 |
【課題】ハウス内の天井部に容易に取り付けることができる暖房機用温風ダクトの製造方法を提供すること。
【解決手段】暖房機用温風ダクト(ビニールダクト)の製造は、超音波溶着で紐12を内包して仮止した仮止部材20と筒状に形成されたフィルムの側端部15とを熱溶着してビニールダクトが製造される。そのため、簡単な製造工程により紐12が内側に内包されたビニールダクトを製造することができる。紐12が内側に内包されたビニールダクトは、ハウス内に取り付ける場合に、紐を通す作業が必要なくそのままの状態で取り付けることができるので、容易に取り付けることができ取付作業の作業効率を向上することができる。また、長い距離にビニールダクトを取り付ける場合には、ハウス内の吊線とビニールダクトとをお互いに繋げるクリップを用いるので、ビニールダクトの弛みや屈折の発生を防止して破損を確実に防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクトの製造方法において、 前記ハウス内に暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材を、シート状のシート部材を折り曲げて内側に包み込む折曲工程と、 その折曲工程により折り曲げられた前記シート部材の対向面同士を仮止めする仮止工程と、 その仮止工程により前記紐部材を内側に内包しつつ仮止めされた前記シート部材の仮止め部と筒状に形成された前記暖房機用温風ダクト本体の端部とを溶着する溶着工程とを備えていることを特徴とする暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項2】 前記仮止工程による仮止めは、超音波振動により局所的な溶着を所定間隔あけて溶着する超音波溶着で行われ、前記溶着工程による溶着は、熱により溶着部全体を広範囲に溶着する熱溶着で行われることを特徴とする請求項1に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項3】 前記シート部材と暖房機用温風ダクト本体とは同一素材で構成され、その素材は、ポリオレフィン系樹脂又はポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項4】 ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクトの製造方法において、 前記ハウス内に暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材を、シート状の第1シート部材を折り曲げて内側に包み込む折曲工程と、 その折曲工程により折り曲げられた前記第1シート部材の対向面により、断面がU字状に折り曲げられた第2シート部材の開放された端部を挟んで重ね合わせる重合工程と、 その重合工程により前記紐部材を前記第1シート部材の内側に内包しつつその第1シート部材と第2シート部材とを重ね合わせた状態で溶着する溶着工程とを備えていることを特徴とする暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項5】 前記溶着工程による溶着は、熱溶着により行われることを特徴とする請求項4に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項6】 前記第1シート部材と第2シート部材とは、ポリ塩化ビニール系樹脂で構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項7】 ハウス内の天井部に張架された吊線と溶着工程により溶着された溶着部との間に介在し、前記吊線に暖房機用温風ダクト本体を取り付ける取付部材を備え、 その取付部材は連続した棒状部材により外縁の一部が開放された2つの穴部が形成されると共に、その棒状部材の2つの先端部が異なる方向に捻れた形状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項8】 前記溶着工程により溶着された溶着部は、多層構造に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。 【請求項9】 前記溶着工程により溶着された溶着部には、その溶着部を貫通する貫通孔が所定間隔毎に穿設されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、暖房機用温風ダクトの製造方法に関し、特に、ハウス内の天井部に容易に取り付けることができる暖房機用温風ダクトの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、植物や食物を栽培するハウス内への温風の供給は、ハウス内の天井部に宙吊りにされて取り付けられた暖房機用温風ダクトを介して行われていた。暖房機用温風ダクトをハウス内の天井部に取り付ける場合には、暖房機用温風ダクトに紐を通しその紐により暖房機用温風ダクトを取り付けていた(特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】登録実用新案第3063794号公報(図4等) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紐を通してその紐により暖房機用温風ダクトを取り付けると、暖房機用温風ダクトの長さが長くなればなるほど紐を通す作業が困難となり、暖房機用温風ダクトを宙吊りに取り付けるのに煩雑な作業が強いられるという問題点があった。 【0005】 本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ハウス内の天井部に容易に取り付けることができる暖房機用温風ダクトの製造方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材を、シート状のシート部材を折り曲げて内側に包み込む折曲工程と、その折曲工程により折り曲げられた前記シート部材の対向面同士を仮止めする仮止工程と、その仮止工程により前記紐部材を内側に内包しつつ仮止めされた前記シート部材の仮止め部と筒状に形成された前記暖房機用温風ダクト本体の端部とを溶着する溶着工程とを備えている。 【0007】 この請求項1記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、折曲工程により、シート状のシート部材が折り曲げられてそのシート部材の内側に、ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材が包み込まれる。折曲工程により折り曲げられたシート部材の対向面同士は仮止工程によって仮止めされる。仮止工程により紐部材を内側に内包しつつ仮止めされたシート部材の仮止め部と筒状に形成された暖房機用温風ダクト本体の端部とが、溶着工程により溶着されて紐部材が内側に内包された状態の暖房機用温風ダクトが製造される。 【0008】 請求項2記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項1記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記仮止工程による仮止めは、超音波振動により局所的な溶着を所定間隔あけて溶着する超音波溶着で行われ、前記溶着工程による溶着は、熱により溶着部全体を広範囲に溶着する熱溶着で行われる。 【0009】 請求項3記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項1又は2に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記シート部材と暖房機用温風ダクト本体とは同一素材で構成され、その素材は、ポリオレフィン系樹脂又はポリエチレン系樹脂である。 【0010】 請求項4記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材を、シート状の第1シート部材を折り曲げて包み込む折曲工程と、その折曲工程により折り曲げられた前記第1シート部材の対向面により、断面がU字状に折り曲げられた第2シート部材の開放された端部を挟んで重ね合わせる重合工程と、その重合工程により前記紐部材を前記第1シート部材の内側に内包しつつその第1シート部材と第2シート部材とを重ね合わせた状態で溶着する溶着工程とを備えている。 【0011】 この請求項4記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、折曲工程により、シート状の第1シート部材が折り曲げられてその第1シート部材の内側に、ハウス内に温風を供給する暖房機用温風ダクト本体を宙吊りにする紐状の紐部材が包み込まれる。重合工程では、折り曲げられた第1シート部材の対向面により断面がU字状に折り曲げられた第2シート部材の開放された端部が挟まれて重ね合わせられる。重合工程により紐部材を第1シート部材の内側に内包しつつその第1シート部材と第2シート部材とを重ね合わせられた状態で、溶着工程により溶着されて紐部材が内側に内包された状態の暖房機用温風ダクトが製造される。 【0012】 請求項5記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項4記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記溶着工程による溶着は、熱溶着により行われる。 【0013】 請求項6記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項4又は5に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記第1シート部材と第2シート部材とは、ポリ塩化ビニール系樹脂で構成されている。 【0014】 請求項7記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項1から6のいずれかに記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、ハウス内の天井部に張架された吊線と溶着工程により溶着された溶着部との間に介在し、前記吊線に暖房機用温風ダクト本体を取り付ける取付部材を備えており、その取付部材は連続した棒状部材により外縁の一部が開放された2つの穴部が形成されると共に、その棒状部材の2つの先端部が異なる方向に捻れた形状に形成されている。 【0015】 請求項8記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項7記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記溶着工程により溶着された溶着部は、多層構造に形成されている。 【0016】 請求項9記載の暖房機用温風ダクトの製造方法は、請求項7又は8に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法において、前記溶着工程により溶着された溶着部には、その溶着部を貫通する貫通孔が所定間隔毎に穿設されている。 【0017】 【発明の効果】請求項1記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、折曲工程により紐部材を内側に包み込んでシート部材を折り曲げ、その折り曲げられたシート部材の対向面同士が仮止工程により仮止めされる。仮止工程により紐部材を内側に内包しつつ仮止めした仮止め部と筒状に形成された暖房機用温風ダクト本体の端部とが、溶着工程によって溶着されて紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトを製造する。よって、紐部材を内包しつつ仮止めされたシート部材と筒状に形成された暖房機用温風ダクト本体とを溶着して暖房機用温風ダクトを製造するので、容易に紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトを製造することができる。紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトは、ハウス内の天井部に暖房機用温風ダクトを宙吊りに取り付ける場合に、紐を通す作業が必要ないので、ハウス内の天井部に容易に取り付けることができるという効果がある。 【0018】 請求項2記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項1記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、仮止工程による仮止めは、超音波振動により溶着する超音波溶着で行われ、溶着工程による溶着は、熱溶着により行われる。超音波溶着は、溶着する範囲に超音波振動を伝えて摩擦熱により溶着するので、熱溶着と比較して局所的な溶着が容易であり、仮止め部に局所的な溶着を所定間隔あけて溶着することができる。一方熱溶着は、溶着する範囲に熱を伝えて溶着するので、広範囲を溶着することが容易であり、溶着部全体を確実に溶着することができる。一度完全に溶着した溶着部を再度溶着すると、その溶着された素材の性質が変化し溶着部の強度が小さくなり破損し易くなる。よって、超音波溶着により局所的な溶着を所定間隔あけた仮止め部と暖房機用温風ダクト本体とを熱溶着により溶着するので、溶着部の強度を維持しつつ溶着部全体を確実に溶着して暖房機用温風ダクトを製造することができるという効果がある。 【0019】 請求項3記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項1又は2に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、シート部材と暖房機用温風ダクト本体とが同一素材で構成されているので、その素材の融点も同一となりより確実に溶着することができるという効果がある。また、その素材が、ポリオレフィン系樹脂又はポリエチレン系樹脂で構成されており、そのポリオレフィン系樹脂又はポリエチレン系樹脂は、安価で且つ軽量であるので、製作コストを低減することができると共に暖房機用温風ダクトの取付作業の作業効率を向上することができるという効果がある。 【0020】 ここで、ポリオレフィン系樹脂又はポリエチレン系樹脂から製造されるフィルムは、溶融した樹脂を筒状の膜に形成したものを巻き取ることにより製造されるので、筒状のフィルムとして購入することができる。よって、筒状に形成された暖房機用温風ダクト本体を、製造する暖房機用温風ダクトの大きさに対応して購入できるので、新たに加工する必要が無く製造効率を向上することができるという効果がある。 【0021】 請求項4記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、折曲工程により紐部材を内側に包み込んで第1シート部材を折り曲げ、その折り曲げられた第1シート部材の対向面により断面がU字状に折り曲げられた第2シート部材の開放された端部が重合工程により重ね合わされる。重合工程により紐部材を第1シート部材の内側に内包しつつその第1シート部材と第2シート部材とが重ね合わされた状態で、溶着工程によって溶着されて紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトを製造する。よって、紐部材を第1シート部材の内側に内包しつつ第1シート部材と第2シート部材とを溶着して暖房機用温風ダクトを製造するので、容易に紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトを製造することができる。紐部材を内側に内包した状態の暖房機用温風ダクトは、ハウス内の天井部に暖房機用温風ダクトを宙吊りに取り付ける場合に、紐を通す作業が必要がないので、ハウス内の天井部に容易に取り付けることができるという効果がある。 【0022】 請求項5記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項4記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、溶着工程による溶着は、熱溶着により行われる。熱溶着は、溶着する範囲に熱を伝えて溶着するので、広範囲を溶着することが容易であり、溶着部全体を確実に溶着することができる。よって、第1シート部材と第2シート部材とが重ね合わされた溶着部全体を確実に溶着して暖房機用温風ダクトを製造することができるという効果がある。 【0023】 請求項6記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項4又は5に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、第1シート部材と第2シート部材とがポリ塩化ビニール系樹脂の同一素材で構成されているので、その素材の融点も同一となり確実に溶着することができるという効果がある。また、ポリ塩化ビニール系樹脂で製作されたシート部材は、柔らかく耐久性に優れたシート部材なので、暖房機用温風ダクトの寿命が長くなりランニングコストを低減することができるという効果がある。 【0024】 ここで、ポリ塩化ビニール系樹脂から製造されるフィルムは、複数の円筒形ロールの間を溶融した樹脂が通過することによりシート状に形成して巻き取ることにより製造されるので、シート状のフィルムとして購入することができる。よって、第2シート部材を、製造する暖房機用温風ダクトの大きさに対応して購入できるので、新たに加工する必要が無く製造効率を向上することができるという効果がある。 【0025】 請求項7記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項1から6のいずれかに記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、ハウス内の天井部に張架された吊線に暖房機用温風ダクト本体を取り付ける取付部材は、連続した棒状部材により外縁の一部が開放された2つの穴部が形成されると共に、その棒状部材の2つの先端部が異なる方向に捻れた形状に形成されているので、一方の穴部は開放された一部から容易に吊線に引っ掛けることができ、他方の穴部は開放された一部の先端で容易に溶着部を貫入して引っ掛けることができる。そのため、暖房機用温風ダクトを長い距離に宙吊りする場合には、紐部材により宙吊りに取り付けるだけでなく、取付部材により暖房機用温風ダクトの弛みや屈折の発生を防止するので、その弛みや屈折が発生した箇所に温風の流通により圧力がかかり破損することを確実に防止することができる。よって、容易に取り付けができると共に寿命の長寿命化を図ることができるという効果がある。 【0026】 請求項8記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項7記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、溶着工程で溶着される溶着部が多層構造に形成されているので、溶着部の強度が大きくなり溶着部からの暖房機用温風ダクトの破損を防止することができるという効果がある。 【0027】 請求項9記載の暖房機用温風ダクトの製造方法によれば、請求項7又は8に記載の暖房機用温風ダクトの製造方法の奏する効果に加え、溶着工程により溶着された溶着部に貫通孔が所定間隔毎に穿設されているので、その貫通孔に取付部材の先端を容易に通して引っ掛けることができ、暖房機用温風ダクトの取付作業の作業効率を向上することができるという効果がある。また、貫通孔の穿設される間隔を暖房機用温風ダクトの質量や材質などに対応して決めれば、弛みや屈折の発生をより確実に防止することができるという効果がある。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例における暖房機用温風ダクトとしてのビニールダクト1の構成を概略的に示した構成図である。 【0029】 ビニールダクト1は、温風が流通する筒状に形成された流通部10と、ハウス内の天井部にビニールダクト1を宙吊りにする紐12と、その紐12が内包され筒状に形成された紐内包部13と、流通部10と紐内包部13との間に熱溶着された熱溶着部11とにより構成されている。なお、本第1実施例のビニールダクトは、主成分がポリオレフィン系樹脂で構成された農業に用いられるポリオレフィンフィルム(以下「POフィルム」と称す)(又は主成分がポリエチレン系樹脂で構成された農業に用いられるポリエチレンフィルム(以下「PEフィルム」と称す))で構成されている。 【0030】 図2及び図3は、ビニールダクト1の製造方法を説明する説明図であり、図2は、ビニールダクト1が製造される工程を簡略的に示した説明図であり、図3は、熱溶着されてビニールダクト1が製造される状態を示した説明図である。 【0031】 ビニールダクト1の製造は、まず紐12が内包した状態の仮止部材20を製造する。仮止部材20の製造は、シート状のPOフィルムの略中心線上に紐12を配設し、そのPOフィルムを紐12を基準として紐12が内側になるように折り曲げ、その折り曲げられたPOフィルムの側面同士を合わせる。これは、芯に巻き付けられたロール状のPOフィルムの略中心線上で且つその芯と垂直方向に紐12を配設し、POフィルムを引き出しながら折り返すことで簡単に行える。 【0032】 POフィルムの側面同士が合わせられたら、超音波振動を伝えて摩擦熱により溶着する超音波ミシン(図示せず)で側面同士を仮止めする。その超音波ミシンで溶着された超音波溶着部21は、超音波ミシンにより溶着された複数の点が1つとなって超音波溶着部21を形成し、その超音波溶着部21が千鳥格子状に長手方向に略等間隔に溶着されて仮止め部22が形成される。なお、仮止め部22を溶着された複数の点により形成するのは、POフィルムは、一度完全に溶着した溶着部を再度溶着すると、その溶着されたPOフィルムの性質が変化し溶着部の強度が小さくなり破損し易くなるためにであり、そのために複数の点により仮止め部22を形成し略等間隔をあけて千鳥格子状に溶着している。また、超音波ミシンは、熱溶着などの溶着方法と比較して局所的な溶着が容易であるために、超音波ミシンにより千鳥格子状に仮止めされる。 【0033】 仮止部材20は、仮止め部22が形成されると紐12は紐内包部13に内包された状態となり、この状態の仮止部材20を筒状に形成されているPOフィルムの側端部15と重ね合わせて熱溶着する。 【0034】 図3に示すように、仮止部材20と側端部15との熱溶着は、熱溶着機60によって行われる。熱溶着機60は、台部61上に下方から熱を発生する熱源62と上方から熱を発生する熱源63とが配置されており、その熱源62、63の上下方向からの熱により熱溶着する。POフィルムは、溶融した樹脂を筒状の膜に形成したものを巻き取ることにより製造されるので、筒状のPOフィルムは、芯に巻き付けられた状態のロール10aで購入することができる。また、ロール10aは様々な大きさで製造されているので、製造するビニールダクト1の大きさに対応して購入することができる。このロール10aの中心を支持軸65により支持し、その支持軸65は両サイドから支持部材64a、64bにより支持されて配置される。 【0035】 熱溶着は、その進行方法が図3に示したX方向に進行し、重ねられた仮止め部22と側端部15とが上下に配置された熱源62、63の間を通過すると、仮止め部22と側端部15との全体が熱溶着されて熱溶着部11が形成され、紐12が内側に内包された状態のビニールダクト1が製造される。即ち、ビニールダクト1は、連続式の発熱板式溶着により製造される。 【0036】 熱溶着機60で熱溶着して製造された紐12が内側に内包された状態のビニールダクト1は、ビニールダクト1をハウス内に取り付ける場合に、紐を通す必要がなくそのまま取り付けることができる。そのため、容易に取り付けできると共に取付作業の作業効率を向上することができる。 【0037】 また、ビニールダクト1をハウス内の長い距離に取り付けると、ビニールダクト1に弛みや屈折が発生する場合があり、その弛みや屈折が発生した箇所に温風の流通により圧力がかかり、ビニールダクト1が破損し易くなる。そのため、ハウス内の天井部に張架された吊線40(図5参照)とビニールダクト1とをお互いに繋げるクリップ30(図4参照)を用いて、ビニールダクト1の弛みや屈折の発生を確実に防止する。 【0038】 ここで、図4及び図5を参照して、クリップ30を用いてハウス内の天井部にビニールダクト1を取り付ける場合について説明する。図4は、クリップ30を拡大して示した拡大図であり、図4(a)は、クリップ30を正面から見た場合の正面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるA視から見たクリップ30の側面図である。 【0039】 クリップ30は、一本の棒状の金属性部材から構成されており、図4(a)に示すように、大小2つの穴部31、32が形成され、この穴部31、32はその外縁の一部が開放された状態となっている。穴部31、32とは連成部33により連成されている。また、図4(b)に示すように、その穴部31、32はお互いに異なる方向に捻れた形状に構成されている。本第1実施例のクリップ30は、その捻れにより穴部31、32との傾きが略30度となって構成されている。また、穴部32の開放された先端部34は、正面視において穴部32と連成部33との連成部近傍まで伸びており略円となっている。穴部31の開放された先端部35は、その先端部35が正面視において連成部33と交差して伸びている。 【0040】 図5は、クリップ30を併用してハウス内にビニールダクト1を宙吊りにした状態の一例を示した説明図である。図5に示すように、ハウス外に温風を発生する暖房機43が配置されており、その暖房機43からビニールダクト1に温風を供給する供給パイプ44によりハウス内に温風が供給される。ハウス内には、複数列に構成された土壌45に植物46が複数植えられており、その上部にビニールダクト1が取り付けられている。 【0041】 ハウス内の天井部には、天井部に張架される吊線40が止め金具41により張られており、その下方に止め金具42が設けられており、その止め金具42に紐12が取り付けられる。 【0042】 ビニールダクト1の吊線40への取り付けは、クリップ30の穴部31の開放した部分から吊線40を通して引っ掛け、穴部32の先端部34で熱溶着部11を貫入して引っ掛けて取り付ける。このクリップ30は、紐12により宙吊りされるビニールダクト1に弛みや曲がりが発生しないように、ビニールダクト1の質量や材質などに対応して所定間隔が決められて取り付けられる。 【0043】 なお、クリップ30は、穴部31、32の傾きが略30度となって構成されているので、吊線40が張架されている方向に対して略30度の範囲でビニールダクト1を任意の方向に取り付けることができる。また、穴部31の先端部35は連成部33と交差していると共に穴部32は略円に構成されているので、クリップ30が取り付けられた状態から外れてしまうことが確実に防止できる。 【0044】 以上、説明したように、第1実施例のビニールダクト1は、そのビニールダクト1の製造が、紐12を内側に内包した状態に仮止めした仮止部材20と筒状に形成されたPOフィルムの側端部15とを熱溶着してビニールダクト1が製造される。そのため、簡単な製造工程により紐12が内側に内包された状態のビニールダクト1を製造することができる。紐12が内側に内包されたビニールダクト1は、ハウス内にビニールダクト1を取り付ける場合に、紐を通す作業が必要なくそのままの状態で取り付けることができるので、容易に取付ができると共に取付作業の作業効率を向上することができる。また、長い距離にビニールダクト1を宙吊りにする場合には、クリップ30によりビニールダクト1の弛みや屈折の発生を防止するので、その弛みや屈折が発生した箇所に温風の流通により圧力が掛かり破損することをより確実に防止することができる。 【0045】 次に、図6を参照して、第2実施例について説明する。図6は、第2実施例の暖房機用温風ダクトとしてのビニールダクト1が製造される工程を簡略的に示した説明図である。なお、第1実施例と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。 【0046】 第2実施例のビニールダクト1は、主成分がポリ塩化ビニール系樹脂で構成された農業に用いられるポリ塩化ビニールフィルム(以下「PVCフィルム」と称す)でビニールダクト1を製造する。ビニールダクト1の製造は、まず、紐12をPVCフィルムの略中心線上に配設し、その紐12を基準として紐12が内側になるようにPVCフィルムを折り曲げて紐12を内包する。紐12を内包した状態のPVCフィルムの対向する面同士の端部25で、断面がU字状に折り曲げられたPVCフィルムの側端部15を両側から挟み込み、端部25と側端部15とを重ね合わせる。端部25と側端部15とが重ね合わせられた状態で、図3で示した熱溶着機60により端部25と側端部15とを熱溶着して紐12を内側に内包した状態のビニールダクト1が製造される。 【0047】 ここで、本第2実施例で用いたPVCフィルムは、複数の円筒形ロールの間を溶融した樹脂が通過することによりフィルム状に形成して巻き取ることにより製造されるので、シート状のフィルムとして購入することができる。そのため、製造するビニールダクトの大きさに対応してPVCフィルムを購入できるので、加工する必要が無く製造効率を向上することができる。 【0048】 以上、説明したように、第2実施例のビニールダクト1は、そのビニールダクト1の製造方法が、紐12を内側に内包した状態でPVCフィルムの端部25と側端部15とを熱溶着してビニールダクト1が製造される。そのため、簡単な製造工程により紐12が内側に内包された状態のビニールダクト1を製造することができる。よって、第1実施例と同様に、ビニールダクト1をハウス内の天井部に容易に取付ができると共に取付作業の作業効率を向上することができる。また、クリップ30を第2実施例で製造されたビニールダクト1に用いれば、ビニールダクト1の破損をより確実に防止することができる。 【0049】 以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。 【0050】 例えば、上記実施例では、ビニールダクトの素材をPOフィルム及び、PEフィルム、PVCフィルムで構成するものとしたが、熱可塑性を有する素材であれば、どのような素材を用いるものとしても良い。 【0051】 また、上記実施例では、熱溶着部11は、フィルムが4層構造で熱溶着するもとのしたが、更に多くの多層構造とするものとしても良い。この場合、熱溶着部11の強度が大きくなるので、クリップ30の先端部34により熱溶着部11を貫入してビニールダクト1を取り付けた状態で、熱溶着部11の破損をより確実に防止することができる。 【0052】 また、上記実施例では、クリップ30の先端部34により熱溶着部11を貫入して引っ掛けるものとしたが、熱溶着部11に貫通孔を設けてその貫通孔に先端部34を通して引っ掛けるものとしても良い。この貫通孔をビニールダクト1の質量や材質などに応じて所定間隔毎に穿設すれば、クリップ30を取り付ける位置を位置決めすることができ、ビニールダクト1の弛みや屈折の発生をより確実に防止することができる。 【0053】 また、上記第1実施例では、筒状に形成されたPOフィルムを熱溶着するものとしたが、断面をU字状に折り曲げたシート状のフィルムを熱溶着するものとしても良いし、第2実施例では、断面をU字状に折り曲げたシート状のPVCフィルムを熱溶着するものとしたが、筒状に形成されたフィルムを熱溶着するものとしても勿論構わない。 【0054】 また、上記実施例では、発板式溶着により熱溶着するものとしたが、熱風式溶着及びコテ式溶着により熱溶着をするものとしても良いし、高周波エネルギーの電解作用による電位的な運動により発熱させて溶着する高周波溶着により溶着をするものとしても良い。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例におけるビニールダクトの構成を概略的に示した構成図である。 【図2】ビニールダクトが製造される工程を簡略的に示した説明図である。 【図3】熱溶着されてビニールダクトが製造される状態を示した説明図である。 【図4】クリップを拡大して示した拡大図であり、図4(a)は、クリップを正面から見た場合の正面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるA視から見たクリップの側面図である。 【図5】クリップを併用してハウス内にビニールダクトを宙吊りにした状態の一例を示した説明図である。 【図6】第2実施例のビニールダクトの製造方法を示した説明図である。 【符号の説明】 1 ビニールダクト 10 流通部(ビニールダクト本体の一部、第2シート部材の一部) 11 熱溶着部(溶着部) 12 紐(紐部材) 13 紐内包部 14 放出孔 15 側端部(ビニールダクト本体の端部、第2シート部材の端部) 20 仮止部材 22 仮止め部 30 クリップ(取付部材) 31、32 穴部(棒状部材の一部) 33 連成部(棒状部材の一部) 40 吊線(張架部材)
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| 【出願人】 |
【識別番号】593219366 【氏名又は名称】有限会社井上商店 【住所又は居所】愛知県豊川市東豊町5丁目50番地
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| 【出願日】 |
平成15年6月9日(2003.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103045 【弁理士】 【氏名又は名称】兼子 直久
【識別番号】100127605 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 愛
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| 【公開番号】 |
特開2005−17(P2005−17A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月6日(2005.1.6) |
| 【出願番号】 |
特願2003−164316(P2003−164316) |
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