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【発明の名称】 コンバインのオーガ作動装置
【発明者】 【氏名】水倉 泰治
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内

【氏名】中川 渉
【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内

【氏名】藤本 俊徳
【住所又は居所】岡山市江波428番地 セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】排出オーガを旋回させて先端の投出口をトラック荷台またはコンテナの上面に移動させて穀粒をオーガ筒から排出している最中に、オーガリターン操作を行った場合でも穀粒を外部にこぼさない。

【解決手段】排出オーガ17を昇降動作させる昇降部材30と、オーガ17を旋回動作させる旋回部材27を設けるコンバインにおいて、排出オーガ17が作動状態で排出オーガ17の移動クラッチが入操作されたとき、排出オーガ17のクラッチの「切」を開始させると共に排出オーガ17の先端部を低速で上昇開始させ、所定時間経過後、排出オーガ17のクラッチの「切」が終了と共に排出オーガ17の先端部を高速で上昇開始させ、その後、排出オーガ17の回転停止後、回動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出オーガを昇降動作させる昇降部材と、オーガを旋回動作させる旋回部材を設けたコンバインにおいて、排出オーガが作動状態でオーガ筒の移動クラッチが入操作されたとき、排出オーガのクラッチの「切」を開始させると共に排出オーガの先端側を低速で上昇開始させ、排出オーガのクラッチの「切」が終了と共に排出オーガの先端側を高速で上昇開始させ、その後、排出オーガの回転停止後、オーガ筒を回動させることを特徴とするコンバインのオーガ作動装置。
【請求項2】
排出オーガのクラッチの「切」終了を、排出オーガのクラッチの「切」開始から、所定時間経過後とすることを特徴とする請求項1記載のコンバインのオーガ作動装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀した穀粒をグレンタンクに収集すると共に、グレンタンクから穀粒を取出す排出オーガを備えるコンバインのオーガ作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインにおいて、オーガを旋回させて先端の投出口をトラック荷台またはコンテナの上面に移動させて穀粒をオーガから排出している最中に、オーガ筒の移動(回動)操作を行った場合に、排出オーガクラッチが自動的に「切り」となるように構成していた。
しかしながら、このような従来装置においては、オーガ筒を自動収納で上昇中にオーガクラッチが切れるようになっているが,穀粒の排出はすぐに止まらないために、穀粒が外部にこぼれる不具合が発生する。
【特許文献1】特公平6−42807
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は上記不具合を解消することにあり、即ち、コンバインにおいて、排出オーガを旋回させて先端の投出口をトラック荷台またはコンテナの上面に移動させて穀粒をオーガ筒から排出している最中に、オーガリターン操作を行った場合でも、穀粒が外部にこぼれることがないコンバインのオーガ作動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明のコンバインの排出オーガ作動装置は、排出オーガを昇降動作させる昇降部材と、オーガを旋回動作させる旋回部材を設けたコンバインにおいて、排出オーガが作動状態でオーガ筒の移動クラッチが入操作されたとき、排出オーガのクラッチの「切」を開始させると共に排出オーガの先端側を低速で上昇開始させ、排出オーガのクラッチの「切」が終了と共に排出オーガの先端側を高速で上昇開始させ、その後、排出オーガの回転停止後、オーガ筒を回動させることを特徴とする。
そして、本発明のコンバインの排出オーガ作動装置は、上記手段において、排出オーガのクラッチの「切」終了を、排出オーガのクラッチの「切」開始から、所定時間経過後とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のコンバインのオーガ作動装置は、上記手段を採用したことにより、穀粒をオーガから排出している最中に回動(オーガリターン)操作を行った場合でも、穀粒が外部にこぼれることがないという利点がある。
また、スイッチ操作によってオーガが低速で上昇を開始することにより、オペレータは収納動作が開始されたことを認識でき、また、低速で上昇するため穀粒の飛散を低減できる。更に、排出作業中は排出部にも作業者が居る可能性が高いが、オーガは動き始めに低速で動作することにより安全性が一層向上する。
更に、排出オーガのクラッチの「切」終了を排出オーガのクラッチの「切」開始から所定時間経過後とすることで、簡単・確実な構成で上記効果が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
(構成)
図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中、符号1は走行クローラ2を装設するトラックフレーム、符号3はトラックフレーム1に架設する機台、符号4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀部、符号8は刈刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、符号11は刈取フレーム12を介して刈取部8を昇降させる刈取昇降シリンダ、符号13は排藁チェン14終端を臨ませる排藁処理部、符号15は脱穀部4からの穀粒を揚穀筒を介して搬入するグレンタンク、符号17はグレンタンク15内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、符号18は操向ハンドル19及び運転席20を備える運転キャビン、符号21は運転キャビン18の下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0007】
(オーガ)
さらに、図3、図4に示す如く、前記グレンタンク15の後側に縦オーガ22を立設させ、縦オーガ22上端に受継ケース23を介して前記排出オーガ17の基端部を連結させると共に、グレンタンク15上面のオーガレスト24(図1)に排出オーガ17の中間部を上載支持させ、本機上面の対角線方向に略水平に排出オーガ17を収納させるもので、トラック荷台などのコンテナ26の穀粒排出位置またはオーガレスト24の位置に縦オーガ22を支点に排出オーガ17先端側を旋回移動させる電動旋回モータ27と、電磁ソレノイド型旋回ブレーキ28と、ポテンショメータ型旋回センサ29を設けると共に、受継ケース23を支点に排出オーガ17の先端側を昇降させる油圧オーガ昇降シリンダ30と、ポテンショメータ型の昇降センサ31を設け、前記昇降シリンダ30の制御によって排出オーガ17の先端側を昇降させると共に、前記旋回モータ27の制御によって排出オーガ15の先端側を左右に旋回させるように構成している。
【0008】
(投出筒34)
さらに、前記排出オーガ17を円筒形排出オーガ筒32に内挿させ、排出オーガ筒32の先端にエルボ形アルミダイキャストパイプ製の軸受体33を連結させ、軸受体33の一端側の入口に排出オーガ17の送り終端部を内挿させ、軸受体33の他端側の出口にスロワ筒形の投出筒34を設け、排出オーガ17によって搬出するグレンタンク15の穀粒を投出筒34の先端の合成樹脂筒形の投出口から排出させると共に、軸受体33を支点にして排出オーガ17の右側で投出筒34を360度正逆転自在に取付け、穀粒排出姿勢の投出筒34から下手投げで穀粒を排出させると共に、穀粒排出姿勢の投出筒34の投出口を上向きに支持する方向に回転させて収納位置に戻すもので、軸受体33に電動投出口モータ35を固定させ、出力ギヤ36とリングギヤ37を介して投出口モータ35によって投出筒34を収納位置乃至穀粒排出姿勢に回転させる。
【0009】
(オーガ操作ケース38)
さらに、図5に示す如く、オーガ操作ケース38上面に取手39を設け、本機側に電気接続させる伸縮自在なカールコード40をケース38に設け、キャビン18などに着脱自在に前記ケース38を固定させると共に、前記排出オーガ17の先端側を手動で昇降及び旋回させる上昇及び下降スイッチ41・42と左右旋回スイッチ43・44と、排出オーガ17を穀粒位置及び本機収納位置に自動的に移動させるオートセット用の右セットスイッチ45と後セットスイッチ46と及びオートリターン用の収納スイッチ47と、排出オーガ17にエンジン21の動力を伝えるオーガクラッチを入切するクラッチスイッチ48と、排出オーガ17の投出筒34を首振り動作させる投出口モータ35を制御して投出方向を変更する伸長及び縮少スイッチ49・50を、前記ケース38の前面に配設する。
【0010】
(オーガコントローラ51)
さらに、図6に示す如く、前記各センサ29・31と、旋回モータ27と、旋回ブレーキ28と、昇降シリンダ30と、各スイッチ41〜50を、オーガコントローラ51に接続させると共に、オーガクラッチスイッチ48の操作などにより排出オーガ17の駆動力を入切するオーガクラッチモータ52と、排出オーガ17を駆動して穀粒を排出している状態を点灯表示する排出ランプ53を、オーガコントローラ51に接続させる。そして、前記昇降シリンダ30及び旋回モータ27を作動させて排出オーガ17を昇降及び旋回させる。
【0011】
また、オーガクラッチスイッチ48の操作によってオーガクラッチモータ52を正逆転させて排出オーガ17を駆動または停止させる。また、収納スイッチ47の操作によって昇降シリンダ30及び旋回モータ27及び投出口モータ35を作動させて排出オーガ17及び投出筒34を収納位置に自動的に復動させるもので、排出オーガ17がオーガレスト24上方の本機収納位置に戻ったときに投出筒34が自動的に収納される。また、伸長及び縮少スイッチ49・50の操作によって投出筒34を収納位置乃至穀粒排出姿勢に時計回り(正転)または反時計回り(逆転)の両方で移動させると共に、排出オーガ17の旋回動作を阻止する旋回ブレーキ28を旋回操作以外のときに入維持し、また旋回操作をしていないときであっても、本機車速が一定以上のときに旋回ブレーキ28を切維持するように構成している。
【0012】
(オーガの収納制御)
次に、オーガの収納制御について、図7を用いて説明する。
上記構成に加えて、上記オーガクラッチスイッチ48がON状態(オーガクラッチが入り状態)で、収納スイッチ47が操作された場合には、排出オーガ17先端側を昇降させる油圧オーガ昇降シリンダ30により、排出オーガ17先端側の上昇を低速で開始させると共に同時にオーガクラッチ60を「切り」側に駆動開始させる。このオーガクラッチ60の「切り」駆動により、直に排出オーガ17は停止されず、所定時間(秒)経過後、排出オーガ17の回転が停止するよう構成されている。
【0013】
(・オーガクラッチ60)
上記オーガクラッチ60は、例えば、図8に示される如く、機台3上に設けられたグレンタンク15の下部の横送りオーガ(図示なし)の近傍部に設けられる。上記グレンタンク15の下部には上記横送りオーガに直結する入力プーリ61が配置され、該入力プーリ61と所定距離離して、エンジン21の駆動力を伝える駆動プーリ62が配置され、該駆動プーリ62はベルト63を介して入力プーリ61に連結されている。そして、上記ベルト63にはテンションローラ64が上記ベルト63に離接するように配置され、テンションローラ64は、ねじ機構66及び2点リンク67,68からなるリンク機構を介してクラッチモータ65に連結されている。
【0014】
上記ねじ機構66は、クラッチモータ65によって回転されるねじ棒66bと該ねじ棒66bの雄ねじ部に螺合するナット66aとからなり、該ナット66aには、上記一方のリンク67の一端が回動自在に連結され、該リンク67の他端は他方のリンク68に所定角度で固定され、且つ、該固定点は機台3側に軸支されている。また、他方のリンク68の他端には入力プーリ61が軸支されている。
【0015】
上記構成により、前記クラッチモータ65の制御によるナット66aの移動により、入力プーリ61を回転又は停止し、オーガを駆動または停止させる時差制御が実現する。そして、オーガの駆動により、グレンタンク15内の穀粒を搬出する。なお、このオーガクラッチ60或いは入力プーリ61の伝断機構は電子的構成により行ってもよい。
【0016】
そして、オーガクラッチが完全に「切り」状態になった時点で、オーガ先端側の上昇速度を高速に切り替わるように構成している。なお、オーガクラッチの「切り」状態の確認は、リミットスイッチもしくは「切り」駆動開始からの時間で行うように構成することが望ましい。そして、その後は従来と同様の収納動作を行う。なお、上記「所定時間(秒)経過後」に換えて、オーガ筒内の穀粒の残存状況を感知させて、この感知センサーの値により行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】同平面図。
【図3】排出オーガの昇降旋回部の説明図。
【図4】排出オーガ先端部の側面図。
【図5】オーガ操作ケースの斜視図。
【図6】穀粒排出制御回路図。
【図7】オーガの制御図。
【図8】排出オーガのクラッチ図。
【符号の説明】
【0018】
1・・トラックフレーム 2・・走行クローラ 3・・機台 4・・脱穀部
5・・フィードチェン 6・・扱胴 7・・処理胴 8・・刈取部
9・・刈刃 10・・穀稈搬送機構 11・・刈取昇降シリンダ
12・・刈取フレーム 13・・排藁処理部 14・・排藁チェン
15・・グレンタンク 17・・排出オーガ 18・・運転キャビン
19・・操向ハンドル 20・・運転席 21・・エンジン
22・・縦オーガ 23・・受継ケース 24・・オーガレスト
26・・コンテナ 27・・電動旋回モータ(旋回部材)
28・・旋回ブレーキ 29・・旋回センサ
【0019】
30・・油圧オーガ昇降シリンダ(昇降部材) 31・・昇降センサ
32・・排出オーガ筒 33・・軸受体 34・・投出筒
35・・電動投出口モータ 36・・出力ギヤ 37・・リングギヤ
38・・オーガ操作ケース 39・・取手 40・・カールコード
41・・上昇スイッチ 42・・下降スイッチ 43・・左旋回スイッチ
44・・右旋回スイッチ 45・・右セットスイッチ
46・・後セットスイッチ 47・・収納スイッチ
48・・クラッチスイッチ 49・・伸長スイッチ 50・・縮少スイッチ
51・・オーガコントローラ 52・・オーガクラッチモータ
53・・排出ランプ
【0020】
60・・オーガクラッチ 61・・入力プーリ 62・・駆動プーリ
63・・ベルト 64・・テンションローラ 65・・クラッチモータ
66・・ねじ機構 66a・・ナット 66b・・ねじ棒
67,68・・2点リンク
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【代理人】 【識別番号】100105382
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 正昭

【公開番号】 特開2005−65648(P2005−65648A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−303567(P2003−303567)