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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】上窪 啓太
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】重量センサにより測定された穀物タンク重量に基づいて、穀物タンクの穫物重量を正確に算出する。

【解決手段】収穫穀物を貯溜する穀物タンクと、該穀物タンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置とを備えるコンバインにおいて、穀物タンク重量を測定する重量センサ32を設け、穀物排出装置による穀物の排出直前と排出直後とに、重量センサ32によって穀物タンク重量を検出し、該重量センサ32の測定値に基づいて穀物重量を算出するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫穀物を貯溜する穀物タンクと、該穀物タンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置とを備えるコンバインにおいて、穀物タンク重量を測定する重量センサを設け、穀物排出コンベアによる穀物の排出直前と排出直後とに、重量センサによって穀物タンク重量を検出し、該重量センサの測定値に基づいて穀物重量を算出するように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記重量センサよる穀物タンク重量の測定時期を、前記穀物排出装置への駆動力の伝達及び遮断を行うクラッチの入切時としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記重量センサよる穀物タンク重量の測定時期を、前記穀物排出装置の旋回開始直前及び旋回終了直後としたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記重量センサの測定値に基づいて算出された穀物重量を、記録紙に印刷可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記重量センサの測定値に基づいて算出された穀物重量を、表示装置に表示可能、または記憶手段に記憶可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの技術に関する。より詳しくは、穀粒タンク内に貯溜された穀物の重量を測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、収穫穀物を貯溜する穀物タンクと、該穀物タンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出コンベアとを備えるコンバインにおいて、穀粒タンク内に貯溜された穀物の重量を測定する技術は公知となっている。このような技術では、穀物タンクの空状態を検出する零設定センサと、穀物排出装置のオンオフを検出する穀物排出センサと、穀物タンク重量を検出する重量センサとが備えられ、これらのセンサの測定値に基づいて、穀物重量が算出されるようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−229740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、零設定センサの検出結果に基づいて、空状態での穀物タンク重量を基準重量として重量センサにより測定するとともに、穀物排出装置による穀物の排出直前に穀物タンク重量を測定し、排出直前の穀物タンク重量から基準重量を差し引いて、穀粒重量を算出するようにしていた。この場合、正確な穀物重量を算出するために、基準重量に高精度が求められるが、基準重量の測定は機体の姿勢が安定しない収穫作業中などに自動で行われることから、測定誤差が生じやすくなっていた。したがって、基準重量に基づいて算出される穀物重量にも誤差が発生しやすくなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、収穫穀物を貯溜する穀物タンクと、該穀物タンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置とを備えるコンバインにおいて、穀物タンク重量を測定する重量センサを設け、穀物排出コンベアによる穀物の排出直前と排出直後とに、重量センサによって穀物タンク重量を検出し、該重量センサの測定値に基づいて穀物重量を算出するように構成したものである。
【0007】
請求項2においては、前記重量センサよる穀物タンク重量の測定時期を、前記穀物排出装置への駆動力の伝達及び遮断を行うクラッチの入切時としたものである。
【0008】
請求項3においては、前記重量センサよる穀物タンク重量の測定時期を、前記穀物排出装置の旋回開始直前及び旋回終了直後としたものである。
【0009】
請求項4においては、前記重量センサの測定値に基づいて算出された穀物重量を、記録紙に印刷可能としたものである。
【0010】
請求項5においては、前記重量センサの測定値に基づいて算出された穀物重量を、表示装置に表示可能、または記憶手段に記憶可能としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、収穫穀物を貯溜する穀物タンクと、該穀物タンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出コンベアとを備えるコンバインにおいて、内部に貯溜された穀物を含めた穀物タンク全体の重量を測定する重量センサを設けて、穀物タンク全体の重量を穀物排出コンベアによる穀物の排出前と排出後とに測定し、該重量センサによる測定値の差に基づいて穀物重量を算出したことによって、重量センサによる穀物タンク重量の測定が機体の姿勢が安定した状態となる穀物の排出作業時に行われるため、穀物タンク重量を高精度で測定できる。したがって、該重量センサの測定値により、正確な穀物重量を算出できる。また、排出直前の穀物タンク重量から排出直後の穀物タンク重量を差し引くことで、穀物タンクの穀物重量を算出できるので、穀物重量の算出に要する時間を抑制できる。
【0013】
請求項2においては、前記重量センサよる重量の測定時期を、前記穀物排出コンベアへの駆動力の伝達及び遮断を行うクラッチの入切時としたことによって、作業者の意志によって穀物タンク重量の測定を行うことになるので、穀物タンク重量の誤測定を避けることができる。
【0014】
請求項3においては、前記重量センサよる重量の測定時期を、前記穀物排出コンベアへの駆動力の伝達及び遮断を行うクラッチの入切時としたことによって、作業者の意志によって穀物タンク重量の測定を行うことができるので、穀物タンク重量の誤測定を避けることができる。
【0015】
請求項4においては、前記重量センサによる測定値の差に基づいて算出された穀物重量を、記録紙に印刷して出力可能としたことによって、収穫した穀物の重量の合計などを作業者が容易に認識できる。さらに、記録紙のデータに基づいて、一日当たりの収穫量や特定圃場の全収穫量などを容易に算出して、穀物重量データの保管又は利用などを行うことができる。
【0016】
請求項5においては、前記重量センサの測定値に基づいて算出された穀物重量を、表示装置に表示可能としたことによって、収穫した穀物の重量の合計などを作業者が容易に認識できる。また、穀物重量を記憶手段に記憶可能としたことによって、該穀物重量を任意の時点で出力して利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図、図2は本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図、図3は本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図、図4は発明の実施の一形態であるコンバインの正面図、図5は穀物タンクの側面図、図6はエンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図、図7は穀物排出装置の収納位置および作業位置とコンバインの機体との位置関係を示す平面図、図8は旋回指令手段を示す図、図9は制御手段を示すブロック図、図10は穀物重量算出制御フローチャート、図11は別実施例における穀物重量算出制御フローチャートである。
【0018】
まず、図1から図4を用いて本発明の一実施例に係るコンバイン201の全体構成について説明する。
クローラ式走行装置1上に機台2が載置され、該機台2前方に引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3において、穀稈は前方に突出した分草板4により分草されて、該分草板4の後方に立設された引起しケース5から突出されたタイン6により引き起され、該引起こしケース5の後方に配設された刈刃7にて株元側から刈り取られる。
【0019】
引起し・刈取部3の後方には扱胴や処理胴を備える脱穀部12が配置され、該引起し・刈取部3と脱穀部12との間に穀稈の搬送装置8が配設されている。さらに、該搬送装置8の後方であって、脱穀部12の側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記引起し・刈取部3で刈り取られた穀稈は搬送装置からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穀稈の穂先側が脱穀部12内に搬送されて、該脱穀部12にて穀稈の脱穀が行われる。
【0020】
そして、前記フィードチェーン9後端に排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベアなどを備えた排藁処理部19が配設されている。前記脱穀部12で脱穀された後の穀稈(排藁)は、フィードチェーン9から排藁チェーンに搬送されて、そのまま圃場に放出、あるいは排藁処理部19にて藁片に切断された後に拡散されながら放出される。
【0021】
また、前記脱穀部12下方には選別部17が配設され、該選別部17にて脱穀部12から流下した穀粒や藁屑などから穀粒が選別される。そして、穀粒や藁屑などのうち、選別後の穀粒が穀物タンク13に搬送され、藁屑などが機外に排出される。
【0022】
前記穀物タンク13は脱穀部12の側方に配設されており、該穀物タンク13の前方に運転室14が配設される一方、穀物タンク13後方及び上方に穀物排出装置15が配設されている。穀物排出装置15は縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとを備えており、該縦排出オーガ15aが穀物タンク13後方で機台2上に立設されている。そして、穀物タンク13は縦排出オーガ15aを中心にして側方へ回動可能に構成されるとともに、その後部に備えられた回動支点により上下方向に回動可能に構成されている。
【0023】
図5に示すように、前記穀物タンク13の前部下方には、穀物タンク13の重量を測定する測定装置30が配置されている。該測定装置30は、主に油圧シリンダであるタンク昇降シリンダ31と該タンク昇降シリンダ31と接触可能に配置された重量センサ32とで構成されている。
【0024】
タンク昇降シリンダ31は、穀物タンク13前部を機台2に対して昇降可能とするものであり、穀物タンク13の前下部に上下方向に伸縮可能に取り付けられている。一方、重量センサ32はロードセル型のセンサであり、タンク昇降シリンダ31に対向して、即ちタンク昇降シリンダ31のピストンロッドの延長線上に位置して、機台2上に固定されている。これにより、タンク昇降シリンダ31が伸長した場合には、該タンク昇降シリンダ31と重量センサ32とが接触し、穀物タンク13の前部が持ち上げられるようになっている。
【0025】
図9に示すように、前記タンク昇降シリンダ31は油圧制御バルブ33と接続され、該油圧制御バルブ33のソレノイドが後述する制御手段53に接続されている。こうして、制御手段53からの制御信号により油圧制御バルブ33が切り換えられて、タンク昇降シリンダ31の伸縮が制御されるように構成されている。さらに、該制御手段53には前記重量センサ32が接続され、該重量センサ32により検出された穀物タンク重量に関する信号(情報)が制御手段に送信されるようになっている。
【0026】
このように構成することにより、穀物タンク重量を測定するときのみ、タンク昇降シリンダ31が伸長して重量センサ32と接触し、穀物タンク13の前部が持ち上げられて、重量センサ32により穀物タンク重量が測定されることになる。なお、穀物タンク重量の測定時を除いては、タンク昇降シリンダ31は縮短して重量センサ32と接触しない状態となる。つまり、穀物タンク13が機台2に固定され、重量センサ32に荷重がかからないようになっている。
【0027】
さらに、図5に示すように、前記穀物タンク13の内側上部には、穀物水分を測定する水分センサ35が配置され、穀物タンク13内に貯溜された穀物の水分量を測定できるようになっている。水分センサ35は、図9に示すように、前記制御手段53と接続されており、該水分センサ35により検出された穀物水分に関する信号(情報)が制御手段53に送信されるようになっている。
【0028】
また、前記穀物タンク13の内側下部にスクリュー式の横送りコンベア16が前後方向に配設され、該横送りコンベア16の一端が穀物排出装置15に連設されている。こうして、穀物タンク13内の穀物横送りコンベア16によりは穀物タンク13から穀物排出装置15に搬送された後、縦排出オーガ15aを経て横排出オーガ15bの先端部から外部に排出されるようになっている。
【0029】
次に、図6を用いてエンジンから穀物タンク及び穀物排出装置への駆動力伝達経路について説明する。
エンジン101の前方出力軸101bには、クローラ式走行装置1を駆動するための走行用ミッションケース47の入力軸が連結され、クローラ式走行装置1に駆動力が伝達されるようになっている。一方、後方出力軸101aには、脱穀部12や選別部17へ駆動力を伝達するためのプーリ102・102・102と、穀物タンク13および穀物排出装置15へ駆動力を伝達するためのプーリ103とが嵌設されている。
【0030】
また、前記エンジン101の略後方で、穀物タンク13の下部前面に駆動ケース104が配設され、該駆動ケース104から駆動ケース入力軸105が機体前方へ突出されている。そして、駆動ケース入力軸105の前端にプーリ106が嵌設され、該プーリ106と前記後方出力軸101a後端に嵌設されたプーリ103とにVベルト107が巻回されて、エンジン101の駆動力の一部が駆動ケース104の入力軸105に伝達されるように構成されている。Vベルト107には、該Vベルト107のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ118が設けられ、該オーガクラッチ118により駆動力を駆動ケース104より下流側へ伝達又は遮断できるようになっている。
【0031】
前記駆動ケース104内には互いに噛合するギア108a・108bが収納されており、二つのギア108a・108bのうち、一方のギア108aは駆動ケース104に軸支された前記入力軸105の後端に外嵌固定され、他方のギア108bは横送りコンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸56に外嵌固定されている。
【0032】
横送りコンベア16の後端にはベベルギア109が嵌設され、該ベベルギア109に縦排出オーガ15a内のスクリュー式の縦送りコンベア110下端に嵌設されたベベルギア111が噛合されている。一方、縦送りコンベア110上端にはベベルギア112が嵌設され、該ベベルギア112にベベルギア113が噛合されている。そして、該ベベルギア113とベベルギア115とがチェーンやスプロケットを内設する中間ケース114に連動連結され、該ベベルギア115に横排出オーガ15b内のスクリュー式の横送りコンベア117の一端に嵌設されたベベルギア116が噛合されている。
【0033】
このように構成することにより、横送りコンベア16から穀物排出装置15の縦送りコンベア110と横送りコンベア117に駆動力が伝達される。つまり、穀物タンク13内の穀物は横送りコンベア16により後方に搬送され、穀物タンク13後方に位置する縦排出オーガ15aを経て、横排出オーガ15b先端から強制的に排出されることになる。
【0034】
次に、図2、図5、図6を用いて、穀物排出装置15の各部の構造とその操作手段について説明する。
【0035】
図5に示すように、穀物排出装置15において、横排出オーガ15bの根元側は縦排出オーガ15aの上端に上下回動可能に枢着されている。コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧制御バルブ139の切換により伸縮されるように構成されており、一端が縦排出オーガ15a側面より突設されたブラケット131に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ15b側面より突設されたブラケット132に回動可能に枢着されている。こうして、オーガ昇降シリンダ130を伸縮させることによって、横排出オーガ15bが上下方向に回動されるようになっている。なお、コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧式のシリンダであるが、その他の電気式または油圧式のモータでも良く、限定されない。
【0036】
前記縦排出オーガ15aの中途部にはギア133aが外嵌固定され、該ギア133aに旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134の回転軸134aに嵌設されたギア133bが噛合されている。こうして、該オーガ旋回モータ134を作動させることにより、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとが一体的に旋回されるようになっている。さらに、ギア133bと同軸にオーガ旋回角センサ135が設けられている。なお、コンバイン201における旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134は電気式のモータであるが、油圧式のモータでも、その他の油圧シリンダでも良く、限定されない。また、オーガ旋回角センサ135はレゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリーエンコーダなどであり、該オーガ旋回角センサ135により、横排出オーガ15bの旋回角度が検出される。
【0037】
また、横排出オーガ15bの先端に排出ケース136が設けられている。該排出ケース136内には、横送りコンベア117を軸支するためにボールベアリングなどからなる軸受け部が形成されている。排出ケース136の下面は開口されており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ137が取り付けられている。スリーブ137は可撓性の樹脂などで構成され、スリーブ137の下端が穀物排出口138とされている。これにより、排出ケース136の下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀物排出口138の直下近傍に集中して排出することができるようになっている。
【0038】
ここで、コンバイン201におけるオーガレストについて、図1、図2および図4を用いて説明する。
オーガレスト52は、穀物排出装置15を使用しないときに該穀物排出装置15の横排出オーガ15bを支持する部材である。以下では、穀物排出装置15の旋回方向に関して「収納位置にある」とは、基本的には平面視で横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態を指す。
【0039】
オーガレスト52は、レスト部52aと支柱部52bとで構成されている。レスト部52aは正面視略U字型に形成され、不使用時の横排出オーガ15bはオーガレスト52に載置固定される。該レスト部52aの上面(U字型に形成された内面)にはゴムや樹脂などの弾性部材が取り付けられ、走行中に横排出オーガ15bが載置されていても振動音が発生しないようになっている。
【0040】
支柱部52bは正面視で上半分がコンバインの左側方にやや屈曲した形状をした角パイプであり、その下端部が運転室14の筐体であるキャビンを支持するフレームに固設されている。また、支柱部52bの中途部と、前記キャビンを支持するフレームにおいて支柱部52bの下端部が固設された位置とは別の箇所との間には補強パイプ(図示せず)が固設され、オーガレスト52の強度の向上が図られている。
【0041】
次に、図7を用いて、コンバイン201における穀物排出装置15の横排出オーガ15bの収納位置および作業位置について説明する。
「収納位置」とは、走行中など穀物排出装置15を使用しない時に横排出オーガ15bが停止している位置である。コンバイン201においては、平面視で穀物排出装置15の横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態を指す。実際には、平面視で横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態からオーガ昇降シリンダ130が短縮して横排出オーガ15bが下方に回動し、横排出オーガ15bがオーガレスト52上に載置された状態である。
【0042】
「作業位置」とは、コンバイン201の穀物タンク13に貯溜された穀物をトラックの荷台に移載するなどのために穀物排出装置15を使用する時に横排出オーガ15bが停止している位置である。コンバイン201においては、平面視で横排出オーガ15bの先端部(排出ケース136)がコンバイン201の機体右側方に突出した「右側方作業位置」、横排出オーガ15bの先端部がコンバイン201の機体左側方に突出した「左側方作業位置」、横排出オーガ15bの先端部がコンバイン201の機体後方に突出した「後方作業位置」の計三箇所の作業位置が設定されている。
【0043】
なお、コンバイン201においては作業位置が三箇所設定されているが、一箇所でも、二箇所でも、四箇所以上でも設定可能であり作業位置の設定箇所の数は限定されない。また、作業位置の収納位置からの旋回角度についても、例えば右側方作業位置を右側方やや後方寄りとしたり、後方作業位置を後方やや右側方寄りとしたりしても良く、限定されない。
【0044】
以下では、穀物排出装置15に対する旋回指令手段150について、図8を用いて説明する。
旋回指令手段150は、旋回方向に沿って設定された収納位置及び旋回方向に沿って設定された複数の作業位置の間で穀物排出装置15の横排出オーガ15bを旋回させるための指令を発するものである。旋回指令手段150は片手で持って操作できる程度の大きさの略直方体形状を呈し、運転室14内に設けられた座席14aの側方のサイドコラムに配置されている。また、旋回指令手段150は有線で制御手段53に接続され、旋回指令手段150を座席14aの側方のサイドコラムから着脱可能に係止されている。
【0045】
なお、該旋回指令手段150と制御手段との送受信を有線ではなく無線にて行う構成としても良い。また、座席14aの側方のサイドコラムに限定せず、前方や後方等運転室14内の別の場所に旋回指令手段150を着脱可能に取り付けても良い。
【0046】
前記旋回指令手段150の操作面には、コンバイン201の平面視の形状を模した機体模式表示部が設けられている。また、該旋回指令手段の操作面には収納操作スイッチであるリターンスイッチ152と、旋回セット操作スイッチであるセットスイッチ153とが設けられている。
【0047】
これらのスイッチのうち、リターンスイッチ152は横排出オーガ15bを収納位置に近づける方向に自動旋回させる指令を発するためのスイッチであり、旋回指令手段150の操作面上において機体模式表示部151のコンバイン前部となる位置に配置されている。一方、セットスイッチ153は横排出オーガ15bを収納位置から遠ざかる方向(収納位置から作業位置に向かう方向)に自動旋回させる指令を発するためのスイッチであり、旋回指令手段150の操作面上において機体模式表示部151のコンバイン右側方部となる位置に配置されている。こうして、リターンスイッチ152又はセットスイッチ153を押したときに作業者が横排出オーガ15bの旋回方向を容易に認識できるようになっている。
【0048】
さらに、旋回指令手段150の操作面上にはオーガクラッチスイッチ155とともに、オーガ手動操作スイッチ156が設けられている。オーガクラッチスイッチ155は図5に示すオーガクラッチ118を入切するためのスイッチであり、該オーガクラッチ118の入切によりエンジン101からの駆動力を穀物排出装置15(縦排出オーガ15a内の縦送りコンベア110及び横排出オーガ15b内の横送りコンベア117)に伝達又は遮断可能に構成されている。
【0049】
一方、オーガ手動操作スイッチ156は、横排出オーガ15bを手動操作するためのスイッチであり、オーガ手動操作スイッチ156はオーガ上昇スイッチ156a、オーガ下降スイッチ156b、オーガ右旋回スイッチ156c、オーガ左旋回スイッチ156dの計四個のスイッチからなる。なお、オーガ手動操作スイッチ156において「手動操作」とは、スイッチを押している間だけ横排出オーガ15bが上昇、下降、右旋回または左旋回し、スイッチから手を離したときの位置で横排出オーガ15bが停止することを指す。
【0050】
また、旋回指令手段150の操作面上に点灯手段である表示ランプ154が一つ設けられ、複数の異なる発光色で発光可能、かつ異なる点滅周期で点滅可能となっている。なお、表示ランプ154はLED等で構成される。
【0051】
そして、図9に示すように、前記旋回指令手段150に設けられたリターンスイッチ152と、セットスイッチ153と、オーガ手動操作スイッチ156と、オーガクラッチスイッチ155と、表示ランプ154とがケーブル158により制御手段53に接続され、各スイッチの操作が行われたことを示す旋回指令手段150からの制御手段53への信号、および穀物排出装置15の状態(旋回中または停止中の区別、停止位置など)に関する制御手段53からの旋回指令手段150への信号が該ケーブル158を介して旋回指令手段150と制御手段53との間で送受信されるようになっている。
【0052】
このように、前記制御手段53には、横排出オーガ15bを収納位置に近づける方向に自動旋回させるリターンスイッチ152と、横排出オーガ15bを収納位置から遠ざかる方向(収納位置から作業位置に向かう方向)に自動旋回させるセットスイッチ153と、横排出オーガ15bを手動操作するためのオーガ手動操作スイッチ156と、オーガクラッチ118を入切するためのオーガクラッチスイッチ155とが接続されるとともに、横排出オーガ15bの機体に対する昇降角度を検出するオーガ昇降角センサ130aと、横排出オーガ15bの機体に対する旋回角度を検出するオーガ旋回角センサ135と、穀物タンク重量を測定する重量センサ32と、穀物タンク13内の穀物の水分を測定する水分センサ35と、これらの重量センサ32の検出動作を手動で行うための測定スイッチ36と、これらの重量センサ32と水分センサ35による検出結果を記録紙に印刷するための印刷スイッチ38と、穀物重量などを表示する表示装置42とが接続されている。
【0053】
さらに、制御手段53には、旋回指令手段150上の表示ランプ154と、オーガ昇降シリンダ130を作動させる油圧制御バルブ139と、オーガ旋回モータ134と、穀物排出装置15への駆動力の伝達又は遮断を行うオーガクラッチ118と、タンク昇降シリンダ31を作動させる油圧制御バルブ33と、印刷装置39とが接続されている。
【0054】
続いて、制御手段53について、図10を用いて説明する。
制御手段53は、旋回指令手段150からの指令に基づいてオートリターン作業(リターンスイッチ152を押して横排出オーガ15bを収納位置に自動旋回させる作業)やオートセット作業(セットスイッチ153を押して横排出オーガ15bを作業位置に自動旋回させる作業)などの横排出オーガ15bの自動旋回・上昇や、その他手動による横排出オーガ15bの旋回・上昇、横排出オーガ15bの駆動、穀物タンク重量の検出などを行うものであり、主に中央処理装置54や記憶部55などから構成されている。
【0055】
中央処理装置54は各種入力信号及び記憶部55に記憶された各種データを基にオートリターン及びオートセットに関する演算処理や穀物重量に関する演算処理を行い、各種出力信号を出力する。記憶部55は、記憶手段として横排出オーガ15bのオートセット及びオートリターンに関するデータや穀物タンク重量、穀物タンク重量に基づいて算出された穀物重量などの種々のデータを記憶する。
【0056】
中央処理装置54へ入力される信号(情報)としては、リターンスイッチ152が押されたことを示す信号、セットスイッチ153が押されたことを示す信号、オーガクラッチスイッチ155が押されたことを示す信号、オーガ手動操作スイッチ156を構成する四個のスイッチであるオーガ上昇スイッチ156a、オーガ下降スイッチ156b、オーガ右旋回スイッチ156c、オーガ左旋回スイッチ156dのいずれか一つ、またはオーガ上昇スイッチ156aとオーガ下降スイッチ156bのいずれか一方とオーガ右旋回スイッチ156cとオーガ左旋回スイッチ156dのいずれか一方との組み合わせが押されていることを示す信号、オーガ昇降角センサ130aからの機体に対する横排出オーガ15bの昇降角度(回動角度)に関する信号、オーガ旋回角センサ135からの機体に対する横排出オーガ15bの旋回角度に関する信号、重量センサ32からの穀物タンク重量に関する信号、水分センサ35からの穀物タンク13内の穀物水分に関する信号、測定スイッチ36が押されたことを示す信号、印刷スイッチ38が押されたことを示す信号などがある。
【0057】
一方、中央処理装置54aから出力される信号(情報)としては、オーガ昇降シリンダ130を作動させるための信号、オーガ旋回モータ134を作動させるための信号、オーガクラッチ118を作動させるための信号、表示ランプ154の発光色および点灯または点滅により穀物排出装置15の状態を示すための信号、タンク昇降シリンダ31を作動させるための信号、印刷装置39を作動させるための信号、表示装置42に表示させるための信号などがある。
【0058】
続いて、制御手段53を用いた自動旋回作業(オートリターン作業およびオートセット作業)及び穀粒の排出作業ついて、図8から図10を用いて説明する。
図8に示す如く、横排出オーガ15bの旋回位置としてコンバイン201の機体前方やや左寄りとなる方向に収納位置が設定される。また、機体右側方となる方向に右側方作業位置、機体後方となる方向には後方作業位置、機体左側方となる方向には左側方作業位置がそれぞれ設定される。そして、これら収納位置や右側方作業位置、後方作業位置、左側方作業位置に横排出オーガ15bが位置するときのオーガ旋回角センサ135の信号(電流値または電圧値)に関する情報が記憶部55に予め記憶されている。
【0059】
本実施例の自動旋回作業においては、リターンスイッチ152を押したときの横排出オーガ15bの旋回方向は平面視で左回り(反時計回り)である。また、セットスイッチ153を押したときの横排出オーガ15bの旋回方向は平面視で右回り(時計回り)である。
【0060】
図8に示す如く、収納位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時にオーガレスト52と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、収納位置から最も近い作業位置である右側方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0061】
次に、右側方作業位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時にコンバイン201の他の部材と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、旋回方向において右側方作業位置から最も近い作業位置である後方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0062】
続いて、後方作業位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時にコンバイン201の他の部材と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、旋回方向において後方作業位置から最も近い作業位置である左側方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0063】
収納位置で一回セットスイッチ153を押し、収納位置から右側方作業位置に向かって横排出オーガ15bが旋回している最中にさらにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは右側方作業位置で停止せずに旋回を続け、後方作業位置まで旋回後、停止する。
【0064】
また、収納位置で一回セットスイッチ153を押し、収納位置から右側方作業位置に向かって横排出オーガ15bが旋回している最中にセットスイッチ153を二回押すと、横排出オーガ15bは右側方作業位置および後方作業位置で停止せずに旋回を続け、左側方作業位置まで旋回後、停止する。
【0065】
さらに、収納位置でセットスイッチ153を最初に押してから、横排出オーガ15bが旋回中に、セットスイッチ153を押した回数が四回となったとき(すなわち、作業位置の数よりもセットスイッチ153を押した回数が一回多くなったとき)、横排出オーガ15bは旋回を中止する。そして、旋回を中止してからさらにセットスイッチ153を一回押すと、右側方作業位置に向かって旋回を始める(この場合、横排出オーガ15bが旋回を中止した位置が右側方作業位置よりも右旋回した位置のときは横排出オーガ15bは左旋回し、横排出オーガ15bが旋回を中止した位置が右側方作業位置よりも左旋回した位置のときは横排出オーガ15bは右旋回することとなる)。
【0066】
いずれかの作業位置に横排出オーガ15bが停止しているとき、または、セットスイッチ153を四回(作業位置の数よりも一回多い回数)押したことにより横排出オーガ15bが停止しているときにリターンスイッチ152を押すと、横排出オーガ15bは収納位置に向かって旋回し、収納位置にて停止する。また、横排出オーガ15bが旋回中にリターンスイッチ152を押した場合、その操作は受け付けられない。このように構成することにより、操作スイッチの誤操作を防止し、操作性を向上させることが可能である。
【0067】
以上のよう構成することにより、収穫した穀物を穀物タンク13からトラックの荷台などに移載する排出作業を行うときには、図10に示すように、セットスイッチ153が押されてONになると(S101)、オーガ昇降シリンダ130及びオーガ旋回モータ134が作動して、横排出オーガ15bが前述のごとくセットスイッチ153を押した回数に応じて作業位置に向かって旋回し、作業位置にて停止する(S102)。
【0068】
そして、オーガクラッチスイッチ155が押されてONになると(S103)、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンクが上昇し(S104)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサにより穀物タンク重量が測定される。測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力され、記憶部55に排出直前の穀物タンク重量が記憶される(S105)。
【0069】
一定時間経過すると(S106)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンクが下降する(S107)。そして、制御バルブ33が中立に戻ると、オーガクラッチ118が「入」となり、穀物タンク13の横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117とが駆動されて、排出作業が開始し(S108)、横排出オーガ15b先端の穀物排出口138から穀物が排出される。
【0070】
オーガクラッチスイッチ155が押されてOFFになると(S109)、オーガクラッチ118が「切」となり、横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117とが停止して、排出作業が終了する(S110)。
【0071】
その後、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンク13が上昇し(S111)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサ32により穀物タンク重量が測定される。そして、測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力されて、記憶部55に排出直後の穀物タンク重量が記憶され(S112)、排出直前の穀物タンク重量から排出直後の穀物タンク重量が差し引かれて穀物タンク13の穀物重量が算出される(S113)。さらに、一定時間経過すると(S114)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンクが下降する(S115)。なお、排出位置を変更するために、横排出オーガ15bを若干旋回させて、または昇降させて、再びオーガクラッチ118を作動させることがあり、この場合には、再度穀物重量を測定して前記穀物重量に加算する。
【0072】
そして、リターンスイッチ152が押されてOFFになると(S116)、オーガ旋回モータ134が作動して横排出オーガ15bが収納位置に向かって旋回し、収納位置にて停止する(S117)。続いて、オーガ昇降シリンダ130が作動して、横排出オーガ15bがオーガレスト52に戴置される。
【0073】
また、作業者が印刷スイッチ38を押すと(S118)、印刷装置39が作動して記憶部55に記憶された穀物重量が記録紙に印刷されて出力される(S119)。なお、記憶部55に記憶された穀物重量を積算して穀物重量の合計などを出力させることもできる。また、印刷スイッチ38を押した際に、記録紙に印刷される情報を運転席に配置された表示装置42に表示させることもできる。
【0074】
また、前述の実施例においては、重量センサ32よる穀物タンク重量の測定時期をオーガクラッチ118の入切時、つまりオーガクラッチスイッチを押したときとしているが、穀物排出装置15の旋回開始直前及び旋回停止直後、つまりセットスイッチ153及びリターンスイッチ152を押した時とすることもできる。
【0075】
この場合、図11に示すように、セットスイッチ153が押されてONすると(S201)、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンク13が上昇し(S202)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサ32により穀物タンク重量が測定される。そして、測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力され、記憶部55に排出直前の穀物タンク重量が記憶される(S203)。
【0076】
一定時間経過すると(S204)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンク13が下降し(S205)、制御バルブ33が中立に戻った後にオーガ昇降シリンダ130及びオーガ旋回モータ134が作動して、横排出オーガ15bが作業位置に向かって旋回し、作業位置にて停止する(S206)。
【0077】
続いて、オーガクラッチスイッチ155が押されてONになると(S207)、オーガクラッチ118が「入」となり、穀物タンク13の横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117が駆動されて、排出作業が開始し(S208)、横排出オーガ15b先端の穀物排出口138から穀物が排出される。
【0078】
オーガクラッチスイッチ155が押されてOFFとなると(S209)、オーガクラッチ118が「切」となり、横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117とが停止して、排出作業が終了する(S210)。
【0079】
次に、リターンスイッチ152が押されてONになると(S211)、オーガ旋回モータ134が作動して、横排出オーガ15bが収納位置に向かって旋回し、収納位置にて停止しする(S212)。続いて、オーガ昇降シリンダ130が作動して、横排出オーガ15bがオーガレスト52上に戴置される。
【0080】
そして、オーガ旋回角センサ135によって、横排出オーガ15bがオーガレスト52上に戴置されたことが検出されると、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンク13が上昇し(S213)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサ32により穀物タンク重量が測定される。測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力されて、記憶部55に排出直後の穀物タンク重量が記憶され(S214)、排出直前の穀物タンク重量から排出直後の穀物タンク重量が差し引かれて穀物タンク13の穀物重量が算出される(S215)。さらに、一定時間経過すると(S216)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンク13が下降する(S217)。
【0081】
また、作業者が印刷スイッチ38を押すと、印刷装置39が作動して記憶部55に記憶された穀物重量が記録紙に印刷されて出力される。なお、記憶部55に記憶された穀物重量を積算して穀物重量の合計などを記録紙に印刷して出力させることもできる。
【0082】
また、収穫作業中であっても、測定スイッチ36を押すことで、重量センサ32を作動させ、現在の穀物タンク重量を測定し、測定された現在の穀物タンク重量と記憶部に記憶された前回の排出直後の穀物タンク重量とに基づいて、現在の穀物重量を簡易的に算出することもできる。現在の穀物重量は、印刷装置39で記録紙に印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。また、得られた穀物重量を記憶部55に記憶しておき、収穫作業後などの任意の時点での穀物重量を印刷装置39で印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。
【0083】
以上のように、収穫穀物を貯溜する穀物タンク13と、該穀物タンク13内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置15とを備えるコンバイン201において、穀物タンク重量を測定する重量センサ32を設け、穀物排出装置15を用いて穀物タンク13内の穀物を排出する直前と直後とに、重量センサ32によって穀物タンク重量を検出し、該重量センサ32の測定値に基づいて穀物重量を算出するように構成したので、重量センサ32による穀物タンク重量の測定が機体の姿勢が安定した状態となる穀物の排出作業時に行われるため、穀物タンク重量を高精度で測定できる。したがって、該重量センサ32の測定値により、正確な穀物重量を算出できる。また、排出直前の穀物タンク重量から排出直後の穀物タンク重量を差し引くことで、穀物タンク13の穀物重量を算出できるので、穀物重量の算出に要する時間を抑制できる。
【0084】
特に、前記重量センサ32よる穀物タンク重量の測定時期を、前記穀物排出装置15への駆動力の伝達及び遮断を行うオーガクラッチ118の入切時、もしくは前記穀物排出装置15の旋回開始直前及び旋回終了直後としたので、重量センサ32による穀物タンク13重量の測定には、オーガクラッチ118を入切するためのオーガクラッチスイッチ155や横排出オーガ15bを自動旋回させるためのセットスイッチ及びリターンスイッチなどの各スイッチの操作が必要となる。つまり、作業者の意志に基づいて穀物タンク重量の測定を行うことになるので、誤測定を避けることができる。
【0085】
さらに、前記重量センサ32の測定値に基づいて算出された穀物重量を、印刷装置39により記録紙に印刷したり、表示装置に表示したりして出力可能としたので、収穫した穀物の重量の合計などを作業者が容易に認識できる。さらに、記録紙のデータに基づいて、一日当たりの収穫量や特定圃場の全収穫量などを容易に算出しでき、穀物重量データの保管又は利用などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図。
【図2】本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図。
【図3】本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図。
【図4】発明の実施の一形態であるコンバインの正面図。
【図5】穀物タンクの側面図。
【図6】エンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図。
【図7】穀物排出装置の収納位置および作業位置とコンバインの機体との位置関係を示す平面図。
【図8】旋回指令手段を示す図。
【図9】制御手段を示すブロック図。
【図10】穀物重量算出制御フローチャート。
【図11】別実施例における穀物重量算出制御フローチャート。
【符号の説明】
【0087】
13 穀物タンク
15 穀物排出装置
32 重量センサ
118 オーガクラッチ
201 コンバイン
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成16年3月12日(2004.3.12)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2005−253384(P2005−253384A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−70737(P2004−70737)