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【発明の名称】 脱穀装置の受網取付構造
【発明者】 【氏名】石井 真嗣
【住所又は居所】兵庫県養父郡八鹿町朝倉200 八鹿鉄工株式会社内

【氏名】上地 洋一
【住所又は居所】兵庫県養父郡八鹿町朝倉200 八鹿鉄工株式会社内

【要約】 【課題】脱穀装置の受網を支持するときやメンテナンスをするとき等において、受網の着脱を簡単に行えるようにする。

【解決手段】脱穀部42と選別部43とからなる脱穀装置40であって、扱胴50及び該扱胴50の下方の配設する受網58を収納する処理室の側板31L・31Rの内側に、扱胴50の軸心方向と平行にレール29を設け、該レール29に受網58の両側に設けたガイド体28を摺動自在に嵌合可能に構成し、該レール29にガイド体28を嵌合した状態におけるガイド体28上方位置のレール上部29bを、扱胴50の外周形状に合わせた形状とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部と選別部とからなる脱穀装置であって、
扱胴の下方の配設する受網を取り付ける処理室の側板の内側に、扱胴の軸心方向と平行にレールを設け、該レールに受網の両側に設けたガイド体を嵌合可能に構成したことを特徴とする脱穀装置の受網取付構造。
【請求項2】
前記レールにガイド体を嵌合した状態におけるガイド体上方位置のレール上部を、扱胴の外周形状に合わせた形状としたことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置の受網取付構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆や蕎麦などの穀稈を脱穀する脱穀装置の受網の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバイン等の脱穀装置は脱穀部と選別部とから構成されており、大豆や蕎麦などの刈取穀稈は脱穀部に設けられた扱胴等により搬送されながら脱粒される。そして、脱穀部にて処理された処理物は受網を漏下して脱穀部の下方に配設された選別部の揺動選別装置により選別されるものである。
【0003】
また、従来から脱穀装置における扱胴下方に配設される受網は、枝梗や藁屑等が付着したり、詰まったりし易く、また、摩耗も生じ易いため、着脱が容易にできる構成として、メンテナンス等が行い易いように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】実開平5−43827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構造では、受網の前後両側の円弧に合わせた形状のレールを機体フレームに設けて、受網を外すときには円弧状のレールに沿って摺動して引き出すようにしていたので、半円の円弧では抜き出すための空間を大きくする必要があり、また、操作を容易とするために受網を分割すると部品点数が多くなり、レールも円弧状に構成する必要があるため、コスト高となっていた。
また、フィードチェーンにより穀稈を搬送することなく、手作業で脱穀する大豆用の脱穀装置等の場合には、受網の両側を直接側板に固定するようにしていた。しかし、受網は円弧状に構成されるにもかかわらず、側板は平板で構成されているため、直接側板に固定すると歪みが生じたり、変形が発生したりしていた。また、扱胴と相似形に受網を固定することが難しく、扱胴の回転に沿った形状となっていないため、詰まりが発生したり、摩耗が発生したりしていた。また、受網は消耗品であるため、定期的に交換する必要があるが、前述のように、円弧状の受網と平板状の側板を固定するため、ボルト孔を合わせ難く、組み付けに多大な作業時間を要していたのである。
【0006】
そこで、本発明は受網に補強を兼ねるガイドを設け、側板には取付用のレールを配置して、容易に受網を着脱できるように構成しようとすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、脱穀部と選別部とからなる脱穀装置であって、
扱胴の下方の配設する受網を取り付ける処理室の側板の内側に、扱胴の軸心方向と平行にレールを設け、該レールに受網の両側に設けたガイド体を嵌合可能に構成したものである。
【0009】
請求項2においては、前記レールにガイド体を嵌合した状態におけるガイド体上方位置のレール上部を、扱胴の外周形状に合わせた形状としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、受網を交換するときやメンテナンスをするために、受網を処理室から着脱する際に、レールにガイド体を嵌合させ挿入するだけで、位置決めができ、摺動させることにより着脱できるので、着脱操作が簡単に行える。また、扱胴の軸心と平行に着脱できるので、受網を持ち上げる必要がなく、大きな力を必要とせず着脱操作ができる。
また、受網はガイド体により補強され、歪み難く変形も抑えられて、着脱時に変形して出し入れがし難くなるようなことがなく、取付・取外しの時間を短縮して、作業性を向上できる。
【0012】
請求項2においては、側板への固定部において凹凸がなく、引っかかったりすることがなく、詰まりが生じたり摩耗したりすることがなく耐久性を向上できる。また、レール上部は従来の受網の両側と略同じ形状となって、従来と略同じ性能を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の受網の取付構造を採用した脱穀機の前方斜視図、図2は脱穀装置の側断面図、図3は受網の分解した状態を示す斜視図、図4は受網を側板に取り付けた正面図、図5はレール部分の拡大正面図である。
まず、本発明の受網を取り付けた脱穀装置を有する自走式の脱穀機について説明する。
なお、便宜上、図1における矢印Aの方向を脱穀機39の前方として以下の説明を行う。
【0014】
図1、図2に示すように、脱穀機39はクローラ式走行装置41上に脱穀装置40を載置して自走式に構成され、機体前側に操縦部2を配置し、操向クラッチレバーや作業クラッチレバーや主クラッチレバー等を配置している。前記脱穀装置40の機体の一側面(右側)に投入口51が設けられ、稈置き台3を投入口51から側方へ延設している。背面(後面)には排出口52が設けられて、搬送コンベア49が斜め後上方へ延設されている。
【0015】
該脱穀装置40の内部は脱穀部42と選別部43とから構成されており、該脱穀部42は処理室内に機体の前後方向に扱胴50を軸架し、該扱胴50の側方が前記投入口51と面するように配設されている。該扱胴50の周囲には扱刃50aが植設されて、該扱胴50の回転により脱粒が行われるとともに、扱胴50下部周囲には後述する受網58が設けられて処理物のみ漏下するように構成されている。脱穀部42から漏下した穀粒や稈屑、排稈等の処理物は脱穀部42の下方に配置された選別部43で選別されるようにしている。
なお、前記扱刃50aが取付られる前後方向の範囲と、前記受網58が配置される前後方向の長さとは略一致させており、扱胴50は扱刃50aが取付られる後端及び受網58の後端よりも更に後方に延設されているものである。そして、揺動選別装置44の後端は扱胴50後端に略一致するか、又は、更に後方に延設されている。
【0016】
前記選別部43においては、揺動選別装置44による揺動選別と唐箕46による風選別とが行われる。
前記揺動選別装置44は機体前後方向に揺動可能に配設され、その前部が扱胴50の下方に配置され、後部が排出口52近傍まで延設されている。該揺動選別装置44の前部には、穀粒を後方に搬送し易くなるように形成した前流穀板13が設けられ、該前流穀板13の後下方には第一選別部であるチャフシーブ14の前部が配設され、該チャフシーブ14の下方には後流穀板15が形成されている。そして、前記後流穀板15の後部には、第二選別部である漏下体16が連設され、該漏下体16の後方にはストローラック17が配設されている。なお、上記の記揺動選別装置44の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0017】
前記揺動選別装置44下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア47が横設され、該一番コンベア47の終端部には図示しない揚穀装置が連結されて、機体側方から選別後の穀粒を排出できるようにしている。そして、該一番コンベア47の後方に選別ベルト45が配設されている。
【0018】
該選別ベルト45は、前後両端部に設けたプーリ21・21にベルト22を環状に掛け渡して構成されており、前端部が一番コンベア47の後上方に配置されている。選別ベルト45の後端部は揺動選別装置44の後端部下方であって、セカンドファン48の選別風出口上方に配置され、該選別ベルト45が排出口52に向けて後上がりに傾斜した状態で配置されている。なお、選別ベルト45の傾斜角度を穀粒が自然落下する最低限度の角度として、選別部43の全高を低いものとしている。一番物となる穀粒は選別ベルト45上を転がって落ちて一番コンバイン47に収納され、未脱粒のものや稈屑、排稈等は後方に搬送されるのである。
【0019】
そして、前記揺動選別装置44前部の下方位置に唐箕46が設けられ、該唐箕46から漏下体16やチャフシーブ14、選別ベルト45に選別風が送風される。さらに、一番コンベア47後方の選別ベルト45の下方にセカンドファン48が配設され、該セカンドファン48から選別ベルト45後端下方と搬送コンベア49の前端上方の間に選別風が送風され、揺動選別装置44及び選別ベルト45後端から落下する未脱粒のものや稈屑、排稈等が混じった二番物を風選別できるようにしている。
【0020】
前記扱胴50の機体後部側は排出口52近傍まで延設されており、該扱胴50の終端部と排出口52との間に形成される空間部55における扱胴50外周面には羽根部材61が取り付けられている。該羽根部材61は複数配置してもよく、複数配置する場合には等角度ごとに扱胴50外周に配置される。
前記扱胴50終端部の下方には受網58が配置されておらず、また、該扱胴終端部における外周面には扱刃50aが取り付けられておらず、羽根部材61が取り付けられている。
【0021】
羽根部材61は鋼板等の板体を曲げ加工して形成され、ボルト等により扱胴50の外周面に取り付けられている。このように、扱胴50の終端部を排出口52近傍まで延設するとともに、受網58端部と排出口52の間に空間部55を形成し、該空間部55における扱胴外周に羽根部材61を取り付けたので、扱胴50の回転に伴い、排出口52付近の二番物(主に排稈)を羽根部材61に接触させて押し出し、また、羽根部材61の回転によって起こる風によって、排出口52から機外に排出するようにしている。
【0022】
次に、本発明の要部である受網58の構造について説明する。
図3、図4に示すように、前板24と後板25と左右の側板31L・31Rと天板30(図1)とにより脱穀部42及び選別部43の処理室を形成し、扱胴50の軸心を前後方向に配置して、該扱胴50の回転軸を前板24と後板25とにより回転自在に支持している。
【0023】
前記扱胴50の下方には、正面視略半円状の受網58が配置され、該受網58は金属板に多数の孔を開口したパンチングメタルまたは金網等により構成している。受網58は前端及び後端には略三日月状の固定板26・26が固設されて縁部を構成し、該固定板26・26により受網58の形状を円弧状に形成して補強するとともに、固定板26より外側(前方または後方)にボルトを突出して前板24及び選別部の後部に固定するようにしている。なお、図4に示すように、固定板26・26の間の受網58下面には適宜間隔をあけて円弧状の補強板27を固定板26と平行に左右方向に設けている。
【0024】
図3、図4、図5に示すように、受網58の左右両端にはガイド体28・28が受網58の前後長に合わせて固設されている。つまり、受網58の前後長とガイド体28の前後長を同じとしている。該ガイド体28は略コ字状に構成した表板28aと裏板28b互いに開放側を合わせて略四角柱状に構成したものであり、表板28aは扱胴50の外周の円弧に合わせた形状に構成している。裏板28bの側面には適宜間隔をあけてボルト孔が開口され、該ボルト孔の位置に合わせて裏板28bの内面側にナットが固設され、側板31の外側(左右両側)からボルトにより螺装固定できるようにしている。裏板28bの上面と下面、及び、表板28aの上面は前後水平方向に延設して、後述するレール29に沿って摺動できるようにしている。
【0025】
レール29は側板31L・31Rの内面側に受網58の取付位置に前後水平方向に固設されている。つまり、処理室内に対向して平行に配置されている。該レール29は鋼板等の板体を、下部29aはハット状に折り曲げ、上部29bは略三角形状に折り曲げ、下部29aと上部29bの間の上下中央部に凹状の嵌合部29cを前後方向に形成している。但し、レール29は押し出し形成等で構成することも可能である。
【0026】
前記下部29aと上部29bの間に構成した嵌合部29cの上下幅は、前記ガイド体28の上下高より若干大きくして、取付、取外しの時には、レール29に沿わせて受網58を前後方向に摺動できるようにしている。
【0027】
また、上部29bの三角形の斜面部分であって扱胴50と対向する面は、扱胴50の外周形状に合わせた円弧状に構成し、つまり、扱胴50外周と相似形に構成し、受網58及びガイド体28の表板28aと上部29aとを連続して円弧状に配置して、これらが略同一曲率半径の円弧となるように構成している。そして、上部29bの上端29dは平板状として側板31内面に密着させている。
【0028】
このように構成することによって、従来の受網はレール29の上端位置まで一体的に構成されていたので、円弧部分が長く大きな形状となっていたので、取付・取外しの際に扱いものとなっていた。本発明の受網58はレール29の上部29aの長さだけ短く構成しているので、円弧の両側が短くなって扱い易くなるとともに、短くしたレール部分は従来の受網の上部と同じ形状となるため、脱穀性能を従来と略同じに維持することができる。
【0029】
また、ガイド体28と固定板26と補強板27により受網58を扱胴50の形状に合わせた湾曲した形状に形成することができ、受網58を処理室に取り付ける際には、形状が変形することがないのである。そして、後方よりガイド体28をレール29の嵌合部29cに挿入することにより受網58の位置を容易に決めることができ、受網58はレール29に沿って摺動させることにより、持ち上げながらセットするような大きな力を必要とせず、所定位置に嵌合させて取り付けることができる。そして、側板31L・31Rに開口したボルト孔とガイド体28に設けたボルト孔を一致させてボルトにより固定して、受網58を側板31L・31Rに取り付けることができる。取り外す場合には、逆に、ボルトを外して、後方へ引き出すだけで、受網58を取り出すことができるのである。
【0030】
こうして、受網58はガイド体28により補強されて、歪み難く、変形もし難くなり、受網58を処理室に着脱する際に、出し入れを楽に行うことができ、取付・取外しの際にも、位置決めを容易に行うことができて、作業時間を短縮することができたのである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の受網の取付構造を採用した脱穀機の前方斜視図。
【図2】脱穀装置の側断面図。
【図3】受網の分解した状態を示す斜視図。
【図4】受網を側板に取り付けた正面図。
【図5】レール部分の拡大正面図。
【符号の説明】
【0032】
28 ガイド体
29 レール
29b レール上部
31L・31R 側板
40 脱穀装置
42 脱穀部
43 選別部
50 扱胴
58 受網
【出願人】 【識別番号】391025914
【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社
【住所又は居所】兵庫県養父市八鹿町朝倉200
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2005−270060(P2005−270060A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−91967(P2004−91967)