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【発明の名称】 コンバイン及びコンバイン用不要物貯留装置
【発明者】 【氏名】正野 潤一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】村田 茂樹
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】木村 桂一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】揺動選別部における風選別作用への影響を可及的に防止しつつ、排藁や排稈等の不要物を貯留可能なコンバインを提供する。

【解決手段】脱穀部及び揺動選別部から排出される排藁及び排稈を含む不要物を貯留する不要物貯留装置100を備える。該不要物貯留装置100は、コンバインに備えられるファンからの選別風によって移送される不要物を貯留可能なハウジング101であって、貯留不要物の外方への移動を防止し且つ前記選別風を外方へ逃す風抜き部102が設けられたハウジング101と、前記ハウジング101を、不要物を貯留する貯留状態と該不要物を排出する排出状態とに切り換え可能な開閉機構110とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部によって脱穀された被脱穀物を穀粒と不要物とに選別する揺動選別部と、前記脱穀部及び前記揺動選別部から排出される排藁及び排稈を含む不要物を貯留する不要物貯留装置とを備えたコンバインであって、
前記揺動選別部は、前記被脱穀物を穀粒と不要物とに揺動選別する揺動体と、該揺動体上で前記被脱穀物を穀粒と不要物とに風選別し且つ該不要物を移送する為の選別風を送出するファンと、該ファンからの選別風を前記揺動体へ案内し、その後、前記不要物貯留装置へと導く風路とを有し、
前記不要物貯留装置は、前記選別風によって移送される不要物を貯留可能なハウジングであって、貯留不要物の外方への移動を防止し且つ前記選別風を外方へ逃す風抜き部が設けられたハウジングと、
前記ハウジングを、不要物を貯留する貯留状態と該不要物を排出する排出状態とに切り換え可能な開閉機構とを有していることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記開閉機構は、前記ハウジングに貯留される不要物の量を検出する貯留量検出部材を有しており、該貯留量検出部材からの検出信号に基づき、前記ハウジングを貯留状態から排出状態へ移行させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記貯留量検出部材は、前記風抜き部の下端近傍に設けられた貯留高さ検出部材であることを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ハウジングは、車輌前後方向前端面に前記風路からの選別風を受け入れる受け入れ口を有し、且つ、車輌前後方向後端面に前記風抜き部を有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコンバイン。
【請求項5】
穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、揺動体及びファンを有し、該脱穀部によって脱穀された被脱穀物から穀粒を揺動選別及び風選別する揺動選別部とを備えたコンバインに適用される不要物貯留装置であって、
前記揺動体によって前記被脱穀物から分離され、且つ、前記ファンによる選別風によって搬送される不要物を受け入れるように装着可能なハウジングと、
前記ハウジングを、不要物を貯留する貯留状態と該不要物を排出する排出状態とに切り換え可能な開閉機構とを備え、
前記ハウジングは、前記要物の外方への移動を防止し且つ前記選別風を外方へ逃す風抜き部を有し、
前記開閉機構は、前記ハウジング内における不要物が前記風抜き部にかかると、該ハウジングを貯留状態から排出状態へ移行させるように開閉制御可能とされていることを特徴とする不要物貯留装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン及び該コンバインに装着可能な不要物貯留装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、一般的に、穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部によって脱穀した被脱穀物から穀粒を選別する揺動選別部と、前記脱穀部及び前記揺動選別部から排出される排稈や排藁等の不要物を小片化する排稈処理部とを備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
詳しくは、前記揺動選別部は、揺動体による揺動選別と、ファンからの風による風選別とによって、前記被脱穀物から穀粒を選別するようになっている。
そして、該揺動選別部によって被脱穀物から分離された排藁等の不要物は前記ファンからの風によって、前記排稈処理部を通って機体外方へ排出される。
即ち、前記ファンからの風は、前記揺動体上で被脱穀物を風選別する作用を奏すると共に、該揺動体によって被脱穀物から分離された排藁等の不要物及び前記排稈処理部によって小片化された排稈等の不要物を機体外方へ搬送する作用も奏するようになっている。
【0004】
前記特許文献に記載の従来のコンバインは、斯かる構成を備えることにより、不要物搬送手段を別途備えることなく、排藁や排稈等の不要物を機体外方へ排出できるという利点を有しているが、その一方、下記点において改善の余地がある。
【0005】
即ち、前記従来のコンバインは、排藁や排稈を含む不要物を常時排出するように構成されている。従って、コンバインから排出される不要物が、圃場の作業範囲略全域に亘って撒き散らかされることになり、焼却等の後処理に際し不要物を集約させなければならず、結果として、該後処理に手間がかかる。
この点に関し、不要物を収集するバックを機体に装着することも考えられるが、これによると、前記ファンからの風がバックによって画される密閉空間内に送られることになり、該バッグ内で生じる乱流が前記ファンによる風選別作用に悪影響を及ぼすことになる。
【特許文献1】特開2002−58324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、揺動選別部における風選別作用への影響を可及的に防止しつつ、排藁や排稈等の不要物を貯留可能な不要物貯留装置、及び、該不要物貯留装置を備えたコンバインの提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために、穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部によって脱穀された被脱穀物を穀粒と不要物とに選別する揺動選別部と、前記脱穀部及び前記揺動選別部から排出される排藁及び排稈を含む不要物を貯留する不要物貯留装置とを備えたコンバインを提供する。
前記揺動選別部は、前記被脱穀物を穀粒と不要物とに揺動選別する揺動体と、該揺動体上で前記被脱穀物を穀粒と不要物とに風選別し且つ該不要物を移送する為の選別風を送出するファンと、該ファンからの選別風を前記揺動体へ案内し、その後、前記不要物貯留装置へと導く風路とを有する。
前記不要物貯留装置は、前記選別風によって移送される不要物を貯留可能なハウジングであって、貯留不要物の外方への移動を防止し且つ前記選別風を外方へ逃す風抜き部が設けられたハウジングと、前記ハウジングを、不要物を貯留する貯留状態と該不要物を排出する排出状態とに切り換え可能な開閉機構とを有している。
【0008】
一態様においては、前記開閉機構は、前記ハウジングに貯留される不要物の量を検出する貯留量検出部材を有しており、該貯留量検出部材からの検出信号に基づき、前記ハウジングを貯留状態から排出状態へ移行させるように構成される。
好ましくは、前記貯留量検出部材は、前記風抜き部の下端近傍に設けられた貯留高さ検出部材とされる。
【0009】
前記種々の態様において、より好ましくは、前記ハウジングは、車輌前後方向前端面に前記風路からの選別風を受け入れる受け入れ口を有し、且つ、車輌前後方向後端面に前記風抜き部を有するものとされる。
【0010】
又、本発明は、穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、揺動体及びファンを有し、該脱穀部によって脱穀された被脱穀物から穀粒を揺動選別及び風選別する揺動選別部とを備えたコンバインに適用される不要物貯留装置を提供する。
該不要物貯留装置は、前記揺動体によって前記被脱穀物から分離され、且つ、前記ファンによる選別風によって搬送される不要物を受け入れるように装着可能なハウジングと、前記ハウジングを、不要物を貯留する貯留状態と該不要物を排出する排出状態とに切り換え可能な開閉機構とを備える。
前記ハウジングは、前記要物の外方への移動を防止し且つ前記選別風を外方へ逃す風抜き部を有している。
前記開閉機構は、前記ハウジング内における不要物が前記風抜き部にかかると、該ハウジングを貯留状態から排出状態へ移行させるように開閉制御可能とされている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、拝藁や排稈等の不要物を貯留するハウジングに、該不要物の外方への移動を防止し且つ選別風を外方へ逃す風抜き部を設けたので、該ハウジング内での乱流の発生を有効に防止できる。
従って、コンバインに備えられるファンから揺動体を経て不要物貯留装置へと流れる選別風の流れを確実に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係るコンバイン1の模式側面図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係るコンバインは、機体フレーム2と、該機体フレーム2の下方に配設された走行部3と、前記機体フレーム2の前部に昇降自在に配設された刈取部4と、該刈取部4によって刈り取られた穀稈を後流側へ搬送する搬送部5と、該搬送部5から送られてくる穀稈を脱穀処理する脱穀部6と、該脱穀部6による脱穀後の被処理物(穀粒と排藁等の不要物との混合物)から穀粒を選別する揺動選別部7と、前記脱穀部6及び前記揺動選別部7から排出される不要物を処理する排稈処理部8と、該排稈処理部8で処理された不要物を貯留可能な不要物貯留装置100とを備えている。
【0014】
さらに、前記コンバイン1は、前記機体フレーム2の前端部に配設された運転部9と、前記揺動選別部7によって選別された穀粒を貯留する穀粒貯留部10と、前記各構成部に対する動力源となる原動機部11とを備えている。
【0015】
以下、前記コンバイン1の各部の構造について説明する。
(走行部3)
前記走行部3は、機体フレーム2の下部に取り付けられた走行フレーム12と、該走行フレーム12に配設されたミッション13であって、入力部が前記原動機部11に作動連結されたミッション13と、該ミッション13の出力部に作動連結された駆動輪14と、前記走行フレーム12の後端部に回動自在に支持された遊動輪15と、前記駆動輪14及び遊動輪15の間に巻き回された履帯16とを備えている。なお、図中、符号17は、前記履帯16の内周に摺接された転動輪である。
【0016】
(刈取部4)
前記刈取部4は、前記搬送部5の先端部に連設されたプラットホーム18と、未刈り穀稈を掻き込むように、該プラットフォーム18に回動可能に支持された掻き込みリール19と、該掻き込みリール19によって掻き込まれた穀稈を刈り取るように、前記プラットホーム18の支持された刈刃装置20と、該刈刃装置20の後方に回動可能に支持された横送りオーガ21とを有している。なお、図中、符号22はディバイダー、符号23は伝動機構である。
【0017】
斯かる構成の刈取部4は、圃場に植立した穀稈を前記掻き込みリール19によって掻き込みながら前記刈刃装置20で該穀稈の根本部分を刈り取るようになっている。
そして、刈り取られた穀稈を前記横送りオーガ21で機体フレームの中央部に寄せ集めた後に、後方に配設された前記搬送部5へ受け渡すようになっている。
【0018】
(搬送部5)
前記搬送部5は、機体フレーム2の前端部に上下揺動自在に連結されたフィーダハウス24と、該フィーダハウス24の内部に配設された搬送コンベア25と、前記フィーダハウス24を昇降させるための油圧シリンダー27とを有している。
なお、本実施の形態においては、前記脱穀部6は、後述するように、回動軸が左右幅方向に沿った扱胴28,29を有している。
従って、該搬送部5は、前記構成に加えて、前記搬送コンベア25によって搬送された穀稈を後続する前記脱穀部6へ確実に受け渡すように、左右幅方向に沿った回動軸回り回動可能とされた搬送ビータ26を有している。
【0019】
(脱穀部6)
本実施の形態において、前記脱穀部6は、前記搬送部5の直後方位置に配設されている。
詳しくは、該脱穀部6は、図1に示すように、前記搬送部5から送られてくる穀稈が供給される扱室600と、該扱室600内に配設された第1扱胴28及び第2扱胴29と、該第1及び第2扱胴28,29の下方に配設された第1受網30及び第2受網31とを有している。
【0020】
前記扱室600は、前記第1扱胴28の上部外周面に概ね沿うように形成された第1上壁35と、前記第2扱胴29の上部外周面に概ね沿うように形成された第2上壁36と、前記第1上壁35及び第2上壁36の左右幅方向両端部から下方へ延びる一対の側壁と、脱穀された穀粒を下方へ導く下方開口とを有している。
即ち、該扱室600は、前記第1上壁35及び前記一対の側壁によって画される第1扱室600Aと、前記第2上壁36及び前記一対の側壁によって画される第2扱室600Bとを有しており、該第1扱室600A及び第2扱室600Bは、連通路37によって連通連結されている。
【0021】
前記第1及び第2扱胴28,29は、回動軸64の軸線が左右幅方向に沿った状態で、車輌前後に間隔を開けて配設されている。
詳しくは、前記第1扱胴28は、前記回動軸64と、該回動軸64に相対回転不能に支持された円筒状の胴本体65と、該胴本体65の外周面に設けられたスパイラー32及び扱歯34とを有している。
同様に、前記第2扱胴29は、前記回動軸64と、該回動軸64に相対回転不能に支持された円筒状の胴本体65と、該胴本体65の外周面に設けられたスパイラー33及び扱歯34とを有している。
なお、図示の形態においては、前記第1及び第2扱胴28,29は同一外径を有するものとし、該第2扱胴29での処理面積を大きくして、脱穀処理を円滑に行うことができるようにしている。
【0022】
前記第1受網30及び前記第2受網31は、それぞれ、前記第1扱胴28及び前記第2扱胴29における外周面のうち略下半分に沿うように形成されている。
【0023】
前記脱穀部6は、斯かる構成を備えることにより、前記搬送部5から送られてくる穀稈を、前記第1扱胴28の作用によって該第1扱胴28の回転軸方向一端部から他端部へ移動させながら脱穀処理した後、前記第2扱胴29の作用によって該第2扱胴29の回転軸方向他端部から一端部へ移動させながら脱穀処理を行うようになっている。
そして、前記第1及び第2扱胴28,29によって脱穀された穀粒と拝藁等の不要物とを含む脱穀物は前記第1及び第2受網30,31を通過して、下方に配設されている前記揺動選別部7へ移動し、且つ、脱穀処理後の排稈等の不要物は後方に配設されている前記排稈処理部8へ移動するようになっている。
なお、図中の矢印a及びbは、それぞれ、前記第1及び第2扱胴28,29の回転方向を示している。
【0024】
(揺動選別部7)
前記揺動選別部7は、前記第1及び第2扱胴28,29の下方において揺動可能に配設された揺動体41と、該揺動体41を揺動させる油圧ピストン等の揺動機構と、前記揺動体41に向けて風を送るファン42と、前記揺動体41から下方へ流下される穀粒を受け止める穀粒受樋44と、前記ファン42からの選別風を前記揺動体41へ案内し、その後、前記不要物貯留装置100へと導く風路43とを有している。
【0025】
前記揺動体41は、前記脱穀部6から供給される穀粒と拝藁等の不要物とを含む前記脱穀物を受け止めるフィードパン38と、該脱穀物を穀粒と拝藁等の不要物とに粗選別するチャフシーブ39と、該チャフシーブ39による粗選別の後に精選別するグレンシーブ40とを一体的に有している。
前記ファン42は、前記揺動体41上の前記脱穀物を風選別すると共に、該揺動体41によって穀粒から分離された拝藁等の不要物を後続する前記排稈処理部8へ移送するように構成されている。
即ち、前記風路43は、前記ファン42からの選別風を前記揺動体41へ案内する第1風路43aと、前記揺動体41上で風選別した後の該選別風を前記不要物貯留装置100へ案内する第2風路43bとを有しており、前記ファン42の送風口は該第1風路43a及び第2風路43bを介して、前記不要物貯留装置100へ流れ込むようになっている。
【0026】
斯かる構成の前記揺動選別部7は、以下のように作用する。
即ち、前記揺動機構によって前記揺動体41を揺動させることによって、フィードパン38で前記脱穀物を均平化して選別の効率化を図るとともに、比重選別を行う。
その後、揺動作用及び風作用によって、前記チャフシーブ39及び前記グレンシーブ40で、それぞれ、前記混合物が穀粒と排藁等の不要物とに粗選別及び精選別する。
このようにして選別された穀粒は前記穀粒受樋44に集められる。
他方、穀粒から分離除去された排藁等の不要物は、前記ファン42からの選別風によって風路43bを介して、後続する前記排稈処理部8及び前記不要物貯留装置100へ送られる。
【0027】
(排稈処理部8)
前記排稈処理部8は、前記脱穀部6及び前記揺動選別部7から送られてくる排稈や排藁等の不要物の通路を画するハウジング45と、前記不要物を破砕し得るように前記ハウジング45内に配設されたカッター47とを有している。
なお、本実施の形態においては、前記脱穀部6からの排稈等の不要物を確実に前記ハウジング45へ移送する為に、該排稈処理部8は、前記脱穀部6と前記ハウジング45との間に配設された搬送ビータ62をさらに有している。
前記搬送ビータ62は、左右幅方向に延びるビータ軸と、該ビータ軸に相対回転不能に支持されたビータドラムと、該ビータドラムの外周面に設けられた搬送刃とを有している。
【0028】
該排稈処理部8は、斯かる構成を備えることにより、前記脱穀部によって除去された排稈等の不要物を小片化し、且つ、該不要物を前記揺動選別部によって分離除去された排藁等の不十分物と共に前記ファン42からの風によって後続する不要物貯留装置100へ移送するようになっている。
【0029】
(運転部9)
前記運転部9は、機体フレーム2の前端部に配設された略矩形箱型状のキャビン48と、該キャビン48内の平面視中央後部よりに配設された座席49と、該座席49の前方位置に配設されたフロントコラム50と、該フロントコラム50の上端部に設けられたステアリングホイール51及び変速レバー52と、前記座席49の側方位置に配設されたサイドコラム53と、該サイドコラム53の上端部に設けられた各種の操作スイッチ54とを備えている。
【0030】
(穀粒貯留部10)
本実施の形態において、前記穀粒貯留部10は、前記運転部9の直後方位置であって、前記脱穀部6の直上方位置に配設されている。
前記穀粒貯留部10は、前記第1扱胴28及び第2扱胴29の直上方位置に配設されたグレンタンク58と、前記穀粒受樋44及び前記グレンタンク58の間に延びる揚穀コンベア59と、前記グレンタンク58に連結された排出オーガ60とを有している。
【0031】
該穀粒貯留部10は、斯かる構成を備えることにより、前記揺動選別部7によって選別された穀粒を前記グレンタンク58内に貯留するとともに、前記排出オーガ60によって機体の外部に排出し得るようになっている。
【0032】
(原動機部11)
本実施の形態において、前記原動機部11は、前記揺動選別部7の後方部位及び前記排稈処理部8の上方位置に配設されている。
前記原動機部11は、機体の後部に配設されたエンジン61と、該エンジン61を刈刃装置20やミッション13等の各動力機構部に作動連結する伝動機構(図示省略)とを有しており、前記運転部に備えられた操作手段の操作に応じて、前記エンジン61及び該エンジンによって駆動される前記各動力機構部を起動操作し得るようになっている。
【0033】
(不要物貯留装置100)
前記不要物貯留装置100は、前記排稈処理部8によって小片化された排稈等の不要物と前記揺動選別部7によって選別除去された拝藁等の不要物とを貯留すると共に、該不要物を機体外方へ排出し得るように構成されている。
【0034】
図2に、前記不要物貯留装置100の模式図を示す。
図2に示すように、前記不要物貯留装置100は、前記排稈処理部8の排出口8aを介して前記第2風路43bに連通連結された貯留ハウジング101と、該貯留ハウジング101を貯留状態及び排出状態に切り換え可能な開閉機構110とを有している。
【0035】
前記貯留ハウジング101は、貯留不要物を排出可能な開口(本実施の形態においては、下方開口101a)を有している。
【0036】
前記貯留ハウジング101は、前記ファン42からの選別風によって移送される不要物は該ハウジング101内に保留しつつ、選別風のみを外方へ逃す為の風抜き部102を有している。
具体的には、該風抜き部102は、パンチメタル又はメッシュ等の多孔体とされる。
なお、該多孔体における開口径(孔径)は、貯留する不要物の大きさに依存して、適宜設定される。例えば、前記排稈処理部8が排稈の全体を小片化する全稈型とされている場合には開口径は小径とされ、該排稈処理部8が排稈の一部を小片化する半稈型とされている場合や排稈処理部8を有さない態様においては開口径は比較的大径とされる。
【0037】
好ましくは、前記風抜き部102は、前記貯留ハウジング101の上方位置に設けられる。
斯かる構成を備えることにより、前記貯留ハウジング101内に貯留される不要物によって前記風抜き部102が覆われることを有効に防止できる。
【0038】
このように、本実施の形態に係るコンバイン1においては、前記ファン42から送られてくる選別風の経路上に位置する前記貯留ハウジングに、不要物の通過を防止しつつ、該選別風の通過を許容する前記風抜き部102を設けている。
従って、前記選別風を前記風路43a,43b内において円滑に流すことができ、これにより、該選別風による風選別作用及び不要物移送作用を効率的に行うことができる。
【0039】
即ち、前記ファン42からの選別風によって、風選別作用及び不要物移送作用を効率的に行う為には、該選別風が前記揺動選別部7を通過して、その後、不要物貯留装置100へとスムースに「風の流れ」を形成することが重要である。
この点に関し、本実施の形態に係るコンバイン1は、従来のコンバインと同様、前記風路43a,43bによって、斯かる「風の流れ」の形成を図っている。
ところで、仮に、不要物貯留装置が密閉タイプのハウジングを有する場合、前記選別風は密閉空間内に流れ込むことになり、該密閉型ハウジング内において乱流が生じる。斯かる乱流は、前記「風の流れ」に悪影響を与える。
【0040】
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記選別風の経路(「風の流れ」)上に位置する前記貯留ハウジング101が前記風抜き部102を有するものとされている。
従って、前記貯留ハウジング101内における乱流の発生を有効に防止でき、これにより、前記選別風の「風の流れ」を有効に形成することができる。
【0041】
より好ましくは、前記貯留ハウジング101は、車輌前後方向前端面101bに前記風路に連通された受け入れ口103を有し、且つ、車輌前後方向後端面101cに前記風抜き部102を有するものとすることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記風抜き部102を前記選別風の経路上に確実に位置させることができ、該選別風の「風の流れ」をより確実に形成することができる。
【0042】
前記開閉機構110は、運転者による操作及び後述する制御信号に基づき、前記貯留ハウジング101の下方開口101aを開閉するように構成されている。
図示の形態においては、前記開閉機構110は、前記下方開口101aを閉塞及する閉塞位置(図2中の実線位置)と該下方開口101aを開放する開位置(図2中の二点鎖線位置)とをとり得るように前記貯留ハウジング101に揺動自在に連結された蓋部材111と、該蓋部材111を閉位置に保持する電磁ソレノイド等の切換部材112と、前記蓋部材111を開位置から閉位置へ移行させる油圧シリンダ等の作動部材113とを有している。
【0043】
なお、該開閉機構110は、前記下方開口101aを開閉し得る限り、種々の構成をとり得る。
例えば、前記切換部材112を不要として、前記作動部材113によって前記蓋部材111を閉位置に保持するように構成することも可能であるし、スプリング等の付勢部材によって前記蓋部材111を閉位置に保持することも可能である。
【0044】
なお、本実施の形態においては、前記蓋部材111の揺動支点Rを前記貯留ハウジング101の車輌前後方向前端部に設けたが、これに代えて、該蓋部材111の揺動支点Rを前記貯留ハウジング101の車輌前後方向後端部に設けることができ、これにより、該貯留ハウジング101から排出される不要物を集束させた状態で地上へ着座させることができる。
【0045】
即ち、揺動支点Rが貯留ハウジング101の前端部に設けられている場合には、前記蓋部材111の開動作に伴って不要物に掛かる重力の分力Gxは、コンバイン1の走行に伴って不要物に掛かる慣性力Faと同一方向を向くことになり、該貯留ハウジング101から排出された不要物は離散された状態で地上へ落下する(図3(a)参照)。
これに対し、前記蓋部材111の揺動支点Rを前記貯留ハウジング101の後端部に設けると、該蓋部材111の開動作によって掛かる重力の分力Gxを、前記慣性力Faとは反対側に向けることができる。
従って、貯留ハウジング101から排出される不要物を集束状態で着座させることができ、後続する焼却等の後処理の効率化を図ることができる(図3(b)参照)。
【0046】
本実施の形態において、前記開閉機構110は、さらに、貯留量検出部材114を有しており、該貯留量検出部材114からの信号に基づき、前記貯留ハウジング101を貯留状態から排出状態へ移行させるように構成されている。
【0047】
詳しくは、前記貯留量検出部材114は、前記貯留ハウジング101内に貯留される不要物の上端位置が前記風抜き部102に到達しているか否かを検出するように構成されている。
該貯留物量検出部材114としては種々のセンサを採用できる。
本実施の形態においては、前記貯留物量検出部材114として、前記風抜き部102の下端近傍に設けられた圧力スイッチを採用している。
これに代えて、光スイッチを設けることも可能であるし、例えば、重量センサやトルクセンサを用い、これらの検出値から貯留不要物の上端位置を算出することも可能である。
【0048】
又、コンバイン1が、前記扱胴28,29によって搬送される穀物以外の不要物量を検出するMOGセンサを備えている場合には、該MOGセンサからの信号に基づき貯留不要物の上端位置を算出するように構成し得る。
斯かる構成によれば、前記不要物貯留装置100に貯留量検出部材を別途設ける必要をなくすることができる。
【0049】
斯かる構成を備えた本実施の形態においては、貯留不要物によって前記風抜き部102が覆われることを有効に防止できる。
従って、前記選別風の「風の流れ」を有効に形成でき、風選別作用及び不要物移送作用を確実に得ることができる。
なお、当然ながら、前記開閉機構110は、前記貯留物量検出部材114からの信号に基づく開閉に加えて、運転者による手動操作に基づいても、開閉可能とされ得る。
【0050】
又、本実施の形態においては、前記脱穀部6から排出される排稈等の不要物を小片化する排稈処理部8を備えたコンバイン1を例に説明したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
即ち、刈り取った穀稈から穀粒を分離した後の不要物を貯留し且つ排出し得る不要物貯留装置を備える限り、種々の変形が可能である。例えば、前記排稈処理部8を有さないように構成することも可能である。
【0051】
さらに、本実施の形態においては、脱穀部6が、左右幅方向に沿った回転軸を有する扱胴を備えている場合を例に説明したが、該扱胴に代えて、車輌長手方向に沿った回転軸を有する扱胴28’を備えることも可能である。
即ち、図4に示すように、前記扱胴を有するコンバイン1’に前記不要物貯留装置100を適用することもできる。
なお、図4において、前記コンバイン1におけると同一又は相当部材には同一符号又は同一符号にダッシュ(’)を付している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るコンバインの模式側面図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインにおける不要物貯留装置の模式図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、図1に示すコンバインから排出される不要物の地面への着座状態を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施の形態に係るコンバインの模式側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1,1’ コンバイン
4 刈取部
6 脱穀部
7 揺動選別部
41 揺動体
42 ファン
43 風路
100 不要物貯留装置
101 ハウジング
101b ハウジング前端面
101c ハウジング後端面
102 風抜き部
103 受け入れ口
110 開閉機構
114 貯留量検出部材
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成16年3月10日(2004.3.10)
【代理人】 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人

【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄

【識別番号】100114410
【弁理士】
【氏名又は名称】大中 実

【公開番号】 特開2005−253326(P2005−253326A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−66663(P2004−66663)