| 【発明の名称】 |
脱穀装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】里路 久幸 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】脱穀装置内、二番処理物を含めて被処理物からの穀粒の選別性能を従来より高くした脱穀装置を提供すること。
【解決手段】脱穀装置15の扱室66と二番処理室67の下方に被処理物から穀粒を選別するための揺動選別棚51を設ける。選別棚51には上下二段からなる移送棚55、56を設け、下段側の移送棚56は扱室前部から漏下する被処理物を受けて、上段側の移送棚55は扱室後部から漏下する被処理物を受けて下手側へ搬送する構成とし、二番物は上段側の移送棚55に還元する。下段移送棚56は、扱胴69の回転軸方向の扱室66の略1/3の長さ位置にある前方側の扱室66から被処理物が漏下する構成とする。下段移送棚56は扱室前部から漏下する夾雑物のない穀粒を受けて下手側に搬送する構成であるので、下段移送棚56上に回収した穀粒に藁くずの多い二番物が混入することを防止でき、穀粒を選別する性能が従来の脱穀装置に比べて向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀稈から穀粒を分離するための扱胴69を軸架した扱室66と該扱室66に隣接して脱穀後の穀粒の中の二番物を処理する二番処理胴70を軸架した二番処理室67を設け、扱室66と二番処理室67の下方に被処理物から穀粒を選別するための揺動選別棚51を有する選別室50を設けた脱穀装置において、 前記選別室50の揺動選別棚51には上下二段からなる移送棚55、56を設け、下段側の移送棚56は扱室前部から漏下する被処理物を受けて下手側に搬送する構成とし、上段側の移送棚55は扱室後部から漏下する被処理物を受けて下手側へ搬送する構成としたことを特徴とする脱穀装置。 【請求項2】 二番物は二番処理室67で処理した後、上段側の移送棚55に漏下させる構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。 【請求項3】 下段側の移送棚56へは、扱胴69の回転軸方向の扱室66の長さの略1/3の長さ位置にある前方側の扱室66から被処理物が漏下する構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の脱穀装置。 【請求項4】 上段側の移送棚55の始端受部55cを所定長さ突出させ、その一部を二番処理胴70からの被処理物を受け止める折曲片55dとして立設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の脱穀装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀装置に関する。 【背景技術】 【0002】 コンバインは動力源としてエンジンを搭載し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジンの動力を走行トランスミッションにより変速して駆動する。走行トランスミッションは、静油圧式無段変速装置、歯車列機械的変速手段、差動歯車装置、クラッチ手段、ブレーキ手段などにより構成され、直進走行させるときは、左右一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋回させるときは、左右のクローラに速度差を与えて駆動し、高速側のクローラを外側に、低速側、停止側または後退側のクローラを内側とする旋回が可能な構成としている。 【0003】 刈取装置で刈り取った穀稈は脱穀装置に送られ、脱穀された後、グレンタンクに一時的に貯留される。グレンタンクに貯留されている穀粒はオーガからトラックなどに排出される。 【0004】 従来の脱穀装置の側断面図を図9に示す。刈取装置で刈り取った穀稈は刈取装置に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置115の主脱穀部である扱室166に挿入され、穀稈は扱室166に軸架された扱胴169の表面に多数設けられた扱歯169aと扱網174との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網174を通過して、選別室150の揺動棚151で受け止められる。 【0005】 揺動棚151は図9に示す例では上下2段で構成し、上下の移送棚155a、155bとそれぞれの後方に配置されたシーブ153a、153bからなる、被処理物から穀粒を選別するための揺動自在の棚である。 【0006】 このように図9に示す例は、扱室166内で脱穀され、網174から漏下する脱穀物は、前半部分と後半部分とに分割されて、揺動棚151の上段と下段の移送棚155a、155bへ漏下供給されて揺動選別されることにより、被処理物は2分割されたこととなって、層が薄くなると同時に、均等になり、それぞれの棚上での被処理物の量を少なくすることで、被処理物からの穀粒選別性能を高めるというものである。 【特許文献1】特開平6−169633号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 前述のように、従来の脱穀装置115内では、揺動棚151の上段と下段の移送棚155a、155bへ漏下供給されて揺動選別されることにより、被処理物は2分されるだけであり、それぞれの被処理物の中には二番処理物も含まれているので被処理物からの穀粒選別性能には改善の余地があった。 【0008】 そこで、本発明の課題は脱穀装置内、二番処理物を含めて被処理物からの穀粒の選別性能を従来の脱穀装置より高くした脱穀装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 請求項1記載の発明は、穀稈から穀粒を分離するための扱胴69を軸架した扱室66と該扱室66に隣接して脱穀後の穀粒の中の二番物を処理する二番処理胴70を軸架した二番処理室67を設け、扱室66と二番処理室67の下方に被処理物から穀粒を選別するための揺動選別棚51を有する選別室50を設けた脱穀装置において、前記選別室50の揺動選別棚51には上下二段からなる移送棚55、56を設け、下段側の移送棚56は扱室前部から漏下する被処理物を受けて下手側に搬送する構成とし、上段側の移送棚55は扱室後部から漏下する被処理物を受けて下手側へ搬送する構成とした脱穀装置である。 【0010】 請求項2記載の発明は、二番物は二番処理室67で処理した後、上段側の移送棚55に漏下させる構成を備えた請求項1記載の脱穀装置である。 【0011】 請求項3記載の発明は、下段側の移送棚56へは、扱胴69の回転軸方向の扱室66の長さの略1/3の長さ位置にある前方側の扱室66から被処理物が漏下する構成とした請求項1又は2記載の脱穀装置である。 【0012】 請求項4記載の発明は、上段側の移送棚55の始端受部55cを所定長さ突出させ、その一部を二番処理胴70からの被処理物を受け止める折曲片55dとして立設した請求項1ないし3のいずれかに記載の脱穀装置である。 【発明の効果】 【0013】 請求項1記載の発明によれば、下段側の移送棚56は扱室前部から漏下する被処理物を受けて下手側に搬送する構成であるので、下段側の移送棚56上に回収した穀粒に藁くずの多い二番物が混入することを防止できて、被処理物の中から穀粒を選別する性能が従来の脱穀装置に比べて向上する。 【0014】 請求項2記載の発明によれば、二番物の処理性能が向上し、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらに被処理物の中から穀粒を選別する性能が従来の脱穀装置に比べて向上する。 【0015】 請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、下段側の移送棚56には藁くずの少ない穀粒を回収できる利点がある。 【0016】 請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、上段側の移送棚55に漏下した二番物が、下段側の移送棚56に飛散するのを防止でき、良好な選別性能が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本発明の実施の形態を図面と共に説明する。 図1は本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2はコンバインの正面立面図を示し、図3はコンバインの平面図を、図4はコンバインの脱穀装置の一部切り欠き側面断面図を示す。 【0018】 図1ないし図3に示すコンバイン1の走行フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部には図示しないエンジンならびに脱穀装置15、操縦席20およびグレンタンク30を搭載する。 【0019】 刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置8を、その後方底部には刈刃(図示せず)を配置している。刈刃と脱穀装置15のフィードチェン14の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。 【0020】 コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して変速用、操向用などの操作レバーをコンバイン1が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ(図示せず)を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム2を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置8の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。 【0021】 穀稈は供給搬送装置からフィードチェン14の始端部に受け継がれ、脱穀装置15に供給される。脱穀装置15は、上側に扱胴69を軸架した扱室66を配置し、扱室66の下側に選別部50を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。 【0022】 脱穀装置15に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室66に挿入され、扱室66に軸架され回転する扱胴69の多数の扱歯69aと、フィードチェン14による移送と、扱網74との相互作用により脱穀され、被処理物(穀粒や藁くず)は脱穀装置15内の選別部の揺動棚51で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚51上を移動しながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ53および選別網63を通過し、一番螺旋65から、搬送螺旋(図示せず)を内蔵している一番揚穀筒16(図1参照)を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。図1、図2に示すように一番揚穀筒16の長手方向の軸芯上にタンク本体31aの籾排出口311aと補助タンク31bの籾排出口311bを設けている。 【0023】 脱穀装置15の扱室66の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、図示しない排藁チェーンおよび排藁穂先チェーンに挟持されて搬送され、脱穀装置15の後部の藁用カッターに投入されて切断され、圃場に放出される。 【0024】 グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋(図示せず)を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸(図示せず)に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガを連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口からコンバイン1の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋(図示せず)および横オーガ螺旋(図示せず)は、エンジンの動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれのラセン羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。 【0025】 図4はコンバインの脱穀装置15の一部切り欠き側面断面図であり、図5は図4のB−B線矢視の脱穀装置15の平面断面図であり、図6は図4のC−C線矢視の脱穀装置15の立面断面図である。 【0026】 刈取装置6で刈り取った穀稈は刈取装置6に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置15の主脱穀部である扱室66内に挿入される。扱室66に軸架された扱胴69は、その表面に多数の扱歯69aが設けられており、図示しない駆動機構により、エンジンからの動力により、図5ないし図6の矢印B方向に回転する。扱室66に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン14により図5の矢印A方向に移送されながら、矢印B方向に回転する扱胴69の扱歯69aと扱網74との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網74を矢印C1方向(図6)に通過して、揺動棚51で受け止められる。 【0027】 揺動棚51は扱室66の扱網74の下方に配置した移送棚とその後方に配置した上方のシーブ53とその下方の選別網63と最後端部に配置したストローラック62から構成されているが、本実施例の特徴は複数個の三角形状の選別板55a、56aをそれぞれ備えた移送棚55、56を上下2段で構成していることである。上段の移送棚55はシーブ53の前方に配置され、下段の移送棚56は選別網63の前方に配置されている。また、上段の移送棚55の上方には扱室66から漏下する被処理物を回収する回収口が開口するように下段の移送棚56が上段の移送棚55より脱穀装置15の前方側により長くなるように配置する。そして下段の移送棚56で扱室66の扱網74を通り抜けて漏下する被処理物を回収する回収口幅を扱網74の全長のほぼ前方の1/3の幅とする。 【0028】 このように上段の移送棚55より下段の移送棚56を前方に長くなるような構成に配置することは、扱網74からの漏粒物は扱網74の全長の前方の約1/3の所までで全穀粒の50%が漏下することが、図7に示す実験データから判ったことに基づいている。また、上段移送棚55は後述する二番処理室67の下方に配置して二番処理物を受け止め得る構成になっている。 【0029】 扱網74の前方の約1/3の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒であり夾雑物も含んでいないのでシーブ53上で粗選別する必要が無く、直接選別網63で後述する唐箕79からの送風により風選することができ、シーブ53の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。また、下段移送棚56と上段移送棚55上に漏下物の50%づつがそれぞれ回収されることになり、移送棚55、56上で穀粒がそれぞれ均分化され選別性能が向上する。 【0030】 また、揺動棚51は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図4)に移動しながら、下段移送棚56上に漏下した比重の重い穀粒は選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番螺旋65から一番揚穀筒16を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30に貯留された穀粒は、オーガ18、19を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。 【0031】 揺動棚51の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79のファン79aによる送風に吹き飛ばされて上段移送棚55からシーブ53に向けて矢印D方向に移動し、ストローラック62の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に漏下して二番棚板85に集められ、二番螺旋86で二番揚穀筒87へ搬送される(図4)。 【0032】 二番穀粒(二番物ということがある)は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒87の中を二番揚穀筒ラセン(図示せず)により矢印H方向(図4参照)に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室67の上方へ放出される。二番処理室67の下部に軸架する二番処理胴70は図示しない駆動装置により矢印J方向に回転する。二番穀粒は二番処理胴70に植設してある多数の処理歯70aに衝突しながら矢印I方向(図4、図5)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、被処理物の一部は二番処理胴70の下方に設けられた受網75を通り抜けて選別室50に漏下し、被処理物の大部分は上段移送棚55からシーブ53方向に送られ、穀粒はシーブ53と選別網63を通り、一番螺旋65に集められる。 【0033】 このように二番物を上段移送棚55上に回収してシーブ53による再処理をすることにより、穀粒と藁くずとの分離が良好になる。 【0034】 このとき図8の脱穀装置15の要部斜視図に示すように上段移送棚55の一部の二番処理胴70の出口部下方側を他の部分と比べ前方に突出させた構成にしても良い。これは、二番処理胴70を扱室66の前方まで延長して処理構成を長くし能力向上をはかった場合に、その下方にある上段移送棚55の部分に他の部分より前側に突出した始端受部55cとその受部55cの左端部を上方に折り曲げた折曲片55dを形成しておくと、二番処理胴70で処理された二番処理物が下段移送棚56に漏下することなく、上段移送棚55上に回収され、シーブ53で粗選別されるので被処理物の選別性が良くなる。 【0035】 また、上段移送棚55はシーブ53側の端部を回動支点として図4の矢印Y方向に回動自在とし、下段移送棚56に上段移送棚55の前端部を当接させて上段移送棚55にだけ扱網74からの漏下物を回収する状態と、下段移送棚56の穀粒回収口を開く方向に上段移送棚55を回動制御して上下段の移送棚55、56の両方に回収する状態とに切り換えられる。 【0036】 これにより、穀粒流量が少ない場合は全量を上段移送棚55に回収し、シーブ53を通過させ、シーブ53で選別することにより選別回数がシーブ選別一回分増加し、選別が良くできる。一方、穀粒流量が多い場合は上下段の移送棚55、56の両方で選別して能力向上を図ることができる。 【0037】 また、上段移送棚55の前端部の回動をコンバインの車速に関連付けて車速が速くなるほど下段移送棚56での穀粒回収量を増大させ、シーブ53の処理量が増加するのを抑えることもできる。 【0038】 車速が速くなると上下移送棚55、56上に漏下する穀粒量が増大し、藁くずの発生も増加する。このとき、上段移送棚55上からシーブ53上に移送された被処理物中の穀粒と藁くずとの混在量が増大し、シーブ53での選別ロス量が増大することになる。これを防止するために、穀粒流量増大時にはシーブ53上の被処理物の増加を抑えて、選別性を向上させるために上段移送棚55の前方端部を上げて下段移送棚56の回収口を大きく開き、下段移送棚56への被処理物の漏下量を増やす。 【0039】 上段移送棚55の上下動駆動モータ57の駆動制御は図示しない車速センサの車速検出値と上段移送棚55の回転制御用のポテンショメータ58の回動角度の検出値に基づき行う。 【0040】 さらには、上段移送棚55上の被処理物の流量を流量センサ59で検出して、被処理物の流量に応じて上段移送棚55の処理量を変更できるように、上段移送棚55の駆動制御モータ57の駆動制御を行うこともできる。 【0041】 例えば、下段移送棚56上での被処理物量が設定値以上になると、上段移送棚55へ被処理物が多く分配されるように下段移送棚56の回収口を小さくなるように上段移送棚55の前方端部を下げ、下段移送棚56上での処理負荷が設定値を超えないようにすることで被処理物の選別性の安定を図ることができる。 【0042】 上段移送棚55上を通過する穀粒はシーブ53から漏下するため、下段移送棚56に回収された穀粒より被処理物選別工程が1回多いので比較的選別性は良好である。従って、下段移送棚56上での処理負荷が設定値を超えると、下段移送棚56へ漏下する被処理物量を減らすように上段移送棚55の前方端部を下げる。 【0043】 上段移送棚55の前方端部の上下動で下段移送棚56の穀粒回収口の面積を変更する制御に連動させてシーブ53の各シーブ板の傾斜角度(目合)を変更させても良い。 【0044】 これは、下段移送棚56の穀粒回収口の面積を小さくして上段移送棚55に多く被処理物を供給するときに、シーブ53での処理量も増大させるようにすると二番物の処理能力が良くなるためである。 【0045】 また、下段移送棚56の穀粒回収口の面積の変更制御を刈取装置6の上下動、コンバインのコーナ旋回中、刈取装置6に設けられた穀稈センサー(図示せず)の穀稈検出により、行っても良い。 【0046】 収穫物の刈取り終了後は、脱穀装置15内の被処理物量が減っているので、刈取り終了を刈取装置6の上方移動で検出すると、下段移送棚56の穀粒回収口の面積を小さくすることで、シーブ53での処理量を増やす。 【0047】 また、コンバインが圃場のコーナ旋回中などの場合には、下段移送棚56の穀粒回収口の面積を塞ぐ方向に上段移送棚55を回動させ、被処理物の全量を上段移送棚55上に送り込む。 【0048】 さらに、穀稈センサがオフの場合は穀稈の刈取りが行われていないので、この穀稈センサのオフに連動して下段移送棚56の穀粒回収口の面積を塞ぐ方向に上段移送棚55を回動させ、被処理物の全量を上段移送棚55上に送り込む。また、穀稈センサがオンの場合には穀稈の刈取りが行われているので、穀稈センサのオンに連動して下段移送棚56の穀粒回収口を開く方向に上段移送棚55を回動制御して、被処理物を下段移送棚56上にも送り込む。 【0049】 扱室66を図5の矢印A方向に進行し、扱室66の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、図5に示す矢印A1方向に搬送され、排藁処理室95に投入される。 【0050】 また、扱室66の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物の中で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口68aから矢印A2(図5)方向に投入されて排塵処理室68に入り、排塵処理室68では回転する排塵処理胴71の螺旋71aにより矢印K方向(図4、図5)に搬送されながら処理される。 【0051】 排塵処理室68に入った少量の穀粒を含む藁くずを主体とする被処理物の中の漏下物(穀粒)は受け網76(図4)から揺動棚51上に漏下し、揺動棚51に設けられたストローラック62に誘導されて二番棚板85から二番揚穀筒87を経由して二番処理室67に送られる。 【0052】 揺動棚51に取り付けたストローラック62は揺動棚51の後部にその回動基部が取り付けられ、ストローラック62の前方を自由端とする構成で二番唐箕ファン109の選別風をストローラック62の先端に当て、籾と藁くずの風力選別能力を従来より高めることができる。 【0053】 なお、同軸上にある二番処理胴70と排塵処理胴71の駆動は図示しないがエンジンから駆動力をプーリを介して行われる。 【0054】 図4および図5に示すように、脱穀装置15の後部に横断流ファン91を設け、排塵処理室68を含む脱穀装置15内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を横断流ファン91の回転による送風で吸引し、横断流ファン出口から矢印L方向へ吹き出して、コンバイン1の外部へ放出する。 【0055】 排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印M(図4)のように落ちた排塵のうち二番穀粒、三番穀粒など小径で比重の重いものは、揺動棚51の終端部のストローラック62あるいはシーブ53を矢印G方向へ通過して二番棚板85に漏下し、再び二番処理室67において処理される。 【0056】 また、排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち、やや長めの藁くずはストローラック62で受けとめられ、揺動棚51の揺動運動と、唐箕79の送風力により矢印Fのように揺動棚51の終端部から排出され圃場に放出される。 【産業上の利用可能性】 【0057】 本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0058】 【図1】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図である。 【図2】図1のコンバインの正面立面図である。 【図3】図1のコンバインの平面図である。 【図4】図1のコンバインの脱穀装置の側面断面図である。 【図5】図4のB−B線矢視のコンバインの脱穀装置の平面断面を示す図である。 【図6】図4のC−C線矢視のコンバインの脱穀装置の立面断面を示す図である。 【図7】図4の脱穀装置の扱網からの漏粒物の漏下割合を示す実験データの図である。 【図8】図4の脱穀装置の移送棚の変形例を示す図である。 【図9】従来技術のコンバインの脱穀装置の側面断面図である。 【符号の説明】 【0059】 1 コンバイン 2 走行フレーム 3 走行装置 4 クローラ 6 刈取装置 7 分草具 8 穀稈引き起こし装置 14 フィードチェン 15 脱穀装置 16 一番揚穀筒 18 縦オーガ 19 横オーガ 20 操縦席 30 グレンタンク 31a タンク本体 31b 補助タンク 50 選別部 51 揺動棚 53 シーブ 55 上段移送棚 55a 選別板 55c 始端受部 55d 折曲片 56 下段移送棚 56a 選別板 57 上段移送棚駆動制御モータ 58 ポテンショメータ 59 被処理物流量センサ 62 ストローラック 63 選別網 64 一番棚板 65 一番螺旋 66 扱室 67 二番処理室 68 排塵処理室 68a 排塵処理室入口 69 扱胴 69a 扱歯 70 二番処理胴 70a 処理歯 71 排塵処理胴 71a 螺旋 74 扱網 75 二番処理胴受網 76 受け網 79 唐箕 79a 唐箕ファン 85 二番棚板 86 二番螺旋 87 二番揚穀筒 91 横断流ファン 95 排藁処理室 109 二番唐箕ファン 311a、311b 籾排出口
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2005−46081(P2005−46081A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月24日(2005.2.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−282340(P2003−282340) |
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