| 【発明の名称】 |
人工地層 |
| 【発明者】 |
【氏名】永野 淳 【住所又は居所】神奈川県横浜市青葉区新石川4−33−10 工藤建設株式会社内
【氏名】宮田 仁 【住所又は居所】神奈川県横浜市青葉区新石川4−33−10 工藤建設株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】複数の層で構成される人工地層において、各層を構成する材料をすべて再生材料とすることにより、環境負荷の低減に寄与することができる人工地層を提供する。
【解決手段】人工地盤上に植栽をするために構築される人工地層3であって、下層から順に、廃ガラスから作られるガラス発泡体からなる帯水層4、古紙や古布などの再生繊維からなるフィルタ層5及び建設残土からなる土壌層6が積層されてなり、各層を構成する材料はいずれも再生材料である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人工地盤上に植栽をするために構築される人工地層であって、 下層から順に、発泡体からなる帯水層、繊維からなるフィルタ層及び建設残土からなる土壌層が積層されてなり、 各層を構成する材料はいずれも再生材料であることを特徴とする人工地層。 【請求項2】 前記帯水層を構成する発泡体は、廃ガラスを粉砕し、発泡材を添加して溶融固化してなる再生材料であって、比重が0.2〜0.8であることを特徴とする請求項1記載の人工地層。 【請求項3】 前記フィルタ層を構成する繊維は、古紙や古布などの再生材料であることを特徴とする請求項1記載の人工地層。 【請求項4】 前記フィルタ層を構成する繊維は、間伐材や建設発生木材などの植物性繊維材料であることを特徴とする請求項1記載の人工地層。 【請求項5】 前記土壌層を構成する建設残土には、ベントナイト泥水分を含む建設汚泥が添加されていることを特徴とする請求項1記載の人工地層。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、人工地層に関し、さらに詳細には、例えばビルの屋上緑化を目的として構築される人工地層に関する。 【0002】 【従来の技術】 ヒートアイランド現象を抑制する技術の1つとして、ビルの屋上に植栽をする屋上緑化が知られている。この屋上緑化を実施するためには、ビルの屋上に人工地層を構築しなければならない。 【0003】 特に屋上緑化を対象としているものではないが、盛土(人工地層)を構成する材料に廃ガラスや樹脂などを原材料とする発泡体を単独もしくは土壌と混練したものを用いる技術は、すでに知られている(例えば、特許文献1参照)。また、古紙を裁断して土壌と混練し、軽量土壌として使用する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、人工地層を構成する複数の層のすべてが再生材料で構成されているものは、未だ提案されていない。したがって、環境負荷の低減が叫ばれている昨今、その対策が十分であるとはいえない。 【0004】 【特許文献1】 特開2000−144748号公報 【0005】 【特許文献2】 特開平10−201366号公報 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。 この発明の目的は、複数の層で構成される人工地層において、各層を構成する材料をすべて再生材料とすることにより、環境負荷の低減に寄与することができる人工地層を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。 すなわち、この発明は、人工地盤上に植栽をするために構築される人工地層であって、 下層から順に、発泡体からなる帯水層、繊維からなるフィルタ層及び建設残土からなる土壌層が積層されてなり、 各層を構成する材料はいずれも再生材料であることを特徴とする人工地層にある。 【0008】 前記帯水層を構成する発泡体は、好ましくは、廃ガラスを粉砕し、発泡材を添加して溶融固化してなる再生材料であって、比重が0.2〜0.8である。また、前記フィルタ層を構成する繊維は、古紙や古布などの再生材料である。このフィルタ層を構成する繊維としては、間伐材や建設発生木材などの植物性繊維材料を使用することもできる。さらに、前記土壌層を構成する建設残土には、ベントナイト泥水分を含む建設汚泥が添加されていることが好ましい。 【0009】 なお、この発明でいう再生材料とは、何らかの用途に用いられた後、再度利用する材料(いわゆるリサイクル材料)のみをいうのではなく、何らかの用途に用いられたかどうかに拘わらず、通常は廃棄されるのであるが、廃棄することなく利用する材料全般を含む概念である。したがって、この発明でいう再生材料には上記のように、間伐材なども含まれる。 【0010】 【発明の実施の形態】 この発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、この発明の実施形態を示す断面図である。人工地盤1はビル屋上などのコンクリート構造物であり、その表面は防水処理が施されている。防水処理は、この実施形態では、防水シート2の敷設によってなされている。人工地層3は、この防水シート2の上に構築される。 【0011】 人工地層3は、下層から順に帯水層4、フィルタ層5及び土壌層6が積層されて構築される。これらの層4,5,6を構成する材料はいずれも再生材料が使用されている。したがって、極めて環境負荷が低いものである。 【0012】 具体的には、帯水層4を構成する発泡体としては、廃ガラスを原料とするガラス発泡体が使用されている。この発泡体は、ガラス瓶などの廃ガラスを粉砕し、例えば炭酸カルシウム(蛎殻)を主成分とする発泡材を添加して溶融固化して作られる。このガラス発泡体は比重が0.2〜0.8で、比重が2程度の自然帯水層に比べ、極めて軽量であって、軽量化が要求されるビルの屋上での人工地層を構築するのに最適である。 【0013】 また、図2に示すように、個々のガラス発泡体4aは多孔質であって毛細管現象による保水作用が高く、植栽を前提とした人工地層の帯水層4を構成する材料として最適である。しかも、保水水分による冷却効果が高く、ヒートアイランド現象の抑制効果が高い。 【0014】 さらに、ガラス発泡体は多孔質であることから吸音効果が高く、構築された人工地層付近を伝播する騒音を低減する。このため、人工地層を屋上緑化に適用した場合、ビルの上方に騒音源がある場合など、屋上の人工地層が吸音層となり、ビル内部での静穏が促進される。 【0015】 自然の土壌の比重は約1.5であり、軽量化が要求される人工地層の土壌層としては適しているといえない。保水性が高く軽量な紙繊維を土壌に混練して軽量化を図ることも可能であるが、一方で、雨水によって土粒子が流出してしまい好ましくない。このため、この発明では帯水層4の上部に古紙や古布などの繊維によるフィルタ層5を設けてある。この結果、フィルタ層5に土壌層としての役割を持たせつつ、土粒子の流出を防止するとともに保水、保肥効果を得ることができる。また、土との混練工程を削減でき、コスト低減をも同時に図ることができる。フィルタ層5の繊維として、古紙を用いる場合、古新聞紙や細かく裁断された紙類など、使用済みの紙材が用いられる。 【0016】 フィルタ層5の繊維としては、間伐材や建設発生木材などの植物性繊維材料を用いることもできる。これらの植物性繊維材料からなるフィルタ層5に土壌層としての役割を持たせることにより、保肥性が向上して緑化植物の成長促進効果が高まる。 【0017】 関東地方で発生する建設残土の多くは、関東ローム層を主体とする赤土であり、表土であればクロボクと呼ばれる黒色土である。関東地方に限った問題ではないが、これらの地質は保肥力の小さいやせた土であることが知られている。 【0018】 ところで、ボーリング施工や推進工法による下水道施工で使用されるベントナイト泥水は、保肥力の高い粘土鉱物であるモンモリロナイト鉱物が主成分であることが知られている。しかし、使用後のベントナイト泥水は有効利用されることなく、建設汚泥として産廃処理されている。この発明では、このベントナイト泥水に着目した。土壌層6を構成する建設残土に、適宜、このベントナイト泥水を添加することにより、建設残土を植栽に好適な土壌材料に変質させることが可能となり、しかも環境負荷の低減効果がある。この際、建設残土に対するモンモリロナイトの比率が40重量%を超えると、粘性が高すぎて施工性が低下するので、15〜25重量%とすることが好ましい。 【0019】 上記人工地層3において、植栽の育成のための水分は図3に示すように、循環使用することができる。すなわち、雨水10や散水管路11からの散水によって帯水層4に浸透した水のうち、余剰分を帯水層4を流路としてタンク13に回収し、貯水する。そして、必要時にポンプ14により管路11を通して散水できるようにする。その際、ポンプ14の駆動や貯水管理のために必要な電源15をソーラパネルや風力発電機などとし、太陽光や風力などの再利用可能なエネルギを動力として利用することにより、人工地層3の維持管理に関しても環境負荷の低減を図ることができる。 【0020】 この発明による人工地層は、特に屋上緑化のために案出されたものであるが、この発明は屋上緑化に限定されるものではない。すなわち、この発明でいう人工地盤には、そのままでは植栽が不可能な人工構造物全般が含まれる。 【0021】 【発明の効果】 以上のように、この発明によれば、複数の層で構成される人工地層において、各層を構成する材料をすべて再生材料とするので、環境負荷の低減に寄与することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施形態を示す断面図である。 【図2】ガラス発泡体を示す図である。 【図3】植栽に投与される水分の循環使用を示す図である。 【符号の説明】 1:人工地盤 2:防水シート 3:人工地層 4:帯水層 5:フィルタ層 6:土壌層 11:散水管路 13:貯水タンク 14:ポンプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】399058732 【氏名又は名称】工藤建設株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市青葉区新石川4丁目33番地10
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| 【出願日】 |
平成15年5月16日(2003.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104363 【弁理士】 【氏名又は名称】端山 博孝
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| 【公開番号】 |
特開2005−1(P2005−1A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月6日(2005.1.6) |
| 【出願番号】 |
特願2003−138202(P2003−138202) |
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