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【発明の名称】 穀粒排出装置
【発明者】 【氏名】土居 義典
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】誤動作が生じない遠隔操作手段を備えたコンバインや穀粒専用運搬車などの穀粒搬送装置を提供すること。

【解決手段】排穀オーガ5を遠隔操作により作動制御が可能な遠隔操作盤44を設け、該遠隔操作盤44には排穀オーガ5の作動順に従って上側から順に、排穀オーガ5を上下方向及び左右方向に移動させるスイッチ群45a〜45dを設け、その下側に排穀オーガ5を伸縮させるスイッチ群45e、45fを配置し、その下側に穀粒排出入/切スイッチ45gと排穀オーガ収納スイッチ45hとを配置し、さらに上方コーナ部に電池の残量確認用の表示手段45iを配置したの穀粒排出用の排穀オーガ5を備えた穀粒排出装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒排出用の排穀オーガ5を備えた穀粒排出装置において、
排穀オーガ5を遠隔操作により作動制御が可能な遠隔操作盤44を設け、
該遠隔操作盤44には、その上側に排穀オーガ5を穀粒排出装置を備えた機体の進行方向に向って上下方向及び左右方向に移動させるスイッチ群45a〜45dを設け、その下側に排穀オーガ5を伸縮させるスイッチ群45e、45fを配置したことを特徴とする穀粒排出装置。
【請求項2】
排穀オーガ5を伸縮させるスイッチ群45e、45fの下側に排穀オーガ5から穀粒を排出する動作の入り切りを行う排出入/切スイッチ45gと排穀オーガ5を収納位置に収納させる収納スイッチ45hを配置したことを特徴とする請求項1記載の穀粒排出装置。
【請求項3】
遠隔操作盤44のコーナ部に遠隔操作盤作動用電池の残量確認用の表示手段45iを配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の穀粒排出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場で穀類の収穫作業を行うコンバインの穀粒排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、走行クローラを有する走行装置と走行フレームの前方側に植立穀稈を分草した後、植立穀稈を引き起こし、植立穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する供給搬送装置と、穀稈を脱穀、選別する脱穀装置と、脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンクと、グレンタンク内の穀粒をコンバインの外部に排出する穀粒排出装置等を備えている。
【0003】
従来のコンバインの穀粒排出装置を用いてグレンタンク内の穀粒をトラックなどへ排出する制御を遠隔操作手段の操作で行うことができるものが知られている。
【特許文献1】特開平6−90611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記遠隔操作では、コンバインから離れた位置に遠隔操作手段の穀粒排出用スイッチ、該穀粒の排出停止用のスイッチ、排殻オーガの上下動及びコンバインの進行方向に向って左右方向への移動など多くのスイッチが設けられており、いずれかのスイッチをオンすることで、穀粒の排出制御ができる構成になっている。
しかし、前記遠隔操作手段のスイッチの数が多く、オペレータが操作し易いものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、操作性の優れた遠隔操作手段を備えたコンバインや穀粒専用運搬車などの穀粒搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、穀粒排出用の排穀オーガ5を備えた穀粒排出装置において、排穀オーガ5を遠隔操作により作動制御が可能な遠隔操作盤44を設け、該遠隔操作盤44には、その上側に排穀オーガ5を上下方向及び左右方向に移動させるスイッチ群45a〜45dを設け、その下側に排穀オーガ5を伸縮させるスイッチ群45e、45fを配置した穀粒排出装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、排穀オーガ5を伸縮させるスイッチ群45e、45fの下側に排穀オーガ5から穀粒を排出する動作の入り切りを行う排出入/切スイッチ45gと排穀オーガ5を収納位置に収納させる収納スイッチ45hを配置した請求項1記載の穀粒排出装置である。
【0008】
請求項3記載の発明は、遠隔操作盤44の上側のコーナ部に遠隔操作盤作動用電池の残量確認用の表示手段45iを配置した請求項1又は2記載の穀粒排出装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、遠隔操作盤44には排穀オーガ5の作動順に従って上側から順にスイッチ群45a〜45dが配置されているので、遠隔操作盤44の操作性が良い。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、スイッチ群45a〜45dの次の操作される穀粒の排出入/切スイッチ45gと排穀オーガ収納用の収納スイッチ45hがスイッチ群45a〜45dの下方に配置されているので、これらのスイッチ45g、45hの操作性も良い。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、遠隔操作盤作動用電池の残量確認用の表示手段45iが見えやすい位置にあるので、前記電池の消耗度合いを容易に確認しながら使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。
図1は本発明のコンバインの左側面図であり、図2はコンバインの右側面図であり、図3はコンバインの正面図であり、図4はコンバインの背面図である。図5はコンバインの排穀用のオーガ部分の構造を説明する図である。
なお、本明細書においては、コンバインの前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右と言うことにする。
【0013】
図1〜図5を参照して、コンバインの機能の概略を説明する。
コンバインは、クローラ1を有する車台2の上に操縦席40を設けて、該操縦席40においてオペレータが操縦、操作して圃場に植立する穀稈を刈り取る刈取装置34、この刈り取られた穀稈を供給搬送装置で搬送した後、これを脱穀する脱穀装置37、脱穀された穀粒を収容するグレンタンク3、このグレンタンク3の底部に設けた底部螺旋10(図5)によって後方へ排出される穀粒をコンバインの外部へ搬送する排穀オーガ5などから構成される。
【0014】
排穀オーガ5は、底部螺旋10の後端部に連接されて上方へ穀粒を搬送する揚穀筒4および揚穀筒4に連接され、横方向へ穀粒を搬送する固定搬送筒6、移動搬送筒7などからなる。移動搬送筒7の先端にはオーガ排出口9が設けられている。
【0015】
図1に示すコンバインは、車台2の下部にゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ1を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ1が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置を備え、車台2の前部には刈取装置34を搭載し、車台2の上部には図示しないエンジンならびにグレンタンク3、脱穀装置37、操縦席40を備えている。
【0016】
コンバインのグレンタンク3に貯留された穀粒は底部螺旋10から排出されるが底部螺旋10は、図5に示すように、グレンタンク3の底部に軸装して設け、始端側を機外の伝動軸11にクラッチ装置12を介して連結し、終端側を揚穀筒4の下部まで延長して、内装している揚穀螺旋13の下端部に接続して構成している。
【0017】
そして、排穀オーガ5(図5)は、前記揚穀筒4の上部に上下方向へ昇降自由に接続する固定搬送筒6と、これに接続する移動搬送筒7とから構成されているが、以下、その構成を具体的に説明する。
【0018】
まず、固定搬送筒6は、図5に示すように、基部を前記揚穀筒4の上部に連結し、先端部を外方に延長して設け、その筒内には、始端部を前記揚穀螺旋13に接続した搬送螺旋14を内装して、揚穀筒4から受け継いだ穀粒を搬送する構成としている。
【0019】
移動搬送筒7は、図5に示すように、先端部にオーガ排出口9を開口して設け、基部側を前記固定搬送筒6の先端側から挿入嵌合して摺動自由に転結している。また、伸縮螺旋15は図5に示すように移動搬送筒7内において、先端部をオーガ排出口9の上方位置に軸受して後部を固定搬送筒6側に延長して前記搬送螺旋14の軸内に摺動自由に挿入した伝動軸16を軸架して設け、この伝動軸16に多数の螺旋単体17(図6)を摺動自由に嵌合して相互の間隔を調節できるように構成している。
【0020】
また、図5に示すように、伸縮駆動装置23は揚穀筒4の上部位置に装備した伸縮用駆動モータ24に減速装置を介して螺旋軸25の基端部を連結して強制駆動する構成としている。そして、移動装置26は上記螺旋軸25の螺旋溝に係合している伝動ピンを介して、強制的に軸方向に移動するように設け、前記固定搬送筒6の基部側に一体的に連結して構成している。
【0021】
なお、伸縮駆動装置23は、図5に示すように、排穀オーガ5の最縮側と最伸張側とにそれぞれリミットセンサS1、S2を設け、前記移動装置26がリミットセンサS1またはリミットセンサS2に達すると伸縮用駆動モータ24を自動停止する構成としている。
また、移動搬送筒7の先端部の位置が種々変化し得るが、排穀オーガ5の先端部の位置はズームオーガの長さの中間位置でオーガ受け35に収納される場合が多い。
【0022】
なお、伸縮用駆動モータ24は、操縦席40の操作パネル(図示せず)に設けたスイッチ(伸縮スイッチ)のオン操作に基づいて、正転または逆転方向に駆動されて螺旋軸25を回転駆動する構成とし、螺旋軸25が正転すれば、係合している移動装置26を介して移動搬送筒7を伸張し、逆転すれば縮小方向に強制的に移動する構成としている。
【0023】
このようにして、移動搬送筒7は固定搬送筒6に嵌合した状態で固定搬送筒6に沿って伸び縮みして、先端部のオーガ排出口9の位置を、排穀オーガ5の基部の揚穀筒4に対して、遠ざけたり、近づけたり調節して穀粒の落下位置を選択できる構成としている。
【0024】
なお、図5において、昇降油圧シリンダ27は排穀オーガ5を昇降させ、オーガ旋回モータ28はその回転軸に設けられた旋回ギア29にかみ合う揚穀筒4の外周部に設けられた駆動ギヤ30を介して揚穀筒4の旋回を行う。
【0025】
そして、支持ローラ31は図5に示すように移動搬送筒7の基部位置の下部に軸架して設け、固定搬送筒6の周面を転動しながら支持する構成にしている。また、移動搬送筒7の基部位置の上部には、案内車輪32を設け、該案内車輪32を案内する案内レール(図示せず)を固定搬送筒6の長手方向に設けている構成である。
【0026】
前述のごとく構成されたコンバインを作業させながら前進させると、植立穀稈はコンバイン作業としては刈取装置34(図1)により刈り取られ、その後、脱穀装置37の始端部へと搬送され、フィードチェン38で搬送されながら脱穀選別される。脱穀装置37で脱穀選別された穀粒は、グレンタンク3内へ一時貯留され、該グレンタンク3内の穀粒が満杯になると、オーガ受け35(図5)から排穀オーガ5を離脱させて、該排穀オーガ5からトラック等の荷台へと穀粒を排出する。
【0027】
このとき、オーガ排出口9の位置が短い場合には、移動搬送筒7を伸ばして、より遠くへと穀粒を排出できるようにする。また、移動搬送筒7を伸縮させて、穀粒をトラック荷台へ均一に排出するようにする。このようにして、グレンタンク3内の穀粒を排出し終えると、排穀オーガ5を再びオーガ受け35へと収納する。
【0028】
図5に示す移動搬送筒7の伸縮螺旋15は合成樹脂製の複数の螺旋単体17からなっている。
図6には螺旋単体17の斜視図を示す。図7には螺旋単体17の別の角度から見た斜視図を示す。図8には、複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も離れた状態の伸縮螺旋15を構成する斜視図を示し、図9には複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も近づいた状態の伸縮螺旋15を構成する斜視図を示す。
【0029】
螺旋単体17は、図6、図7に示すように前記伝動軸16(図8)に摺動自由に嵌合する外周部が円筒状の軸受ボス18と、その外周面に支持固定され、軸受ボス18の外周をほぼ一周するスパイラル形状の螺旋体20と該螺旋体20を軸受ボス18に接続するためのスペーサ19とからなる。スペーサ19は軸受ボス18の両端部に接続され、かつ、その外周面のほぼ両端部に螺旋体20が接続固定されている。スペーサ19は軸受ボス18に螺旋体20を接続固定するための接続部分を構成し、また複数の螺旋単体17を連結しながら、かつ互いに離れたり、接近したりすることができる構成になっている。
【0030】
そのため、スペーサ19は螺旋体20と同じく軸受ボス18の外周をほぼ一周するようにスパイラル状になっており、図8に示すように、複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も離れた状態にある時には、互いに隣接するスペーサ19の肉厚部19a(図6)同士と係合可能になっている。また、軸受ボス18の長さAは図6に示すように、スペーサ19の長さBの約半分であり、またスペーサ19の内径を軸受ボス18の外径より若干大きくしているので、複数の螺旋単体17は図9に示すように螺旋体20が隣接の螺旋体20に最も接近したときには、隣接の軸受ボス18との間に間隔ができないように近接させることができる。このとき軸受ボス18の外周とスペーサ19の内周の間にある穀粒はスペーサ19に設けた孔19bから外部に逃がすことができる。
【0031】
図10、図11には、固定搬送筒6と移動搬送筒7の先端部の位置が種々変化することを示しているが、排穀オーガ5は圃場との配置関係で移動搬送筒7の先端部の位置は図10のオーガ中間状態の側面図に示すように、伸縮駆動装置23内の伸縮制御モータ24で回転する螺旋軸25の螺旋溝が移動搬送筒7の基部に取り付けられた移動装置26に係合することで、移動搬送筒7を伸縮移動させることで調整する。
【0032】
このとき、伸縮駆動装置23の基部と先端にそれぞれ取り付けられた各リミットスイッチS1、S2がスイッチ感知板を兼ねる移動装置26に接触すると伸縮制御モータ24が停止して、それぞれ図11(a)に示すオーガ最伸状態と図11(b)に示すオーガ最縮状態に移動搬送筒7が停止する。
【0033】
図12は、コンバインの操縦席40の側方に設けた操作パネル90のうちの排穀オーガ5の操作に関わる部分の斜視図である。図12に示す操作パネル90には、排穀クラッチ操作レバー(籾排出レバー)41、オーガ手動操作レバー42、排穀運転非常停止スイッチ111、自動張出スイッチ112、自動収納スイッチ113、手動伸張スイッチ118、手動縮小スイッチ119、張出設定ダイヤル140、およびズーム設定ダイヤル141などを配置している。
【0034】
排穀クラッチ操作レバー41は、図示しない操作ワイヤーで排穀クラッチ装置12(図5)に接続して排穀クラッチ装置12の断続操作を行い、籾(穀粒)の排出運転、停止を行うことができる構成であり、オーガ手動操作レバー42は、該レバー42を左右に傾倒すると手動右旋回スイッチ116または手動左旋回スイッチ117(共に図13)をオンして、排穀オーガ5を左右に旋回させ、レバー42を前後に傾倒すると手動上昇スイッチ114または手動下降スイッチ115(共に図13)をオンして、排穀オーガ5を上下に昇降させる構造である。
【0035】
また、図13は本発明の実施の形態の排穀オーガ5の制御にかかわる制御装置100の回路のブロック図を示す。制御装置100はCPU101を中心に、入力インターフェイス102を介して、排穀非常停止スイッチ111、自動張出スイッチ112、自動収納スイッチ113、手動上昇スイッチ114、手動下降スイッチ115、手動右旋回スイッチ116、手動左旋回スイッチ117、手動伸張スイッチ118、手動縮小スイッチ119、上昇リミットスイッチ120、下降リミットスイッチ121、右旋回リミットスイッチ122、左旋回リミットスイッチ123、旋回限界リミットスイッチ124、安全リミットスイッチ125、オーガ受けスイッチ126、縮小リミットスイッチS1、伸張リミットスイッチS2、中間リミットスイッチS3、先端操作パネルスイッチ136、張出設定ダイアル140、ズーム設定ダイアル141、ズーム自動張出し切替ダイアル156、昇降角度センサ150、旋回角度センサ151、ズーム長さセンサ152、から入力される。
【0036】
また、CPU101は、入力信号を演算処理した結果を出力インターフェース103を介して、排穀オーガ上昇リレー160、下降リレー161、右旋回リレー162、左旋回リレー163、ズーム伸張リレー166、ズーム縮小リレー167などを作動させる構成である。
【0037】
制御装置100による排穀オーガ5の作動は次のようになる。
まず、制御装置100による排穀オーガ5の自動操作について説明する。図12ないし図13に示すように、張出設定ダイヤル140により、排穀オーガ5の張出角度(旋回角度)を設定し、またズーム設定ダイヤル141により排穀オーガ5の伸張長さを設定する。設定終了後、自動張出スイッチ112をオンすると、CPU101に記憶された命令と、設定ダイヤル140および141の設定値にしたがって、排穀オーガ5が設定位置に自動的に移動する。
【0038】
すなわち、まず上昇リレー160を作動させ、排穀オーガ5をオーガ受け35から離脱させて上昇させる。次いで、張出設定ダイヤル140に設定された旋回角度まで、右旋回リレー162または左旋回リレー163を作動させて、旋回モータ28(図5)を駆動し、排穀オーガ5を旋回させる。
【0039】
旋回角度センサ151の出力信号により、排穀オーガ5が設定した旋回角度に到達したことを検知して旋回を終了する。この間、ズーム設定ダイヤル141に設定された伸張長さまで、伸張リレー166または縮小リレー167を作動させて伸縮制御モータ24を駆動し、排穀オーガ5をズーム伸張または縮小させる。ズーム長さセンサ152の出力信号により、排穀オーガ5が設定長さに到達したことを検知してズーム伸張または縮小を終了する。
【0040】
自動収納スイッチ113をオンすると、CPU101は予め記憶された収納位置と手順命令とに従って、排穀オーガ5をオーガ受け35の収納位置に自動的に移動して収納する。
【0041】
すなわち、排穀オーガ5が中間状態より短い長さ位置または中間状態より長い位置にあるとき、まず、上昇リレー160を作動させて昇降油圧シリンダ27を駆動し、排穀オーガ5を安全な高さまで上昇させる。
【0042】
次いで、オーガ受け35の上方まで、右旋回リレー162または左旋回リレー163を作動させて旋回モータ28を駆動し、排穀オーガ5を旋回させる。旋回角度センサ151の出力信号により、排穀オーガ5がオーガ受け35の上方に到達したことを検知して旋回を終了する。
【0043】
この間、ズーム伸張リレー166またはズーム縮小リレー167を作動させて、また伸縮制御モータ24を駆動し、排穀オーガ5を伸張または縮小させ、中間リミットスイッチS3の出力信号により、排穀オーガ5を中間状態の長さ(図10参照)に伸張または縮小させる。
【0044】
最後に、下降リレー161を作動させて昇降油圧シリンダ27を縮小し、排穀オーガ5をオーガ受け35に収納し、オーガ受け35内にあるオーガ受けスイッチ126の作動を検出して自動収納を終了する。
【0045】
つぎに、図12と図13を参照して、排穀オーガ5の手動操作について説明すると、オーガ手動操作レバー42を前後左右に傾倒して行う手動操作のうち、オーガ手動操作レバー42を後方に傾倒し、手動上昇スイッチ114をオンすると上昇リレー160が作動して、昇降油圧シリンダ27(図5参照)の伸張により排穀オーガ5が上昇し、手動上昇スイッチ114がオンの間、上昇リミットスイッチ120が作動するまで上昇を継続する。
【0046】
オーガ手動操作レバー42を前方に傾倒し、手動下降スイッチ115をオンすると下降リレー161が作動して、昇降油圧シリンダ27の縮小により排穀オーガ5が下降し、手動下降スイッチ115がオンの間、下降リミットスイッチ121が作動するまで、またはオーガ受けスイッチ126がオンするまで下降を継続する。
【0047】
オーガ手動操作レバー42を右に傾倒し、手動右旋回スイッチ116をオンすると右旋回リレー162が作動して、オーガ旋回モータ28(図5参照)の回転により揚穀筒4、したがって排穀オーガ5が右旋回し、手動右旋回スイッチ116がオンの間、右旋回リミットスイッチ122が作動するまで右旋回を継続する。
【0048】
オーガ手動操作レバー42を左に傾倒し、手動左旋回スイッチ117をオンすると左旋回リレー163が作動して、旋回モータ28の回転により揚穀筒4、したがって排穀オーガ5が左旋回し、手動左旋回スイッチ117がオンの間、左旋回リミットスイッチ123が作動するまで左旋回を継続する。
【0049】
手動伸張スイッチ118または手動縮小スイッチ119をオンするとオーガ伸張リレー166または縮小リレー167が作動して、伸縮制御モータ24の回転により排穀オーガ5が伸張または縮小し、手動伸張スイッチ118または手動縮小スイッチ119がオンの間、リミットスイッチS1またはS3が作動するまで排穀オーガ5の伸張または縮小を継続する。
【0050】
手動操作による排穀オーガ5の左右旋回作動、上下昇降作動および伸張縮小作動はそれぞれ単独に作動させることも、同時に作動させることもできる。
【0051】
手動旋回および手動伸張または自動張出による排穀オーガ5のオーガ排出口9の位置の設定終了後、排穀クラッチ操作レバー41(図12参照)を手動操作して、排穀クラッチが接続すると排穀運転が開始され、グレンタンク3内の穀粒の搬送が開始される。排穀クラッチ操作レバー41を反対方向に手動操作して、排穀クラッチ装置12の接続を切ると排穀運転が停止され、グレンタンク3内の穀粒の搬送が停止される。排穀運転の停止は排穀運転非常停止スイッチ111により行うこともできる。
【0052】
先端操作パネルスイッチ136は、排穀オーガ5の先端部付近に設けた先端操作パネル(図示せず)に設けたスイッチ類であり、オペレータは排穀オーガ5の先端部付近において、先端操作パネルスイッチ136を操作することにより、上述とほぼ同様に、排穀オーガ5の手動による上昇、下降、右旋回、左旋回、伸張、縮小、排穀運転非常停止、および自動収納の操作をすることができる。
【0053】
また、排穀オーガ5を収納支承するオーガ受け35に、排穀オーガ5のオーガ受け35への接近および着座を検出できるオーガ受けスイッチ126を設け、オーガ受けスイッチ126がオンであれば排穀オーガ5の伸縮作動を停止するように制御する構成とすることもできる。
【0054】
オーガ受けスイッチ126の構造は、接触式リミットスイッチ、近接スイッチなど、排穀オーガ5のオーガ受け35への接近および着座を検出できる構造のものであれば、いずれの形式のものでも差し支えない。
【0055】
また、本実施例では、排穀オーガ5を遠隔操作可能な構成とし、図14(a)の平面図と図14(b)の斜視図に示すリモコン送信装置44のスイッチ群のレイアウトを、上下、左右旋回、伸縮、排出入/切、収納の順にレイアウトしたことを特徴とする。
【0056】
すなわち、排穀オーガ5の上下移動用のスイッチ45a、45bと、左右移動用のスイッチ45c、45dと伸張スイッチ45eと縮小スイッチ45fを設け、さらに排出入/切スイッチ45gと収納スイッチ45h(これらをまとめてリモコン作動スイッチ45と言うことにする)をそれぞれ別々に設ける。なお排出入/切スイッチ45gは一度押しで排穀動作がなされ、二度押しで排穀排出を停止させるスイッチである。
【0057】
このように、排穀オーガ5の作業操作順にスイッチ群45a〜45hを配することで、リモコン送信装置44の操作性を向上させる。なおリモコン送信装置44の受信装置33のアンテナ22がグレンタンク3の後方上面に取りつけられている。
【0058】
また、リモコン送信装置44の左側上部に、バッテリ確認用の表示装置を設けておくと、電池によって作動するため電池切れにより作動しない場合がある。そこで、常時電池確認用表示器を点灯させておくとバッテリを消耗してしまうため無線を操作時にそれを表示させることが望ましい。本発明は、送信機の操作面左上、上部に表示器45iを設けることで、操作時に電池の残量を確認できるようにした。
また、表示器45iはリモコン送信装置44の左上のコーナー部に配置されるのでリモコン送信装置44を把持していても、指に隠れることがない。
また本実施例では、排出クラッチ装置12が入り状態の時、リモコン送信装置44の収納スイッチ47hを操作しても収納信号がコンバイン本機に送信されないような構成にした。すなわち図15に示すフローチャートで示した制御で行われ、穀粒の排出作業中に誤って収納スイッチ47hを押してしまい、穀粒を不用意に排穀オーガ5の排出口から外部に排出されることがないようにするためのものである。
【0059】
さらに、排出クラッチ装置12が入の状態の時、リモコン送信装置44の収納スイッチ45hを押すと、自動的に排出クラッチ装置12を切り状態に切り替えた後に、排穀オーガ5の収納信号を本機の制御装置100に送信するように構成した。この場合には図16に示すフローチャートで示した制御で行われ、排穀オーガ5からの穀粒排出作業中に誤って収納スイッチ45hを押してしまっても、排穀オーガ5からの穀粒排出作業が続行することなく、従って穀粒をばらまかれることを防止できる。
【0060】
また、排出クラッチ装置12が入の状態でコンバインのエンジンを停止させたとき、次回のエンジン始動時には、排出クラッチ装置12を切り状態である初期セット位置になるように構成してある(図15、図16のフローチャートの「初期セット」の次の「排出クラッチ切」のステップ参照)。
【0061】
このため、排穀オーガ5の排出口付近での穀粒の詰まり等によりエンジンが停止した場合に、その後エンジンを再始動させた時には排出クラッチ装置12が自動的に切りの状態になるのでエンジン負荷が低減され、またエンジンの始動も容易になり、また排穀オーガ5の排出口から不用意に穀粒が排出されることを防止することができる。
【0062】
図17に示すように、排穀オーガ5をコントロールできる複数台分のリモコン送信装置44を、コンバイン本機側の受信装置33のID記憶メモリ105に登録可能にしておき、この1台のリモコン送信装置44で複数のコンバインの排穀オーガ5を操縦できるようになる。
【0063】
また、図19に示すフローチャートのように、コンバインの電源投入時に所定の操作(「上→下→左→右→伸縮→収納の順に操作」など)を一定の基準に従ってリモコン送信装置44を操作すると、このときだけコンバインが作動する構成にしても良い。さらに前記操作に基づく電波信号をコンバイン本機が受信すると、送信装置登録モードに移行し、送信装置44のスイッチを所定の操作を行うと、受信装置側は、対応する送信装置44としてID登録が可能となるようにしても良い。
【0064】
これは穀粒の刈り取り等を行う貸借り業者の使用の便を考慮したものであり、図18に示すようにコンバインの穀粒を数台のトラック等で回収することがある。このため各トラックの運転者が各々リモコンを所持して1つのコンバインの制御を行う必要がある。
【0065】
また、複数台のコンバインを利用して穀粒の刈り取り等を行う貸借り業者もあり、この場合も各コンバイン毎に別々のリモコンを用いて制御を行う必要がある。このような場合には、図19に示すフローチャートのようにコンバイン本機側の受信装置側に複数台分のリモコン送信装置44のIDを記憶可能とし、複数のリモコンでコンバインを操作可能とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、圃場で穀類の収穫作業を行うコンバイン、穀粒搬送装置の穀粒排出装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態のコンバインの左側面図である。
【図2】図1のコンバインの右側面図である。
【図3】図1のコンバインの正面図である。
【図4】図1のコンバインの背面図である。
【図5】図1のコンバインの排穀用のオーガ部分の構造を説明する図である。
【図6】図1のコンバインの排穀オーガの螺旋単体の斜視図である。
【図7】図1のコンバインの排穀オーガの螺旋単体の別の角度から見た斜視図である。
【図8】図1のコンバインの排穀オーガの複数の螺旋単体が互いに最も離れた状態の伸縮螺旋を構成する斜視図である。
【図9】図1のコンバインの排穀オーガの複数の螺旋単体が互いに最も近づいた状態の伸縮螺旋を構成する斜視図である。
【図10】図1のコンバインのオーガ中間状態の側面図を示す。
【図11】図1のコンバインのオーガの最伸状態の側面図(図11(a))と最縮状態の側面図(図11(b))を示す。
【図12】コンバインの操縦席の側方に設けた操作パネルのうちの排穀オーガの操作に関わる部分の斜視図を示す。
【図13】本発明の実施の形態の排穀オーガの制御にかかわる制御装置の回路のブロック図を示す。
【図14】本発明の排穀オーガのリモコン送信装置44のスイッチ群の平面図(図14(a))と斜視図(図14(b))を示す
【図15】本発明の実施の形態の排穀オーガの制御フロー図を示す。
【図16】本発明の実施の形態の排穀オーガの制御フロー図を示す。
【図17】本発明の実施の形態のコンバインのリモコン送信装置と受信装置の構成略図である。
【図18】本発明の実施の形態のコンバインのリモコン操作の様子を説明する図である。
【図19】本発明の実施の形態の排穀オーガの制御フロー図を示す。
【符号の説明】
【0068】
1 クローラ 2 車台
3 グレンタンク 4 揚穀筒 5 オーガ 6 固定搬送筒
7 移動搬送筒 9 オーガ排出口
10 底部螺旋 11 伝動軸
12 クラッチ装置 13 揚穀螺旋
14 搬送螺旋 15 伸縮螺旋
16 伝動軸 17 螺旋単体
18 軸受ボス 19 スペーサ
19a スペーサ肉厚部 19b 孔
20 螺旋体 22 アンテナ
23 伸縮駆動装置 24 伸縮用駆動モータ
25 螺旋軸 26 移動装置
27 昇降油圧シリンダ 28 オーガ旋回モータ
29 旋回ギア 30 駆動ギア
31 支持ローラ 32 案内車輪
33 受信装置 34 刈取装置
35 オーガ受け 37 脱穀装置
38 フィードチェン 40 操縦席
41 排穀クラッチ操作レバー(籾排出レバー)
42 オーガ手動操作レバー 44 遠隔操作盤(リモコン)
45 リモコン作動スイッチ 45a、45b 上下移動用のスイッチ
45c、45d 左右移動用のスイッチ
45e 伸張スイッチ 45f 縮小スイッチ
45g 排出入/切スイッチ 45h 収納スイッチ
45i 表示器 90 操作パネル
100 制御装置 101 CPU
102 入力インターフェイス 103 出力インターフェース
105 ID記憶メモリ 111 排穀運転非常停止スイッチ
112 自動張出スイッチ 113 自動収納スイッチ
114 手動上昇スイッチ 115 手動下降スイッチ
116 手動右旋回スイッチ 117 手動左旋回スイッチ
118 手動伸張スイッチ 119 手動縮小スイッチ
120 上昇リミットスイッチ 121 下降リミットスイッチ
122 右旋回リミットスイッチ
123 左旋回リミットスイッチ
124 旋回限界リミットスイッチ
125 安全リミットスイッチ 126 オーガ受けスイッチ
136 先端操作パネルスイッチ
140 張出設定ダイヤル 141 ズーム設定ダイヤル
150 昇降角度センサ 151 旋回角度センサ
152 ズーム長さセンサ 156 ズーム自動張出し切替ダイヤル
160 排穀オーガ上昇リレー
161 下降リレー 162 右旋回リレー
163 左旋回リレー
166 ズーム伸張リレー
167 ズーム縮小リレー
S1 縮小リミットスイッチ S2 伸張リミットスイッチ
S3 中間リミットスイッチ
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年1月29日(2004.1.29)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義

【公開番号】 特開2005−210975(P2005−210975A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−22071(P2004−22071)