| 【発明の名称】 |
脱穀装置及び脱穀装置の受網 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐村木 仁 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
【氏名】宮本 彰 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
【氏名】織田 正明 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】選別部の始端部においても選別処理を十分に行うべく、脱穀処理後の穀粒や藁屑等の漏下を受網の前部で促進させることを課題とする。
【解決手段】脱穀部20の扱室21に、外周面に扱歯22aを備えた扱胴22を前後方向に横架し、該扱胴22の下方周囲に受網23を配置したコンバインの脱穀装置において、受網23の前部分及び後部分の抜孔73の大きさを、受網23の前後中央部分の抜孔74の大きさよりも大きく構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀部の扱室内に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置した脱穀装置において、受網の前部分及び後部分の抜孔の大きさを、受網の前後中央部分の抜孔の大きさよりも大きく構成したことを特徴とする脱穀装置の受網。 【請求項2】 前記扱胴の前部下方に位置する受網の前部分には、仕切板を配置しないことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置の受網。 【請求項3】 前記受網を、左右複数に分割したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置の受網。 【請求項4】 前記抜孔が大きい受網の前部分を前流穀板の上方に配置し、抜孔が小さい受網の前後中央部分を前流穀板後部からその後部に配設される篩分装置の上方に配置し、抜孔が大きい受網の後部分を扱室後部の送塵口側方に配置したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。 【請求項5】 前記受網上に複数の仕切板を扱胴回転方向と平行に配置し、該受網のフィードチェーン側端に手前網押えを配置して固定し、該手前網押え上に扱胴回転方向と平行に複数の抵抗部材を設け、該抵抗部材を前記仕切板の延長上に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の脱穀装置。 【請求項6】 前記仕切板の高さを、手前網押えの抵抗部材の高さよりも高く構成したことを特徴とする請求項5に記載の脱穀装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバインにおける脱穀装置及び脱穀装置の受網の構成に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、コンバインには、引起し・刈取装置の後部に脱穀部と選別部とからなる脱穀装置を配置し、刈り取った穀稈をフィードチェーンにより挟持して脱穀装置の脱穀部へ搬送し、該脱穀部において脱粒し、その下方の選別部により穀粒を選別するようにしている。該脱穀部は、扱胴とその下方に配置する受網よりなり、扱胴はその外周に多数の扱歯を植設し、前後略水平方向に設けた軸を中心に回動可能に設けている。該扱胴の下方には正面視略半円状に構成した受網を配置し、該受網は扱胴の下方周囲を覆うように配設されている。こうして、扱胴を回転させて、穀稈を脱穀部に搬送すると、扱歯により穀粒が脱粒されて、受網から穀粒や藁屑等が漏下する。漏下した穀粒や藁屑等は脱穀部の下方に配設した選別部の揺動選別装置上に落下し、精粒や藁屑等に選別されて、精粒はグレンタンクに貯留され、藁屑等は機外に排出される。 そして、上記受網は、穀粒を漏下できる網目(孔)に構成されているが、その網目(孔)の大きさは、後部に設けられた孔が他の部分(前部)に設けられた孔の大きさより大きく構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】特開2003−259719号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、特許文献1に示される脱穀装置の受網においては、受網後部に設けられる孔に比べて受網前部の孔の大きさが小さく構成されていたので、穀稈が多量に搬送されて脱穀装置による処理量が多くなると、受網前部で漏下する量が限られて、目詰まりが発生し易く、穀粒や藁屑等の処理物が漏下しにくくなっていた。このような状態となると、二番物が多くなり、二番物を還元しても全て処理できず、悪循環となってしまい、選別精度が悪化して穀粒を排出してしまうことにもなってしまうのである。 そこで本発明は、選別部の始端部においても選別処理を十分に行うべく、脱穀処理後の穀粒や藁屑等の漏下を受網の前部で促進させることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0006】 即ち、請求項1においては、脱穀部の扱室内に、外周面に扱歯を備えた扱胴を前後方向に横架し、該扱胴の下方周囲に受網を配置した脱穀装置において、受網の前部分及び後部分の抜孔の大きさを、受網の前後中央部分の抜孔の大きさよりも大きく構成したものである。 【0007】 請求項2においては、前記扱胴の前部下方に位置する受網の前部分には、仕切板を配置しないものである。 【0008】 請求項3においては、前記受網を、左右複数に分割したものである。 【0009】 請求項4においては、前記抜孔が大きい受網の前部分を前流穀板の上方に配置し、抜孔が小さい受網の前後中央部分を前流穀板後部からその後部に配設される篩分装置の上方に配置し、抜孔が大きい受網の後部分を扱室後部の送塵口側方に配置したものである。 【0010】 請求項5においては、前記受網上に複数の仕切板を扱胴回転方向と平行に配置し、該受網のフィードチェーン側端に手前網押えを配置して固定し、該手前網押え上に扱胴回転方向と平行に複数の抵抗部材を設け、該抵抗部材を前記仕切板の延長上に配置したものである。 【0011】 請求項6においては、前記仕切板の高さを、手前網押えの抵抗部材の高さよりも高く構成したものである。 【発明の効果】 【0012】 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。 【0013】 請求項1においては、扱胴の前部下方において、受網の抜孔が大きく構成されていることから、扱胴による処理物が揺動選別を行う揺動選別装置の始端部に漏下し易くなる。よって、穀稈が多量に搬送されて扱胴による穀粒や藁屑等の処理物が多くなっても、目詰まりが発生し難くなり、受網前部で処理物の漏下を促進させることができる。さらに、扱胴の前後中央部下方に、受網の開口面積の小さい抜孔が設けられているため、該抜孔からは処理物が比較的漏下し難くなる。よって、受網の開口面積の小さい抜孔から漏下する処理物の量が比較的少なくなるので、揺動選別装置の始端部において処理物が集中して詰まり等が発生することを防止して、選別処理を十分に行うことが可能となる。 【0014】 請求項2においては、受網の前部分(入口側)に仕切板を配置すると、大量の穀稈が搬送されてきたときに、該仕切板の存在が却って穀稈の搬送及び脱粒作用に障害となることから、仕切板を受網の前部分に配置しないことで引起し・刈取部から搬送される穀稈を停滞させずに扱室内にスムースに搬送して扱歯により脱粒を行い、脱穀部の入口付近での詰りの発生を防止することができる。そして、後部に配置する仕切板により扱き残しがないようにする。 【0015】 請求項3においては、円弧部分で分割されるので、受網はフィードチェーンや脱穀カバー等に当たることなく着脱でき、機体への着脱作業が容易なものとなり、製造し易く保管場所も省スペースにできる。 【0016】 請求項4においては、穀稈が多量に搬送されて扱胴による穀粒や藁屑等の処理物が多くなっても、受網前部分で目詰まりすることがないので、処理物の揺動選別装置の前流穀板への漏下が促進される。一方、受網の前後中央部分では処理物が比較的漏下し難くなるので、前流穀板後部と篩分装置に漏下する処理物の量が比較的少なくなる。したがって、受網の前部分と前後中央部分とから漏下した処理物が前流穀板を経て篩分装置から落下するときに、処理物が集中して選別部で詰まり等が発生することを防止できるので、選別部の始端部において選別処理を十分に行うことができる。 【0017】 請求項5においては、穀稈をフィードチェーンにより脱穀装置内を後方へ搬送する時に、受網の仕切板と手前網押え上の抵抗部材とによって穀稈を上方へ浮き上がらせ、この時扱歯が回転してくると、穀稈と扱歯の当たる長さが長くなり、扱く効率も高くできる。即ち、穀稈を扱歯に確実に当接させることが可能となるので、扱歯の扱ぎ作用を高め、扱ぎ残しを低減することができる。また、仕切板と抵抗部材により穀稈が反転されながら後方へ搬送されることになるので、脱粒の効率を向上させることができる。そして、抵抗部材が仕切板と連続するように該仕切板の延長上に配置されているので、該抵抗部材と仕切板とが略同時に搬送される穀稈に作用することになる。そのため、搬送される穀稈の姿勢が崩れにくくなり、効率よく脱粒を行うことができる。 【0018】 請求項6においては、扱胴の扱歯と仕切板とのラップ代を扱歯と抵抗部材とのラップ代に比べて大きくできるので、穀稈の穂先側が位置する受網上での脱粒の効率を向上させることができ、稈の太い株元側が抵抗部材の抵抗で、千切れたり、曲げられたりすることがない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 次に、発明の実施の形態を説明する。 図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体左側面図、図2は同じく全体平面図、図3は脱穀部および選別部の左側面模式図、図4は扱室を示す正面図、図5は扱室下部を示す正面図、図6は受網を示す展開図、図7は受網の側面図、図8は手前網押えの後部斜視図である。 【0020】 まず、本発明に係るコンバインの全体構成について、図1、図2を用いて説明する。 クローラ式走行装置1上には機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前端に引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3は前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース5を立設して該引起しケース5より突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて穀稈の株元を刈り取るようにしている。 【0021】 刈り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置8にて後部へ搬送され、株元側が該縦搬送装置8の上端からフィードチェーン9に受け継がれ、脱穀部20内に穀稈が搬送される。そして、該フィードチェーン9後端から斜め後方に排藁搬送チェーン10が配設され、該排藁搬送チェーン10後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベア等からなる排藁処理部11が配置されて、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出し、或いは、切断せずに放出するようにしている。 【0022】 また、前記脱穀部20の側部には選別後の精粒を貯留するグレンタンク13が配設され、該グレンタンク13前部に運転室14が配設されている。一方、グレンタンク13後部には排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、該縦オーガ15aを中心にして排出オーガ15及びグレンタンク13を回動可能とし、グレンタンク13を側方へ回動することにより本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。 【0023】 そして、該グレンタンク13の底部には排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16の後部を縦オーガ15aの下部と連通するとともに、該排出コンベア16後部から前記排出オーガ15に動力が伝達されて、排出オーガ15先端よりトラック等へグレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。さらに、脱穀部20の下方には、選別部30が配設され、脱穀部20から落下する穀粒や藁屑等を選別し、精粒を前記グレンタンク13に搬送したり、藁屑等を機外に排出したりするようにしている。 【0024】 次に、脱穀装置の脱穀部20について図3を用いて説明する。 脱穀部20に形成された扱室21には、機体の前後方向に軸架された略円柱形状の扱胴22が設けられ、該扱胴22の外周面には扱歯22a・22a・・・が植設されている。そして、該扱胴22の下部周辺を覆うように半円形状の受網23が着脱可能に周設されている。一方、フィードチェーン9により、穀桿の株元側が拘束されつつ、穀桿の先端側が扱胴22の下方に挿入されて穀稈が機体後方に搬送される。このとき、扱胴22の回転により脱粒が行われ、受網23から穀粒や藁屑等が漏下するようにしている。 【0025】 前記扱胴22の後部の側方(グレンタンク13側、本実施例では機体進行方向右側)から後方には、処理室25が形成され、該処理室25内には略円柱形状に構成した送塵口処理胴26が扱胴22と平行となるように、扱胴22の後部の側方で前後方向に横架・軸支されている。また、扱胴22を覆って扱室21を形成する扱胴ケースの後部(右)側面、及び、送塵口処理胴26を覆って処理室25を形成する処理胴ケースの前部(左)側面には送塵口27が開口され、扱室21と処理室25が連通されている。そして、該送塵口処理胴26の下部周辺を覆うように半円形状の処理胴網28が周設されている。こうして、扱胴22で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物は、送塵口27より処理室25内に搬送されて処理され、前記処理胴網28に設けられた孔(網目)を通過して処理物のみが漏下するようにしている。 【0026】 前記処理胴網28の下方には、送塵搬送コンベア29が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア29はスクリュー式のコンベアであり、該送塵搬送コンベア29によって、処理胴網28に設けられた孔(網目)を通過して漏下してきた処理物は、機体前方(すなわち、送塵口処理胴26の搬送方向とは逆の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア29前端に設けられた排塵口29aより選別部30に再投入される。 【0027】 続いて、脱穀装置の選別部30について、図3を用いて説明する。 選別部30においては、揺動選別装置31による揺動選別と唐箕32による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑等に分別される。 【0028】 揺動選別装置31は機枠33内に収納される。揺動選別装置31の前端部は扱胴22の前端部の下方まで延出され、揺動選別装置31の後端部は送塵口処理胴26後端部の下方まで延出されるように揺動選別装置31の前後長さが定められている。そして、揺動選別装置31前下部には図示せぬ揺動軸が設けられるとともに、後部には揺動駆動機構34が設けられ、揺動駆動機構34によって揺動選別装置31が機枠33に対して揺動するように構成されている。 【0029】 揺動選別装置31の前部には前流穀板35が設けられるとともに、該前流穀板35の後下方に後流穀板36が設けられる。該前後の流穀板35・36は板状の部材を波形に成形したものであり、受網23を通過した処理物(穀粒および藁屑等との混合物)は前後の流穀板35・36上に落下し、揺動選別装置31の揺動により機体後方に搬送される。そして、前記前流穀板35の後方に篩分装置50が設けられるとともに、後流穀板36後部に第二選別部である網状のグレンシーブ37が連設され、該グレンシーブ37と前記後流穀板36の上方、かつ篩分装置の後方には、第一選別部であるチャフシーブ38が被装されている。チャフシーブ38の後方には、ストローラック39が配設される。 【0030】 前記チャフシーブ38は揺動選別装置31に投入される処理物の量に応じてその開度を調節することが可能であり、穀粒および細かい藁屑はチャフシーブ38を通過して下方に落下し、チャフシーブ38の開口よりも大きい藁屑等は後方に搬送される。このとき、チャフシーブ38とグレンシーブ37との間には唐箕32により選別部30の前方から後方へ選別風が発生しており、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて穀粒と分離される。 【0031】 また、前記揺動選別装置31の前流穀板35後部下方かつ後流穀板36前部下方に唐箕32が配置され、チャフシーブ38やグレンシーブ37に選別風を送風するようにしている。さらに、一番コンベア41と二番コンベア42との間にも副圧送ファンであるセカンドファン43が設けられて選別風を送風し、唐箕32による選別風の風力が弱まる選別部30後部においても風選別による選別性能が低下しないようにしている。 【0032】 そして、揺動選別装置31の後端部近傍には吸引ファン40が全幅に横設され、前記唐箕32、セカンドファン43から供給される選別風の流れに乗ってきた塵埃や脱穀時に発生する塵埃等を、該吸引ファン40により吸引して機外へと排出するようにしている。 【0033】 また、前記揺動選別装置31下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア41と二番コンベア42とが横設される。一番コンベア41と二番コンベア42との位置関係は、一番コンベア41が唐箕32に近い側(機枠33の前部)、二番コンベア42が唐箕32から遠い側(機枠33の後部)となる。 【0034】 一番コンベア41の右端部にはその長手方向(搬送方向)が略上下方向となるように設けられた揚穀コンベア44が連結され、該揚穀コンベア44の上端はグレンタンク13内と連通している。 【0035】 このような構成において、選別部30内に投入され、揺動選別装置31の前流穀板35上に漏下された穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、チャフシーブ38上に漏下される過程で唐箕32により発生する選別部30の前方から後方への気流により、細かい藁屑の一部が後方へ吹き飛ばされる。チャフシーブ38上に漏下した穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑等の混合物は、揺動選別装置31の揺動により、後方に搬送される、このとき、穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等はチャフシーブ38の開口部より下方に落下し、大きい藁屑はチャフシーブ38後方まで搬送され、ストローラック39を経て機外に排出される。 【0036】 チャフシーブ38の開口部から落下した穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等は後流穀板36およびグレンシーブ37上に漏下する。このときにも唐箕32からの選別風により、細かい藁屑の一部は後方に吹き飛ばされて分離される。 【0037】 グレンシーブ37上に漏下された穀粒、未熟穀粒、枝梗付着粒および細かい藁屑等のうち、穀粒、未熟穀粒、細かい藁屑等はグレンシーブ37を漏下して下方に落下する。このとき、重量が大きい穀粒(一番)は一番回収部46(流穀板45の後方に設けられた選別部30底面の窪みであり、一番コンベア41が収容されている)に回収され、一番コンベア41から揚穀コンベア44を経て、グレンタンク13に搬送される。 【0038】 一方、重量が小さい未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切り粒や穀粒等が混じった未処理粒は、唐箕32からの選別風により後方に吹き飛ばされ、二番回収部47(一番回収部46の後方に設けられた選別部30底面の窪みであり、二番コンベア42が収容されている)に回収され、二番コンベア42から二番還元コンベア48を経て、枝梗処理胴49に搬送され、該枝梗処理胴49により枝梗が除去された後、前流穀板35上(またはチャフシーブ38上)に再投入される。 【0039】 次に、脱穀部20の受網23の構成について、図4から図7を用いて説明する。 受網23は、グレンタンク13側(進行方向右側)を奥網60、フィードチェーン9側(進行方向右側)を手前網61として穀稈が搬送される穂先側と株元側で二分割化されており、送塵口27始端の前後方向のライン100において、奥網60と手前網61とが連結部65にて連結されて構成されている。 【0040】 前記連結部65において、奥網60及び手前網61の周囲に形成される各網枠60a・61aのうち、いずれか一方の網枠60a(または61a)の当接部側から複数のピン62a・62a・・・が機体前後方向に略等間隔を隔てた位置において接線方向に突設され、他方の網枠61a(または60a)の当接部側に各ピン62aが突設される位置に対応するように挿入孔が形成されている。こうして、手前網61を奥網60側に押し込み、ピン62aを挿入孔に嵌合することで、奥網60と手前網61とが連結されて受網23が構成されている。なお、前記ピン62aを設ける位置や数は限定されるものではなく、また、この連結構成も限定されるものでなく、凹凸を嵌合させる構造等であってもよい。 【0041】 また、前記奥網60の網枠60aのグレンタンク13側にも、複数のピン62b・62b・・・が機体前後方向の位置を前記ピン62aと略同じとして接線方向に突設され、これらピン62bを機体側に備えられる固定部材となるステー66に嵌合することで奥網60が機体に固定されている。一方、前記手前網61の網枠61aのフィードチェーン9側には、機体本体側に固設されたブラケット71が固定されて、手前網61が機体に固定されている。こうして、受網23が扱胴22下方において機体に固定されている。 【0042】 また、前記受網23は機体側方から着脱できるように構成されている。つまり、機体側方に対して開閉可能に構成されたフィードチェーン9を支持するフィードチェーンフレーム81を開放し、機体側方より機体側に設けられているフレーム67に設けたレールに沿って円弧状に引き出したり挿入したりして着脱可能としている。そして、受網23は上述のように扱胴22の軸芯方向と平行に複数(本実施例では二つ)に円弧部分で分割して構成されているので、受網23をフィードチェーン9や脱穀カバー等に当たることなく着脱でき、機体への着脱作業が容易なものとなる。また、受網23を製造し易くなり、その保管場所も省スペースにできる。 【0043】 図5に示すように、前記受網23は前記奥網60と手前網61とにより平面視略L字状に形成され、前記手前網61が奥網60に比べて前後方向に長くやや後方に突出した構成とされている。該奥網60と手前網61は網枠60a・61a上に薄い金属製の板体63・64が固設され、該板体63・64に方形状の抜孔73・74・・・が穿設されて、網目状に構成されている。こうして、これらの抜孔73・74を通じて、扱歯22a・22a・・・により受網23上に扱ぎ落された処理物を漏下するようにしている。なお、本実施例においては、抜孔294aの形状を方形状としたが、丸や多角形等にしてもよい。また、板体63・64で抜孔73・74を構成する代わりに、線材を編み上げた網で構成することも可能である。 【0044】 前記抜孔73の大きさ(一つの孔の開口面積)は抜孔74の大きさ(一つの孔の開口面積)に比べて大きく構成されており、前から所定区間ごとに開口面積の大きい抜孔73を配置した部分、小さい抜孔74を配置した部分、大きい抜孔73を配置した部分と順に抜孔73・74が受網23に設けられている。つまり、受網23の前後幅L1を有する扱胴22の前部下方に位置する部分と前後幅L2を有する扱胴22の後部下方に位置する部分に、開口面積(網目)が大きい抜孔73が設けられる。一方、受網23の他の部分となる前後幅L3を有する扱胴の前後中央部下方に位置する部分に、開口面積(網目)が小さい抜孔74が設けられている。 【0045】 そして、前記受網23は、図7に示すように、開口面積が大きい抜孔73を配置した前後幅L1の部分は、前流穀板35の上方に位置し、開口面積が小さい抜孔74を配置した前後幅L2の部分は、前流穀板35後部から篩分装置50の後部までの上方に位置し、または、前流穀板35の後部より後流穀板36の上方に位置し、開口面積が大きい抜孔73を配置した前後幅L3の部分は、篩分装置50の後部からチャフシーブ38またはグレンシーブ37の前後中途部上方に位置させている。つまり、前後幅L3の部分は、扱室21の送塵口27の側方に位置するように構成されている。これにより、受網23の開口面積の大きい抜孔73が前流穀板35の上方と送塵口27の近傍に配置され、開口面積の小さい孔74が前流穀板35後部と篩分装置50の上方に配置されることになる。 【0046】 このように構成することにより、扱胴22の前部下方に位置する受網23の前部分においては、受網23の抜孔73が大きく構成されていることから、扱胴22による処理物が揺動選別装置31の始端部となる前流穀板35上に漏下し易くなる。よって、穀稈が多量に搬送されて扱胴22による処理量が多くなっても目詰まりが生じ難くなり、受網23前部での処理物の漏下を促進させることができ、前流穀板35にて効率よく選別を行うことが可能となる。 【0047】 そして、扱胴22の前後中央部下方に位置する受網23の前後中央部分においては、受網23の開口面積の小さい抜孔74が設けられているため、抜孔74からは処理物が比較的漏下し難くなる。そのため、大まかな脱粒の後に扱胴21の回転による穀稈の揉みほぐしが十分に行われ、前流穀板35から篩分装置50、チャフシーブ38、後流穀板36を介して多量の穀粒が風選されて精粒のみが一番コンベア41に落下されるのである。一方、受網23の開口面積の小さい抜孔74を漏下した処理物の量は比較的少ないため篩分装置50から落下するときに処理物が集中して詰まり等が発生することを防止できる。したがって、受網23前部での目詰まりを防止して、揺動選別装置の始端部において選別処理を十分に行うことが可能となる。そして、開口面積が大きい抜孔73を配置した受網23の後部分からは、扱胴21で十分脱粒されて穀粒等は、漏下し易くなり、精粒はチャフシーブ38、グレンシーブ37を通過して一番コンベア41に落下し、未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切り粒や穀粒等が混じった未処理粒は、揺動により後方へ送られると同時に、唐箕32からの選別風により後方に吹き飛ばされ、二番回収部47に送られる。 【0048】 また、以上のように抜孔73・74が設けられた受網23の奥網60と手前網61の上面には、金属製の板材等で形成される所定高さの仕切板76・77が、扱胴22の回転方向に複数配置されている。つまり、仕切板76・77は、機体進行方向に対して左右方向に配置され、扱胴22の扱歯22aと平行に、これら扱歯22aが回転するときにその間に位置するように設けられている。奥網60においては、仕切板76が機体前後方向に略等間隔を隔てた位置において平行に突設され、奥網60と手前網61との当接部からグレンタンク13側端部まで延出されている。 【0049】 一方、手前網61においては、仕切板77が前部分を除いた前後中央部分及び後部分に適宜間隔を隔てた位置において突設され、手前網61と奥網60との当接部からフィードチェーン9側端部まで延出されている。つまり、該仕切板77は受網23の前後幅L3の部分と前後幅L2の部分に配置され、特にL字形状の受網23の突出部23aであり、開口面積の大きい抜孔73が設けられた前後幅L2の部分では隣り合う仕切板77・77間の間隔が前後幅L3の間に比べて狭く等間隔となるように配置されて、脱穀性能の向上が図られている。なお、該突出部23aはフィードチェーン9による穀稈搬送路9aの後半部であり、扱胴21の後部下方に位置する。そして、手前網61の前部分となる前後幅L1の部分に仕切板77を設けると、大量の穀稈が搬送されてきたときに、該仕切板77の存在が却って穀稈の搬送及び脱粒作用に障害となることから、仕切板77を手前網61の前部分には配置しないようにしている。 【0050】 これにより、前記仕切板76・77がそれぞれ複数突設された奥網60と手前網61において、手前網61の前部分には仕切板77が配置されていないので、引起し・刈取部3から搬送される穀稈を脱穀部20の入口付近で停滞させずに扱室21内スムースに搬送して扱歯により脱粒を行い、脱穀の入口付近での詰りの発生を防止することができる。そして、フィードチェーン9によって搬送される穀稈は、受網23の後部に配置される前記仕切板76・77によって上方へ浮き上がらされると同時に、扱歯22a・22a・・・により下方へ押え付けられる。そのため、穀稈に扱歯22a・22a・・・を確実に当接させることができ、扱歯22a・22a・・・の扱ぎ作用を高め、扱ぎ残しを低減することが可能となる。 【0051】 また、図5、図8に示すように、前記受網23の外側方、つまり、フィードチェーン9側には、手前網押え80が配設されている。手前網押え80は、受網23と略同じ曲率半径に形成され、受網23を形成する手前網61の延長上に配置されている。また、該手前網押え80は、フィードチェーン9を開閉可能に支持するフィードチェーンフレーム81に固設されて一体的に設けられ、フィードチェーンフレーム190とともに開閉される構造となっている。このような構成において、手前網押え80はフィードチェーン9が巻回されたフィードチェーンフレーム81を機体側にロックするとともに、手前網61のフィードチェーン9側の側端が反り返らないように押え付けるのである。 【0052】 さらに、該手前網押え81の内側の側面(扱胴22外周面と対向する面)には、上述の奥網60や手前網61に設けられる仕切板77に沿うように同方向(延長上)または平行に棒材や板材等からなる複数の抵抗部材82・82・・・が突設されている。抵抗部材82・82・・・は前記突出部23aとなる受網23の前後幅L2の部分に対応する位置に適宜間隔を隔てて配置され、各抵抗部材82が仕切板77に連続して位置するように該仕切板77の延長上に配置されている。なお、本実施例では受網23の前後幅L2の部分にのみ抵抗部材82を配置しているが、受網23の前後幅L3の部分或いは前後幅L1の部分に抵抗部材を配置することもできる。 【0053】 また、前記抵抗部材82は、その高さH1が仕切板77の高さH2よりも低くなるように構成されている。つまり、仕切板77の高さH2を抵抗部材82の高さH1よりも高くなるように構成することで、前記扱胴23の扱歯23aと仕切板77とのラップ代を扱歯23aと抵抗部材82のラップ代よりも大きくしている。 【0054】 このように構成することにより、穀稈をフィードチェーン9により脱穀装置内を後方へ搬送する時に、仕切板76・77と同様に、該抵抗部材82によって穀稈を上方へ浮き上がらせ、この時扱歯22aが回転してくると、穀稈と扱歯の当たる長さが長くなり、扱く効率も高くできる。即ち、穀稈を扱歯に確実に当接させることが可能となるので、扱歯22aの扱ぎ作用を高め、扱ぎ残しを低減することができる。また、仕切板76・77と抵抗部材82により穀稈が反転されながら後方へ搬送されることになるので、脱粒の効率を向上させることができる。 【0055】 そして、穀稈の穂先側では、扱歯23aと仕切板77とのラップ代がより大きくなっているので、受網23上での脱粒の効率を向上させることができ、稈の太い株元側が抵抗部材の抵抗で、千切れたり、曲げられたりすることがない。また、抵抗部材82・82・・・が穀稈のフィードチェーン9による搬送時に抵抗となって、穀稈が脱穀時に振動させられることにより、穀稈の株元側では刺さり粒を落とし、選別部30へ落とすことができる。 【0056】 さらに、抵抗部材82が仕切板77と連続して位置するように該仕切板77の延長上に配置されているので、該抵抗部材82と仕切板77とが略同時にフィードチェーン9により搬送される穀稈に作用することになる。そのため、搬送される穀稈の姿勢が崩れにくくなり、効率よく脱粒を行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0057】 【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体左側面図。 【図2】同じく全体平面図。 【図3】脱穀部および選別部の左側面模式図。 【図4】扱室を示す正面図。 【図5】扱室下部を示す正面図。 【図6】受網を示す展開図。 【図7】受網の側面図。 【図8】手前網押えの後部斜視図。 【符号の説明】 【0058】 20 脱穀部 21 扱室 22 扱胴 22a 扱歯 23 受網 27 送塵口 35 前流穀板 38 チャフシーブ 50 篩分装置 73 抜孔 74 抜孔
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマー株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社 【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
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| 【出願日】 |
平成15年9月24日(2003.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2005−95057(P2005−95057A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−332490(P2003−332490) |
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