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【発明の名称】 脱穀機の二番処理装置
【発明者】 【氏名】佐村木 仁
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】小郷 浩行
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】乙倉 進
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】二番処理装置の搬送経路に処理部を装備すると、該処理部の供給側と排出側の受継ぎが連続して行えず、二番物を揚上させる搬送力が低下して搬送抵抗が高まって詰まりや損傷粒の発生を招くようになる。

【解決手段】処理部を下部ケース内に設置し、連設する上部ケースを該下部ケースよりも小径にした揚穀装置において、下部ケース1に開口する受継口2よりも上方の筒体L1内に処理部Aを設け、その供給側15に臨ませたコンベヤ5aの下手側端面と、排出側に臨ませたコンベヤ5bの上手側端面を該筒体L1内に入り込ませた受継ぎ構造にし、前記コンベヤ5aと小径コンベヤ6との間を円錐筒43で接続して、上下の搬送路8a、8bの通路幅Hが急激に変化することを防止した二番処理装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二番処理装置の揚穀経路に設けた処理部を下部ケース内に設置し、連設する上部ケースを該下部ケースよりも小径にして接続させた二番処理装置の揚穀装置において、下部ケース(1)に開口する受継口(2)よりも上方の筒体(L1)内に複数の処理歯(17)を植設した処理部(A)を設け、該処理部(A)の排出側(16)に臨ませたコンベヤ(5b)の上手側端面を前記筒体(L1)内に入り込ませたことを特徴とする脱穀機の二番処理装置。
【請求項2】
処理歯(17)と同径にしたコンベヤ(5a)の下手側端面を受継口(2)の上方よりも延設し、且つ筒体(L1)内に入り込ませたことを特徴とする請求項1に記載した脱穀機の二番処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機等に搭載される脱穀機の二番処理を行う搬送経路に処理部を設け、脱粒処理を行いながら選別部に二番物を還元する二番処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫機に搭載した脱穀部の二番物を二番コンベヤで収集し、終端に揚穀筒を接続させて機体外側から選別部に還元する搬送経路を構成し、その一部分を処理部にして切刃を対設するとともに、上方に連設した揚穀コンベヤよりも該処理部を内設した下部ケースの外径を大きくしたものがある(例えば特許文献1参照。)。又、二番処理装置の揚穀筒下部に大径の胴体を固定して螺旋コンベヤを巻回させ、その上部に連設した小径の胴体に処理歯を植設した処理部を形成し、該螺旋コンベヤを巻回した大径側のケース内に前記処理部の下端を侵入させた二番処理の構造が開示されている(例えば特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平06−245638号公報(第1、2頁、第3図)
【特許文献2】実開平06−57128号公報(第1、3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術である大径と小径の揚穀ケースを組合せた揚穀筒内に処理部を設けた構成において、前者の処理構造は大径のケース側に処理歯が内設され、その供給側に臨ませたコンベヤの下手側端面が受継口の上方付近に設定され、受継ぎを行う二番物が該受継口に流出して揚穀力が低下し易い構成になっている。一方の排出側は、下部ケースの上方が円錐状に変化する起点にコンベヤの上手側端面が接近した配置であって、搬送路の変化に伴う揚穀抵抗が高まる位置と同じ場所で受継ぐことから、損傷粒の発生や詰まりが生じ易くなる。又、後者は小径の揚穀筒内に処理歯が設置され処理歯先の周速度が低くなり、しかも、処理胴の下端が大径コンベヤを収設した下部ケース内に侵入する受継ぎ構造であって、処理歯の先端と下部ケースとの隙間が前記受継ぎ部で拡大し、搬送不良を招き二番物の一時停滞を生じる問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような不具合を改善するために、揚穀経路に設けた処理部を下部ケース内に設置し、連設する上部ケースを該下部ケースよりも小径にした二番処理装置の揚穀装置において、下部ケースに開口する受継口よりも上方の筒体内に複数の処理歯を植設した処理部を設け、該処理部の排出側に臨ませたコンベヤの上手側端面を前記筒体内に入り込ませた二番処理装置にし、コンベヤの外周隙間が一定に保持された筒体内で二番物を受継ぎ、前記処理部の排出が連続して行える揚穀経路にした。
【0006】
処理歯と同径にしたコンベヤの下手側端面を受継口よりも上方に延設し、且つ筒体内に入り込ませた二番処理装置にし、処理部の供給側から前記受継口に二番物を流出させないようにコンベヤと筒体を重合させる構成にした。
【発明の効果】
【0007】
揚穀筒13の下部ケース1を上部ケース3よりも大径にし、処理歯17を複数植設した処理部Aを該下部ケース1の筒体L1内に設け、その供給側15と排出側16に連設する大径のコンベヤ5aと、円錐状のコンベヤ5bをドラム46に巻回させ、双方の搬送端面が該筒体L1内に深く入り込んだ構成にするとともに
、両ケースの搬送幅Hが連続するように円錐通路10で接続させた揚穀筒13にしたので、前記筒体L1内で受継がれた二番物が該揚穀経路で停滞せずに連続した搬送になり、詰まりの発生や異状な搬送圧力の高まりが解消できた。このような本発明の構成は、前記処理部Aを通過する二番物の移動速度を安定させ、枝梗付着粒を除去する処理歯17の衝撃が均等に作用するようになって、損傷し易い作物や湿材等に対する適応性が向上し、しかも、還元先の選別部Bにおける穀粒選別がより促進されることから、処理量が増加する高能率の脱穀作業に適合できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
二番物の中でも混在する枝梗付着粒を分離することが処理部Aを設ける主な目的であって、その手段として処理歯17の衝撃を適度に枝梗粒に与える衝撃切断と、搬送中の該二番物を相互に干渉させる引張り切断を行う二つの分離手段がある。これに対して従来技術に見られるものは、揚穀筒13の搬送経路に処理部Aを装備したり、移送中の二番物に対し抵抗体を作用させて二番物の搬送密度を高める構成にしたものが知られているが、作物条件の変化に伴い筒内の搬送圧力が変動して詰まりや損傷粒の発生を招くようになる。本発明は、処理能力を維持したままこれらの障害を解消するものであって、揚穀筒13を形成する下部ケース1の筒体L1内に複数の処理歯17を植設した処理部Aを設け、供給側と連設するコンベヤ5aの下手側端面と、排出側と連設するコンベヤ5bの上手側端面を前記筒体L1内に深く入り込ませ、該処理部Aに供給する二番物と処理後の排出を連続して行える受継ぎ構造にするとともに、大径にしたコンベヤ5aの搬送路8aと小径コンベヤ5bで形成した搬送路8bを円錐通路10で接続させ、搬送幅Hが連続する該揚穀筒13の通路を構成し、搬送密度が揚穀筒13内で順次変化する二番処理装置にしたものである。
【実施例】
【0009】
図2は本発明の二番処理装置を装着した脱穀機の側面図であって、図3の要部を断面した脱穀機の正面図を併用して構造の概要を説明すると、機体の上方に形設した扱室20に回転自在の扱胴21を架設し、これに並行して穀稈を挟扼するフィードチェン22を設け、扱歯23の回転で脱粒した穀粒が受け網25から落下し、選別部Bと前記扱室20との間に装備した揺動選別体26で一旦受け止め
、揺動選別を行いながら後方の吸引ファン27に向けて移動させ、扱卸物から穀粒を分離する粗選別をチャフシーブ40等で行い、機体の前方下に配置した唐箕ファン28で起風した選別風を前記揺動選別体26に設けたグレンシーブ30に作用させ、良穀粒と塵埃を分離するとともに流穀板31が形成する一番回収域41に落下した良穀粒を一番コンベヤ32で移送し、接続する揚穀装置33によって機外に取り出す搬送経路にしたものである。
【0010】
前後方向に揺動する揺動選別体26によって分離する篩選別は、始端側から下手側に配置したチャフシーブ40で主に単粒を分離し、一番回収域41で集穀する経路と、一方の枝梗付着粒と少量の単粒が混在した二番物を後方の二番回収域42に落下させる経路に選別部Bを分別してあり、該選別部Bの前方下に設けた唐箕ファン28の選別風によって塵埃が矢印イ方向に吹き飛ばされ、機体の後方上に配設した吸引ファン27で機外に放出する選別風路にしたものである。尚、34は排藁チェン61で排出される穀稈を細断するカッターである。
【0011】
このように二番回収域42に落下した二番物は、二番コンベヤ36で機体の外側に移送され、前向きに傾倒する下部ケース1の受継ケース37内に流入し、点線矢印で示す方向に跳ね上げて直交するコンベヤ5aに受継がせ、揚穀筒13を上昇させながら処理作用を付与し、選別部Bの外側から矢印ロ方向の揺動選別体26上に二番物を放出する二番処理装置にし、この搬送経路の途中に本発明の処理部Aを装備したものである。
【0012】
二番処理装置の構造と受継ぎ経路を図1の処理部を拡大した断面図と図4の脱穀機に装着した二番処理装置の裏面図で説明すると、円筒状の筒体L1を受継口2の上端から筒体径が変化する起点Zの間に形成し、下部ケ−ス1の裏面に開口する前記受継口2を受継ケース37に嵌着させ、交叉する二番コンベヤ軸50の移送終端側と連通するように支持してあり、二番コンベヤ36から前記受継ケース37内に送り込まれた二番物を終端に設けた跳出羽根48で跳ね上げ、コンベヤ5aがこれを受継ぎ横送り搬送から揚上搬送に変換し、連設する円錐通路10を介して上部ケ−ス3に内設した小径コンベヤ6によって、上端部に開口する送出口38から揺動選別体26の始端側に向け、二番物を放出するようにした二番処理装置である。
【0013】
このような大径にしたコンベヤの搬送端面に連なる処理部の構造は、コンベヤ5aを巻回するドラム46を下部ケース1の全長に渡って揚穀軸47に装着し、該下部ケース1の裏面側に接合する受継口2の上端よりも更に重合長さX分だけ筒体L1内に延設させ、処理部Aに植設した処理歯17の供給側15に前記コンベヤ5aが搬送する下手側の端面を臨ませた受継ぎ構造にしたものである。
【0014】
処理部の排出側における受継ぎ構造は、上部ケース3内に設けた小径コンベヤ6に連設するコンベヤ5bの外径を搬送する上手側に向けて順次拡大させ、下部ケース1内に侵入した重合長さY分の外径をコンベヤ5aと同径の円錐形状にし
、処理部Aに植設した処理歯17の排出側16に上手側端面を臨ませ、前記処理部Aの作用長さL2を最適に設定したものである。又、前記コンベヤ5bの内径側も円錐筒43と同じ傾斜角のテーパー状にして、上下の搬送路8a、8bを円錐通路10で連通させた揚穀経路にしたものである。
【0015】
図5は、処理部の展開図であって、ドラム46の外周360度を四等分した表面に上向きのリード角を有する処理歯17を複数植設させ、処理部Aを形成するとともに下部ケース1の筒体L1を受継口2の上端から円錐筒47の起点Zに至る間とし、その内側に前記処理部Aの作用長さL2を配置させたことにより、前記筒体L1の上下、即ち供給側15と排出側16に各々重合するコンベヤ5aの下手側端面と、コンベヤ5bの上手側端面が重合長さX、Y分入り込む処理部Aの構造になり、矢印ハ方向に回転させたものである。
【0016】
上記したような筒体L1に対して作用長さL2をその内側に設置したことによって、コンベヤ5a、5bの端面が深く入り込んだ受継ぎ構造になった特性は、処理部Aの上下に連設するコンベヤの隙間が下部ケース1の全周で一定に保持され、外周から漏洩する二番物が減少して受継ぎ性能を向上させ、該処理部Aの供給側15と排出側16に発生する詰まりや、異状な搬送圧力の高まりが解消され、湿材等の作物でも連続した搬送を可能にしたものである。
【0017】
大径から小径コンベヤに接続する搬送幅の構成を図4の裏面図で説明すると、下部ケース1と上部ケース3を接続する円錐筒43を設け、内側に形成した通路幅Hが略同等になる円錐形状のコンベヤ5bを巻回させ、揚穀筒13の上下を接続する搬送路8a、8bの急激な変化を防止し、処理部Aの供給側15と排出側16の二番物を該搬送路8内で停滞させないようにし、継設する小径コンベヤ6内においても連続した揚穀が行える円錐通路10で接続したので、前記処理部Aを通過する二番物の移動速度を安定し、枝梗付着粒を除去する処理歯17の衝撃が均等に作用するようになり、損傷し易い作物や湿材等に対して適応性が向上したものである。
【0018】
このような二番処理装置の駆動構造を図1の処理部を拡大した断面図と、図3に示す脱穀機の正面図で説明すると、下部ケ−ス1と受継ケース37が所定の部位に取り付けられた状態で、二番コンベヤ軸50から直交する揚穀軸47に動力を伝達するハウジング51を該受継ケース37の中央付近に形設し、その内部に前記二番コンベヤ軸50の軸端が延設されボールベアリング52で支持し、一対のベベルギヤ53を噛合させて90度変位する前記揚穀軸47に矢印ハ方向の回転を伝達する駆動構造にしたものである。又、二番コンベヤ36の終端に跳出羽根48が溶着され、受継口2を介してコンベヤ5aの下方に二番物を跳ね上げるように構成してある。
【0019】
上記のように構成された二番還元装置の作用と効果は、大径にしたコンベヤ5aと処理歯17の先端径を略同等にして、二番物を処理部Aに供給したり排出させる搬送力を高め、しかも、コンベヤ5a、5bの外周隙間が一定になる筒体L1内で二番物を受継がせたので、二番物の流出が阻止されて連続した搬送が行え
、詰まりや損傷粒の発生が減少した二番処理装置になった。又、前記処理歯17の上下を挟むように前記コンベヤ5a、5bが単体のドラム46に固着され、揚穀経路に併設した該処理部Aを単純な胴体構造にすることができた。
【0020】
このようなコンベヤ5aから二番物が処理部Aに植設した処理歯17に到達すると、該処理歯17群の扱き作用を受けて未処理物が単粒化され、上向きのリード角によって二番物が上昇を続け、排出側16に連接したコンベヤ5bが処理後の二番物を筒体L1内で受継ぎ、搬送路8bに内設した小径コンベヤ6で更に揚上させ、送出口38から選別部Bに向け放出するものである。又、前記処理部Aを小径コンベヤ6よりも大径にしたことで、前記処理歯17の周速度を高く設定できるために扱き作用が効果的に行え、しかも、前記上向きのリード角で枝梗付着粒から離脱した穀粒とともに、他の二番物を揚上搬送する処理部Aの流通性を保持したものである。
【0021】
図2に示す脱穀機の側面図と図3の正面図で排藁フレームを支持した別途実施例の構造を説明すると、扱室20の出口枠体57から排藁室の上板58を接続する連結パイプ60であって、排藁チェン61で斜め搬送される株元側を通過させる湾曲形状にするとともに、機体の後端に装着したカッター34上まで延設させ
、前記連結パイプ60の上方に排藁カバー62を装着した排藁フレームの支持構造を示す実施例である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】処理部を拡大した断面図である。
【図2】二番処理を装着した脱穀機の側面図である。
【図3】要部を断面した脱穀機の正面図である。
【図4】脱穀機に装着した二番処理装置の裏面図である。
【図5】処理部の展開図である。
【符号の説明】
【0023】
A・・処理部 L1・・筒体 L2・・処理部の作用長
X・・下重合長さ Y・・上重合長さ
1・・下部ケース 2・・受継口 3・・上部ケース
5a・・コンベヤ(大径)5b・・コンベヤ(円錐状)6・・小径コンベヤ
8・・搬送路 10・・円錐通路 13・・揚穀筒
15・・供給側 16・・排出側 17・・処理歯
43・・円錐筒 46・・ドラム 47・・揚穀軸
矢印ハ・・処理歯の回転方向
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成16年1月20日(2004.1.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−204520(P2005−204520A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−11965(P2004−11965)